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第二部(全4記事)

スタートアップで働く魅力は「誰が正しいかわからない環境」 フラットな状況が生む好循環

C2Cの事業を運営する企業をゲストに招き、テーマにそってパネルディスカッション形式でトークする「C2Cスタートアップナイト」。2017年11月30日に行われた同イベントの2部に登場したのは、メルカリファンドの出資先であるポケットマルシェ・本間勇輝氏、キッチハイク・山本雅也氏と藤崎祥見氏、BrainCat・中村貴一氏。C2Cサービスならではの苦労やサービスローンチまでの舞台裏などを語りました。

スタートアップで働く魅力とは

原田大作氏(以下、原田):実はもう時間が早いものでかなり迫っていまして、最後ちょっと1つだけ。課題が大きい業界にチャレンジしている3社だと思うので、あえてそれでも、「スタートアップで働く魅力」を一言ずつ簡単にいただければと思います。

本間勇輝氏(以下、本間):あの……「まだスーパーで消費してるの?」

(会場笑)

というですね、コンセプトが……。

山本雅也氏(以下、山本):キラーワード。

本間:(笑)。僕らは本当に効率化をしたいわけでも、おいしいもの、グルメサービスをやりたいわけでもないです。

食べ物を買う、もしくは食べ物との向き合い方という、ライフスタイルとか文化を変えたいという強い思いでやっているので、もうそれだけですね。それに本当に共感できる方と今一緒に働いているし、そういう方に入っていただきたいと思っています。

山本:そうですね、一言でいうと「キッチハイクにしかできないことをやる」というのがやってる理由ですね。6年前に藤崎と出会って「こういう世界があったほうがいい」って話したときに、もちろん、当時2011年か2012年ぐらいの時に、同じような先行者がいるか、めっちゃ検索して調べたんですよ。いなかったんですよね。

これは僕らの社会的使命だ

山本:でも、「この世界は絶対あったほうがいいな」と思った瞬間に、「これは僕らの社会的使命だな」と思って背負いました。なので、僕らしかやらないからやっているし、僕らにしかできないからやり続けるという。今、現にKitchHikeの競合はなくって。それはたぶんすぐには儲からないからという理由もあるんですけど。

原田:(笑)。

藤崎祥見氏(以下、藤崎):これから。

山本:はい、これからですね。

原田:なにかクックパッドさんあたりがサービスを出してますよね。

藤崎:おおー、さすが鋭いですね。

山本:鋭いですね。

原田:サイタさんとかも。がんばってください。

藤崎:僕らは2人なので、もう1回(笑)。ちょっともう1枠いいですか?

原田:はい。

藤崎:エンジニアとして魅力的なのは、すごくこだわれるところがすごい魅力的だなと思います。僕は野村総合研究所というところで働いていたんですけど、クライアントがいて納期があるプロジェクトだと、どうしてもチーム内やマネージャーが「もういいよ」「もういいじゃない」みたいな、妥協するような雰囲気になるんですよね。

でも、山本と出会って自社サービスを作って、「もうこのくらいでいいじゃない?」みたいな雰囲気になったことは一度もありません。なので、本当にこだわりたいエンジニアは一緒にコード書きたいなと思っています。

誰が正しいかわからない環境だからこそ

原田:はい、じゃあ、次に。

中村貴一氏(以下、中村):僕は、今日お越しになってる方々はエンジニアもいれば、デザイナーもいれば、ビジネスサイドもいると思うので、僕はビジネスサイドとエンジニアどっちもやってきてる人間なので。

それぞれについて言うとエンジニアは、今言われたとおりゼロから作っていると。技術選定もなんでもできるんですね。僕の開発チームだったらReact Nativeをがんがん使っていますし、あとLambdaも、がんがん使っていると。

けっこう新しいもの好きなので、そういった環境もなかなかうちの会社で使えないんじゃないですかと思ったりしますね。

あとビジネスサイドに関しては、これは本当に芸術家になれるんですね。要は僕みたいなサービスはとくにそうだと思うんですけれども、やはり、これまでになかったものを作っていくというところで、本当に創造性を100パーセント以上、ビジネスを作っていくと。

大企業とかにいると、とくにそうなんですけれども、どうしても100パーセント自分がやりたいことをできないんですね。人のしがらみとかもありますし、あとチームの格差とかもありますので。

基本的にスタートアップはそういうのないんですね。なんでかというと、少ない人数で同じ目標に向かって突き進んでいるので誰が正しいかわからない。そうなると、かなりフラットな状況でがんがん意見を言っていける。そういった環境はもうスタートアップじゃないとできないんじゃないかと僕は思っていますね。以上です。

資金調達でICOはなかったか

原田:そうしたら最後、2問ぐらいQ&Aですね。

質問者1:BrainCatさんに質問があるんですけど。

原田:BrainCatさん。

質問者1:C2Cでみなさんでお金出しあってファンド出させるとか、C2Cでブロックチェーンで取引を承認させるとかって考えたときに、資金調達でICOという選択肢はなかったんですか? 気になっただけなんですけど。

中村:僕たちがということですか?

質問者1:そうです。

中村:今回、実はICOとかやるタイミングがなかったのが事実です。今、日本でもICOのコンサルティングをやってる方々がいらっしゃるし、僕ももう2年前からビットコインと関わったときがあったので、そのへんの知人がけっこういたりしたんですね。

結局、やるとなったら香港かシンガポールかという話になっていたんですけれども、今回、資金調達をやるときに「どっちもやろうかな」という話をしてたんですけど、たまたま資金調達のほうが早く進んでしまったのでやめた経緯があります。

質問者1:ありがとうございます。

原田:はい、じゃあ。

個人の消費がC2Cで賄われる日は来るのか

質問者2:質問は「最終的に個人の消費が、キャッシュレス社会みたいに全部C2Cのサービスで賄われるみたいな世界みたいのって来るのかな?」って質問なんですけど。

僕はAnyPayという会社で「paymo」をしてて、すごく思うんですけど、やっぱ個人間決済とか送金が流行ると、いろんなものを生み出すんですね。

中国とかだと、極端な話、目の前の電車で座っている人がいて、「いや、代わりに座りませんか?」みたいなのを、個人間送金があったら別にお金として還元できるわけじゃないですか。

個人の消費がおもしろさとかによってると、10年・20年ぐらいしたら、個人的には全部もうC2Cのサービスで賄えるみたいな世界ってあるんじゃないかなって個人的には思っているんですけど。「個人的なこの質問に対してどう思いますか?」という質問。ざっくりした。

本間:もう食べ物が一番ですよね。食わないと生きていけない。今、実際うちのユーザー間で起きているのは、「手伝いに行くから米ください」とか、デザイナーがデザインするから米送ってもらうってぜんぜん起きてるんですね。

食のEC、一番の課題は物流

本間:食に限らずですけど、食のECの一番の課題って結局物流のところですよね。「そこのコストって誰がどう負担するの?」というところで。

1つのソリューションは、地域内のマッチングをすることで、「ポケマル アッテ」やりたいんですけど。もうユーザーが取りに行く。そうすることでコストが最大で0になるというのは1個のソリューションなんですけど。

もう1個はたぶんお金とか、物流を介さないのもそうですけど、お金以外の価値の交換というのができるかたちにすると、そこが解決するなと思っていて。

「食」や農家さんって、お金はないけど、百姓としてのスキルも全部持っているので、交換できるものを持っていて。20年後じゃなくて100年後かもしれないですけど、実は一番金持ちというか信頼持ちになっているかもな、という気はしていますね。

原田:他になにかありますか?

BとCの間にはグラデーションがある

山本:そうですね。「CとBのBってなんだろう?」とは思っていますね。Bって結局人の集まりだと思うので、Cの塊みたいなものだと思っていて。BとCの間にはグラデーションがすごくあるんじゃないかなとは思いました。

実は今日料理を出させてもらっているのはKitchHikeで活躍してくださってるAzumiさんというクックの方なんですけど、これは「オフィスKitchHike」という別ラインのサービスだったりするんですね。toBの別ラインのサービスなんですけど。でも、こうして人が集まって食べているのはCなので。

そのへんはグラデーションがさまざまあるので、Cだけで完結するという世界はもちろんありうるだろうし、そこにはぎりぎりのBみたいなものも存在するという、もっとCとBの間が滑らかになっていくんじゃないかという気はしますね。

原田:確か、今日プレスリリース出しましたけど、メルカリも一部法人を迎え入れていたりとかしますね。回答になってましたか? 大丈夫ですかね。あとせっかくなのでもう1問ぐらいあればですかね。はい、じゃあお願いします。

C2Cの信頼をどう証明していくか

質問者4:すいません。ちょっと簡単な質問になるんですけど、今いろいろ信頼という言葉が出てきたと思うんですが、今後C2Cが増えていくにあたってその信頼というのがどんどん重要な部分になってくるかと思うんですけども。

その上で、もっと重要視されてきたときに、その信頼というものをどう証明していくかというところではいかがお考えかなと思います。

中村:たぶんいろんなところに今、信用情報が格納されていると思うんですね。各事業者ごととか、あとはSNSとかですね。最近は転職スコアとかけっこう有名かもしれませんし。あとアプリだと「TALA」というサービスがあるんですけど、あそこも信用情報を格納してたりするんですね。

いろんな事業所があるなかで、たぶん僕の考えとしては、まずは国レベルで情報銀行のようなものを作って信用情報をしっかりすると。その上で各事業所の持ってる信用情報がたぶん蓄積していくんじゃないかなと思っています。

そうすると、さっきの今後、人生みたいな話がありますが、ああいうことも簡単にできていくんじゃないかと。要は お金を一切気にせずに、自分の行動が勝手にログ化されて勝手に決済が終わる。そういう世界が来るんじゃないかなというのが僕のイメージですね。

原田:では、こちらでパネルディスカッションを終わらせていただきます。お疲れ様でした。ありがとうございます。

(会場拍手)

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