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人事トークセッション(全4記事)

「若手の提案に即決裁」「とにかく何か仕掛ける」 CAやソフトバンクなどに根付く“ベンチャー風土”とは

「大学生のマッチングを手助けしたい」という思いから開催されたイベント「東京リクルートフェスティバル」の中で、人事担当者が登壇し、「ベンチャー企業とは」についてディスカッションしました。登壇したのはサイバーエージェントやエイベックス、ソフトバンク、クルーズの人事担当者たち。モデレーターはDMM.comの人事部長・沼野井氏が務めました。セッションの冒頭となる本パートでは、各企業に根付くベンチャー風土について紹介しました。

時代を席巻するベンチャー企業の人事責任者たちが登壇

沼野井伸拡氏(以下、沼野井):みなさん、こんにちは。人事トークセッションの司会を担当させていただきます、DMM人事部長の沼野井と申します。よろしくお願いします。

(諸戸さん、)さすがですね、ここで写真を撮るとは。

諸戸友氏(以下、諸戸):ありがとうございます。

沼野井:これはいつものことなので、気にしないでください。

(会場笑)

沼野井:今日はですね、みなさんもご存知であろう有名な企業様に集まっていただいております。「ベンチャー企業とは」というところのテーマで「向いてる人・向いてない人」がどんなものか気になるところですので、ここについて各会社の人事の責任者のみなさんに答えていただくトークセッションにしたいと思います。

そこで、お答えいただく前に、まずは各社みなさんの自己紹介をしていただきたいと思いますので、まずは諸戸のアニキから。

諸戸:アニキという歳でもないと思っているのですが、では僕から。クルーズの諸戸です、今日はよろしくお願いします。

会場:よろしくお願いします。

諸戸:お昼に軽くお酒を飲んできて、だいぶ舌がなめらかになっているので、今日はバンバン、コンプライアンスを無視した発言をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

自己紹介はこんな感じでいいでしょうか? 

沼野井:ありがとうございます。

(会場拍手)

沼野井:では、次に小山さんにお願いします。

小山亮氏(以下、小山):ソフトバンクで採用を担当しております、小山と申します。よろしくお願いします。

今日は隣に座っちゃいけない人の隣に座ってしまったなと。今、ちょっと入り口から失敗してしまったなと思っているのですが……。

諸戸:誰か小山さんにお酒を持ってきてください。

(会場笑)

小山:飲ませていただければだいぶ饒舌になっていくとは思いますが(笑)。諸戸さん同様にポジショントークが嫌いでして、今日はフラットにいきたいと思っております。よろしくお願いします。

(会場拍手)

小澤政生氏(以下、小澤):はい、サイバーエージェントで採用責任者をしている、小澤と申します。よろしくお願いします。たぶん私がいちばん若い? 若いですかね? と思うのですが……。

(諸戸氏が小山氏を指差す)

小澤:あっ、すいません、間違えました(笑)。今日はざっくばらんにお話しできればと思っておりますので、よろしくお願いします。

(会場拍手)

加藤信介氏(以下、加藤):エイベックスの加藤と申します。よろしくお願いします。今、グループ戦略室というところで戦略人事を担当しています。新参者なので、あまり冒頭で言うことはないのですが(笑)、よろしくお願いします。

(会場拍手)

沼野井:よろしくお願いします。なんとか掘り下げて、出していきたいと思います。

ベンチャーの本質とは?

沼野井:今日はですね、後ろにあるように、「ベンチャーに向いている人・向いてない人」というところの話をしていくのですが、そもそもここにいる4社は「ベンチャーなのか?」という疑惑を持たれる規模感の会社さんですので、ここで書かれてる「ベンチャー」というのは、ちょっと言葉を変えて「ベンチャースピリッツ」なのかなと僕は思いましたので、これを元に各社に聞いていきたいなと思うのですが。

「うちの会社の思うベンチャーとは?」、それはベンチャー「魂」なのかどうかというところはありますが、そもそもベンチャーとはどんな意味なのか、どのように考えているのかということを各社に聞いてみたいと思います。

ケタ違いのリスクの取り方をするソフトバンク

ではそうですね、ここはいちばん初めは諸戸さんではないほうがいいかなと思いますので、話しやすいように小山さんからいきますかね?

小山:ありがとうございます。僕個人というところでもそうなのですが、うちの会社全体として思うところで、リスクを取って新しいことにチャレンジしていくというのが「ベンチャー魂」といいますか、ベンチャー企業なのではないかと思っています。

会社の規模でいくと、うちの会社はもう大企業です。ですが、実際リスクの取り方という意味でいくと、おそらく日本トップクラスのリスクの取り方をしていると思っているので、そういったところがベンチャー企業にあてはまるのではないかと思っております。

個人のパフォーマンスを見たときにも、やはりリスクを取って自ら新しいところに行き、変化に対応していく、挑戦していくというところが、パフォーマンスを上げている人に共通していることなのではないかと思っています。

沼野井:そうですね。やっぱりソフトバンクさんは、トップの孫さんからして攻めていますよね。

小山:そうですね。

沼野井:アメリカとか行っちゃいますしね。

小山:そうですね、外を見に行ってきて、帰ってきた瞬間にショッピングカートがいっぱい、のような。

一同:(笑)。

小山:桁が違うぞ、みたいな。

沼野井:そうですね。

沼野井:ヤバいですよね。社内が動揺したらしいですよね、トランプさんのところに行って。

小山:いやぁ、さすがにびっくりしますよね。翌朝ニュースを見たら「えっ?」みたいな。

沼野井:社内でもそうなのですか?

小山:そうです、そうです。大半のことはそんな感じです。

沼野井:さすがですね。ありがとうございます。

とにかく何か仕掛けていくサイバーエージェント

沼野井:では次に、そうだなぁ。ここでサイバーエージェント様の意見も聞こうかと思いますが、どうですか?

小澤:サイバーエージェントは今、子会社が100社近くあり、だいたい1年で5社から10社ぐらい会社を作っています。新規事業も「考えながら走る」というのがいちばん大事にしているところですね。「ごちゃごちゃ言わずにグチャグチャやれ」というやり方を大事にしています。

沼野井:なるほど。やっぱり、サイバーエージェント様から出てくる子会社がベンチャーの規模なのかわからないですけど、ここ数年立ち上げが多いと思うのですが、そういったものはもう文化としてずっと根付いているのですよね?

小澤:そうですね。インターネットサービス全領域で事業をしている企業なので、とにかく何かおもしろいものはないか、それをCAがやる意味があるのか、『21世紀を代表する会社を創る』というビジョンにベクトルが向いてるかどうか、といったところでどんどん仕掛けて攻めていくという感じの会社です。

沼野井:なるほど、去年のトークセッションを聞いた方は、おそらくサイバーエージェントだと渡邊くんがよく登壇すると……。頷いている子がたくさんいますが、渡邊さんもどこかに異動されたのですかね?

小澤:そうですね。渡邊は今、リクルートさんとサイバーエージェントで設立したジョイントベンチャー(株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー)にいて、組織の課題発見にフォーカスしたHR Tech事業(Geppo)の取締役として新しくいろんなことを仕掛けています。

沼野井:HR Techで圧倒的に攻めていますね。

小澤:プライベートでも富士山の周りを走ったり攻めているので、はい。両方とも攻めています。

(会場笑)

沼野井:気になる方はネットで渡邊くんのことを調べてください(笑)。ありがとうございます。

若手の提案に即決裁が降りるエイベックス

沼野井:では続いてですが、興味がありながらも僕自身もなかなかお会いする機会がなかったエイベックスの加藤さん、どうですか?

加藤:はい、サイバーさんはすごくチャレンジをされているという感覚が僕にもあるのですが、もうひとつ僕らとして大事にしているのは、やっぱりデカくなればなるほど、決裁を取るのにすごく時間がかかっちゃうというところです。

それがやっぱりチャレンジだったり、アイデアを潰してしまうことになると思うので、やはりベンチャー風土というところでいくと、なるべく若い子が提案したことに対して、即決裁が下りるようなフローにするということに僕らはすごく気を使っていますね。

沼野井:なるほど、決裁というところは、大きな企業になると肝のところかなと思いますが、今のその決裁ルートはどのぐらいのステップを踏むのでしょうか?

加藤:去年ぐらいまでは、本当に5〜6ぐらいのステップを踏まないと色んなビジネス的な決裁が通らないケースもあったんですが、今年からは……デカくないですか? 僕の声。

一同:(笑)。

加藤:すいません、聞こえてますか? 聞こえてます?

沼野井:大丈夫ですかね?

加藤:大丈夫でしょうか。

沼野井:大丈夫です。

加藤:けっこうスピードアップしています。最近は。

沼野井:あの、ここはかなり大切なところです。例えばビジョンや行動指針があっても、デカい組織になると、決裁ルートが大きすぎるというところで意外と進まないということもあります。その辺はみなさん、就活の中でいろんな人事担当に聞いたほうがいいのではないかと思います。ありがとうございました。

クルーズの「どベンチャー」論

沼野井:最後、諸戸さんはどうですか?

諸戸:オチ担当とかじゃないですよね?

沼野井:そうです、そうです。たぶんいいことを言ってくれるなと思いまして。

諸戸:ありがとうございます。今の決裁フローという意味で言うと、例えばうちなんか、売上300億ですけど、社員数で言うと200人もいないので、もう目の前に部長や役員がいるので、その場で言えば通るようなところもあるのですが。

だから、そういう意味で言うと、例えばアメリカに拠点を作ったときも、「来週○○くんアメリカ行ける?」「行けます」「じゃあ頼みます」という感じです。

沼野井:おぉ~!

諸戸:あと、さっきここで登壇していた石橋孝太郎というのが、僕と一緒に子会社を作って取締役をやっているのですが、彼も早稲田の大学生の時に作っていますから。

そういったものも、バンバン新しいことをやれる環境があるのがベンチャーかなと思うのですが。

ただ、さっき小山さんの話を聞いていて確かにそうだなと思ったのが、確かにチャレンジの数がいちばんわかりやすいので、いっぱいチャレンジをしている会社はベンチャーだよねと。片方で、数が少なくてもでっかいリスクが取れている会社もすごい「どベンチャー」だなという気がしています。

沼野井:確かにそうですね。

諸戸:例えば、規模に関係なく大手企業も知らないだけでいっぱい挑戦しているのですよ、小さいことも含めると。だけど、ある一定の規模になってくると、すごいでっかい挑戦というのはなかなかしにくくなってくるんですよね。リスクが怖いし、そのリスクが社会にとんでもない影響を与えかねないので。

そうなってくると、わかんないですけど、例えば自動車産業ではでっかい挑戦を仕掛けてきたUBERさんみたいなのがポーンと出てきてドカンと変えちゃう、といったことが起こりうるじゃないですか。

沼野井:そうですね。

諸戸:そういうことを、でっかいイノベーションを起こしちゃうぐらいのリスクを張って攻められるというのが、やっぱりベンチャーの本質です。数より大きさ。新しい挑戦をいっぱいやりまくるというのは意外とどこでもできそうな気がするので。そこよりも難しいのは、リスクの取り方であって、本当にソフトバンクさんなんて、すっげえどベンチャーだと思いますよ。

あと、酒の飲み方もどベンチャーです、ここは。

(会場笑)

沼野井:さすがですね。ありがとうございます。

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