2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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木村忠昭氏(以下、木村):みなさん、こんばんは。今日はY Combinatorのイベントにお越しいただきまして、ありがとうございます。司会のアドライト代表・木村です。
今日は「最新のY Combinator」をテーマにいたしまして、アメリカのスタートアップのトレンドや、アメリカの中でもトップのスタートアップ育成プログラムを展開しているY Combinatorの最新トレンド、また具体的なチームについて紹介させていただければと思います。
Y Combinatorは年に2回デモデイがあります。直近ですと8月にありました。登壇されている久保田さんとちょうど現地でご一緒して、「ちょっと座談会でもやろうよ」と話して始めてみたところ、こうしてみなさんのご感心をいただきました。今回は100名以上申込みいただいています。
今日はアメリカで実際に投資されている3名にお越しいただき、おすすめのチームや、最新のスタートアップトレンドをあわせてお話ししていただきたいと思います。
このイベントシリーズを少しご案内させていただきます。「Trend Note Camp」といいまして、我々アドライトが主催しております。海外のスタートアップや、イノベーション事例を有識者の方に紹介いただいております。
今回第9回目でして、毎回こちらのFINOLAB(フィノラボ)と共催させていただいております。FINOLABは、FinTech(フィンテック)を中心とした新しい事業やスタートアップ育成を行っているコミュニティ、そしてスペースです。
このイベントシリーズに過去に来たことがあるという方、どれぐらいいらっしゃいますでしょうか?
(会場挙手)
2割ぐらいですね。ありがとうございます。前回はエストニアをテーマにしました。ほか、インド、中国、アフリカとかいろいろお話しさせていただいています。
今日の流れですが、引き続き私からご挨拶と、Y Combinatorの概要や最近のトレンドについて少しお話しさせていただきます。
そのあと、お呼びしている3名のキャピタリストのみなさんからそれぞれのおすすめの投資先のチームや、最新のトレンドについて共有させていただきます。そのあとパネルディスカッションにして、会場のみなさんも交えながらお話しさせていただければと考えています。
改めまして、我々、株式会社アドライトはイノベーション創造を掲げたハンズオンの支援・ベンチャー育成支援を行っております。
大手企業とベンチャーをつないでオープンイノベーションを実現したり、イノベーション支援をハンズオンでプロジェクトの中に入ってご支援したりするようなことを生業にしております。
オープンイノベーションでは、スタートアップを実際にアレンジして、そのあと事業化まで一気通貫で支援するところが1つの特徴としてあります。また、我々自身が事業のハブとなってワンストップでの事業のインキュベーションや産学連携も積極的に行っております。
案件に最新のテクノロジーやトレンドを含めたプロジェクト支援、事業創造支援があります。
ベンチャー育成支援は国内外カバーしていて、こちらが国内のIPO支援先5社です。ユーグレナやクラウドワークス等で、直近ですと、今年9月29日に東証マザーズに上場したマネーフォワードがあり、社外の役員を務めております。
今日はアメリカをテーマにしておりますけれども、我々はアメリカ以外にアジアを1つのターゲットにしています。
一部プライベートで投資もしていて、Y Combinatorでいいますと、3社投資先があります。1つ目がGlowing Plantsというバイオテックの企業で、少し前のバッチです。
文字どおり「光る植物」ということで、これをクラウドファンディングで出してるんですが、実際に植物を暗闇で光らせて、最終的にそれを街灯にしたいということでやっていました。クラウドファンディングはうまくいったんですが、それ以降の事業スケールで若干苦戦しまして、ピボットしています。今は「Fragrant Moss」という良い匂いがする植物に少しピボットをしました。
2つ目がμBiome。これもたまたまバイオテックの会社なんですが、少し前のバッチに入っています。こちらもともとは500 StartupsのUSのほうに入っていて、実はその時に一部投資をしているんですけれども、そのあと少し置いておいてといいますか、しばらく経ったあとにY Combinatorのデモデイに行ったらたまたま出ていました。
最終的にアンドリーセン・ホロウィッツからお金をもらって、体内のバクテリアをチェックするサブスクリプションのモデルを展開しています。
3社目がCambly。EdTechの会社で、ex-googleな2人で立ち上げた非常にTechな会社です。EdTechの中でも英会話をモバイルでリアルタイムで学習できるというモデルですね。ネイティブのの先生と英会話を習いたいという人たちをつなぐオンラインのプラットフォームとアプリを展開している会社です。
これも少し前のバッチなんですけれども、サブスクリプションでわりとマネタイズはしやすいということで、3社は引き続き生き残っています。
アメリカですと十何社ありますけれども、3年ぐらいで(スライドを指して)このぐらい投資しました。何社かはもう倒産してしまったり、連絡しても取れなかったり、一部はうまくいったりしています。そうですね、我々のご支援先だとそういったところです。
あとは、海外のいろいろなアクセレーターとも連携しながら、グローバルなエコシステムの創造のための取り組みとして海外で現地のコミュニティと連携してのイベントも開催させていただいています。
国内ですと、このTrend Note Camp以外にもオープンイノベーションをテーマに三菱地所さんとご一緒させていただいている「Mirai Salon」や、リクルートさんとご一緒している起業家の育成をテーマにした「Fin Book Camp」など、いくつか開催しております。もしご関心あればぜひお越しいただければと思います。
ここから少しお時間をいただきまして、本題のY Combinatorについてお話しさせていただきます。この中でベイエリア、シリコンバレーに行ったことがあるという方は、どのぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
みなさん行かれたところですかね。アメリカのベンチャー企業に、投資をしているという方はどれぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
あんまりいないですね。ありがとうございます。
最近Y Combinator自体アクセラレーターというよりはシードファンドということで自分たちの定義を少し変えています。今まではシードアクセラレーターと定義をしていまして、アメリカのランキングでもトップに君臨するスタートアップの育成プログラムでした。
年に2回、スタートアップ向けのプログラムを実施しまして、最終日にデモデイというかたちで主には投資家に向けてプログラムの期間中にお披露目を行います。日本からは過去1チームのみ参加にとどまっています。
書籍なども出ていますので、関心のある方はこちらをご覧いただければと思います。
Y Combinatorは夏学期と冬学期があって、直近のバッチがS(夏学期)の2017ですね。年に2回デモデイが開催されていて、アメリカのtop-tierのVCを中心に500人ぐらいですかね、いらっしゃってます。
1つ特徴としてあるのは、ファウンダーフレンドリーといいますか、起業家中心のプログラムということです。なので、デモデイには第三者に勝手に参加させないというルールがあります。オフレコのチームが毎回出てきますので秘密を守るであったり、一部には投資家がレーティングされていて、あまりに投資がアクティブでなかったり起業家への態度がひどい場合には参加できなくなったりするなど、非常に起業家を大切にする文化があります。
また、Handshake Protocol。こちらも有名ですけれども、握手で投資の合意が決まってしまうので、もしY Combinatorのデモデイに行かれる場合には注意していただければと思います。
各チーム2分程度のピッチがQ&Aなしで100チームほど延々と続きます。出張ベースで行ってる者としては、非常に時差ボケで眠いなかこれらピッチを聞かないといけないので、やるほうも聞くほうもけっこう大変な2日間になります。
2分で何を話してるかというと、サービスとかプロダクトの紹介というよりかは、「僕らのやってるサービスはこういうことだ」と一言紹介やマーケットの規模、成長実績です。profitableのチームも少し増えてるのかなと思いますが、サービスのの背景にあるポテンシャルを紹介するチームが多いのかなという印象です。
また、ポテンシャルのあるマーケットは小さくても10億ドル、大きいと1,000億ドルぐらいですね。けっこうポテンシャルのあるマーケットを示すところが非常に多いです。
現在は「120Kで7パーセント」とフォーマットが決まっていて、SAFEと呼ばれるコンバーティブル・エクイティというかたちなので、キャップ金額とディスカウントを決めれば細かい投資要件を交渉せずにY Combinatorに入っているチームに投資ができるというような整理がなされています。
最近ですと、Y Combinatorが大型化しているのが1つのトレンドとしてあります。Y Combinatorって2人のファウンダーがいないと入れないんですけれども、Y Combinatorに入る前のFellowshipという、1人のソロのファウンダーも入れる少しアーリーなステージに向けたプログラムとかもあります。
さらに、その先のフォローオンのファンドや、Y Combinator出身以外のところにも投資できる投資ファンドができたりとか、最近はY Combinator自体も非常に大型化してきているのが、1つトレンドであるのかなと思います。
あとは1回のバッチのチームが増えているので、トレンドとしてはチーム数も増えていて、なおかつ入ってるチームもけっこう大きくなってきています。このあともお話があると思いますけれども、バリュエーションも1千万ドル前後ぐらいに少し大型化していってるのかなと。
最後に、Y Combinatorのもう1つの特徴として、非常に多様なチームを受けて入れているというのがあります。以前はY Combinatorというとわりとテックな、アプリやエンジニア向けのサービスであることが多かったんですけど、多様化しています。
(スライドを指して)Requests for StartupsがY Combinatorのページにオフィシャルに公開されていますけれども、「こんなことやってるチームをY Combinatorで募集しているよ」ということで、Energy、A.I.から始まって、幅の広いチームを募集しています。
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