2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:それではお待ちかね、パネルディスカッションですね。DMM.com会長、亀山さん、PoliPoliの伊藤和真氏、ONE FINANCIALの山内口奏人氏、そして、今回モデレーターを務めていただきます、ヤフー株式会社の伊藤羊一さん、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
伊藤羊一氏(以下、伊藤羊):みなさん、こんにちは。パネルディスカッションということで、最初に自己紹介を簡単にしていただいて、その後に過去の話。「どうやって起業したのか」とか、「なんでそんなことを思ったんだっけ」みたいな話を聞いて、そして「今こんなことを考えている」「そして未来はこんなことを考えている」みたいな。
ざっくり3つぐらいしか質問できないと思いますが、それをお二人の若い起業家が話をして、そこに亀山会長が突っ込むという。適宜そういうかたちで進めていければなというふうに思ってます。私、モデレーターを務めさせていただきます。よろしくお願いします。
(会場拍手)
伊藤羊:では、さっそくなんですけども、「今をときめく」みたいな感じで、世の中に登場されています、山内さんから簡単に自己紹介をいただけたらと思います。
山内奏人氏(以下、山内):初めましての人が多いですかね。山内奏人と申します。ONE FINANCIALという会社のCEOをやっていて、「ONE」という画像買取りアプリを運営しています。よろしくお願いします。
伊藤羊:じゃあ、伊藤和真さんお願いします。
伊藤和真氏(以下、伊藤和):初めまして、PoliPoliの伊藤和真と申します。トークンエコノミーで政治のコミュニティをつくるということで、PoliPoliというサービスをやってます。本日の「FV 登竜門」の東京代表を務めさせていただいています。よろしくお願いします。
伊藤羊:よろしくお願いします。ちなみに、山内さんはおいくつでしたっけ?
山内:今、17歳です。
伊藤羊:高校生?
山内:高校3年生です。
伊藤羊:高校3年生。伊藤和真さんは?
伊藤和:僕は19歳です。大学2年生です。
伊藤羊:大学2年生。亀山さんは?(笑)。
亀山敬司氏(以下、亀山):57歳です(笑)。
(会場笑)
伊藤羊:よろしくお願いします。亀山さんは週末になるとawabar(アワバー)にいらっしゃるということで、お話したければawabarに。
亀山:ウチ(DMM)に入りたかったらおいでというかたちです(笑)。売り込みがあったらawabarにおいでませということで。最近、awabarがテレビで紹介されてたけど、あんなにチャラくないからね。
伊藤羊:この間の企画、なんかわけわからなかったですよね。
亀山:チャラチャラしてたよね。
伊藤羊:IT社長とか言ってね(笑)。
亀山:なんだっけ、バチェラー?
伊藤羊:あっ、そうそう。
亀山:いつもはいないからね(笑)。もっと真面目な空間で、みんなプレゼンしたりとかして。お酒飲みながら、わいわいやってるよね。
伊藤羊:そうですね。
亀山:そういうところに行ってみたらいいかなと思ったりして。
伊藤羊:お二人はawabarとかに行ったことは?
伊藤和:たまに。まあ(お酒は)飲めないのでソフトドリンクで。
亀山:そうね。君らが飲んだら俺が捕まっちゃうから(笑)。
伊藤羊:(伊藤さんは)行ったりする?
伊藤和:はい。(awabarに)PoliPoliのシールを貼ってもらってます。
伊藤羊:ああ、そうなんですね。そうは言っても、お二人がやっていることの詳細を、ご存知ない方もいらっしゃると思うので。山内さんのほうから、「今どんなことをやっているのか」というのをお話していただければと思います。
山内:そうですね。「データは次世代の仮想通貨だ」ということを勝手に考えていて。どういうことかというと、仮想通貨って基本的にはオンライン上で管理して、価値があるものじゃないですか。データも今オンライン上で管理して価値があるもので。
(データを)仮想通貨と同じようにしたら、ある程度そこから収益を、誰でも得られるようになるんじゃないかなみたいなことを思っていて。データをうちに預けてもらって、うちがそのデータを運用して、それで配当を渡すみたいな、そういうビジネスですね。
伊藤羊:なるほど。なんでデータに着目したんですか?
山内:データに着目した理由は、僕はもともとデータがすごい好きで。人の性格が数字でわかってくるというのがすごいおもしろくて。
亀山:早々になんかあって、サービス潰れてたんじゃないの?
山内:そうですね。
亀山:あれどうなってるんだよ(笑)。
伊藤和:突っ込まれてる(笑)。
亀山:みんなに、なにをやって僕は金がなくなりましたって説明を(笑)。
山内:うちは、レシートを買い取るアプリをやっていて。レシート1枚10円で買うというのを、1人あたり1日100円までやると。そうすると、1人だいたい最高で月3,000円じゃないですか。そのユーザーが今60万人ぐらい増えちゃったので、単純にめちゃくちゃお金が出ていくことに気付いて。
伊藤羊:パンクしちゃった。
山内:はい。それに気付いて、お金がなくなると死んじゃうので。1回止めたという感じですね。
伊藤羊:でも、正直パンクするってわかってましたよね。
山内:いや、わかってなかったんですよ。というのは、最初「1ヶ月1万件をぐらいを買い取ろう」と思っていて、それだったら頑張れるかなと。でも、殺到してしまうときつい。
伊藤羊:失礼ながら、あれはCASHと同じようなことを狙われたのかと……。
山内:いや、ぜんぜん違いますね。
伊藤羊:あっ、そうなんですね。
山内:まったく違って、それこそGDPRの問題とかってあって。あれって自分のデータが、どこか他の人に勝手に使われているという状況があって。それに対して、EUの人たちがすごく指摘をして、「利益の数パーセントを国民に返せ」みたいなことを、決めたわけじゃないですか。まさに日本でもそれと同じようなこが起こっていて、例えば、自分が5年前に歯の治療をしていた時のカルテのデータとかって、要はクリニックにあるわけじゃないですか。
でも、それが今どこにあるかは、僕らにはわからないわけです。もしかしたら、そのデータがなくなっているかもしれないし、どこか別のところに移動しているかもしれない。それを知ることって自分ではできないわけじゃないですか。そういうのは問題だなと思って、作ったサービスです。
伊藤羊:なるほど。でも1枚10円。
亀山:データはいいけど、レシート1枚10円は高いなって。
山内:そうですね。なので、最近はレシートだけじゃなくて、いろんな画像を買い取るので、レシート買取アプリから画像買取アプリに変わったということですね。
伊藤羊:なるほど。他にどんなものを買い取っているんですか?
山内:保険の証券です。保険を申し込んだ時にもらえる証券というのがあるんですけど、その画像とか。あとは、もうちょっとクライアントのニーズベースでいうと、「どんなシャンプーを使っているか」みたいな感じの画像です。
伊藤羊:なるほど。それをスマホでカシャッって撮って、それはいくらなんですか?
山内:それが確か15円とかです。
伊藤羊:へぇ。
山内:そうするとクライアントに、市場調査のデータとして渡すことができたりするのでということですね。
伊藤羊:亀山さんはレシートだったら1枚いくらの価値ですか?
亀山:俺だったら、レシートは0.01円ぐらいの価値かな。でも、保険の証書だったら100円ぐらいの価値があるかもしれないな。
伊藤羊:なるほど。
亀山:同じデータでも絞られてないレシートというか。1億円あって1枚10円だったら、1,000万件しか集まらないじゃない? 1,000万件集めて、これが使えるかというと、けっこう俺は厳しいと思うわけ。そんなデータはヤフーでも楽天でも持ってるわけよ。
Amazonとかも、購買データを持っていて。むしろ保険とか、不動産の謄本とか、自分の離婚届とか。そういう情報だったら価値があるかなって。
伊藤羊:離婚届とか、そういうのってあまりなさそうですけど。登記簿謄本とかね。
山内:あとは母子手帳とかもですね。子供がいるっていうことがわかると、ベネッセとかに(需要がありそう)。
亀山:「いくらの保険に今入っているか」とかがわかると、保険会社はけっこう欲しがるよね。その保険からこれに切り替えさせたら、いくらになるなというのがわかるので。あと自分が持っている株の情報とか、そういう価値のある情報って世の中にあるんだろうけど、ちょっとレシートでは。でも、世間的にわかりやすいから、プロモーションだと割り切っている良いと思うんだけど、どうなの?(笑)。
伊藤羊:どうなんですか?(笑)。
山内:半々ですね。レシートはやっぱり(世間的に)わかりやすいというのと。
伊藤羊:プロモーションとしては、みなさんそれで山内さんのことを知ったわけだから。
山内:でも、レシートで買い取ったデータを社内で分析して、それが意外と売れていたりとかするので。どういうところに売れているかというと、「自社の顧客がどういう人なのか」っていうのを完全にわかり切れていないところで。ただ、レシート1枚の感覚って1円ぐらいですよね。でも、それが10社に売れると10円の元がとれるという、そういう感じですね。
伊藤羊:なるほどね。
亀山:へぇ、どこが買うの? 自社のレシートを買うの?
山内:そうですね。
亀山:自分たちのレシートなんだ。
山内:あと、競合店のレシートを買ったりとか。
亀山:でも、俺がTSUTAYAの人だとして、「GEOのレシートが欲しい」と思っても、(買い取ったレシートの中に)そんなに沢山ないじゃない?
山内:けっこう偏りがあるので。
伊藤羊:なるほど。でもそうやっていると、活用の可能性は広がりますよね。
山内:けっこう広がってきているというのがありますね。
亀山:まじめにやってたのね。でも、俺はこれプロモーションでやってるなら、むしろしたたかで、実はすごいなと思ってたのよ。
伊藤羊:もう100円じゃ足らないんじゃないかとかね(笑)。
亀山:それ(プロモーション目的)でグッと上げていくのも1つの手で。やっぱり仕事をやっていく中では、ある程度注目を集めたりすることは必要だし、もちろん内容がないと長続きはしないけど。やっぱり知られないとサービスは動かないから、話題作りというのはありっちゃありなんだよね。若い内は少々暴れても「あははは」って笑えるからね。
伊藤羊:CASHと完全に同じような感じでしたもんね。
亀山:でも、俺なんか最近下手なことを言うと叩かれやすいから、若い内はまあまあ許してくれるんじゃない。
山内:(自分も)だいぶ叩かれてますけど(笑)。
亀山:ははは。そうか(笑)。
伊藤羊:山内さんが「なんでそこに至ったのか」というのは次にお伺いするとして、伊藤さんにお聞きしたいと思いますけど、なんかTORYUMONのジャージを着てて……。
伊藤和:これは普通にファッションです(笑)。
伊藤羊:あっ、これはファッションなんですね。ごめんなさい。これは上下でユニフォームじゃなくて?
伊藤和:いや、ぜんぜん。Newspicsで、ちょっと1回バズった時があって。そのとき着てたのが、赤ジャージだったんですね。赤ジャージだからバズった説があって、だから赤いジャージしかないかなって(笑)。
伊藤羊:なるほど。今、やられているサービスは何ですか?
伊藤和:PoliPoliっていう、トークンエコノミーって聞いたことある方いらっしゃいますか?
(会場挙手)
伊藤和:独自の通貨を発行して、コミュニティをつくるみたいなサービスなんですけど。僕らの場合だと、政治家とユーザーさんのコミュニティを、トークンエコノミーでつくるということをやっていて。例えば、道路が狭いとか、自分の周りのストレスみたいなのがあるじゃないですか。それを議論して、政治家に言ったりする。政治家とユーザーが良いことを言ったら、「Poli」っていう独自通貨がもらえて、それがゆくゆく換金性を持ったりするみたいな感じです。
伊藤羊:良いことを言ったのか、そうじゃないかというのは、どう判断するの?
伊藤和:それは基本的に自立ブースなので、ユーザー間の評価ですね。
伊藤羊:あっ、ユーザー間の評価で、良いことを言ったかを判断すると。
伊藤和:そうです。政治ってお金にならないって、けっこう思われているんですけど、政治コミュニティーに人はめっちゃいるんですよ。投票に行く人って、4,000万人から5,000万人ぐらいいて、ユーザー数は見込める。ただ、過去のサービスでもそうなんですけど、コミュニティがめちゃめちゃ荒れちゃうんですよ。右だったら左を叩くみたいな。
そういう荒れちゃうコミュニティがあって、サービスとしてあまり成り立たないみたいな問題があったんですよ。それをトークンというインセンティブを付けることで、例えば「バーカ」とか言うと、サービス上でスコアみたいなのが下がるんですね。それでトークンがもらえなくなる。で、信頼も下がる。ということで、質の高い、質の良いコミュニティをつくるというのが、僕らがやっていることですね。
伊藤羊:なるほど。今、ユーザー数はどれぐらいになっているんですか?
伊藤和:ユーザーはベータ版を出したところなので、1週間で3,000ダウンロードぐらいいって、まだクローズドでやっている感じですね。政治家さんはだいたい100人ぐらい使ってもらってます。
伊藤羊:100人!
伊藤和:リリースイベントには、石破茂さんとか、今話題の玉木さんとかに来てもらって、いろいろ政治家さんと仲良くしながらやっている感じですね。政治はいろいろ大変なことがあるんですけど。
亀山:それは匿名なの?
伊藤和:いえ、実名です。
亀山:実名なら充分で、「ばーか」とか言わないんじゃない?
伊藤和:ああ、そこはちょっと議論があって、実名登録にして匿名にしようかなと思ってます。
亀山:えっ? どういうこと?
伊藤羊:登録は実名だけど。
伊藤和:でも、(サービス上は)ニックネームでもいいかなと。
亀山:あっ、世間に見えるのはね。実名はサイト(の運営)が知っているということ?
伊藤和:あっ、そうです。
亀山:なるほど、運営元は知っているということね。
伊藤和:絶対に1アカウントしか作れないようにしているんです。
亀山:Newspicsとかは、結局実名にすることによって、荒れないようにというかたちにしたよね。ちなみに、さっき「トークンエコノミーって聞いたことがあるか?」って尋ねたけど、内容を説明できる人、ちょっと手を挙げてみて。
(会場挙手)
亀山:なかなか手は挙がらないよね。トークンエコノミーとか、今流行りのブロックチェーンとかAIとか、いろいろあるじゃない。このへんの流行り言葉は、若いやつが言うと、もっともらしく聞こえるから、勉強したほうがいいと思うよ。正直おじさんはこういうのが苦手で、政治家も苦手。
けっこう俺たちの世代では、わけわからないっていう話になるわけよ。なので、そういった中で若い世代の人が説明できると、大人の人たちも「ちょっと聞いてみようかな」っていうことになるじゃん。
伊藤和:政治家さんは会ってくれるので。
亀山:そうだね。けっこう、二人とも流行りの言葉を上手く使っているよね。ビックデータとかトークンエコノミーとか、そういうの言われると弱いのよね。「なんか良いことあるのかな」みたいな感じがするのよ。なので、今時の言葉というのは、アクセサリーじゃないんだけど、もちろん実態も踏まえた上でのほうがいいんだけど、起業家はちょっと言ってみると価値が上がる。
伊藤羊:それを「トークンエコノミーって、おじさんたちの世界で言うとこうですよ!」みたいに言われると、「オー!」ってなって、「それ使っていい?」とかおじさんたちはなっちゃうのね。言い換えるとなんて言ってるんですか?
伊藤和:ポイントが付いているコミュニティみたいなものですね。良いことと言ったら、換金性のあるポイントがもらえるという感じですね。
伊藤羊:なるほど。それはどうやって金になっていく感じですか?
伊藤和:マネタイズはすごいおもしろくて、トークンエコノミーって誰からもお金を取らないんですね。「通貨発行益」というようなもので、トークンの総発行量分のだいたい何パーセント分かを、僕らがもらうというかたちになっています。これはコミュニティが盛り上がる、つまりトークンをみんなに欲しいと思わせることが大事で。トークンに価値が付いたら、僕らがトークンを勝手に発行して、それの何パーセント分かを僕らがもらうという形になってます。
なので僕らにとっても、トークンの価値が付いていくと、インセンティブが上がると。基本、政治家は政党からしかお金を取れなかったんですけど、そこはもう既得権益があるので、こういうモデルがあると、政治ってストレスが多い分ブルーオーシャンなので、すごいおもしろいのかなと思ってこういうのをやってます。
亀山:途中でガクトコインみたいに炎上しない?
伊藤和:いや、法律対策はけっこうがんばってます。本当に金融庁とかから、電話が掛かってきて「あっ、お世話になってます」って、一応話しながらやってる感じです。
亀山:「そことは違います」とかちゃんと言えた?(笑)
伊藤和:はい、がんばって(笑)。
亀山:わかってもらえた?
伊藤和:はい。金融庁ってすごく頭が良くて、最初「トークンエコノミー?」みたいな感じなんですけど、「また2回目、行きます」って言ったら「じゃあデックス(DEX)とかはどうなんですか?」みたいに、めちゃめちゃ学習してくるんですよ。「官僚やっぱりやべーな」って。
伊藤羊:賢いからね。
伊藤和:めちゃめちゃ頭が良くてすごいなって思いますね。
伊藤羊:なるほど。ちょっとお二人にね、僕51歳なんで、「うわっ、スゲー、やべえな」って感じでお伺いしているんですけど、そもそもなんで、いつごろそんなふうなことをやろうと思ってたのかを。じゃあ伊藤さんから。
伊藤和:最初、僕はすごい俳句が好きだったんですよ。五・七・五の俳句が好きで。
伊藤羊:それはいつ頃から好きだったんですか?(笑)
伊藤和:それは高3ぐらいの時ですね。俳句を投稿する場がないなと思って、じゃあアプリを作ろうと思って、アプリを作ったんですよ。それがひょんなことから、毎日新聞という新聞社に事業売却することになって。
伊藤羊:俳句アプリを?
伊藤和:そうです。その事業売却する前とかは、ユーザー数がそんなに多くなかったんですけど。そこで数千人のコミュニケーションが生まれるのを見て、インターネットすごいなと思ったんですよ。僕みたいな若造って、数十年前とかだと発言権ないんですけど、こういうイケてるサービスをつくったら、ちゃんと価値を届けられるというのが、すごいインターネットのおもしろいところだなと思って。
そこから、今開いている「N-ベンチャーズ」というベンチャーキャピタルで、インターンをさせてもらって。そこで「起業家とかベンチャーキャピタルってすごい格好良いな」って思ったんですね。僕はあまり起業する気はなかったんですけど、ベンチャーおもしろいなとかも思って。政治にもあまり興味はなかったんですけど、政治ってストレスがあるし、なにか良いことをできたらいいなみたいな感じで、ボランティアベースでアプリとかを作って。
伊藤羊:それがいつ頃ですか?
伊藤和:だいたい去年の11月、18歳の時で。それで、トークンエコノミーが出てきて。「ああ、これだったらワンちゃんあるかもしれない」って思って、1回なんかリリースを出したら、それが拡散されて。けっこうニーズがあったんだなみたいな。それでやっとベータ版をつくったんです。
伊藤羊:俳句アプリをやって、「インターン先の人すごいな」って思ってて、そこに政治の話をやって、トークンエコノミーを「おおー!」みたいな感じでやってみたらこうなったと。わらしべ長者みたいにちょっとずつ。
伊藤和:まあ、そうですね。でも、本当に運ですね。
伊藤羊:ごめんなさい。最初の俳句アプリ。これは何でつくろうと思ったんですか?
伊藤和:俳句が好きで、俳句の投稿をする場がなかったので。僕は好きだったんですけど、周りに俳句を好きな人がいないんですよ。なので、投稿する場、アプリとかあったら便利だなと思って簡単に作ってた感じです。
伊藤羊:実際に自分で作ってみたと。
伊藤和:そうです。そういう感じです。
伊藤羊:なるほど、すごいわ。
亀山:すごいね。俺も起業したのが、彼と同じぐらいで19歳だけど、その頃は六本木で露店をやってて。初めはアラレちゃんの絵をぱくって描いてキーフォルダーにして、500円で売ってたんだけど。
伊藤羊:それはもう道端で。
亀山:そう。これはぼちぼち売れたんだけど、脇役のキャラも売れるなと思って。スッパマンとかニコちゃん大王とか、そういうキャラを書き始めたら、それが良く売れて。
伊藤羊:それは亀山さんが描いてたんですか?
亀山:そうそう。今の彼(伊藤和氏)のフェーズとはちょっと違うような気がするけどね。そうやって俺はわらしべ長者になっていったという話(笑)。
伊藤羊:もう少し亀山さんの話を伺いしますが、露天でそれを売ってからは。
亀山:これは地方に行って売ったほうがいいんじゃないかって言って、あっちこっち祭りを回ったりとかして、寅さんみたいに売り歩いてたんだよね。そうやって得た金で、トルコ石を買ってきて売ったりとか、田舎に帰って麻雀荘、プールバー、ビデオレンタル店、エロビデオとかいろいろと。わらしべ長者みたいに。
伊藤羊:露天で売ってたところから、そうやって場所を作り始めたきっかけってなんだったんですか?
亀山:場所?
伊藤羊:要するにプールバーだとか。
亀山:結局、あっちこっち回ってても、その日暮らしなんだよね。まあ、的屋とかもそうなんだけどね。だから露天商というのは、信用というものが貯まらないのよ。そこで売ったら次の街に行くというね。これをやってたらぜんぜん大きくなれないわけよ。店構えてなんらかの商売をやると、そこに来たお客さんがまた来るし、信用ができて仲間が増える。ビジネスをやっていくときに、仲間を増やすというのが1番大事で、それは流れ者ではダメなのよ。
伊藤羊:なるほど。
亀山:あと、詐欺師もダメで、片っ端から騙していくじゃない。会った人間が騙されたと思うから、みんな敵になっていくわけよ。それで言うと店でもいいし、彼らみたいにビジネスでもいいけど、いろんなことをやって仲間をつくっていくと。徐々に仲間は増えていくし、信用が増えていくじゃない。今まで100万円しか動かせなかった人間が、1,000万円、1億円って動かせるようになれるわけよ。
それで投資家がお金を投資して、儲けさせたら、また投資してくれるとかね。そういう感じになるから、今のうちから信用をいかに育てるかというのが、ビジネスのかたちかなと思います。
伊藤羊:仲間をつくる。それから詐欺はしない。
亀山:せっかく来たんだから、ちょっと良いことを言っておかなきゃ(笑)。
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