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20代の経験の積み方・働き方−海外留学・生活で視野を広げろ!(全6記事)

世界で活躍している人は「結局、体力と根性がハンパない」--実は日本教育に全然足りないもの

海外留学経験をもつ登壇者4名が、留学を通じて学んだ視点やキャリアの積み方などについて、学生や20代のビジネスパーソン向けに語ったトークセッション。登壇者4名が参加者から寄せられた質問に回答し、海外留学を考える若者に向けてエールを送ります。(IVS2014 Summer Workshopより)

アメリカに留学した理由

田中章雄氏(以下、田中):ここで質疑応答のほうにいきたいと思うので、質問のある方、挙手いただければマイクが回ります。では、そちらの方、ご質問をお願いします。

質問者1:質問ですけれど、東海岸、西海岸、東海岸、東海岸と、皆さん新しい価値が生まれては消える。それがすごい高速回転しているアメリカを目指されたと思うのですけれども、なぜアメリカだったのかというのがひとつ。もうひとつがアメリカに挑戦したことで受けた影響、いい影響というのは何だったかというのを説明していただけるとうれしいです。南さんに、ぜひお願いします。

田中:では、南さん。

南壮一郎氏(以下、南):私のアメリカへ行った理由はすごく簡単ですね。高校2年生の春休み、もちろん日本の大学に進学する予定だったのですが、世界の大学ランキングと書いてある雑誌の特集を読みまして、東大が45位くらいだったんです。

1位から44位の大半がアメリカの大学だったので、この中のひとつの大学に行ったら僕は高校で1番だと思ったという、本当にそれだけの理由です。根拠がない自信がつきましたね。

アメリカに行ってよかった影響は、自由に好きなことをやっていいんだと思ったところです。金融をやって、プロ野球をやって、インターネットの会社をやって。『絶対ブレない「軸」のつくり方』という本を出しているのですけれども、僕が1番ぶれぶれ、なんですよね。

(会場笑)

でも、ぶれていないのは何かといったら、その瞬間やりたいなと思ったことをやり切るという力と、できるという根拠がない自信。それが多分アメリカで学んだことの1番。

メンタルが強くなったんですよね。結局、別に言語がどうこうなんか正直どうでもいい。むしろ全然違う価値観、全然違うようなものの見方、宗教、肌の色、色んなものがある中で結果を出し続けた、というのがアメリカの大学の4年間だったと思います。

先ほどのサッカーも、やってよかったのは、結局、どこでもやっていけるんだと、自分の自信をつけた。それが留学から得た、1番うれしかった、今振り返ると自分にとってよかったと思うことです。

田中:ありがとうございます。

どの人と会いたいかで留学先を決める

田中:では、その次の後ろの列の方。

質問者2:皆さんに質問ですが、海外に行くといっても、どこの国に行くか、またその国のどこの都市に行くかというのはどういう基準で決めたらいいか教えていただきたいです。

田中:南さん以外。では、石川さん、お願いします。

石川善樹氏(以下、石川):どこでもいいと思います。

(会場笑)

僕の場合は本当にそこしか知らなかったというのもあるんですけれど、どこに行ったにせよ、そこからまた次にどこでも広がるので、僕はどこの国のどこの大学に行くかで選ぶよりも、今あらためて思うと、どの人と会いたいかで選んだほうがいいのではないのかなと思います。

僕は、ハーバードは不満もいっぱいあるのですけれども、結果的によかったのは、偉い人たちにいっぱい会えたんです。というのは、ヘルス分野って面白いのが、富と名誉と権力を手にした人間たちが最後どこに興味を持つかというとヘルスケアなんです。

だから、ビル・ゲイツだとか、色々な人たちが来て「世界を健康にしたいのだけれど、どうしたらいいんだ」というときにディスカッションできるというのが、結果的にハーバードという大学がすごくよかったと今は思っています。

でも、イギリスとかほかの国に行ってもやはり学ぶべきところはいっぱいあって、そういう意味で1個に決めるのではなくて、幅を持って色々見てみるんだという感覚で決めたらいいのではないかと思います。

:留学したことはないんですか?

質問者2:これから留学しようと思っているんですが、留学した方に聞くと、例えばハーバードとか、そういった日本人が誰でも知っているようなところは日本人が多くて自分に興味をあまり持ってくれないとおしゃっていて。だったら田舎に行こうかなと思っているので、こういう質問をさせていただきました。

石川:どこでもいいっすよね。「どこに行く」より「行く」ほうが重要です。

:今、大学生ですよね。大学生だったらとにかく行っちゃえという感じで。ハーバードは卒業してからも行けますし。

:そうそう。いつでも行けると思います。

質問者2:わかりました。ありがとうございます。

日本の教育をどう改善すべきか

田中:では、こちらの方。

質問者3:お話しありがとうございます。質問ですけれども、もし日本の教育等を改善するとしたら、フォーカスするのはどういったところになりますか。

というのも4人とも日本を出てアメリカの大学で教育を受けてみて、初めて日本が遅れていることに気づいた、世界の広さに気づいたとか、そういう話をしていらっしゃったのですけれども、世界第3位の大国の日本にいて、そこで何が足りないのかというか……そういったところをお聞きしたいです。

田中:では、佐々木さんいきますか?

佐々木紀彦氏(以下、佐々木):私が思うところで、日本に3つガラパゴス産業があると思っていまして。その中でさっき言ったメディアと、ヘルスケア・医療のところと、3つ目が教育だと思うんです。

そこで、今、電子の力が色々変わってきていて、受け身の知識を吸収するところは全部インターネットとかそういうのでどんどんできるようになってくる。なので、むしろ授業は2、30人とか少人数制で全部議論をディスカッションするような、そういったものに全部シフトしていくほうがいいと思うんです。

けれども、それができる人、教授が日本にいるかというと、なかなかいないですよね。なので、そこは理想論としてはあるのですけれども、やるのは結構大変かなと思いますが、やり方としてはそれしかもうないと思います。吸収は自分でやる、けれども、みんなで会う場所はディスカッションとかそういう発展させていく場にする、というようにくっきり分けるのが私は1番いいと思います。

インプットの授業はいらない

石川:僕は持論があるのですが、いいですか?

田中:どうぞ。

石川:教育の話をするときに、みんないかに優れた脳をつくるかという話ばかりするんですよ。

:星のかけら。

石川:星のかけら(笑)。でも、優れた人になるためにどういう教育が1番必要かというと、とんでもない体力と、とんでもない根性なんですよ。グローバルで活躍している人は根性とか体力が半端ないですね。

ものすごく移動して、眠い中で、眠さを出さずに会議に参加したり、移動で疲れない体とか、もしくはどれだけ眠くても根性で、気合いで資料を読み込む力とか。そういう体力と根性をつける教育とかが、日本の中では全然足りていないのではないのかなと思います。

だから、みんな脳の話ばかりしているのですけれども、もっと気合いと体力の話をすべきだと。

田中:根性とかって、アメリカではなくて、もっと日本的な、何かコンサル的ですね。武士道とか……。

石川:はい。

田中:すごい体育会的なコメントですが(笑)。

北川拓也氏(以下、北川):日本の教育に何が足りないかというのは、ずっとハーバードにいて思ったのは、先ほどのインプットの話。インターネットはすごく進んで、インプットの教育というのはもはや要らない、大学には要らないというのが僕の意見です。

それはインターネットでハーバードの授業を勝手に受けてくださいと。ハーバードとは限らないですけれども、そういった世界最高峰の授業は、もう皆さん受けられるんです。だから、もう全然聞く必要ないですね、日本の授業なんて。

では、大学は何をするべきかというと、アウトプットの教育が圧倒的に足りない。何かの組織を立ち上げたりだとか、先ほどの議論、ディスカッションだとかアイデアを生むところだとか、そのアウトプットのところの教育を思いっきりフォーカスして政府が取り組めば、全く違った形になるのではないかと思います。

田中:よろしいでしょうか。

質問者3:ありがとうございます。

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