2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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質問者:皆さんが起業するときは、楽しい仲間や気が合う仲間と始めると思うんですけど、そのうちにいろんな人をリクルートして、人材を集めることになると思います。中には気が合わない人もいると思うんですけど、そういうときは企業としてどうやって仕事を続けていくんですか?
佐俣:仲間集めの質問なんで、じゃあ仲さん。プロですからね。
仲暁子氏(以下、仲):仲間を集めて、その中に微妙な人がいたらどうするかって話ですか? それは、その人が出て行くほうがお互いにハッピーなんじゃないですかね(笑)。結構シンプルな解なんじゃないかと。
これはアメリカでは主流で、恋愛も一緒ですけど、お互いに我慢してたら結婚してても付き合っててもお互いに不幸じゃないですか。辞めて違う会社に行ったら、その人もハッピーかもしれないし、会社もハッピーかもしれないし。なので、ずっとその会社に居続けるっていうのは全然なくて、普通に出て行くのが一番シンプルな解じゃないかなって思います。
石田言行氏(以下、石田):試用期間がだいたいどの会社にもありまして、その期間内であればどうにかするっていうのが、雇用者も僕ら側(雇用主)も判断することかなと思いますね。仲さんがおっしゃっていたように、お互い嫌いな状態でやっててもしかたがない。ちなみに僕は一人で始めたんですけど、今日は朝5人くらいでフットサルしてきて、いい会社だなって思いました(笑)。
佐俣:自慢ですね(笑)。
石田:(笑)。なので、3ヶ月の試用期間っていうのが結構大事ですね。
それよりも「合う、合わない」で重要なことは、苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人かどうかっていうのが、仲間を集めるときにポイントだと思ってます。
プロセスにおいてバチバチにぶつかるっていうのは悪いことじゃないと思うんですね、いくつか前提条件がある中で。仲間を集めるときに大事なのは、絶対ここですね。初期の段階では、苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人以外は、最初の仲間に迎え入れちゃダメですね。
安部敏樹氏(以下、安部):先日、私は職員になるはずだったバリキャリ系の女性で、「できそうな人だな、一緒にやりましょう!」っていう感じだったんですけど、2ヶ月くらい一緒にやった結果、「あなた無礼よ!」って言われて、そのまま辞めていってしまったんですよね(笑)。
(会場笑)
まぁ無礼なのはそうなんだけど、みたいな(笑)。確かに年上の女性でしたし。でも、人間的に合わないっていうのはあるのかなと思います。それは、もう無理だなと。溝口さんがおっしゃるように、議論ができたらいいんですよね。
それとは別に、僕が最初に作ったときに10人くらいの「安部と何かしたいやつら」と一緒にやったんですけど、そのときのやつらは誰も僕の理念に共感しなかったんですよね(笑)。3ヶ月くらいやって思ったのは、こいつらとは無理だなと。「お前ら理念に興味ない?」って聞いたら「ない」って言うんで、全員に辞めてもらいました。
理念に共感してもらえるかって部分と、議論になるかどうかって部分。「無礼よ」って言われても議論のしようがないんで(笑)。そういう人はもうサヨナラです。
残りはなんとかディスカッションしながら一緒にやろうよ、楽しくガッツリやろうよってなるんですけど。ダメな人はもうダメです。以上!
質問者:ありがとうございます。
質問者:最近周りを見てみると、起業しようとする学生が心の底から出てくるミッションじゃなくて、「こうやらなきゃいけないんだ」みたいな感じでミッションを作り上げて起業してるように思えるんです。
自分はくだらない理由で起業するっていうのが好きで、そういうのに共感するんですけど、いつ頃からか「世界を変える」みたいなミッションをやらなきゃいけない感じが出てくるように見えます。
そういうのが出てくるときって、どういう気持ちなのかなっていうのと、出てくるとしたらいつ頃までに出さないといけないかというのがあったら、ぜひ聞かせてください。
佐俣:言行、どう?
石田:僕の場合はやりたいことが初めから決まっていたので、例外的ですけど。でも社員を雇うときに、お二方がおっしゃったようなビジョン、ミッションがないと、結局求心力がなくなっていっちゃって、たぶん30人、50人となったときに崩壊しかねないと思います。
僕の会社は今20人弱くらいで、旅という領域に絞ったビジネスです。「好きで隔たりのない世界をつくる」がミッションで、「新しい旅行体験を文化にする」というのがビジョンで、旅好きの社員からすると、比較的浸透しやすかったと思っています。
ビジョンやミッションに惹かれて応募してきた人もいました。できるだけ、早い段階であったほうがいいとは思います。そっちのほうが絞って採用活動もできるし、結局は人材が企業にとってのキモになってくるので。
早ければいい、ってのが答えですけど、理念とかがないんだったら安部さんみたいにやるとか(笑)。安部さんって、なんかついていきたくなっちゃうじゃないですか(笑)。
最初は、手の届かない壮大な理想を掲げるんじゃなくて、まずは半径2メートルの目の前の人とか、友人とかの不便をなくすみたいなシンプルなところから始めるのがいいと思うんですよ。
さっき言った「どこからビジョンが必要になるのか」。それはチームができたときだと思ってます。チームが3人とか5人のレベルだったらビジョンは必要ないんですけど、10人とかになったときに何が起きるかっていうと、コミュニケーションコストがすごく上がってくるんですよね。
そのときに同じ方向を向いているとチーム全体の意思決定スピードが速くなるので、自分の心にある思いみたいなのを言語化して、共通化して、みんなにわかってもらう。
すると、例えばクライアントから「こういう広告を出したい」って言われたときに、受けるべきなのかどうかをいちいちリーダーに確認しなくても現場で判断できる。そんな感じで、意思決定スピードがチームとして速くなるんですね。
10人、100人、1,000人になったときも、そういう企業のほうがビジョンのない会社よりも速く進む。こういうのが解なのかなと私は思ってます。
佐俣:ありがとうございます。
仲:さっき話した中にもメッセージとして出てきてると思うんですけど、理想を高くぶち上げる必要もないし、起業を目標にする必要もなくて。まずは半径2メートルの、周りの人たちの些細な問題でもいいから解決すること。
例えばFacebookは、最初みんなみたいな学生が「オンライン学生年鑑みたいなのを学校が作ってくれないよね」という不満から始めたんですよね。それが大きくなるときに、世の中をオープンにコネクトしてシェアさせるっていう大義名分をつけました。
Twitterも最初は、会社の中のイチ機能としてノリで作った。それが広まっていって、分離して1個のでっかい会社になって、その後で大きいビジョンを掲げたんですよね。なので、あんまり頭でっかちに考えずに、まずは半径2メートルの問題を解決する。そこは、ラフというか考えすぎずに動いてみるのがいいんじゃないかなと思います。
最後のメッセージなんですけど、ウチの会社でも学生さんのインターンとか募集中なんで(笑)、もし興味があったらぜひウォンテッドリーのサイトを見てみてください。他の会社も募集してると思うんで、それでもいいです(笑)。以上です!
佐俣:ありがとうございます。
石田:僕も大学に入った頃は、受験失敗したりとかバドミントンを途中でやめたりとかのコンプレックスがあって、その中で自分がやることは起業しかない、起業なんだと思い込んでやってきました。
ただ、いざ起業すると、多くの人がそう感じてるかもしれないんですが、リスクがないとわかっていても怖いんですよね。結局先が見えないんで。先が見えないっていうのは何でも怖いもんで、なかなか一歩が出ない。
そんな時期が長かったんですが、そのときに出会った仲間たちと事業計画をあれこれ考えてたりとか、1人の家に泊まってひたすらおもしろいアイデアを考えたりとか、今思い返してみればすごく青春だったと思います。そこで終わっちゃうのもいいと思うし、本当にやりたいことがあれば一歩踏み出してみてもいいと思うし。
ただ僕が言えるのは、起業家って生き方は最高にかっこいい生き方だと思ってるってことだけですね。これに勝る人生はないと僕は自負してます。ここにいる他の方もすごく尊敬してるし。スタートアップ界の中には否定する人が基本的にいないんですよ。どんな生き方でも「いいよ」って言ってくれる、すごくかっこいい起業家の人たちがたくさんいます。
こういう人生を生きられるっていうのはすごく幸せなことだと思うので、些細な事でもいいから自分がやりたい何かが見つかったら、ぜひトライしてみればいいんじゃないかなと思います。
ただ、そう簡単にはうまくいかないので、それなりに強い心を持って挑んできてくれれば、もっともっと世の中はおもしろくなるんじゃないかなと思います。
佐俣:ありがとうございます。
溝口:ここには若い人たちが多いと思うんですけど、僕が伝えたいのは、今皆さんは非常に重要な時間を生きてるってことだと思うんですね。「世の中を変える大きなことをしたい」とか「起業したい」とかすごく手が挙がってましたけど、それを前提とするなら、今は本当に重要なときです。
30歳~40歳とか50歳も含めて、世の中で活躍してる人たちで、20代で頭角を現してない人ってほとんどいないと思います。僕を除く登壇者の方たちはまさにその代名詞かもしれませんけども、そういうところまでどうやっていくかっていったら、やっぱり選択なんですよね。
人間は、1日5万回の選択をしているって言われてます。ですから、皆さんの目標とか、なれる最高の自分に向かうような選択ができるかどうか。これって、己に克てるかどうかだったりするんですね。
繰り返すんですけど、僕が一番伝えたいのは、今本当に重要なときを生きていること。何をやったらいいか、もしわからないんだとしたら、こういったエネルギー、熱量の高い場にまず参加することですね。そういった仲間をたくさん見つけて、コミュニティに入ることだと思います。入った後は、とにかく目の前のことに一生懸命に生きる。一生懸命に向かう。
さっき言行さんはサークル活動できなかったって言っていましたけど、やっぱり隣の芝生は青く見えちゃうんですよ。無駄にサイドブレーキを引かないで、とにかく一生懸命目の前のことに注力して頑張るってことが重要だと思います。今日はありがとうございました。
佐俣:ありがとうございます。
安部:3つ言葉を贈るとすると、1個目が「ビジョン」、2個目が「現場」、3個目が「ルールメイキング」です。
私は自分のことを天才型だと思ってるんですけど……今皆さんが勉強とかするじゃないですか。あるいは他の何かをやったりするじゃないですか。それはすべて自分が成し遂げたい世界を作るとか、そういうビジョンを見るための勉強なわけですね。だから、意味もなく勉強とかをする必要はないから。
勉強すること、起業することもそうですけど、何のためかっていうと「自分のビジョンを作ってこれを成し遂げるぜ」っていうのを見つけるためにあります。そこのビジョンを持てるようになったらいいと思うし、そのためには金を使っても時間を使っても絶対やったほうがいい。これが1個。
もう1個は、多くの人は机上の空論を語るわけですね。大風呂敷とともに大事なものは現場のザラザラ感なわけです。漁船に乗ってマグロを切るってのはわかってても、普通の人はマグロを切れないわけですよ。
「どうやればいいんだ、このでかい魚を」みたいな。現場のザラザラ感っていうのは超大事で、現場に行っていっぱいのザラザラ感に触れて、「口で言うのは簡単だけど現場だと超難しいじゃん!」っていうことを理解する。それがわかると、ビジョンが実現できるようになります。
3個目のルールメイキングの話を言うと、人間の特徴で他の動物とか微生物にないひとつだけのものは、ルールっていうものを認知できることなんですよね。メタ認知できる。つまり、自分たちがルールに従うんじゃなくて、ルール自体を変えていける。これが人間の特徴なわけですよ。
例えば、今皆さんが隣の「起業したいです!」って言ったやつに対して「あら、かっこいいじゃん」っていう一言を言う。これが、世の中における起業の文化のルールを変えるわけですよ。
小っちゃなレベルであっても、皆さんのワンアクションが人間社会のルールを変えていってるわけで、その部分を意識してルールを変えながら世の中を変えていこうとなると、起業はもちろんしてほしいですし、起業以外でもルールメイキングできるような人間になってほしいなと思います。
そこを意識して、20代を過ごしてもらえたらと思っております。長くなりました。ありがとうございました。
佐俣:ありがとうございます。
会場にいるメンバーで、適当に3人ピックアップして起業しろって言って、仲さんがメンターになったら上場するかもしれないわけですよ。
そういう瞬間に、今ここにいるっていうのはすごく大事です。この2日間で隣にいるやつと何かを話したら、結構なことが起こるんですよ。
そんなすばらしい時間を僕らは共有してるってことを含めて、このセッションとこれから先を楽しんでくれればと思います。それでは、登壇者の4人の方に大きな拍手をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました!
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