2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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成功する会社をつくる為に、まずは優れたアイデアを素晴らしいプロダクトに仕上げることが必要です。これがなかなか難しい、しかも決定的に重要、そして幸運なことにとても楽しいことです。
優れたプロダクトは常に世界に初めて生まれるものであり、何をつくるべきかとアドバイスすることは出来ませんが、「どのように」つくるかについては共通するポイントがありますのでそのお話をします。
最も重要な創設者の仕事は、会社が優れたプロダクトを提供できるようにすることです。優れたプロダクトが出来るまでその他のことは一旦忘れます。成功したスタートアップの創設者に話を聞くと、彼らの話は共通しています「始めた頃はずっとデスクに座ってコンピューターでプロダクトづくりに励んだ」または「顧客とたくさん話をした」。それに全ての時間を費やすのです。
その他のことはしません。もしも皆さんのスケジュールがそれ以外のことで埋まっているのであれば、よく考えなおしてみることです。資金繰り、宣伝、雇用、ビジネス・ディベロップメント等その他、創設者が気にかけなければならない問題は、優れたプロダクトができあがるとものすごく解決しやすくなります。まずはプロダクトづくりに専念しましょう。
皆さんの仕事はユーザーに支持されるものをつくること。これをせずに成功する会社の数はとても少ないです。書類上では優れているように見えるスタートアップも、皆に支持されないプロダクトをつくっていると失敗します。
中途半端に顧客に気にいられるものをつくろうとすると必ず失敗します。そして中途半端な彼らはなぜ失敗したのか気づくことが出来ない。人に喜ばれるものを生み出すこと、そしてユーザーと話すことが皆さんの仕事です。
YCでよく言うのは、多くのユーザーに「まぁまぁいいな」と思われるものをつくるよりも、少ない数のユーザーに対し、彼らに愛されるものをつくったほうがよっぽど良いということです。
実践としては、このグレーかオレンジを選びます。多くのユーザーが「まぁいいんじゃない」と思うものをつくる、または少ない数のユーザーに愛されるものをつくる、このいずれかです。これはとても重要なポイントです。
少ない数のユーザーに愛されるものをつくりましょう。そうすればそこから多くの人に愛されるものへ、またそこから多くの人に「まぁいいんじゃない」と思われるものへ、最終的にそこからより多くの人に愛されるプロダクトへと成長させやすくなります。
ここさえ間違えなければ、他のことを少し失敗しても大丈夫です。ここを間違うと、その他のどんな分野で正しいことをしたとしてもきっと失敗します。成長の波に乗るまでは、このポイントだけに力を入れるようにしましょう。
皆さんが入り込むことが出来る隙間は限られています。多くのユーザーがまぁまぁ好きになってくれるものをつくるか、または少ない数のユーザーに愛されるかのどちらかを選ぶ必要があります。どちらを選んでも同じ量の愛なのですが、分布が違う、とでも言いましょうか。
(会場笑)
そして、初期のプロダクトでどれだけの人を幸せに出来るかがその後の成功の鍵というか。
(会場笑)
スタートアップは常にどちらの方向を目指すべきかで揺れています。どちらも同じに見えるでしょう? しかしこの2つは違うのです。限られた人から愛されるものをつくれば、その後それをより多くの人に愛されるものに発展させることができます。
しかし、そのあたりがあいまいだったり、熱意が足りないまま始めてその後発展させようとしても、プロダクトが多くの人に愛されることはありません。アドバイスです。まずは少ない数のユーザーに皆さんのプロダクトを愛してもらえるようにしましょう。
口コミでビジネスが成長する、これがビジネスが順調であるサインです。人は気に入ってくれれば、彼らの友人にもその話をします。これは消費者向けプロダクトも企業向けプロダクトにも同じことが言えます。人は自分が好きなものについて周囲の人に話すものです。口コミによって自然とビジネスが成長していきます。
セールス、そしてマーケティングはとても重要です。素晴らしいプロダクトは長期的成長の鍵です。まずは、素晴らしいプロダクトをつくることに集中しましょう。それをおろそかにしては物事はうまくいきません。
皆に愛されるプロダクトをつくることなしに成長を望むことは、時間を無駄にすることと同意義です。急成長を遂げる会社はどれも素晴らしいプロダクトを提供し、その素晴らしさが口コミで広まっています。
長期的にみると、素晴らしいプロダクトをつくったもの勝ちです。競合が利益を上げていることに、または競合が今後どんな戦略を打ってくるのか気にすることはありません。競争の結果、消えていくスタートアップは多くありません。
スタートアップが途中で脱落するのは、彼らが皆に喜ばれるプロダクトをつくることをおろそかにし、他のことに集中した場合です。喜ばれ、愛されるプロダクトづくりに集中しましょう。
例え最終的には複雑なものをつくりたいと計画しているとしても、皆さんが思う小さな問題から解決していきましょう。素晴らしいプロダクトをつくることは容易ではありません。出来ることから始めていきましょう。
大きな成功を収めている会社はどのようにしてビジネスを始めたでしょうか? 皆さんが好きなプロダクトはどうでしょう? 考えてみればものすごく簡単に使えること、そして使い始めるのも簡単なことが共通しているはずです。
初期のFacebookはものすごくシンプルでした。初期のGoogleはテキストボックスと2つのボタンがあるだけのWebページでした。しかしこれが功を成しました。シンプルだからこそ、皆に喜ばれたのです。iPhoneは他のどんなスマートフォンよりもシンプルです。多くのユーザーは1番最初に出たiPhoneを最も気に入っていました。
シンプルが良いもうひとつの理由は、ひとつのことに集中してそれを素晴らしいものにせざるを得ない状況に自分を追い込むことが出来るからです。そしてこれは多くの人に喜んでもらう為に必要不可欠なことです。
実はPagerdutyを利用する創設者と成功は比例しているんです。彼らはPagerdutyと彼らのチケットシステムを繋げ、例え深夜に彼らが寝ている間に問題発生メールが届いても、その旨の知らせが来るので顧客が1時間以内に返信を受け取るというシステムにしています。
多くの会社が設立当初は実際にこのように対応するのです。創設者はプロダクトについて苦情、問題発生の連絡がくると苦痛を感じ、真夜中でも飛び起きてすぐに直したいと思うものなのです。
彼らが不良品を発送することはありませんが、もし不良品を誤って送ってしまっていたのであればすぐさま状況を改善したいと思う。この姿勢は情熱がなければなかなか保つことはできないでしょう。
そもそも、そんなに大勢必要ではありません。毎日フィードバックをくれる数人を集めるのです。オンライン上で広告を打って集めるのではなく、自分の手で足で、体を動かして最初のユーザーを数人集めましょう。
皆がPinterestをくだらないアイデアと考えている時、ベン・シルバーマンはカフェで人々に声をかけて、ユーザーを集めていました。パロアルト周辺を足で周り、「すみません、私がつくったプロダクトを使ってみてはもらえないでしょうか?」と通り過ぎる人々に声をかけていったのです。
更に彼は、アップルストアを周り、ストアの店員に「やめてください」と追い出されるまで、ブラウザを立ち上げるとPinterestのホームページが出るように店内に展示されているコンピュータースクリーンを設定する、なんてこともしていました。
(会場笑)
アップルストアでコンピューターを試用した人は「なんだこれ?」と少しプロダクトを見てくれる。これは出来ることはなんでもやる、という良い例です。もし皆さんがまだポール・グレアムが書いたものを読んでいなければ、是非読んでみることをお勧めします。
自分の足で動いてユーザーを得ることです。皆さんのゴールは、少人数にプロダクトを愛してもらうことです。彼らを深く理解し、深く繋がりましょう。彼らの話を聞きましょう。ほとんどの場合、彼らは喜んで皆さんにプロダクトのフィードバックをくれるはずです。
例え自分の為にプロダクトをつくっている場合でも、他の人の意見も聞きましょう。彼らはきっと、どうしたらそのプロダクトがお金を生み出すか教えてくれるはずです。皆に喜んでもらう為、愛される為にはどんなことでもしましょう。そして、皆さんがしていることを彼らに知ってもらうのです。なぜなら、彼らが皆さんのプロダクトを世に広めてくれるからです。
どこが良くて、どこが悪いかを聞き、彼らがプロダクトを使っているところを見せてもらいましょう。彼らにどんなものであればお金を払いたいと思うか聞きましょう。皆さんの会社がなくなったら困るかどうか聞いてみましょう。どんなプロダクトであれば彼らの友人に勧めてもいいと思うか、また既に誰かに勧めたことがあるか聞いてみましょう。
彼らとのこのフィードバックのループを確固たるものにすることです。毎週プロダクトが10%改善するとして、これはどんどん積み上がり、速く改善していくことでしょう。ソフトウェアスタートアップの有利な点のひとつに、フィードバックの回転率を上げることが出来ることが挙げられます。
もらったフィードバックをもとに数時間で改善できる。成功する会社はフィードバックループを確立し、内容をすぐさま反映しています。特に立ち上げ初期はこれが大切ですが、その後もずっとこれをやり続けるべきです。
成功する設立者が彼ら自身をユーザーから切り離すことは決してありません。成功した会社の設立者達は、設立当時は彼ら自身でセールスもカスタマーサポートもこなしたことがあります。会社の文化にユーザーとのフィードバックループをしっかりと根付けることが必要不可欠です。
更に言えば、スタンフォード・スタートアップで常にみられる問題点は、学生達がセールスやカスタマーサポートをしてくれる人をすぐに雇い入れることです。セールスもカスタマーサポートも自分でやってみなければ、貴重なユーザーの声は聞こえてきません。
成功する素晴らしいプロダクトをつくることについて、これまで話をしてきたことをまとめます。もう1度言います、素晴らしいプロダクトなしに成功することはありません。素晴らしいプロダクトを生み出すことがスタートアップを立ち上げる際の最も楽しいことのひとつです。
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