2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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南:やめる判断って本当に難しいと思うんで、迷ってるんだったらやめない方がいいと思うんだけど。どうだろう? 僕の場合、やめることって相当辛いんですよね。だって自分が大体始めてるので。
やめる時ってほとんどの場合パターンが一緒で、もっといい事があるかなっていう。今、納得っていうのがあったんですけど、まさに本当に自己正当化をしなきゃいけないわけであって、僕のやめるパターンって、もっといい事を見つけたから、自然とそっちにフェイドアウトするとか、学校やめたいんだったら、学校よりも楽しい事を見つければ普通に学校やめられるじゃんっていう方に持っていくパターンだったと、今振り返って思っていて。
それは金融やめてスポーツ行きたいって思った時に迷うわけですよ。例えば何千万給料を貰っていて、もっとこれから貰えるのに、なんで何の保障もないスポーツの仕事やるんだっけ? みたいな。もっと言うと、せっかく一生懸命全てを捨てて入ったスポーツ業界で、本当に育ててもらった業界に、今度はやめて、またやった事ないインターネットやるって……。
要はインターネットがあるからやめられたのかもしれないし、スポーツがあったから金融やめられたのかもしれないし、何かやめる時って、それよりもいい時間の使い方とか、もっとやりたい事とか。女の子と別れる時は、大体違う人がいるじゃないですか(笑)。そういう風に考えた方が、大学生は楽なんじゃないのかな(笑)。
赤:僕も意識低い系大学生だったんで、こんなに暇で好きな事やりたい放題で、毎日友達と飲んで楽しいなみたいな感じだったんで、僕はやめたいと思わなかったんですけど。でも実際すっごい時間があるっていうのは事実で、だからこそそんな大それた事じゃなくてもいいので、1個1個自分の意思を持って、やりたいと思った事やるっていうのは、なれていくといいかなと思うんですよね。
例えば、あの新しい映画を速攻観たいなって思うとするじゃないですか? 僕らは結構、速攻観に行くのしんどいんですよ、あまり時間ないから。でも速攻観に行けると思うんですよ、多分僕らと比べると。そういう1個1個の小さい事かもしれないけど、やりたい! これやろう! っていうのを積み重ねてると、後から考えた時に俺の大学生活つまんなかったなとか、そういう事はなくなるんじゃないかなと思いますね。
小:大丈夫ですか? お答えになってますかね。
質問者:はい。ありがとうございます。
小:もっと質問してください、何か。
質問者:じゃぁそれでまた質問なんですけど、大体のものが今あればいいなとすごい思ったんですけど、僕の場合は、さっきのセッションでもお話があったんですけど、やりたい事を考えてもそれがあんまり見つかってなくて。
小:おー典型的な、よくあるね(笑)。きたー!
質問者:100個書けみたいなのがあるじゃないですか。100個とか書き出してみて、60個しかあがらないみたいな。
小:60個もあがってるじゃないですか。
質問者:60個も、すごい無理矢理ひねり出してる……。
赤:とりあえず1個やってみたら?
小:いい方法教えてあげるよ。完全に受け売りなんだけど、しりとり。しりとりと何か掛け合わせてやるっていうの、TEDの動画で出てるんですよ。ランプとか、プリン、あ、終わっちゃった(笑)。何かを掛け合わせて、アイディアをひねり出す。つまり自分の未知の世界の言葉がどんどん出てくると、アイディアが広がるっていうのをやるんですよ。
これを慶應ビジネススクールの人の講演して、その後飲み会に参加して、大企業出身の方と「じゃぁさ、アイディア出そうよ。しりとりやろうよ」って言ったら、全くしりとりでも普通の事しか出てこないってなるんですよ。だからある程度思考の若いうちに、しりとりでも何でもいいんですけど、アイディアをバシバシ出していくっていう生活……壁に書き出すとか、意図的にやったらいいんじゃないですかね。やってます?
質問者:やってないです。やりたいと思った事は書き出すようにはしてるんですけど、まだ始めて一週間なので……。
小:ちょっとじゃぁみんな聞きたいですよね! 始めて一週間で、自分が一番いいと思ったアイディアは何ですか?
質問者:これだっていうのが全然なくて。
小:その中で一番いいなっていうか、話してもいいなっていうアイディアってあります?
質問者:ホームレスの人たちっているじゃないですか。その人たち、何も働いてなくてもったいないなと思って、その人たちに時給500円でも300円でもあげたら喜ぶじゃないですか? そういうのでできる仕事で何か儲けられないかなと思ってました。
赤:やっちゃえよ(笑)。
徳:それを組み立てるにはどうするかって考えてみたら、色々出てくると思いますよ。
赤:いきなり思いついた事をすぐやるかどうかはともかく、やるために必要なリサーチだったり、色々あるじゃないですか。なので、やっちゃえよ(笑)。
小:うん、やっちゃえよです! で質問は、やりたい事見つけられないけど、見つける方法を教えてくださいっていう事なの?
南:まぁなかなか見つからないですよね。僕なんか「南さんみたいに、スポーツがやりたいです! って突っ込むほどに好きなものがありません」とか「なんでそんなに突っ込んだスポーツやめて、インターネットやってるんですか?」とか、よく言われるんですけども。
もし自分で本当に見つからないんだったら、多分西條さんがおっしゃったと思うんですけども、アイディアを思いつくとか、こういうのを情熱的にやりたいって思うような人って、本当に少ないんだと思うんですよ、基本的に。少ないのであれば、それが事実であるならば、自分がそういう人でないならば、そういう人を見つけてそういう人と一緒にやればいいんじゃないかなって思うので。
よく「起業家になりたいんです!」とか言って、いやそれは社長になりたいのか、事業を作るプロセスを一緒に味わいたいのか、何をやりたいのかがよくわからないんですよね、時々。別に起業家って社長だけじゃないので。
うちの場合、6人7人でつくったので、全員がうちの創業者だと思ってるし、もっと言うと、うちの150人200人の社員全員が創業者だと思ってる。別に一番最初である必要はない。であるならば、本当にいいアイディアを誰かが出してきたんだったら、それに乗っかるのもいいんじゃないかなっていうのは、僕は思います。
赤:そうですね。もう人生賭けてやりたい事がある人は、即やった方がいいと思うんですよ。そうじゃない人は、まずちっちゃいことでもいいのでとりあえず何かやるって事と、とりあえず何かに飛び込んでみるというか。
僕も実際なかったんですよ当時。なかったというか、ミュージシャンになりたかったんですけど、なりたいと思っていたのに本気でやらなかったんですね。だからそれ僕すごい後悔してて。なのでやっぱりやりたいと思ってる事が本当にあるんだったら、本当やった方がいいと思ってるんですよ。
それが見つからないんだったら、とりあえずDeNAに入るでもどこに入るでもいいんだけど、どこかに飛び込んで、自分がやりたいかとかヘチマとか考える暇もないほどの負荷がかかりそうな所に行くと、何か意外とやりたい事が見えてきたりするんですよね。見えたと思ったら、やっちゃえよっていうのが、僕が思ってることです。
小:西條さん、ちょっと前にやりたい事が見つからないんですよって言ってたと思うんですが。
西:そうですね。それで言うと、僕も自分が楽しい事とか色々やってきてますけど、まだ人生で絶対この事業をやりたいなみたいなのは、はっきり言ってないんですよね。ほとんどの人は人生において、そこまでっていうのはない可能性もあって。
ただ、さっきやりたい事を書き出したって言ってましたけど、逆に僕はやりたくない事を書き出したんですよ。やりたい事がないので、こういう大人にはなりたくないとか、こういうビジネスマンにはなりたくないとか、こういう風に人には思われたくないとか。結構逆を書くと、消去法でそっちはやらないと。
可能性があるものはやっぱり、皆さんおっしゃってますけど、とりあえずやってみる。僕が学生の時には、早稲田大学の法学部に行ってたんですけれども、もともと起業したいとか言って法学部行って、一般教養も面白くないし、憲法も面白くないし、唯一役に立ちそうなのが民法と商法くらいで、あとはもう学業は全然面白くないと思ったので。
僕の場合は、現実的にそういう人いると思うんですけど、僕は公認会計士のダブルスクールに行ってたんですよね。学生は勉強だと思ってたので、それはすごく面白かったですよ、やっぱり。企業を経営する時に、会計とか財務とか経済の知識っていうのはものすごく役に立つので。今でも実際役に立っていますし。
だから軸が勉強であれば、別に大学に行かなくても、インターネットでも何でも勉強できますから。勉強の軸が違うと思ったら好きな事を、別に大学で学ばなくてもできますし。
もし起業とかそういう事だったら、別に学生でも、それこそリブセンスの村上さんみたいにやってる人いますから、1個に選択しちゃわなくても、平行してやればいいと思うんですよね。とにかくやってみるのが重要じゃないでしょうか。
小:ちなみに、やりたくない事とか、こういう大人になりたくないとかあるんですか?
質問者:サラリーマンにはなりたくないです。
小:サラリーマンにはなりたくない? ほぅー他は?
赤:サラリーマンの定義は(笑)?
質問者:給料貰ってる人。
赤:僕サラリーマンですよ。
質問者:自分のやりたくない事をやりたくないというか、自分のやりたくない事が見つかってなくて……。
小:やりたくない事をやりたくないのと、やりたい事がないっていうのって、矛盾してませんか? 大丈夫ですか?
質問者:今のままでいたくないっていうのが強くあって、自分でこれを信じててこれを実現するためにやっているっていう風に思ってその仕事ができないと、すごいつまんないなと思って、それを見つけたいんですけど、見つけられない今がすごい悲しいです。
小:その気持ちよくわかるよね、みんなね。
南:みんなそうだと思う。
小:じゃぁ今考えよう、今。
徳:人が思ってる事を具現化するっていう事でも立派な業績だし、仕事ですよ。僕はさっきも言ったように起業した事ないです。ちっちゃな会社に起業した熱い人がいて、その人についていって、その人のビジョンを具現化するっていう仕事をしてきました。今でも実はそうです、ほとんど。
だから起業からして、自分から何か始めないといけないっていう……なんていうのかな、美化されてるって言ったら変ですけど、それはそれですごいと思うし、それだけのパッションもあると思うんですけど、僕はそういうやり方ではしてなくて、色んな人のやり方を見てて、これは面白そうだ、僕も力を貸したい、僕なら実現できるよ、助けられるよ、というところでやってきたので、それでも全然自分ではOKだと思ってます。
南:サラリーマン、めちゃくちゃ面白いですよ。僕、サラリーマンでプロ野球チームつくりましたもん。
質問者:サラリーマンなんですか?
南:サラリーマンですよ。だって別に僕オーナーじゃないし、オーナーいるし。僕、働き方はどうでもいいと思うんですよ。徳生さんがおっしゃったように。多分皆さんこの1時間くらい言ってることで、自分自身がどうしたいのかっていうことであって、働き方……それは人の会社で働くのも、自分でやるのも、僕、起業家になったの32歳の時なので、圧倒的に遅いんですよね。
でも10年間本当に素晴らしいサラリーマンライフで、最初は外資系金融業界で財務とか会計の基礎を学んで、もっと言うと楽天イーグルスで本当に素晴らしい先輩、三木谷さんとか、インテリジェンスをつくった島田さんとか、ヤフーにいる小澤さんとか、彼らに本当に教わったんですよね、事業を作る楽しさを。
何度も言うけど、起業家になりたいと思った事なかったんだもん。10年間のサラリーマン人生で、一番大きな財産になったのが出会いで、いつ自分がやりたい事が見つかるかわからない。今は僕はインターネットで事業をつくってみたいって思ったので、たまたま自分の会社でやってるかもしれないけども「サラリーマンになりたくない」っていう言い方は、僕は嫌い。だってサラリーマン楽しかったんだもん。
小:多分サラリーマンっていう言葉に対する先入観ていうか固定概念があって、嫌なものだと思ってるでしょ?
質問者:思ってます。
小:満員電車乗ってナントカみたいなのありますよね。
質問者:はい。
赤:当事者意識を持ってるかどうかですよ、サラリーマンでも楽しいかどうかって。要は自分が納得してやってるかどうかですよ。納得しないとつまんないです。
小:はい。じゃぁ最後に彼に向けて熱いメッセージを(笑)。シナリオとしては、最後に熱いメッセージで終わるというのがパターンなんですけど、彼に向かって熱いメッセージを一人ずつ。
恥ずかしがらず手を挙げて、やりたい事がわからないって、すごい勇気があることだと思うんですよね。だって、自分が何もわかりませんっていう事をみんなに言ってるってことだから、すごい勇気のあることだと思うんですよ。
質問者:皆さんに勇気をもらいました。
小:それに皆さんお応えしたいということで、熱いメッセージを、徳生さんから順番に。最後はポジティブに、南さんに熱く締めてもらうという。
徳:そうですね。集大成みたいな話になりますけども、間違った決断を今恐れなくていいと思います。それと表裏一体なんですけれども、逆境に立ってる時って、目を背けないで頑張れば一番成長する時だと思います。
やりたい事がわからない時とか、僕の場合は変な仕事取って、あーこれ何やってんだろうと思った事もありますけれども、それをどうやって打開しようかというところでやった。だからチョイスするときに、これ取ったら後悔するかな、失敗するかなと考えちゃうけども、やったらとりあえず頑張ってやってみる。
困った時にはとりあえず自分が成長する時期だなともう諦めて、目を背けないで、頑張って打開していくっていう。ちょっとジェネラルにも向けてるんですけれども、それが伝わればと思います。
西:私からは、もっと人生欲張った方がいいと思うんですよ。あれしかできない、これしかできないじゃなくて、大学行って勉強がつまんなくても全部「優」「A」を取って、就職もバッチリやりつつも、起業もトライしてみるとか。
1個とかしかできないって思わなくて、結構暇というか時間ありますよね? いっぱい。だからもっと欲張って全部やってみたらいいと思うんですよ。バイトもやるし、起業もやるし、勉強もやるし、サークル活動もやるし、全部。すっごい忙しくなると……僕がそうなんですけど、いつも複数の事業やってるんですよ。そうすると、暇な時なんですよ、迷うのって。暇なんですよ、多分すっごい。
だから、例えば会社4つくらい経営してると忙しくて時間がなくなるんですよ。そうすると、これは自分はやるべきじゃない、これは権限委譲すべきだ、あるいは事業として撤退すべきだ、ていうのがすごい見えてくるんですよ。自分自身も今聞いてて思ったんですけど、学生時代同じような悩みがあったんですけど、暇だったんだと思います。つまり何もアクションしてないっていう状態だった。
だからとにかく全部死ぬほどやってみて、俺時間ないわって思う時に何か多分見えてくるものがあると思うので、そういう状態に追い込むというかしていった方が、もっともっと欲張っていった方がいいんじゃないかなって、僕は聞いてて思いました。
赤:今日手を挙げて、やりたい事がないっていう質問してたけれども、する前ってちょっと迷ったと思うんですよ。でも絶対して良かったじゃないですか、今。多分同じようにこの会場の皆さんでも、聞いてみようかな、でも寒い感じだし人いっぱい見てるしなって思った人もいっぱいいると思うんですよ。
まさに君が手を挙げて聞いたという事が、僕が言ってる意思っていうもので、それを1個1個やっていくという事が、将来どこかで何か人生を賭けてやりたい事が見つかることなのかなと僕は思っているんですよね。
僕がDeNA入るって決めた時にやりたい事がなかったけれども、やっぱり色んな環境で1個1個意思表明をして、なんとか成し遂げていくっていう過程で、DeNAを世界一の会社にしてやろうっていう、すごいやりたい事が見つかったんだよね。
なので、今日手を挙げたようなことから人生って変わっていくんですよ。それを1個1個見過ごしちゃうと、気付くとジジイになって君の言うようなつまんないサラリーマンになるっていうことだと思うんだよね。
だから、今日手を挙げて学んだことが成功体験だから、それを続けていってほしいし、その結果他の人もそういう事を続けていくことで、この国がもっと元気になっていったりとか、世界がもっとポジティブになっていくっていうのがいいなという風に、僕は思っています。以上。
小:はい。じゃぁ最後に締めの言葉とともに、南さんからお願いします(笑)。
南:最もまとめが苦手なタイプの人間なんで、好き勝手にお話しすると、多分人生ってすっげえ楽しいんですよ。僕、親に感謝してるんですけども、3つの国の教育を受けてるんですよね、カナダとアメリカと日本と。本っ当に広いです、世界は。物理的な広さだけじゃなくて、色んな価値観を持っている人もいるし、人種、宗教、言葉、とんでもないんですよ、この世界って!
本当にやりたい事が見つからないのであれば、世界中をぜひ旅してもらいたいし、ぜひ大学生にしかできない事なので、全ての大学生に言いたいのが、絶対留学した方がいい! 絶対! で、損しましたって言うんだったら、僕がその留学費払います(笑)。
だって10年間言ってきて一人もいないもん、損しました! って。いつもお礼を言われる。だからぜひ、この広ーい世界と、ワクワクする世の中をたくさん見て欲しいし、ただ旅行するんじゃなくて住んでみてもらいたいし。自分が使ってる言語がまったく通用しない環境で、そのハンディを負いながら、どうやって自分がそこから這い上がるのか。仕事って僕そういう事だと思うんですよ。
仕事って楽しい事もすごいたくさんあるし、さっきもあったように苦しい事もあるけども、最終的には遊びみたいなものなんですよ。だって別にねぇ、死なないし。
だから学生で言うと、部活みたいなものなんですよ。さっき外でアメフトやってましたけど。アメフトやってない人からすると「くだらない、こんなくそ暑いのに、何あんな汗かいてんねん!」って思ってる人がいるかもしれないけども、僕ずっとサッカー部なんですよね、大学まで。
でもサッカー好きだからやってた。部費払ってたんですよ。仕事ってお金貰えるんですよ! 遊びながら。そのくらい面白いものだっていうのを、いつか理解する時がくればいいなと思うし。
そのためには今の学生時代、僕が何が一番できるかなと思ったら、たくさんの価値観の中で、色んな不便だったり便利だったり、効率だったり非効率だったり、色んなものを体験してもらいたいなと。そしたら自然発生的に、もっともっと自分のことが分かって、やりたいことが見つかるんじゃないかな? って思います。
小:ということで、このセッションを終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました!
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