2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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北原成憲氏(以下、北原):会場の方からも、これまでの話をもとに質問をお受けしたいと思っています。最初のアイスブレイクから盛り上がったところだと思うので、手をあげやすいのではないかと思うのですが、なにかご質問をされたい方はいらっしゃいますか?
質問者1:大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました。僕も今回、Makuakeさんとはいろいろとお仕事をさせていただいているのですが、それ以外にもいろいろなプロジェクトを持っていて、ヒット商品というと、興味がある人たちに届くというところはあると思いますが、興味のない人たちにも届いていかないとスケールしていかないというところも、もう一方ではあると思っています。
興味のある人たちへの届け方というのは、なんとなく想像ができるんですが、もともと興味を持っていなかったいる人たちに、興味を持ってもらえたと思った瞬間はありますか? または、そのような方々にも興味を持ってもらえるように取り組まれた事例があれば、教えていただきたいです。
鳴海禎造氏(以下、鳴海):先ほどの延長ですが、僕はもともと興味がなかった上で、こうしたかたちであれば自分でも興味が持てるという、興味のない人代表として作っています。実際に蓋を開けてみたら、ほぼ新しいマーケットの人たちでした。いわゆるうちのバイクはライダーと言われる人はほとんど買っていない。一般の人ばかりです。その分、難しさもありました。まったく乗り方がわからないということ。
そうした苦労はあるものの、やっぱり自分が好きじゃなかったから良かったという部分はあります。すごく紙一重なんですが、好きな部分と好きじゃない部分というか、一般の目線と言うものを両方ずっと持ち続ける必要がある。僕はいつもどうしているかというと、自分が欲しいものは徹底的に追求していって、自分が消費者として買うんですよ。
ひたすら買いまくるんですが、買っているうちに気に入らないところをいっぱい見つける。そこを改善したプロダクトを誰かが作ってくれないかと見るんですが、出てこなければ、では自分で作りたいという発想ですかね。答えになっているかどうかわかりませんが。
北原:次は小野さんどうぞ。
小野直紀氏(以下、小野):そうですね。今、Pechat(ペチャット)が15万台ぐらいなので、まだまだなんですが売れていて。もともとペチャットは特殊で、アプリから操作します。アプリからアップデートすると機能が増えていくんですね。だから使われている様子や、出産祝いに贈られているようなこともわかった。でも、ペチャットは喋れる年齢の子向けのプロダクトなので、出産祝いで渡しても、すぐ使うことができないのでおしゃべりをする機能としてはあまり意味がないと。
そこで、赤ちゃんの泣き声を検知して、泣きやむ音楽を流すという機能をあとで追加した。成長するプロダクトを作ってみたかったので、使われている方の意見も取り込みながら、プロダクトを改善していくということができています。
また、イヤイヤ期に効果があるようなことがあったので、イヤイヤ期向けのセリフを追加したり、「英語学習に使いたい」という声が多かったので、英語版も作ったり。
プロダクトは1つだけれども、ユーザーから求められて機能を増やしていく。そうしたプロダクトのあり方を提示したいということもあって、興味からそういう作り方をしたりはしましたね。
北原:作って出して終わりではなく、一緒に育てていくようなやり方をされているということですね。
小野:はい。
北原:塚原さんどうぞ。
塚原敏夫氏(以下、塚原):本当に規模が大きいと、買えない物を作ってどうするんだというようにもなるでしょうが、買いたくても買えないということも重要です。それと先ほどのご質問のとおり、まったくお酒を飲まない方が、「父親への贈答品やおみやげに」と言って買ってくれる人がいるんですね(笑)。それは手に入りにくいからなんです。そのような広がり方をしているのだろうという実感はありますね。
北原:ありがとうございます。もう少し時間ありますので、他にご質問があればお願いしたいと思います。どうぞ、そちらの方ですね。
質問者2:お話をいただき、まことにありがとうございます。生々しい話が聞きたいんですが。
(会場笑)
マーケティング戦略などが別にありましたらお願いします。
北原:マーケティング戦略としてなにかやれたことがあれば、お話を聞きたいということですよね。どんなマーケティングをされたか、なにか特徴的なマーケティングがあれば。
小野:ペチャットの場合は最初にかたちを作るぞと決める前に、コンセプトモデルを発表して情報発信を行いました。その情報発信をしたときにメディアですごく取り上げていただいたり、欲しいという声をいただいた。それはマーケティングではなくて、どちらかといえば博報堂を説得する材料、社内を説得する材料として使いました。
要するに、新しいものを作るということは、世の中が欲しいということが証明できていないので、その証明を口ではいくらでも言えるのです。こういう人たちが買ってくれるという絵は描けるんですが、後押しとして、社内を説得すると同時に、世の中でその段階で発表をすることで応援をしてもらう。
その次の段階として実際に作るよということを決めて、Makuakeさんも使った。Makuakeさんを使ったのは、博報堂はお金はあるので、べつにMakuakeでお金を集めないと作れないというわけではもちろんなくて、どちらかというとPRの役割が多かったのです。Makuakeさんはクウラウドファンディングが盛り上がり始めた頃でもあったので、それを見たチャネルのバイヤーさんであったり、メディアからのお声掛けがたくさんあって、情報発信が勝手にできて、発売当日も全部売り切れというようになりました。
北原:Makuake自体をいわゆるマーケティングの1つの手法としてご活用いただくというケースもすごく増えていまして。今のように話題にしていくために最初のお披露目をMakuakeでしたり、世にないコンセプトの商品の市場評価の見える化にMakuakeを活用したり。そういったマーケティングでも活用をいただいていたりもするので、それで1つ活用いただいたということですね。ありがとうございます。
鳴海:小野さんの考えに賛成なので、先ほどもおっしゃっていましたが、そもそもヒットプロダクトを創るという発想がないというところがベースにあります。ヒットしそうに見えているもの、それはデータで証明できそうなものであって、大手さんやっている。そういうものであれば、別にMakuakeはしなくてもいいのかもしれません。
自分は欲しいと思っているけれども、それがヒットする裏付けはない、でも作りたいという場合に、おっしゃるように説得材料として、これだけの人が欲しいと言ってくれているという、データになる。
自分の周りの100人に聞くだけではなく、1万人や100万人に聞けば、その中では何百人何千人の人が欲しいと言ってくれるかもしれないという、その分母を拡大して、その中の何パーセントにでも届けばいいという発想がベースにありますから、そのために僕もマーケティングというか、Makuake自体をそのような使い方をしています。
北原:ツールとして使っていただいていると。
鳴海:はい。
北原:ありがとうございます。塚原さんはどうですか。
塚原:博報堂の方を前に大変言いにくいことですが、うちの会社は創業してから宣伝・広告費というものを、1回も使ったことがありません。唯一、Makuakeの手数料が宣伝・広告費になるのかなと思っております。実際にMakuakeをやったときは、道産子が北海道で酒蔵を作りますというプロジェクトだったのですが、沖縄県、鹿児島県からというように、全国からかなりの支援がありました。
応援購入してくれたMakuakeのサポーターから応援コメントが入るんですね。全部ではありませんが。それを見てうれしかったのは、「私は北海道出身なんです。応援しています」というようなコメントが全国から入ってきている。それはMakuakeをやった最大の効果だったと。日本中に散った北海道出身者が応援してくれたんだという気持ちにすごくなりました。
これは先ほどのリピートの話にもつながる話であって、とても大きな吸引力になっていると思っています。Makuakeはマーケティング上とても重要だと思っています。宣伝・広告費は1円も拠出したことはないんですが、買いたくても買えないからこそ、本当にいろいろなところが取材に来てくれます。
たった1回だけ拠出したMakuakeへのフィーが、ものすごく大きい効果があったと思っています。マーケティングの答えになってるかどうかはわかりませんが。
北原:ありがとうございます。ちょうどお時間になりましたので、総括をさせていただきますが、まずヒットプロダクトを作ろうということはしない。まずは、自分が欲しいものに向き合っていくということが3人とも根底にあった。そこを探し続けなければいけない。
そこからヒットプロダクトというものを、Makuakeを使っていただいて、それを証明するマーケティングをやっていただきました。それが成功した暁には市場を盛り上げていくために、いろんな方々がやりやすいようなモデル、業界貢献のようなところまでされていきながら、カテゴリーとして成立させていくというようなお話だったと思っています。この後はネットワーキングの時間もございますので、聞き足りない方はぜひお話をお聞きください。それではお三方とも、本日はありがとうございました。
(会場拍手)
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