2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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沼野井:各社様、今のところで「スピード感」というところでいうと、新規の事業、それがプロダクトでもいいのですが、例えば期間、内容によっては当然違うと思いますが、早いと各社様どのぐらいのスピードで事業になったり、サービス、会社となるとまぁちょっと時間がかかるかもしれませんが、立ち上がっていくのかなということにすごく興味があるのですが。
ソフトバンクさんはどうなのですか?
小山:うちの会社の場合はいろんなパターンがあります。例えばさっきの制度のところにひもづきますが、「新規事業提案制度」のようなものもあります。基本、手を挙げて社員が作っていくというものが多いので。
それだと入り口の審査を通った後に、いちばん近いものでは半年から1年もかからないぐらいで事業が立ち上がるものもありますね。そもそも準備期間がそれぐらいしか与えられていませんから。「それでダメだったらもう次に行け」という話になります。
プロダクトベースであれば、ぜんぜん短いものから長いものまでピンキリです。本当に「1ヶ月ぐらいで新しいものを出さないとダメだから」といったものもあったりします。ものによる感じですね。
沼野井:なるほど。
小山:たぶん他社さん、規模で言う大手様、通信キャリアという括りでいくと、下手したら10分の1とかではないでしょうか。
沼野井:そんなにですか?
小山:実際通信キャリアとしての事業がコアであることは事実なので、そこでいくと、基地局や電波がつながるための鉄塔を作っていくのも、他の会社のスケジュールの何分の1ものスピードで立てたといいます。
沼野井:それはもうソフトバンクの強みですよね、スピード感。
小山:そうですね。
沼野井:なるほど。
沼野井:諸戸さんのところはどうなのですか?
諸戸:うちも規模がまちまちで、そもそも新規事業の立ち上がり方がいろんな方面から、社員からもあれば、役員からもあれば、業務をやっていく中で派生していくケースもあるので、まちまちなのですが。
例えば、先月4月にトラベル系で1個会社を作って、M&Aして立ち上げて新規事業として始めましたが、それなんかは「トラベル系も攻めたいね」という話を本格的にし始めてからおそらく2,3ヶ月くらいで決まったんじゃないですかね。
沼野井:そんなに早く!
諸戸:それはたまたまなのですよ。たまたま「いいな」と思っていたら、それこそ元サイバーさんの新卒入社で超優秀な福元さんという方がいるのですが、その人がうちにジョインしてくれることになって……。
沼野井:奪っちゃったんですか?
諸戸:いやいやいや笑)。そもそもそのあとご自身で事業立ち上げたり他社で取締役されたりしていますから。。あんまりやめてください、モメちゃうので(笑)。
一同:(笑)。
諸戸:言っておきますけど、僕、大好きな会社なので、サイバーさん。たまたま人と、あとそのタイミングでM&Aで旅行系の会社があがってきたので「これはラッキーだ」と思ってスタートしているという、スタートしやすい環境が作れたから、人と環境が揃ったのでできちゃいましたって感じですかね。
片方で、「越境EC」というのを最近始めているのですが。越境、いわゆる日本の良いモノを中国やアジアに送るプラットフォームを今作ろうとしているのですが、それは立ち上げまで半年~1年ぐらい、構想期間も入れるともっとですかね。
これは理由としては、中国はやはりネットワークがすべてなので、そのネットワークに入れるかどうかというところですべてのビジネスが決まると思っています。逆に言えば、ここに入り込めなければやる価値がないと思っていたのですよ。それで数ヶ月かかって、ようやくたまたまキーマンと一緒にアライアンスを組むことができたので、スタートさせたということがあるので。
どちらかというと、タイミングやスピードというよりは、新規事業は「これだったら当てられるぞ、伸ばせるぞ」という確信を得るキードライバーを捕まえるポイントが早ければ早くスタートするし、そこに時間がかかれば下手したらおじゃんになるケースもあるしという、そんな感じですかね。
沼野井:なるほど。ありがとうございます。すごく勉強になるなぁ。ありがとうございます。
沼野井:エイベックスさんはどうなのですか?
加藤:うちも入り口は、手挙げのやり方をけっこう幅広く設けてはいますが、本当にみなさんがおっしゃっているとおり、まちまちです。事業を作るかコンテンツを作るかによってもまたぜんぜんスピード感が違うと思いますし。
あと、やっぱり僕らはエンタテインメントを中心にしてる会社で「Really! Mad+Pure」という企業理念があるのですが、そこから外れたものは正直やらないという考え方だったりもするので、僕らがやるべき領域の中で意味があるものがあれば、わりとスピード感を持って立ち上げることはできます。
特に事業よりもコンテンツはボトムアップでかたちにするケースがけっこうあるので、やっぱりアーティストであったり、こういうアニメを作りたいというものはかなりスピード感を持って通るのではないかなと思っています。
沼野井:ちなみにですが、もう時間もあれなので次のテーマにいきたいと思いますが、その前に……質問コーナーをここで挟みますか? そうですね、4と5の間。
ここまでの話の中で、各社に聞いてみたい質問があれば、ここで質問タイムを設けたいなと思います。スタートの方がマイクを渡してくれるのですかね? はい。ありがとうございます。じゃあ、DMMは司会なので、うちにはなしにしてください。4社に質問があれば……。
諸戸:いやいや、アフリカのことを聞きましょうよ。
一同:(笑)。
沼野井:アフリカとかになりますと尺が足りないので……。無法地帯だということだけお伝えしておきます。
一同:(笑)。
沼野井:ではさっそくですが、誰か質問したい人がいれば手を挙げていただいて、どんどん指していきたいと思いますが、あっ、さっそく前の方。
質問者:すいません、すべての会社さんに質問なのですが、大企業など、ある程度もう利益を得てしまったような会社が、さらに上の利益を得るにはどういうことをしていけばいいのかというのはありますか?
沼野井:ありがとうございます。じゃあ、諸戸さんから順番にいきますか。
諸戸:いちばん悩んでいたのですが……。
一同:(笑)。
諸戸:「当てるなよ」という顔をしてたのに。
沼野井:気づいたので、わざと当てました。
諸戸:さすがですね。Sですね。大企業がもっと利益を上げるためにどうしたらいいか?よりデカい市場を狙ってくことじゃないでしょうか?
質問者:利益が上げられそうなチャンスをどんどん発見していって、別に大企業じゃなくても狙うとかないのですか?
諸戸:大企業じゃなくても狙う……、どういうことだろう?
質問者:いきなり大きな儲けを得られるような市場ばかり狙うのではなくて、もうちょっとみんながやっていない市場から狙うとかはしないのですか?
諸戸:あぁ~、なるほど。それはたぶん……。要は「市場を作っていく」という考え方と、「デカい市場に攻めていく」という考え方があるので。そっか、そういう意味で言うと、確かに大企業ぐらい余裕があると「市場を作っていく」というところに攻めていったほうがいいかもしれない。
これ、たぶん僕が答えるのは適切ではなくて、僕はずっとベンチャーで来ているので「まだそんなこと言ってらんねぇ」という状況なのであれなのですが。たとえば沼野井さんのところのさっきのアフリカの話、あれなんかもそうかもしれないですね。DMMさんは、ベンチャーですが強烈に安定してお金を持っているので。
沼野井:いえいえ、ありません、ありません。
諸戸:いえいえ(笑)。いろいろ攻められるのですよね。となったときに、「なんでアフリカ?」と僕らだったら思うのだけど、きっと昔の「アフリカに靴を売る」みたいな話は、たぶんそこにはまた今までにない新しい市場があって、そこを攻めていかれるのだろうなと思うので。
わりと大企業だと、もう飽和してる市場を攻めるよりは、まったく別の新しいところに攻めていくほうが、お金にも余裕があるし、そこで跳ね返りの……まぁリスクも大きいですけどね、当然。その分の跳ね返りが大きいから、そういう考え方で攻めていくほうがいいかもしれないですね。片方でそれだけのリスクを負ってでも挑戦するぞっていう文化があっての話だともいますが。
諸戸:これは小山さんに聞いたほうが、たぶん。まさにソフトバンクさんがそうだと思うので、とんでもないリスクのとり方をしていますからね。
一同:(笑)。
諸戸:普通では考えられない。
沼野井:ですよね。
諸戸:いろんな提携を組んだりして、市場をもうバーッといろいろ取っていって、さらに新しいAIやらなんやらというところを取りに行っている会社なので、たぶんそのへんは小山さんから聞いたほうが。
小山:なんかそれ、おっしゃっていただいていることは非常にうれしいですし、事実なのですが、諸戸さんに言われるとなんかイジられてるように聞こえるのですが(笑)。
一同:(笑)。
諸戸:本当にとんでもねぇ会社だなと、いつもニュース見て思いますもん。このおっさんすげぇなぁと。
小山:答えになるかどうかはわかりませんが、大きい会社のほうが選択肢を持てるのは事実だと思います。自分たちでマーケットを作っていくのもそうだし、成長しそうな既存のマーケットを買ってしまうこともできるわけですよ。
もうちょっと話を飛躍させると、今までの投資の仕方とソフトバンクは仕組みを大きく変えにいっています。それはなにかというと、10兆円規模のファンドを作ったわけですよ。
今まではリスクを取ってチャレンジしにいくとき、必ず銀行から借り入れを作るか、エクイティを使ったり、社債を使うなどして資金調達をしなければいけなかったのですが、ある意味それがないお金を10兆円作ったわけですよ。
そうするとまた選択肢も増えるのです。これから長い期間をかけて成長していくマーケットであろうというところに対しても先行投資することができるし。
それなりの規模で、この会社もうできあがっていてやばいなと、抜けるぞというところに対しても投資することができるし、いろんな選択肢がより増えてきているという感じですかね。
沼野井:ありがとうございます。すごくいい答えですよね、さすがです!
小山:いえいえ……なんか全部イジられているように聞こえるのですが(笑)。
一同:(笑)
沼野井:いや、このメンバーの中でイジれる人はなかなかいないので、ごめんなさい。ありがとうございます
小山:ありがとうございます(笑)。
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