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第6回「実業家 家入の実態?!起業理由と今に至るまで」(全1記事)

家入一真氏「生まれ変わるならチームラボの猪子君」 不向きだった会社勤めを経ての起業と、買収にいたるプロセス

DMM亀山会長がバーチャルおやじユーチューバーを目指す「かめっちTV」の第6弾。今回のゲストは、連続起業家としてさまざまなサービスを世に生み出している家入一真氏。うまくいかなかった会社勤めの末の起業から、買収にいたるまでの軌跡を赤裸々に語ります。

遅刻しても許してもらえる家入氏のキャラクター

亀山敬司氏(以下、亀山):今回は家ちゃんが飲みに来たということで拍手~! 今日は「飲んだことないから飲みませんか」って感じで来たんだっけ?

家入一真氏(以下、家入):そうです。亀山さんとちゃんと飲んだことがなくて、いつもawabarとかでいっぱいワチャワチャしてるし、やっぱりちょっと怖いし(笑)。

だから1週間前とかまでは「楽しみだなぁ」って思ってるけれど、だんだん当日が近づいてくると「なんか気が重いな」みたいな。

亀山:遅れても、それでも許してもらえるのがすごいよね。(チームラボ代表の)猪子もそうだけどね。

家入:でも、あえて言わせていただきたいんですけど、猪子君もたしかに遅刻をすごくするし、僕も遅刻をするんですけど。違う点として、僕は遅刻した結果ものすごく申し訳ない気持ちになって、このまま本当顔合わせられないなぁって思って、家に帰っちゃうんですよ。 でも、猪子君は「どーもどーも」みたいな感じで来るじゃないですか。

亀山:確かに。猪子は悪びれずに、「あ、遅れちゃいましたどーもー。ちょっとそこで可愛い子がいたもんで」みたいな。

家入:そうなんですよ。あそこまで突き抜けられると、人も「しょうがないか」ってなるじゃないですか。あれいいですよね。僕も生まれ変わるなら猪子君なんですよね。

死にたい、と思ったときに吸うタバコのおいしさ

家入:でも、ほんとうは手がめっちゃ震えてたりとかしてほしいっすけどね(笑)。

「ごめんごめん」とかって、軽く言ってんだけど実はすごい手震えてる。「あ、演じてんだ」っていうのを感じたい。その時にギュって抱きしめてあげたい(笑)。

亀山:相手に「ムチャクチャ悪かったな」と思って、そのまま行方不明になるっていうのが、本当は一番困るんだけどね、こっちからすると。

家入:そうなんですよね。遅れてでも来てくれたほうがまだマシ。

亀山:遅れてでも来たら、まだ打ち合わせできるけど。だって音信不通になるじゃない。

家入:そうで電話も怖くて見れなくなるし、電源切ってバッグの奥に入れて「ほんと死にたい」みたいなところまで思ったときに、……吸うタバコがすごくおいしい。

(一同笑)

より大きな「怒られ」を回避し続けた先の起業

亀山:最近、なんかけっこう真面目に仕事してるよね。

家入:そうなんですよ。真面目なんですよ。

亀山:何が変えたの?

家入:いや、違うんですよ。元に戻っただけなんですよ。僕はほんとうは真面目。もともと一番最初のpaperboy&coって21歳のときに作った会社があって、その会社は福岡なんですけど。何回か就職したんですけど僕、朝起きれなくて全部クビになったんです。

亀山:その辺は筋金入りというか(笑)。

家入:そう変わらない。変わらない良さもある。

でも、当時もけっこう危機感を覚えていて、うち実家が僕が稼がないとヤバいみたいな状況の中で就職をしたんです。だけど、朝は起きれない。それで遅刻して怒られてっていうのを何回か繰り返すと、だんだん生き辛くなってくるじゃないですか。

だから一回、会社行くフリしてそのまま漫喫に行ったんですよ。そしたらもう次の日から絶対に行けないじゃないですか。より大きな「怒られ」が待ってるので。だから2日目も漫喫ですよね。3日目も漫喫になって、気付いたらクビになってるっていうのを何回か繰り返して、これだとみんなを食わせられないっと思って起業したんですよね。……いい話じゃないですか?

亀山:いい話だね(笑)。

社員の人生に責任を持つことの重み

家入:結果的にうまくいきはじめて、自分だけじゃ回らなくなって、社員を雇うようになってっていう感じで大きくなっていったので。もともと「すごいビジョナリーな会社を作りたい」とかがあったわけでは全くなかった。

亀山:おれが初めて家ちゃんの話を聞いたのが、誰かの人生に責任を持つとかそういうのに、ちょっと辛くなってきたみたいな時期だったよね。

家入:そうなんですよ。とくに福岡の子たちなので、結婚も早くてみんな子どもを作って人が多くて。直接雇用してた社員は20人だけど、その先に家族がいるって考えると利害関係者って多くなってくるんだなみたいな。サーバのトラブルがあって会社が潰れかけた時、けっこう責任を感じましたね。

僕は別にゼロから立ち上げた会社だったから、最悪またゼロに戻るだけだけど、この子たちは路頭に迷うなあって。

そんなときにちょうどGMOと、当時のライブドアと、あとネットエイジだったんですけど、急に福岡に買収のオファーがきて。僕も全然ネットの人達知らなかったんですよ。堀江さんとか熊谷さんとかも知らなかったんですよ。

なんか検索して「なんかスゴい人らしいから、とりあえず会って断ろう」と思って、まず熊谷さんとお会いして。なんかもうエレベーターが開いたら、スーツ着た役員陣がみんなぶわーって並んでて。「めっちゃ怖い...」みたいな感じでした。

ヤフー掲示板とかで、いろいろ熊谷さんのことが書いてあって、それを全部そのままイメージでそうすると、すごい怖い人だなと。これはもう僕は帰れないんじゃないかと。でもお会いしたら、熊谷さんはすごい紳士な方でした。

買収の条件提示に心が揺れる

家入:それで、次に堀江さんとお会いしたんですね。それこそ宮内さんと堀江さんと僕で会食だったんですよ。

「家入君、一緒にやろう」「ドメイン無料でばらまこう」「渋谷のスクランブル交差点でドメインをばら撒くんだ」って言って。「ドメインばら撒くってどういうこと?」「何言ってんだろうなあ」って思ったんですけど。

でも、正直心はすごく惹かれてたんですよね。そのあと堀江さんに二次会連れていかれたときに、女子大生がめっちゃ並んだ合コンだったんすよね、すごいぶわーっていて。

堀江さんがトイレ行ってる間に女子大生が、「堀江さんヒルズクラブの会員らしいよ」みたいな。「え? ヒルズクラブ行ってみたい」みたいな話でめっちゃ盛り上がって、「人の目ってほんとに¥マークみたいになるんだな」っていう感じでした。

僕、当時はそういうのに免疫がなくて、すごく辛くて。堀江さんがテーブルに上がって氣志團を歌ってるときに、トイレに行くフリをしてそのまま帰りました(笑)。

買収の話でいうと、最終的に条件がそれぞれ違くて、堀江さんはライブドアの株式と100%交換で、熊谷さんは「そのまま福岡で頑張ってくれたらいいよ」「家入さんの良さは、お酒を飲まないことだ」「だから、paperboy&co.の社名も変えなくていいし、そのままでいいから」「仲間になってくれ」って言われて。ちょっとクラっと来ましたね。気付いたら印鑑押してました。

……でもなんかあれですよね。亀山さん、熊谷さんと仲悪いんですか?

亀山:えっ? いや!(笑)。 ……俺は仲良くしようと思ってたつもりなんだけどね(汗)。なんか……。

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