2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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ですから、成長を阻む要因として、こういうことは気を付けなければいけないのじゃないか。それは内的な要因もありますし、外的な要因もありますし、あるいは自分自身の中にもあると思うんですよね。そういう皆さんの体験を踏まえていうと、これはやっぱりまずいよねというのがあったら、あえてご紹介いただきたい。
それと、それをどうやって自分は乗り越えたか、という観点でいうと、さっきの2007年の話が出ましたけども、成長を阻む要因としてはどういうものがあり得るのか。大企業で言えば大企業病みたいなものがありますけれども。
どういったものが成長を阻む問題として、熊谷さんはとらえられていらっしゃるのか。それをどうしたら克服できるのかなど、いかがですか?
熊谷正寿氏(以下、熊谷):ひと言で言うと、成長を阻む要因は、失敗したときに認めないこと。失敗はそれこそ諦めなければ最大の成功なんだけど……。失敗して諦めちゃう、あるいは失敗したことを認めないことですね。
VCの投資の案件に私も出席して、審査したりすることもあるのですけれど、うまくいってないんですよ。うまくいってないのだけど、それをやっぱり認めてないから。もう明らかに間違っていることにずっとこだわっちゃっているみたいなところもあったりとか。それって成長しないですよね。やはり成長は、いかに自らが知らざるかを知ることで。
子どもは、「なぜ? パパどうして?」って言うじゃないですか。あれも実は経営にすごく重要な要素で、「なぜ?」って絶えず思っていたりしないと問題点に気づかないんですよね。
組織というのは、実は問題の巣なんですね。組織は問題の巣である。問題がないとすると、組織に目標がないか、管理者そのものが問題か、どっちかなんですね。だから、必ずなぜなぜ病というのがすごく重要で、それを忘れたときに成長は止まりますよね。以上です。
関口:森川さんはどうでしょうか? 成長を阻む要因って、なんですかね?
森川亮氏(以下、森川):大きく上って成長してきて、そのときに僕たちの会社は、プラットフォームを作ってきたんですけれども、プラットフォームを作るときっていうのは、すごくリスクもあって、それを考えるとあまり誰もやっていなくて。
ただこれから伸びそうで、かつ伸びたら大きいものに投資してきたのかなと思います。ただ、それってタイミングがすごく難しくて、失敗すると大きなリスクになるんですよね。
ちょっとお話を戻すと、まず重要なことは余裕がないとダメだと思うんです。余裕がなくてチャレンジすると、長期的にコミットできないと僕たちのチャレンジってうまくいかないので……。
そうすると途中で失敗するというのがあるので、まずは余裕がひとつ。あとは、ある程度いけると思わないものはあえて待ったほうがいいのかなと。ある程度見えたときに、どんと階段を上るような、そういう目指す方向とタイミングが結構重要かなと思います。
松本大氏(以下、松本):成長のドライバーというのは、やっぱり人間なんだと思うんですよね、経営者とか。だから、成長を阻むのも、成長を阻むような人材。役員とか(笑)。それは取り除かなければいけない。
それから自分の中に弱気になるとか、そういうことがあったらそれは、無くさなければいけない。無くせないなら辞めなければいけない。
成長を取りにいくというのはリスクを伴うことなので、経営陣を考えたときに全くリスク感覚がない人ばかりで経営しているのも、いかがなものかと思うのですけれども。やっぱりそういう成長に対する意欲、リスクを取る意欲が減らないように整理をしていかなければいけないんだと思いますけれどもね。
松本:いや、僕は変わってないです。というか、自分のやっている仕事に対する好奇心がもし落ちたら、絶対ビジネスは負けるというふうに自分に言い聞かせてきていて。
言ったからといって好奇心の高さを変えられるわけではないのですけれども、幽体離脱みたいにして自分を見たときに、自分のビジネスに対する好奇心は10年前、15年前、創業時と変わってないだろうかと。下がっていたら勝てるわけがないと、他の会社に比べて。と思うようにしていて。
リスクに対してもそうですね、成長に対するリスクを取る気があるか。取れなくなっているなら、もう成長しないよというふうに自分には言っていて。そうするとストップウォッチがなければ速く走る練習ができないように、自分自身の好奇心とか、リスクに対する気持ちというものをちゃんと測るように自分の中で努力していれば、案外維持できるとは思っていますけどね。
松本:ちゃんとやっているか? とは言わないんですよ、自分に。そうではなくて、要するに好奇心が下がっているとか、弱気になったら必ず負けるんだよ、というふうに思っているだけ。……わかります?(笑)
思っていると、私の場合は怖くて下げられないんですよ。好奇心を下げることができない。ただそういうふうに思っていると。「ちょっと下がってきているな」とか、「ちょっとリスクに対する気持ちが取れなくなってきたな」というふうに、どこかで自覚したら、とっとと辞めなければいけないというふうに思っていますけどね。
関口:熊谷さんはそういう意識というのは、どうやって自分で意識づけをしているんですか?
熊谷:自分でモチベーションを上げるしかないですよね。もう意識の問題で、俺やるぞーって思っているしかないと。あとはテクニカルには運動することですかね。
関口:運動?
熊谷:はい。スクワットとかしていると、アドレナリンがブワーッと出てきて(笑)。
関口:健康は大事ですよね。
熊谷:はい。健康はすごい大事です。僕は最近、仕事よりも運動を優先にしていますから、50歳になって。50歳までは仕事を優先にしていたんですね。50になってから、いろいろ人生見直そうと思ってひとつ決めたことは、運動を優先するという。
今ベンチプレス100キロ挙げるんですけれども、アドレナリン出まくりですよ。俺は絶対挙げてやる、ドーンって(笑)。運動はいいと思います。
質問者:本日は貴重なお話ありがとうございます。大変勉強になります。私自身は、前職がベンチャーで働いていまして、今が外資というところに身を置いて働いているので、その観点でふたつほどご質問させていただきたいのですけれども。
ベンチャーで働いているときは、みんな最初はウォーって形でモチベーションの高い人がたくさんいて、高い目標をどんどん掲げていって、人が採用され増えていくと、例えば、最初にドロップアウトする、ついてこれないという人が1パーセントだったものが、それが20パーセントになってきて、30パーセントになってきて、という形で目標が高過ぎてついていけませんという人が増えてきます。
皆さんがそのステージに来たときに目標を下げるのか、あるいはそれ以外の回避策でついてこれない人を、ついてこれるようにどうやってしたのか。まず、これがご質問のひとつ目です。
もうひとつが、私自身の目標でもあるんですけれども、将来的に国をまたいだ形で、マネジメントできるような人材になりたいというところで、世間一般的にやっぱりいわれているような内容なのですが、日本人でインターナショナルな環境で上がっていくのはなかなか難しいと。やっぱり、インド人とか中国人とかがほとんど。国をまたぐ、マネジメントだとその人たちが多いと。
先ほど知らないことを知るという非常に心に響く言葉があったのですが、私自身、シンガポールで採用のトレーニングをしてきたときに、日本人が上にあがれないのって、語学の問題だけかな? と思っていたのです。
例えば、「採用のときに年齢を聞いてはいけない」とか、「若い人が欲しいと言ってはいけない」とかいうことを全く知らなかったことなど、ふと考えさせられることもあって。
皆さまは事業がグローバルに拡大していくということがたくさんあると思うのですけれども、人をグローバルに拡大させていくために、どういったことをされているのかと。この2点をお伺いできればと思います。
松本:ベンチャー企業はチームですよね。昔『がんばれ!ベアーズ』という映画があって、僕は大好きな映画なんですけれども。ご存知ない方のほうが多いと思うのですが、少年野球でボロボロの選手達で勝つ話なんですけれどもね。結局会社は、ベンチャー企業はベアーズみたいなものなので、結果だけだと思うんですよね。ベンチャーに限らないですけどね。
仕事は全部結果だけなので、目標をどこに持つかとかそういうのは……。結果だけが評価基準なので、(目標を)適宜下げたり、変えたり、違う言い方したり、いろいろやるしかないと私は思いますね。ふたつ目の質問、最後よくわからなかったのですが……。
関口:ですから、海外、国際化の時代、人材をどう採っていくかという話ですよね。
松本:あー、どうやって採っていくか?(笑)
関口:じゃあ、もう1回、ちょっと……。
質問者:そうですね、例えば日本にいると差別とか、セクハラとか、パワハラとか、マネージャーが知らなくてはいけないことって学べなかったりする関係だと思うんです。要するに、日本の文化って、グローバルのなかで特異なのかな、というところがありまして。
では、ビジネスをグローバルにしていこうという時に、人もグローバルに日本から出していくという中で、どうやってそういうグローバルな人材を育てていくのかなという。
それは自分が勝ち気な性格だからかもしれませんけれども、実際そんなことないと思いますね。あんまり一般化しないほうがいいと思うんです。ジェネラルにしないほうが。個性が違うので。
私がよく思うのは、たとえば22歳の日本人とアメリカ人の違いと、日本人の22歳と42歳の違い。考えると後者のほうがはるかに大きいんじゃないかと思っていて。若い人はどの国でもみんな同じですよね、柔軟性とか。
日本にいると、確かに時間が経つとだんだんダメになってきちゃうということがあるのですが、でもそれは、組織の性質なんでしょうけれども……。あんまり一般化しないほうがいいと思います。
いくらでも日本の中でもグローバル人材っていうのはいると思うんですよね。あんまりインド人、シンガポールじゃなきゃダメだとか思わなくても僕はいいんじゃないかなというふうに思いますけどね。
熊谷:そうですね。ご質問に回答しますけど、2割のスタッフの方がついてこれなくなったときにどうしたらいいか? そういうご質問でしたね。それは仕組みをつくることなんです。
では、うちではどういう仕組みをつくっているかというと、すべての評価をガラス張り。ダメな人にダメとわからせるのは、上司が言ってもだめなんで。やっぱり360度評価とか、目標を全員に開示して、それをみんなでチェックする仕組みとか、そういうものをガラス張りでつくることがいいと思います。
うちは例えば、4,000人の全スタッフのうち、だいたい80人とか90人ぐらいが各社の役員なんですけど、全目標、全報酬、全部ガラス張り。全部見れる。それぞれが360度みんな見れる。
あと本社400人ぐらいの給与も全部ガラス張りです。等級すべて開示。ガラス張りにすると、「なんだ、あいつはあんなに仕事をしていないのに、あんな給料もらってるんだ」みたいな、そういうことが自然発生的に浄化作用になって、改善すると思います。多分、国際企業だと、報酬とか目標がガラス張りになっていないでしょう? 質問者さんどう?
質問者:ええ、なってないです。
熊谷:なっていないでしょ。そこをいじくれば、たぶん全体が活性化しますよ。これひとつ目の回答でいいですか?
質問者:ありがとうございます。
特に、若い人が柔軟なのは変わらない。歴史的に見たって、例えば1番古い歴史を紐解くと宗教だけど、キリスト教は世界中に布教している。言葉の壁を乗り越えて。
私は少林寺拳法を茶帯でやめちゃったんだけど、少林寺は日本発だけど世界中にありますよね。仕組みをつくって考えて、いろいろ展開していけば、海外展開なんてものは全然難しいものだとは思っていないです。以上、ご質問のご回答になりましたでしょうか?
質問者:ありがとうございます。頑張って上を目指します。
熊谷:はい。
関口:せっかくですから森川さんにも。
森川:まず、モチベーションの話なんですけれども、僕たちは会社というよりは、例えばスポーツチームで考えたときに、スポーツチームでレギュラーなのにモチベーションが無かったらどうなるかということだと思うんですよね。
特に会社というのは、プロフェッショナルなチームなのでモチベーションが無い時点で、たぶん選手交代ということになっちゃうと思うんです。
基本はモチベーションが高い人が多ければ多いほど、もっとみんなモチベーションが上がるんじゃないのかなと思うので、そもそもなぜモチベーションがないのかというところが、すごく重要な問題かな。
もっとモチベーションが上がるところに移った方が、もしかしてその人にとって幸せであれば、それもひとつの選択肢かなというふうに思います。
海外の人材に関していうと、やっぱり詳しい人に任せるのが1番いいと思うんですよね。そこは別に日本人だからとか、何人だからとか関係なく、そこに詳しい人に任せて、あとは結果を見て判断していくという非常にシンプルなやり方が重要かなと思っています。
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