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Bespo Inc. CEO 高岳史典 氏(全5記事)

制度の改善を祈っているだけではダメーー保育と看護に向き合う、あるラムチョップ屋オーナーの生き様

FMラジオ番組「大人のミライ」でパーソナリティや、IT企業の顧問・アドバイザーを務める河上純二氏をモデレーターに、スタートアップ・ベンチャー企業のCEOを招き、その人柄や創立秘話などについて話を聞くYouTubeのトークライブチャンネル「『JJの部屋』by COLABO。第16回目は、Bespo Inc. CEOの高岳史典氏がゲストとして登場しました。

すでに人生アディショナルタイム

河上純二氏(以下、河上):高岳さんさ、未来、もうちょっと先の話、10年後ぐらいのありたき姿というかさ。51歳だから61歳か。61歳の高岡さんのありたき姿みたいのを聞いてみたいんだけどさ、どう?

高岳史典氏(以下、高岳):うーん、まぁ、まず死んでるんじゃない?(笑)。

河上:もう終わってるの?

高岳:高い確率で死んでるんじゃない?(笑)。

河上:今までたくさんの社長出てきたけど、終わってるって言った人いないからね。ちょっとどうしようかな。

及川:そうですね。初です。ええ。初だ(笑)。

河上:僕、終わってるかもしれないって言った人はいないんだけど、どうしようかな。

及川:初めて初めて。

高岳:でもね……。

河上:終わらない前提でいこうかな。

及川:そうですね。

河上:うん。

高岳:いや、そうかな。死んでるんじゃないかなと思うんだけど。

河上:もちろんいろんな人がいたよ。「これやってるかどうかわからない」って素直にまじめな話をした人もいるし、「普通に顧客数を増やしたい」って言ってる人たちも社長としていたし。ただ、「死んでる」って言われちゃうともう終わっちゃうから、死んでないでよ。

高岳:でもね、昔「人生50年」って言われて、僕その言葉をずっと子どもの頃から。織田信長が言ったんじゃなくて、織田信長が大好きな詩人が言った言葉で、「人生50年、天下……生きてる50年の間で何をなすべきか?」みたいので、もう50歳になるまで一生懸命がんばるんだと言って。ULTRA CHOP初めて45歳から50歳までがんばって。で、50歳になったら「ビスポ!」始めちゃったという。

及川:これもう(笑)。

高岳:50歳でスタートアップ社長だよ。

及川:そうですね(笑)。

高岳:いやいや、もうね、だから、今、人生のアディショナルタイムなの。

及川:アディショナルタイム(笑)。

河上:休憩時間なの?

もし10年後も生きていたら、保育と看護をテーマに戦う

高岳:違うんだよ。ここはだからロスタイムね。だから、これでもうゴール一発当てたら、もうそれでお終いなんだよ。試合終了なんだよ。だから、もういいんだよというつもりでやってますというのが本当の話であって、これが1で。

もしもまだ61歳で生きていて、この今の仕事をやっていれば別に今の仕事でベストを尽くすでしょ。今の仕事で飲食業界になんらかのインパクトを与えることができたら、僕は保育と介護をやります。

河上:は? 初めて聞いたよ。保育と介護をやるの?

高岳:保育と介護。あれ、あっ、そっか。JJと……時々話すんだけど、どうしてもって言われたら保育と介護やる。

河上:そう。

高岳:はい。

磯村:どうして?

高岳:この国に重要なことだから。この国に今欠けているのは保育と介護。

河上:高齢者と子供の話。

高岳:誰もまじめにやってないでしょ。

河上:やってないよ。

高岳:だから飲食もだけど、誰もまじめにやらないじゃん。

河上:正面から戦っていくねぇ。

高岳:なんか国が制度が良くなることをみんな祈ってるだけだから。

及川:そうですね。

河上:前回も泣いたけど、今日もちょっと泣きそうになってきた。

及川:(笑)。

河上:前回やった時もいい社長がいい話で……。ちょっとさ、飲食店の課題を本当にまじめに、飲んでるときもいっぱいあるんだけど、聞いてるのよね。それを今度……えっ、初めて聞いたんだけど。ちょっと待って待って。まだね、流れが。

(一同笑)

やる人がいないと、制度をつくっても無意味

河上:はじめて聞いたんだけど。社会課題にそこまで正面からまじめに向き合っていく? 人生。

高岳:いや、やるでしょ。だって、別に生きててお金やら何やらの話じゃないんだから、チャレンジとしてはそうでしょ。

河上:大変やん。

高岳:保育と介護なんかね、絶対たぶん今儲からないから。介護というのはひょっとしたら儲かるんじゃねえかみたいに入っていた人が、あまりにも人が大変だからって辞めちゃうわけよ。

河上:あったよね。

高岳:人のコントロールとか大変だよ。看護師さんとか保育士さんとか。大変なことが起こって、ひょっとしたらその中で人が死んだりかするかもしれないあれだから、誰もやらないじゃん。でも、やらなきゃいけないのにやらないじゃん。国があれするとか政府がなにか制度をつくってくれるとか祈るんだけど、でも結局やる人がいないんだから、制度作っても無理だよ。だから、やらないと。誰かが。

河上:そう来るとは思わなかったよ。

高岳:でも、飲食やってるのでさすがに2つはできない。これが終わったらというか、これがうまくなんとなくかたちができたり……。

河上:軌道に乗ったらね。

高岳:軌道に乗ったら、そしたらそれをやる。

河上:……ちょっと純二、生き方を考えさせられたかもしれない。ごめんね、甘くて。

高岳:いやいや、みんなでやろうよ。

高岳氏にみる“侍”の姿

河上:その話してる? ほかで。初めてした? してるの?

高岳:この間ね、LINEの井澤さんと2人で飲んでて。

河上:話した?

高岳:お互い終わったらどしようって、彼はLINEが終わったらどうしようみたいな話をしてて。役に立つことをやりたいなみたいなことで、僕は保育と介護をやるから、だから久しぶりに一緒にやろうよみたいな。

河上:ああ、そうなってるのか。

高岳:JJも一緒にやろうよ。だから、みんなね、今一線級でがんばって、僕らの歳でも一線級でがんばってるというか、まだ現役でがんばってる人間がそこに入っていかないと、今一生懸命がんばってる人の力がないというわけじゃなくて、ないというか、明らかに足りないじゃない?

河上:うん。

高岳:明らかにこの誰かが応援しなきゃいけないのに、結局、誰もいかないじゃん。

河上:いかないんだよ。

高岳:評論家は多いけど。だから、やりにいくんだよ。

河上:いや、こういふうに表向き言ってるけど、裏側は大変なんだよ。それを俺は知ってるから。そこでこういう話をちゃんと話しきってくることが、なんていうのかな、サムライ感あるなと思って。先週も感動、先々週も感動させて、社長って感動させてくるんだな。

(一同笑)

河上氏も思わず感極まる

高岳:なに、涙もろくなってるんじゃない?(笑)。

河上:うん、今日それは初めて言われたし、俺めちゃめちゃびっくりしてる。

高岳:そう? 俺、これオープンに言うのは初めてかもしれない。だって基本的には死ぬという前提だから。でも、生きてたらたぶんそれをやると思う。

河上:よくそんな余裕あるね。あんだけ苦しいのに。めちゃめちゃ大変なんだよ。

高岳:大変大変。もう今すごい大変。

河上:それなのにこうやって言う。だから未来を語ってくるじゃん。もうなんか、これがもともとの社長気質な人間たちなんだと思ってきた。純二ができないことだと思う。

高岳:そんなことない。一緒にやろうよ。

河上:俺もう息苦しかったらキュってなっちゃってもうキュッとなっちゃうから。もうしゃべりゼロだもん。

高岳:いやいや、もう一緒にやろうよ、ぜひね。

河上:それを切って出れるというのは。本当ね、高岳さんの前が青木さんという社長でさ、彼の話もちょっと涙ぐむ話が。その前はクリエイターズマッチの呉社長だったんだけど、彼も昔の貧乏なときの助けてくれた社長の給料袋の話で、めちゃめちゃ泣きそうになって。

高岳:おお、くるね。くるね。

河上:ずっと泣かせてくるから、もうちょっとね。

及川:ちょっと泣きシリーズがね(笑)。

高岳:それ泣かしにいってるんじゃない?(笑)。

及川:もうこの部屋みんな泣かそうみたいな。JJを泣かそうみたいな(笑)。

河上:もうなんかすげえいい話持ってるから、俺。

高岳:でもね、この話でくるとは思わなかった。

河上:そうくるんだ。

高岳:俺もねぇ。

好きなことをやろうと思ったら、社会課題に行き着いた

河上:ずっと社会課題に向き合ってるんだよな。仕事として。俺、絶対そんなのないもん。人間的に。こんな余裕なんてない。俺なんか両親のことでせいいっぱい。それがさ、こうやって語ってこられるとさ、もうなんか。

高岳:でも、それは45歳までは思ってなかった。45歳まで、だってさっきだって楽しい社長業がいいと思ってたんだから。だから、45歳からもう自分な好きなことをやろうと思ったら……好きなことをやろうと思ったら、みんな、なにか社会に対していいことしようと思うんじゃない?

河上:そうか。

高岳:うん。なんでも好きなことしていいって言ったら、わりと人間とか日本人とか、けっこうすてきでやっぱりいいことをするとしようと思うのね。いいことしようとするのをなにをどこに課題を見つけるかというのはそれぞれで。僕はまず飲食だったし。飲食も初めてみてわかったんだけど。でも、保育と介護はやんなきゃダメだろうって。やんなかったらもう俺やるよ、みたいな。

河上:そうだね……純二、コメント失っています。

及川:もう見たことない顔してましたよ、今(笑)。

河上:そうくるかと思ってさ。この大局の流れの中で、そうくるのか。

高岳:もう保育と介護はしながら、普通におねーちゃんと遊んでる港区おじさんなんだけどね。

磯村:(笑)。

河上:そうだね。もう次元が違う言葉がいっぱい重なりすぎて、あなたのことを締めることができなくなってきたよ。どうしよかな。

媒体によって人格が変わる?

高岳:なんかね、これおもしろいんだけど、最近取材受けてるじゃない?

河上:うん。

高岳:そしたら、日経新聞からも取材を受けるし、『GOETHE』からも取材を受けるし、『Forbes』さんも受けるし。

河上:バラバラだね。

高岳:それから『東京カレンダー』からも受けるし、『あまから手帖』も来るし、それからホイチョイからも来ると。全部人格が違う。

及川:確かに違う。まったく違う。ぜんぜん違う(笑)。

高岳:同じ人間なのに、全部書いてるから、「同じ人間と話してるのか?」みたいな。

河上:そうだね。バラバラだね。

高岳:多重人格者みたい(笑)。

及川:「本当に同一人物か?」みたいなね(笑)。

河上:そうだね。まぁちょっと、もう時間も時間だから、あえてもう括らないで締めるという感じだな。この人は。

及川:そうですね。

河上:とにかく……よろしくお願いします。

磯村:(笑)。

高岳:よろしくお願いします。

河上:日本を。

高岳:お互いがんばろうね。

河上:よろしくお願いします。

高岳:はい。よろしくお願いします。

河上:じゃあ、今日は……いい? このままいっちゃう?

高岳:うん。

河上:今日は株式会社Bespo代表の高岳さんに来ていただきました。ありがとうございました。

高岳:はい、ありがとうございました!

磯村:ありがとうございました。

及川:ありがとうございました。

(一同拍手)

高岳:ありがとうございます。楽しかったです。いっぱいお酒飲めて。

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