2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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吉田浩一郎(以下、吉田):え? テーマは何の話でしたっけ。
真田哲弥氏(以下、真田):テーマ、なんでしたっけ。
吉田:じゃあ私、逆に質問なんですけど。前々からちょっと興味があって、(真田さん)マレーシアでラーメン屋をやってるじゃないですか。
真田:いや、上海です。
吉田:あ、上海(笑)。あれは、それこそさっきの仲さんへの逆質問で、やりたいからやってるのか、経営戦略上やってるのか。
真田:まさか! 俺がラーメン好きだからとかそんなことはないでしょう(笑)。
(一同笑)
吉田:あれはどんな事業なんですか?
真田:あれはですね……わりと唐突感があると思うんですけども。
吉田:いや、めちゃくちゃあります。
真田:ありますよね、はい。じゃあちょっと、簡単に説明します。我々、例えばAppleさんのやってるAppStoreがあるおかげで、世界中の個人プログラマーに、資本力がない個人プログラマーが、全世界でアプリを販売することができる。これはプラットホームの力ですね。プラットホームがそこにあることによって、その現地における法律とか、そういうことを何も知らない、販売網もない人がアプリケーションを全世界で販売できるわけですね。
我々、今この日本のカルチャー、ゲームとかアニメとかを海外に展開していくっていうビジネスで、海外売り上げがどんどん増えていってるわけですけど、海外でいろんなプロモーションをやってます。
ジャパンエキスポとか、ジャパンアニメフェスティバルとか各国でそういうのがあるわけですけども、そういうリアルなフェスとかにも出展していってるわけですね。そういうところで集客して、最終的にはAppStoreやGoogle Playでゲームをダウンロードしてもらって、課金してもらって収益を上げる、こういうモデルで回転してるわけですけど。
海外に、そのフェスとかに出店すると、我々がアニメとかゲームを展示している横で一番行列ができてるのは、アニメでもゲームでもないんです。ラーメン屋なんです。ラーメン屋が一番、海外のフェスとかでも集客できるんですね。
日本にはおいしいラーメンを作る人がたくさんいるんですけども、でもその人たちは、職人として技があっても経営とか、海外ビジネスのBiz Dev能力が低いから、海外に出店することができないっていう職人がたくさんいるんです。
だったら、我々がAppStoreやGoogle Playと同じようなプラットホームを作って、そこに出店。味がしっかりあって職人がそこに行けば、出店ができるっていうビジネスプラットホームを作ると。今、世界中でラーメンがすごい人気なんで。
日本のおいしいラーメンじゃなくて、韓国人中国人がやってるラーメン屋さんがたくさんはびこってるんですね。それはその味の問題じゃなくて、やっぱりBiz Dev能力の違いで。だったら我々がそういうプラットホームを海外で作って、職人を誘致していくっていう法則が成立するんじゃないかなと。
そこでAppStoreやGoogle Playがやってることと同じように、一定の料金を手数料として貰っていくっていう。我々は、海外で出店していくっていうことをいろいろやってきたんで、そういうことを手がけてみようと。
吉田:ちょっと、真田さん、我々にはオチが必要です。
真田:あ、はい、えっと(笑)。
吉田:真面目に説明されると思わなかったんですけど。「やりたいからやってるんだ!」って言って欲しかったんです(笑)。逆なんですけど。
真田:それはこう、言えないですね(笑)。ちょっとね、ちゃんと真面目にしゃべってしまいましたね。ということで、成長したきっかけを。
吉田:成長したきっかけ。そうですね……シリーズでいえばIVSで優勝させていただいてから事業を進める中、いろんな方にお会いしました。そこで、マネーフォワードの辻さんと知り合ったことがきっかけです。その頃は月次で10パーセント20パーセント成長してて、シリーズAから半年ぐらい経ってて順調に伸びてますと。
これを掛け算するとどんどん伸びていくのですが、あれ? みたいな。30年で、SoftBankみたいな営業利益1兆にはならないなと、Excelを引いたときに絶望して。
「この差はなんなんだ」っていうのでずっと考えて、ちょっと本屋に行こうかなと思って。本屋で、この差を埋める方法ってないのかなと思って目にとまったのが、ライフネットの岩瀬さんが書いた『132億円集めたビジネスプラン』という本でした。
じゃあ、132億集めたらいいのかなと思いその本を読み進めると、谷家さんという人が出てきました。それで、谷家さんという人に会って132億って言えばいいのかと思い、その谷家さんと誰が繋がってるかって見たら、それがマネーフォワードの辻さんで。
辻さんにお願いをして、辻さんが谷家さんと会食してる場所に同席させてもらい、会うなり「私も132億集めたいんです」と谷家さんに伝えました。タニヤさんが「ほう」とおっしゃって30分ぐらい話したら、「君はね、ちょっと目指す方向が間違ってる。君は金融業界の人ではないし、岩瀬さんとはタイプが違うから、それは目指さないほうがいい」と言われまして。
私はその場で30分で資金調達を断られたので、谷家さんに、「じゃあ僕は誰を目指したらいいんですか」って言って。谷家さんがずっと考えて言った答えが、「藤田くんとか目指せばいいんじゃないかな」と。
「君は人間的な魅力で、金融業界だと仲さんとかみたいなタイプで、人間力で引っ張るタイプだから、そういう人をメンターにつけたほうがいいよ」みたいに言われて、サイバーの藤田さんが君のメンターになりうるんじゃないかって言われて。
その足で藤田さんにアポをとって、田島さんと一緒に3人でご飯を食べたら、今度は30分で資金調達がその場で、「じゃあ10億ぐらいやろうか」みたいな感じで決まったと。
だから、やっぱりそういう意味では、このIVSでいろんな人に会いながらどんどんぶつかっていくってけっこう重要だと思ってて。最近だと、すいません、またネタの繰り返しになるんですけど、TechCrunchで取り上げた後、スカウターの中嶋さんが「吉田さん、ご飯行きましょうよ」って言って、昨日一晩中行ってたんですけど。
若手で、そこまでぐいぐい来る人ってなかなかいないわけですよね。でも、それでけっこう中嶋さんの相談に乗ったりとかして、彼もどんどん吸収していくんですよ。私が先輩を紹介すると、彼は「またちょっと何か教えてもらっていいですか」みたいな感じで、どんどんいくんですよね。
だから、そういうふうに世代を超えたところに、どんどん食い込んでいける場にはなっているのかなと。あれ、これもオチもないですね。ちょっとどうしようかな。
真田:ということでですね、このお題でこれ以上やるのは苦しいということになりまして、ここからは会場のみなさんからの質問という時間に、ちょっと早いですけどさせていただきたいと思います。
はい。それでは会場のみなさまから、なんでもOKですからね。企画に関係ない質問でもOKですから。質問をしていただけないと、場が持たないということで。
吉田:1回目の参加の若手から、経営の相談とか。真田さん、この中で誰でもいいんですけど。
鈴木健氏(以下、鈴木):実はこっちからだと暗くて、そんなに見えないんですね。
(会場、明かりが強くなる)
真田:どんな質問でもOK、経営相談もありということで。
吉田:中嶋さんとか、「よろペイ」の彼とかいないの。いない?
真田:この空気、ちょっとまずいですね。……来た。はい、救世主。
質問者1:誰も挙げないので……(笑)。経営相談なんですけど。本のフリマアプリの「ブクマ!」というのをやってるんですけど、最近競合が出てきて、どういうふうに戦うべきでしょうか。みなさんの意見を聞かせていただきたいと思います。お願いします。
真田:はい。なんていうアプリですか。
質問者1:本、書籍のフリマアプリの「ブクマ!」という。
真田:メルカリの本、限定版みたいなそういうサービスですか。
質問者1:はい。本だけのメルカリをやってるんですけど。
真田:なるほど。じゃあどなたか……。
(スピーカー一同、吉田氏を見る)
吉田:えっ、競合を最も意識する男。はい。いや、でも大丈夫でしょう。
(会場笑)
吉田:だって、鶴田もっち(鶴田浩之氏、現在の質問者)はローンチパッドのメンターで、前年に優勝してた方なんで、2011年に、私は寸前までもっちにいろいろ直してもらって出て、それで優勝したんですけど。
でもだから今はあれでしょう。自分より大きな規模の会社の新規事業に勝つには寝ずに働くだけじゃない(笑)。
吉田:スズケンさん、お願いします。
鈴木:僕は両方ともまだアプリをインストールしてないんで、具体的にはわからないんですけども、基本的には、プロダクトを良くしていくってことしかないと思うんですよ。だから、とにかくユーザーに寄り添って、ユーザーが何を求めているかっていうことを、突き詰めていくことだと思うんですよね。
その時に、最終的に本のマーケットとかDVDのマーケットっていうのは、全体としてはちょっとずつ売上が落ちていて、データの世界で読んでいくのが、主流となりつつあるわけですよね。全体としてマーケットがそうなっている中でも、最後まで紙の本が大好きっていう人がいるわけですよね。
研究者だったんで、僕もけっこうそういうタイプで、Amazonが最初にサービスを立ち上げた時も、なんかこう、「とにかく本が好き」みたいな人たちがいたのだと思います。僕もそうですけれど、本が好きな人たちが、ものすごく本を買うわけですよ。
信じられないくらい本しか買わないわけですよ。研究者とかそういうとてつもなく本が大好きって人たちは、紙で読むんですよ。そこをしっかりと、「その人たちのために」やっていけば、大丈夫じゃないかなと思っていて。
本当に本を好きな人たちっているから、その人のためにやり続けていく。そうすると、1人あたりのユーザーの購入数が圧倒的に大きいんで、たぶん、10倍、100倍くらいユーザーあたりの売上が変わっていきます。みんな、普通に月に何十冊とか買うんで。100冊買う人もいますから、本当に。
僕だったら、そういう世界でやっていくかなと思いますね。本、大好きです。
質問者1:ありがとうございます。質問してよかったです。
真田:はい。ということで、ちょうど終了時間になりました。これにて終了でございます。登壇者のみなさんに拍手をお願いします。
(会場拍手)
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