2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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林 ありがとうございました。といった具合でですね、皆さんコンテンツ関係と言っても全然関わり方も違えば、でもなんかやっぱり共通してるところがあって、実際皆さんサービス作ったりする時に自分で監督してるというか、コミットしてらっしゃるんですかね。さっき池谷さんとか自分で最終的な仕上がりまで全部見てるってことをおっしゃってましたけど。
池谷 そうですね、さっき水口さんがおっしゃったように、完成形のイメージってのは頭の中にあってやるんで、全部を私が作ってるわけではないですけど、もう最初から作りあげるまでは、一人のプロデューサーっていうか、まぁ僕ら9人しかいないんでみんなプロデューサーみたいなもんですけど、コミットしてやってる感じですね。
林 昨日nanapiとかも全部監督してやってらっしゃるってこと言ってましたよね、細かい表示の順番とか。
古川 そうですね、ただ最近はやっぱり現場の人達のほうが優秀な人達が集まって来てるので、どちらかというと大きな方向性みたいなものに、なるべく集中しようとはしていますね。
松本 僕、基本的に全部見てますね。僕が見なきゃいけないっていうところだけではないんですけども、スタンプとかデコレーションだったら、これカワイイかカワいくないっていうのも、「カワイイのできました」て、あ、これカワイイね、もうちょっとこのハートのぷっくり感欲しくない? みたいな話をしたりだとか。あとはアプリ自体だと、アプリのここのボタンの幅があと何ピクセルくらい大きいか小さいかってところまで見てはいますね。
林 水口さんの場合は、全部自分でって感じなんですか。
水口 それはそんなことないですね。ものによります。だから例えば自分のイメージが結構すごくクリアにきてるなって思う時とか、絶対こうしたほうがいいって思ってる時は多分そういうことをすると思うんですけど、そうじゃない時はどういう時かっていうと、ちょっとゲームの場合だと大きめになる時があって、規模としても。そうするとやっぱディテールとかを全部やってると、もう死んでしまうんですよ、はっきりいって、時間的にも体力的にも。
だから最初の段階で、例えば20人だったら20人のチームを意識的に育てていかないと、ゴールまでいけないんですよね。なんか山登るにちょっと似てるんですけど、そういう時は最初から隙間をあえて作っちゃって、自分はこう思ってるってのはあっても、たまに我慢する時があって、出てくるていうかあがってくるまでやっぱちょっと待たなきゃ、後になって自分に全部ふりかかってくるなって思う時があります。ゲームの場合だと。
林 まぁでもそうやって作ったものが自分の思った通りの人達に受けて、それでフィードバックとしてダイレクトに返ってくるっていう感じあるんですかね。
古川 僕がやってるものだと、ユーザーさんの投稿がコンテンツになるので、どちらかというと、場を作るところまでがクリエイティブではなくて、その先にユーザーがどう動くかっていうところまであるので、こっから先はもう全然読めないんですね。で、リリースまでは自分達でやるんですけど、そっから先はユーザーさんとどう作るかっていう話になるので、いきなり作り手が何万人にもなるみたいなそんな感覚でやってますね。
林 その時ってアナリティクスとかもかけてらっしゃるんですか? その反応見て順番入れ替えたりとか。
古川 あーそうですね、そのへんはかなりやりますね。一ヶ月に多分リリース数でいうと6~70ぐらいは、改善をリリースしてますね。
水口 うーん、それがすごいですよね。やっぱり皆さんがやられてることなんか、多分僕が今までやってきたことはもうほとんど過去の事例に近くて、多分ほとんどなんていうか古いですよね。要するになんかすごい作ってお店に流通させて、っていうプロセスって、その後もう祈るしかないっていう。
で、そこに行くまでにすごいプレッシャー感じるんだけど、その後なんてもう何もすることがないっていうか。で、これ結構やっぱつまんないなっていつも思ってたんですよね。今もう丸っきり変わったじゃないですか。
林 でも買われた方のアンケートとかWEBの評判とかやっぱり見てらっしゃるんですか。
水口 いやだけどやっぱりダイレクトじゃないですよね。だからなんていうかエンゲージメントがすごい弱いと思うんですよ、そういうのって。やっぱりそのユーザーの声がダイレクトに来て、ユーザーがやってることを見て、これ面白いじゃない、っていう風にパっとね、そっからワーって広がっていく感覚が、面白いなぁって思うんですけどね。
池谷 なんか僕らさっき言ったとおり、絵本作家さんと付き合ってると、驚かれますね。例えば、「白雪姫」とかってベタに売ってるわけですけども、やっぱり僕らデータをすごく見てるんで、どのへんでユーザーさんがプツっと切れたかっていうのがわかったりするわけですよ。「完読率」とかって呼んだりするんですけど、勝手なKPIですけど。
で、悪いとやっぱりチューニングするわけですよ。うちで出してる「白雪姫」って4か月くらいで3回くらいモデルチェンジしてて。そうするとやっぱ変わってくるんで、作家さんとかにそれ見せると「え、こんなんとれるんですか?」みたいな、いやそりゃとれるだろ、みたいな。
なので、ものづくりってインターネットの場合ってリリースした時ってのはまだほんと序盤で、実をいうと、3,4日たつとそのコンテンツの良し悪しも見えちゃう。で、改善すると、お、良くなったみたいな、かなりそのへんはダイナミックで面白いところかなって思いますけどね。
林 なんかアメリカのドラマ見たいですよね。人気によって監督まで変えてくみたいな作り方に近い。
池谷 作家さんはさすがに変えることはできない(笑)。まぁでも近いですよね。特にアナログの出版社の場合だと、出版社さんが発行部数とか嘘つく。そういうのなくて、そのまま今落としたデータもすぐ見れたりするんで、そういうのは驚かれたりしてますね。
古川 「白雪姫」を変えるって、どんな感じで変えるんですか?
池谷 やっぱ動くじゃないですか、動きとかですね。触った時の反応が地味な作品ってあんま売れないんですよ。例えば「マッチ売りの少女」とか、すごく綺麗なんですよ、もう見事に売れないです。売れないっていうか、パックにしてるから売れるんですけど、再生回数とか完読率が低いんですね。
やっぱ子供が見てても、画面も変わんないし、ずっとマッチ擦ってるだけじゃないですか。(笑)。どうすんだよ、みたいな。じゃあ、火でかくする? みたいな。ボッていくぞみたいな、結構こういうので変わるんですよ。
古川 へー面白いですね。
松本 今の反応ってところだと、うち、さっきの「ぎゃーかわぃぃっ」って言って、なんでさせるかっていうと、「ぎゃーかわぃぃっ」までいくとバズるわけですよね。ユーザーはクチコミで広まるってところまで含めてものを作ってるっていうのが今の時代だなって感じがするんですよね。
うちはDECOPICの前に、沢山のユーザーさんに使ってもらったのは「みんなで検定」ていうmixiの中の診断のコンテンツで、これも800万人くらいに使って頂いたんですけど、これの場合はそのサービス自体はすごくシンプルなんですね。
で、大事なのは、その後に、「あなたを漢字一文字で表すと」とかっていうのが、これだけで100万人くらいの人がやったんですけど、それですごいカワイイ文字だとあまりバズらないんですよ。それで「糞」とか出てくると、「なんで糞なんだよ」っていうのが言いたくなるから、バイラル産んで、「わかる、ウケル」て掲示板に投稿した後そこに並ぶっていうのが一番のコンテンツになっていて、バズると。
林 ちょっとキモカワのほうがウケルっていうそれに近いような。
松本 そうですね、結局悪いこと言われて、いじられたい欲求をどう刺激するかっていうのは、そういうものを作ったりしてますね。
林 ちなみに「ぎゃーかわぃぃっ」っていうのは、どこで反応見てるんですか。コメント欄なのか、それとも誰かフォーカスグループみたいな形で?
松本 そうですね、まずもう自社内のインターン生とかも、実際デザインもしてるんですけど、やっぱりいいものが出来ると、反応が見せたときに違ったりとか、あとはデータとしてはコンテンツが何が反応あったか、さっきの手書き感ていうのも試行錯誤の上でデータ見た結果そっちいったんですけど、あとは普通に女の子、大学生とかそれこそ今日とかお会いしたら片っ端から見てもらってますね。
林 こういうアナリティクスじゃないですけど分析してものを作るのと、なんかやっぱり自分がこうあるべきだていうのもあるわけじゃないですか。そこらへんの葛藤っていうのは皆さんどういう風に。
水口 いやでも絶対最初はインスピレーションですよね。もう理屈じゃなくて、こんなんあったらいいなっていう最初の発想とかってだいたい絶対当たってるんですよね。で、色々考えてくと、やっぱなんか違うなって言って、やめちゃったりとか変えちゃったりするんだけど、結局また残るものってまた戻ってきてっていう。だから絶対インスピレーションは大事なんだけど、やっぱりその後のアナライズていうかね、サイエンスていうんですかね、それと両方あると完璧ですよね。
古川 そうですね。なんかデータを見てやるのって継続的な改善しか出来なくて、その破壊的な何かっていうものはインスピレーションじゃなきゃ絶対に生まれないていうのはあってですね。
水口 わかる。
古川 データだけでやると、すごくつまらないものに不思議となるっていう、そういうのはありますね。
水口 データ解析して分かるのって、限りなく今現在に近い過去までしか分かんないですよね。どうやってもね。だから未来には絶対行かないんだけど、ここのジャンプはやっぱり人間のクリエイティビティじゃないと飛べないですよね。ここ。
松本 あとそこが、やっぱりインスピレーションって一人から生まれるので、そこはあんまり合議制でやってても生まれなくて、一人のインスピレーションをみんなが信じるみたいなスタイルのほうがいいものが生まれる気がしますね。
水口 そうねー。
林 マネタイズを意識してるっていう池谷さん的にどうなんですか、インスピレーションのものはうまくマネタイズできますか。
池谷 そうですね、インスピレーションっていうのは全く同意で、ただやっぱりやめてしまうものっていうのは、最終的に言うと我々の場合、マネタイズ厳しい。子供向けに作りたいおもちゃって沢山あるんですよ。ただやっぱりずーっとやってくとどっかでお金払ってもらえるかなー、うーんないかもしれない、後にしよう、みたいな、そういうところで断念してしまうケースが多いですね。
林 でもその分析して改良してくのと、インスピレーションで大きく変える時、そのバランスっていうかその引き際みたいなものはどういう風に見極めて、サイクルっていうのはあったりするんですか? バイオリズム的なものというか。
水口 引き際?
林 引き際じゃないですかね、なんでしょうか、大きく変えるタイミングというかですね。自分で飽きてきちゃうっていうかそんな感じなんですかね。
水口 あーでも最初のインスピレーションがね、どこまで長く続けられるかって、だいたいやっぱり人間色々考えてくと、あんなに興奮してたのに自分が、今全然興奮してないみたいな時があって、そん時に俺が悪いのか、アイディアが悪いのかって、結構悩みますよね(笑)。悩むんだけど、そういう時、僕はそれで何回か失敗してるんで、そういう時は、今俺が多分おかしいことになってるんで、もうちょっと寝かして、落ち着いてからもう一回考えようっていう風に、即決しないようになりましたけどね(笑)。
池谷 それ経験ですよね。僕らまだものづくりとか未熟なんで、さっきも打合せ室で話してて、だいたい1本のアプリとかって3か月とか2か月とかで作るんですけど、さっきご覧頂いた「つなげっと」ってまだ出てないんですけど、あれ1月11日に出るんで、今目下改良中なんですけど、2か月くらい作ってるんですよ。
なんかもうすでに作ってる本人にしたら、売れないんじゃないかみたいな、もう見慣れちゃうし、だからさっき皆さん笑ってましたけど、僕全然笑えないんですよ(笑)。なんか不具合ないかなみたいなこととか、「Rejecto(リジェクト)」とか言っても、なんだこれみたいな、もうダメなんじゃないかという感じでいつもリリースするんですけど、さっき言ったゲーム作りとか2年間とか長い間だと、そういう波があるんですよね。
水口 そう、だけど、もしかすると池谷さんのやつみたいに、あらかじめもう作って出しちゃって、その後サービスでロングランさせるっていうパターンのゲームも沢山ありますよね。オンラインゲームとかソーシャルとか。そのパターンだとマインドセット違うと思うんですよね。もうちょっとだから、もしかしたら僕はもっと気楽に出せるかもしれないなっていう、どんどん直してけばいいんだ、みんなの力を借りて、って思うと、あー使えるものは沢山使ってしまおう、って思いますけどね(笑)。
古川 確かにうちとかだと最長2か月くらいしか、あんまり作る期間を設けなくて、だいたい平均で1か月くらいで出して、そのくらいで出せるものしか最初出しちゃいけないと思っていて、それで出してみて、改良してくか、もうこれダメだって思ったら3日間くらいで下げるとか、そういうことをやってますね。
林 nanapiって見た目的にも大きくドラスティックに変えようとかってそういう計画とか、あったりするんですか。
古川 そうですね、毎回リニューアルの時に、ロゴをなくそうっていう話を僕はして、必ずダメって言われるんですけど。もうそのくらい変えるつもりで、とにかく削れっていうのをやろうとしてますね。できれば、ページも1枚がベストだと思っていて、アクセスした時に自分が知りたいHow toだけが出てるってのが一番ベストなので、そこまで目指すくらいシンプルにしようってのは考えてますね。
水口 なんか例えばさっき、ちょっと僕聞きたいことがあるんですけど、いいですか?皆さんやってるサービスでいうと、松本さんなんかはもう「女性が」って言ったじゃないですか。要するに誰をイメージしてるっていう、そのイメージしてる顔が見えなくなると、結構迷ったりしますよね。
松本 しますね。
水口 ですよね、そういう意味ではすごく強いなって思うんだけど、例えばけんすうなんかは誰をイメージしてんのかってのと、池谷さんなんかは、例えば絵本って多分誰のためってなった時に2つあるじゃないですか。要するに子供に純粋にっていうところと、あと親ですよね。そのへんのバランスとかってどういう風にイメージしてます?
池谷 まさにおっしゃるとおりで、冷静に、買うのは大人、使うのは親子って考えてるんですね。なので、やっぱ親が手に取りたくなるようなもの、っていうことはすごく考えてて、これは金額の面もそうなんですけど、お財布が気にならないかなとかも含めて。なので、一応マーケティングに関してはママたちをFacebookから50人くらい束ねたりしてるんで、「どうこれ欲しい? 手に取る?」みたいな話をしたりとか。
あとは継続率というか、継続してくのは子供が楽しくないと意味がないし、あと僕らのさっきの「つなげっと」とか親子でやったりするんで、そのへんは、ものづくりに関してはよくディズニーランドの話をするんですけど、ディズニーランドってやっぱり子供が楽しいって言いますけど、親子で結構みんな行ってリピーターが多いじゃないですか。あれ親が楽しいんですよね。
キッザニアとかもそうなんですけど、そういうのはすごく重要だなって思ってて、あとは教育ってあまり子供扱いしないほういいっていうのもあるので、親でも十分楽しくって、子供も楽しい、だから継続率があがる、みたいなそういったポイントまで、さっき言ったインスピレーション湧いた時は、そういったことも叶えてるかなみたいなところは結構考えて着工したりしますね。
水口 けんすうさんなんかはもう広いでしょう。
古川 そうですね。僕自身がHow toをすごい好きで、普通、趣味はじめてから、その趣味のHow toを読んだリするみたいな感じだと思うんですけど、僕How to本とかが欲しくて趣味をはじめるみたいな、そんくらいHow to本とかがすごい好きで、なので僕が見てグッとくるものかどうかっていうのが、最終的には一番頼りにはしてますね。
水口 このパターンが一番強いんですよね。要するに自分が好きだっていうものを形にできて、それが仕事に出来たりすることほど幸せなことはないっていうか。一番エネルギーがでるもんだから。
古川 そうですね。やっぱりユーザーさんの意見ってやっぱりそんなに言語化できないので、脳と直結してるコンテンツのほうがやっぱり良いだろうっていうのはありますね。
松本 さっきだんだんオネエ化してるっていう風に言われたんですけど、ちょっと自分でも感じるところあってですね。というのは、もともと女性向けやってたわけじゃなくてですね、この1年くらいやって、ただやってからは、海外にユーザーが多いので、そうすると東南アジアとかアジアの国に行ったら、まず丸一日かけて主要なショッピングセンター全部回って、レディースのコーナーのブランドとか、何が書いてあるかとか全部見て回るんですね。
で、あ、この国の女の子はこういうの好きなんだ、で、実際にスマホ触らせてもらったりして、ていうのでペルソナ作るんですけど、だんだんそれやってるとですね、今多分1日10回はカワイイとか言ってるんですよね。あとは自分の脳を合わせるためにカワイイものを好きにだんだん変えたりですね。
男子と女子と違う言葉で、「盛れる・盛れない」とか女性が言うわけですよ。盛れた結果、気持ちが「あがる・あがらない」って、それ盛り上がるって気持ちと「あがる・あがらない」って概念ちょっと違ってですね、意図的に「盛れてるね」みたいな風に言葉を使ってペルソナになるべく合わせようとしてますね、自分の気持ちを。
林 感情移入しながら作ってる感じなんですね。
松本 そうですね、「うわーカワイイめっちゃ盛れてる」って(笑)。口に出すようにしてますね、感動した時は。
林 どっちかっていうと水口さんも自分ターゲットな派なんじゃないですか。
水口 やっぱ行き来しますね。例えば昔「スペースチャンネル5」ってゲームを作ったことがあって、もう10年くらい前ですけど。やっぱ女の子にどうしてもやってもらいたくて、そん時はもう松本さんと同じですね。自分の動きとかもかなりゲイっぽい動きになってくし、なってくんですよね。
古川 でもなんか自分を世界に合わせるよりも、世界を自分に合わせたほうが多分クリエイティブとしては面白いなあっていうのはありますね。
水口 お、深いこと言いますね。出た。頂きましょう、今日(笑)。
林 ツイートするポイントですよ(笑)。
水口 けっこうツイートされてるかもしれない。
林 池谷さんは親になってるんですか? それとも子供になってるんですか?
池谷 いや親ですよ(笑)。ただ今うち比較的勝ってる理由は、やっぱりよく仲間とも会うんですけど、僕3人子供いるんですけど、7歳と5歳と3歳みたいな、ドンピシャなんですね。彼らの反応とかってのはすごく活きますよね。あとはもちろん嫁もいたり周りがそういう人達がすごく多いんで、何が流行ってるんだろみたいなことは。なので僕よく言うんですけど、「ジャスコに行け」って。ジャスコって答えが沢山転がってて、やっぱりみんなジャスコに行って週末ゲーセン行ったりとか買い物したりとかするんで、あそこに行くと結構ヒントが得られるね、みたいのは、強みかなと思いますね。
林 ちょっと今、層で親だとか女性だとかそういう話ありましたけど、結構皆さん海外でも活躍されてるじゃないですか。海外市場っていうのはDECOPICに関しては松本さんすごい国ごとにわけて意識してらっしゃるって話がさっきありましたけど、他の皆さんとか、松本さんもそうですけど、どうなんですか、海外市場。
僕も英語で記事書いたりすると、結構「WIRED」とか「New York Times」とか全然読者の数が違って、特に英語圏は大きいじゃないですか。そういった、反応の違いとかってのは、そっちになびいてしまったりとか、そういうのはあったりするんですか。
水口 いやでもあの分布すごく面白かったですね。同じカワイイっていうのでも感じ方が違うというのがマッピングされてましたけど、すごくそれは周れば周るほどずっと感じてたことではあるんですよね。カワイイってこと一つとっても、日本とかアジアだと、カワイイは結構ポジティブなんですよね。
例えばアメリカとかヨーロッパとか最近変わってきましたけど、パリス・ヒルトンがキティちゃんとかになってから。あの前って完全にカワイイの市場がなかったんですよね。なんていうかな、男の子はマッチョな感じだし、女の子は早く大人になるっていう文化ですからね。だからそういう環境の中に育つと大人になって何キティちゃんとか言ってるのっていうそういう雰囲気があって。
それが変わってくっていうことは、人間の中に必ずスイッチは全部あって、潜在的に。だからパって目の前に出てきた時に、一応周りの顔見ながら、これって好きって言っていいのかなみたいな、恥ずかしいんだけど、手伸ばしたいみたいな気持ちはあるんだけど、きっとパリス・ヒルトンみたいなのが持った瞬間に、「あ、いいんだね」っていって、私も私もって広がってくとか、そのへん僕やっぱゲームの世界で見てても面白かったんですよね。もともと持ってる本能と、後天的に出来上がってく壁というか、モラルというか、理性との戦いの中で動くんだけど、意外とみんな同じじゃんみたいなところがあって。
松本 そうですね。今すごく海外で使って頂いてて楽しいんですけども。さっきの水口さんの話のとおり、このカワイイっていうカルチャーがまずはどこまでが通用するかっていうところが、やっぱり日本を中心としてだんだん距離が離れていくと、日本のカワイイとちょっとずつずれていきますし、あとは文化圏とか人種によっても違うんですね。
中華系が多い国は結構やっぱり感覚近かったりとか、イスラムだと結構かわっちゃったりだとかして、なので正攻法でカワイイがいけるのはアジアと。なんですけれど、今度はそのソーシャル・ネットワークていうFacebookとか良い物があるので、今度は市場としてとれなかった、でも世界中に点で、ギャルサーがあったりするんですよ。
アメリカにギャルサーがあってギャルメイクしてる女の子がいたりとか、フランスでゴスロリファッションでお茶会してる子達とかいるんですよね。そういう子達をFacebookとかを使えばピックアップできて、束ねると、まだまだアジア外ではニッチなカワイイ市場ですけど、まとめると大きくなりそうで、今はそこを順番に攻めるために、じゃあ今度ヨーロッパとかアメリカに受けるカワイイってのはどのへんのラインかなってのを探ってるところですね。
水口 面白いですね、この話もね。
林 そうですね。池谷さんとかあれは市場にあわせてカスタマイズしていったりするんですか?
池谷 まぁ「つなげっと」はまだ出してないんでこれからですけど、ちょっと違う側面の話をすると、インターネットとか特にスマートフォンのビジネスとかって、そういう動向が日本にいながら分かってしまうっていうのがあって、さっきのDECOPICとかも多分海外で売れてるのってアップルさんの管理画面であったりとか、あとは最近束ねるような「App Annie」みたいなサイトがあって、それ見ると、自分たちのアプリがどこでダウンロードされてるとか、場合によっては競合さんの数字まで見れるんです。それもデイリーで。
なので、なんかあったろ、みたいなのがすごくとれるので、すごく遠くにある国、地球の裏側かもしれないけど、でも僕のパソコンで見える、みたいなのがあるんで、あ、これ流行ってるんだ、じゃあこの国はなぜか合うね、とか、フィンランドで受けてるんだけど、どうしてだ? みたいな。理由は分からないですけど、それだけでもデータってすごく重要だなって思っていて、かつそこでインスピレーション湧いて、検証もすごくスピードをもってできるんで、そのへんは面白いなって思ってますね。
林 古川さんは日本のノウハウを世界へっていう考えはないんですか。
古川 そうですね、当然考えていて、ただ今「nanapi」ってタイトルと記事本文っていうものしかないんですけれど、これもうちょっとセマンティックにしようと思っています。恐らく、きゅうりの切り方とか世界共通だろうみたいなものが沢山あるので、それをデータ構造をですね、きゅうりの切り方こうみたいなマイクロフォーマットみたいなレベルまで落とし込みたいなと思っていて。
そうするとあとは単純にビューの話なので、英語なのかフランス語なのかとかで出来るので、そのレベルまで、来年中くらいには行きたいなって思ってますね。ちょっとこれ概念的な話なんであれですが、要はデータをセマンティック化してそれで世界に行くみたいなことを今考えてはいます。
林 ちなみに今日本語で配信していても海外からのアクセスもちょっとはあったりする?
古川 折り紙とか、あとはTシャツで忍者っぽいお面というか頭巾を作るとか、そういうのは結構、ちょこちょこ見られたりしますね。
林 僕もちょっと学研さんのコンサルってわけじゃないですけど、指導した時があって、メイクって今すごい流行ってるじゃないですか。メイクの人達がとにかく学研大好きで、大人の科学の付録、作りたくてしょうがないんですよ。でもあれ日本語で書いてあるからわからないっていって、Youtube見ると、テルミンにしてもなんにしても、作り方みんな外人が解説してるんですよね。そういった日本の強みを活かして世界で勝負できるものって結構あると思うんですよね。
古川 そうですね、特に、松本さんとかよくご存知だと思うんですけど、ファッションとかカワイイとかメイクとかみたいなものは、かなり世界に通用する世界最先端なので、そのへんは出すってのはあると思いますね。
林 ちょっとここらへんでですね、学生の皆さんのほうからもなんか質問ぜひ。あ、じゃあ一番早かった、真ん中の。
勝屋 僕はものづくり、デジタルコンテンツのものづくり非常に興味があるんですけども、差別化っていうとこについてお聞きしたいです。どういうことかというとデジタルコンテンツってコピーがすごく簡単じゃないかなと実は思っていて、今売れてるもの、自分たちが先行したとしても、すぐ後から誰かが真似してくると、こういうのをコンテンツの質そのものによって差別化するのか、あるいはマネタイズの方法によって差別化するのか、あるいは流通によって差別化するのか、色んな観点があると思うんですけど、そういうところってどうやって考えてるのかなっていうことをお聞きしたいです。
古川 結構それ私は考えていて、恐らくコンテンツでは勝負出来ない時代になるなと。コンテンツは限りなく無料に近づくので、コンテンツの上にある何らかのサービスで差別化するしかないなと。有料課金とかするにしてもそのサービスレイヤーだろうなと思っていて。分かりやすいのだと、クックパッドさんってデータは無料なんですけど、データを引っ張りだす、その行為は有料ですとか。ニコニコ動画さんですと高画質が有料とか。そんな感じでコンテンツの上にあるサービスで差別化というのが答えかなと最近は思ってますね。
水口 うんそれ同感ですね。例えばゲームの世界なんかも顕著で、ゲームと音楽、データの容量が小さいところから打撃を受けてった感じしますよね。まず音楽がコピーされて、映像いって、ゲームもそうなって、例えば僕中国行った時にPSPとかが5~6年前に売られた時に、みんなやってんですよね、スターバックスで学生が。
だけど公式には1本も売れてないんですよソフトが。なのに自分のゲームとかもそこで遊んでたりとかして、全くこれ売上にならないけど、名前だけが通っちゃうみたいな。これ多分止められなくて、多分そういうところから、例えば韓国とか中国からオンラインゲームがね、無料で全部遊ばせてしまえとか、そういうところから始まって、アイテム課金が文化として出てくるわけですけど、だからフリーミアムっていうのはもう避けられないと思うんですよね。
もう全てのものがタダになると思ったほうがいいと思うんですよ。そこに今けんすうくんが言ったように、どう付加価値つけるかとか、そこの発想はもうなんかマストかなと。ただ、これジャストナウじゃないですか、今。で、皆さんが、これから多分この数年間、例えば5年とか10年で、どういう世界を作ってくっていったときに、きっとお金を払うっていう行為と気持ちを循環させるっていう、ちょっと感謝っぽい感じとかね、なんか感謝経済っぽいっていうのかな、そこをほんとくっつけていけると、もっと多分循環度はあがると思うんですよね。そこかなっていう気はしますよね。
池谷 僕ちょっと皆さんと違う回答をしちゃうんですけど、僕は先行者メリットって大きいと思うんですよ。早く市場にいいものを出したもん勝ちかなって思ってて。僕らももちろんそう思って今、教育の知育とかってまだ市場ないけど、多分タブレットで絵本読まないのって否定する人いないと思ってるんで、作っちゃおうって思ってるわけですね。
「LINE」とかも皆さん使ってるすごいいいサービスですよね。やっぱ新しいコミュニケーションの形で、人ってコミュニケーション好きなんで、あんだけ流行ってると。で、今DeNAさんが「comm」やってますよね。多分相当抜くの大変だと思うんですよ。DeNAさんすごく賢いしお金もあるんで、全速力でアクセル踏むんだけども、やっぱLINE作った時よりかは倍くらいアクセル踏まないと多分抜くのは難しいかなって。
僕DeNAさんだったら十分に善戦してくれるんで楽しみにしてるんですけど。ただそれくらい二番手って追いかけるのって難しいかなって思っていて、やっぱりいち早く、だったらインスピレーション湧いたものを具現化して、最初にやっぱり市場に、それも沢山出すみたいなことは結構重要かなとは思います。
松本 うちのDECOPICの場合だと、プリクラ系のアプリってその前にもあったんですよ。なんですけれど、抜いてその後維持できてるっていうのは、まずはそのUX、ユーザーエクスペリエンス、そのサービスでユーザーが何を求めてるのかっていうのを、とにかく突き詰めると、結構勝てたりします。
なのでまずはそこをどれだけ考えるかっていうのが全てで、そのあとは、よくあるプラットフォーム化するとか、データベースを預かるとか、コミュニティ化するとか、っていって、どんどんスイッチングコストをあげてくっていう王道パターンがあるんですけど、先にそっち考えちゃうと、別にユーザー別にコミュニティ欲しくないよとか、ユーザー別にプラットフォームになってほしくないよとかって、往々にしてあるので、まだそのUXで戦うみたいなことはうちはやってますね。
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