2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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田中章雄氏(以下、田中):前半はクラシファイド系で2件見ていただきました。次は絞ったサービスということで、STORES.jpのプレゼンからお願いできますか。
光本勇介氏(以下、光本):はじめまして。ブラケットの光本と申します。よろしくお願いいたします。
田中:そう言えば先日発表ありましたよね。パルコさん。あれは一体どういう仕掛けなんでしょう?
光本:あれは、ダイレクトにC to Cと関係ないかもしれませんが、パルコさんって全国に19店舗くらい持っていらっしゃって、その中に何百、何千というテナントを抱えていらっしゃる。その1テナント1テナントをオンラインストア化していくという提携で、そのオンライン化していくことを私たちがお手伝いさせていただいております。
田中:パルコさんに入っているひとつひとつのテナントは、今までネットのプレゼンスを持っていなかったんですか?
光本:そうですね。基本的にはリアルの店頭ビジネスですので、それをオンライン上でも売れるような仕組みを提供させていただいています。
田中:ありがとうございます。ではプレゼンをお願いします。
光本:今日はC to Cというテーマですが、ほかの皆さんと私たちが少し違うのは、私たちは個人と個人が取引できるような仕組みを提供させていただいていますが、マーケットプレイスを提供させていただいているわけではありません。
そこも含めて私たちの簡単なご紹介と、最近の状況を共有させていただきます。あと、マーケットプレイスではないからこそ抱えている課題も少しご紹介させていただければと思います。
まず私たちは、ブラケットという会社をやっております。私自身は大学を卒業して、外資系の広告代理店に入りました。5年半前くらいにこのブラケットという会社をつくりました。今渋谷で大体25名くらいで会社をやっております。
田中:このブタはなにか意味があるんですか?
光本:ブタは全然関係ないですね(笑)。飾りです。
今日はメイン事業のSTORES.jpというサービスをご紹介します。ひと言で言いますと、ウェブの知識がない方でも、誰でも簡単にオンラインストアがつくれるというサービスです。
オンラインストアでものを売る場合、まず商品を登録していただきますが、必要最低限の情報を埋めていただくだけで、ものすごい簡単に、売りたい商品を登録していただくことができます。
オンラインストア自体も、ウェブの知識がなくてもクリックだけで簡単にカスタマイズ可能で、自分の好きな世界観でストアをつくることができます。
「保存」を押した瞬間にストアが開く。一般の方から、Eコマースの感覚でオンライン上でものを販売することができます。最短2分でオンラインストアがつくれると謳っています。
光本:このサービスを1年半前くらいにスタートして、展開しています。おしゃれなストアをものすごく簡単につくれます、というサービスです。どんな方が使っていただいているか。
例えば立ち上げたばかりのバッグ屋さんが、私たちのサービスを使ってオンラインストアをこのようにつくって、多い日だと1日何100万円も売られているような方。普通にデザイン事務所で働いているサラリーマンデザイナーの方が、自分でTシャツをデザインしてこのように売られていたりとか。
会社を辞めて、自分のアパレルブランドを立ち上げた方がこのようにオンラインストアをつくって、全国の方に自分の立ち上げたばかりのブランドの商品を売っていたり。
個人の方が自分でつくったハンドメイドのアクセサリーをこのような感じでオンラインストアで売っていたり。ご年配の方もすごく多くて、この方は60代の方ですが、
ご自身が趣味でつくられているハンドメイド品をオンラインストアをつくって販売されていたり。結構売れているみたいです。本当にさまざまな使われ方があります。
C to Cというテーマなので個人の方にフォーカスしてお話ししたいと思います。オンラインストアが簡単につくれるというサービスを提供していて、実際に使われているのかどうか。私たちのサービスの特性です。
ものすごく簡単なので、個人の方も、「なんかすごい簡単そうだな」「やってみようかな」という感じで多くの方にご利用いただいています。もちろん企業さんの利用もそれなりにあるのですが、個人のストア開設者も非常に増えています。
田中:ちょっと質問です。個人商店も含め、個人と企業の割合はざっくりとどのくらいですか。
光本:半分半分くらいです。……すみません、5分以上経つと罰金取られるって聞いたんです(笑)。
田中:5分過ぎたら、チャリティに1秒につき1000円払ってくれるっていう話もあったのですが、まぁそれは置いといて(笑)。話を聞かせてください。
光本:個人の利用者の方も非常に増えております。どのように私たちのサービスを知っていただいているか。C to Cというカテゴリー自体、世の中も注目してくれていることもあると思いますが、マスメディアにも多く取り上げていただいております。
1年半くらいサービスをやっていますが、1か月に1本くらい、色んなテレビ番組に取り上げていただいています。
そのようなことを通して、一般の方に、ITのリテラシーが低い方にも使っていただいてます。
こういったパッケージ商品をつくり、これを書店やコンビニ、実店舗で売って、本当にリテラシーが低い一般の方に対して、私たちのサービスを販売していくという手法もしています。
田中:これは箱の中に何かが入っているんですか? 空気を売っているんですか?(笑)
光本:ほとんど空気ですね(笑)。シリアルナンバーが入っているだけです。毎日ストアをたくさんの方に開設していただいているのですが、1番多いのは、口コミで私たちのことを知り、利用に至る方です。
このような色んな手段を通して、私たちのことを知っていただき、個人の方でも利用に至っている。今は約10万ストアほど開設をしていただいております。この10万ストアが多いのか少ないのか……怒られてしまいそうだったので、起業さんのロゴはモザイクをかけています。
田中:全然想像つかないです、大丈夫です(笑)。
(会場笑)
光本:わからないですよね?(笑)このような某大手のマーケットプレイスというか、ショッピングモールよりも、数だけでいえばストアの数は多いという状況です。
田中:黄色のラインが直角ですね(笑)。
光本:そうですね、大きな改革をなされたみたいです(笑)。
光本:このように頑張って成長しているのですが、もちろん課題もあります。その辺を共有させていただきたいと思います。それは何かというと、お金についてです。
ものすごく簡単なサービスだからこそ、リテラシーが低い個人の方も多く利用していただいております。ただ、初めてオンラインストアを開設したり、運営したりする方が多いからこそ、どうマーケティングしたり集客したらいいのかわからないので、ただ開設しっぱなしになってしまう。せっかく店を開いても「売れないよー」という方が多いのですね。
先ほどもお話ししたように、私たちはマーケットプレイスではなく、基本的に個人商店、単体のオンラインストアをつくることができるというサービスなので、集客はしていません。ただ、このような状況になる方が増えている。
よく聞かれるのは、「モールつくればいいじゃん、なんでモールつくらないの?」ということです。このようなSTORES.jp Mallというロゴをつくっていますが、こんなモールをつくっても、誰も興味を持たないだろうし、売れないんじゃないかなと。ただ、世の中には集客や売るパワーを持っている企業やサービスがたくさんあります。
私たちも集客に関しては素人なので、私たちが頑張って集客するよりも、そのような企業さんと協業させていただくほうが絶対にうまくいく。
個人の方も、10万ストアもあれば、登録されている商品もものすごい数があります。素晴らしい商品がたくさんあります。なので、商品を売るような施策をたくさんつくっていきたいと思って、今力を入れているのがこの部分です。
光本:何かというと、ストアを開設していただくと、管理画面を持っています。そこにプロモーションスイッチを用意しました。オン・オフするだけのシンプルな機能です。
デフォルトはオフになっていて、オンにするとそのストアに登録されている商品が、売るパワーを持っている企業の出面に出るという施策です。ここに並べている企業のロゴは、基本的にC to Cのマーケットプレイスをあまりされていない企業が多いのですが、私たちと共同でC to Cの出面をつくっている場所です。実例をご紹介します。
例えば、ZOZOTOWNという日本でアパレルの商材を1番売っているショッピングモールがあります。その真隣にZOZOマーケットというものをつくります。このZOZOマーケット上にはSTORES.jpでつくられたストアのアパレル商材を全部並べさせていただいております。
田中:ではこの中身は100%、STORES.jpさんの商品なんですか?
光本:そうなんです。ZOZOTOWNにはアパレル商材を買いたい方がたくさん来られますので、そのままそのトラフィックをこちらにも流してもらい、コマースさせていく。
田中:実際やって効果はありましたか?
光本:はい。4か月くらい前にリリースしました。おかげさまですごく販売に至っています。
田中:スイッチオン・オフ、オンにするといくらかかるのですか?
光本:実際に販売に至ったときだけ10%の販売手数料を頂いてます。
田中:オンにするのはタダ?
光本:タダです。
光本:同じような仕組みで、「とらのあな」さんにご利用いただいています。ご存知の方もいらっしゃると思います。
実店舗を持っていて、同人誌を販売している企業と「とらのあなマーケット」というマーケットを共同でつくりました。同人誌を売られる方。STORES.jpを通してその方たちの商品がここに出ます。
手芸素材を売っている会社のユザワヤさんと、「ユザワヤマーケット」をつくり、ハンドメイド品を売ったり。
先週出したのですが、モバオクさんみたいなオークションサイトの中で、私たちだけの出面を用意してもらい、ここにSTORES.jpに登録されている商品を並べさせてもらって、モバオクで買い物される方に売っていくというようなことをしています。
先ほどお見せしたロゴは、私たちがその企業さんと一緒につくっているオリジナルマーケットなのですが、他にもすでに集客力を持っている既存のショッピングモールさんの多くと連携しています。
全部で20媒体以上に、私たちが抱える大量の商品を出させていただいています。先ほど言っていた課題、「売れない」。せっかくストアを開いたのに売れないという課題に対しては、解決出来ているかどうかです。
2.7倍。これはプロモーションスイッチを使っているストアと使っていないストア、使っているストアのほうが今のところ2.7倍売上があります。ですので、私たちはこのような形で、ものすごく簡単に、リテラシーの低い方・個人の方に対してオンラインストアを提供しています。
一般的にはオンラインストアはものすごく色んなSEOとか売る仕組み・集客を頑張って勉強して運営するのが当たり前でしたが、簡単にオンラインストアをつくって、プロモーションスイッチをオンにして、気が付いたら売れているという仕組みを今頑張ってつくっています。
田中:こんなにいいのであれば、なぜデフォルトでオンになっていないんですか?
光本:10%の手数料を頂くからです。あとは他の場所に出したくないという方もいるので。それで、私たちが最終的に目指している世界なんですけれども……。
今は個人の方に紐づいて、色んなサービスが紐づく世界になってきていると思うんです。例えば、個人の方に対して、Facebookのアカウント、ツイッターのアカウント、ブログのアカウントが紐づいています。ここにストアのアイコンが紐づくような世界がつくれたらすごく面白いんじゃないかと思っています。
「この人はすごくおしゃれ、彼女のオンラインストアもすごくおしゃれだよね。扱っているものすごくセンスがいいよね」「この人はいつも性格がバカっぽいから、ストアもすごくふざけてるよね。けどなんか面白いから買ってみよう」というような機会をつくることができれば、個人売買の機会がもっと増えていって、新しい経済圏が出来るのではと思っています。
究極的には1人1つオンラインストアを持つというカルチャー、世界がつくれたらいいと思ってやっています。
田中:写真を見ると右下のほうにカフェでポーズをとっている青年がいますが、この人も何か売っているんですか?
光本:あ、私(笑)。これすごく格好つけてるから恥ずかしいです(笑)。
田中:(笑)。
光本:はい、私も売っています。
田中:何を売っているんですか?
光本:Tシャツをデザインして売っています。あとは、仕入れて売ってみたり。色んなトライをしてます。
田中:ちなみに売れていますか?
光本:そうですね、それなりに。Facebookに書き込んだりしています。
田中:ちなみに5分オーバーで罰金は30万円なので後ほど……。
(会場笑)
光本:あの、コメントが入ったので……。
田中:あ、コメントの分は1分で差し引いているので大丈夫です。ありがとうございました(笑)。
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