2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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林:続いて、ユカイ工学の青木さん、よろしくお願いします。
青木俊介(以下、青木):よろしくお願いします。ユカイ工学の代表をしております、青木と申します。僕たちの会社はロボットの開発ですとか、ロボットに使えるようなプロダクトを販売したり、あとクライアントさんと一緒にプロダクトをつくるお手伝いをさせていただいたりしています。
私は、もともと学生の時に、大学の仲間でチームラボという会社をつくって、6年ほどCTOをやっていまして。そのあとは、ピクシブという、そちらにも代表の片桐さん、いらっしゃいますけれども、ピクシブでもCTOとして3年ほど働いていたのですが。
昔からロボットが非常につくりたかったので、起業当時はハードウエアのノウハウも全くない状態だったんですけれども、ちょうど愛知万博のときに、この場にいる人はほとんど知らないと思うんですけれども、ロボットブームというのが実はありまして。あまり社会に気づかれないまま終わったんですけれども(笑)。そのロボットブームの時に、これはロボット、来るかもしれないと思って、会社を始めました。
私どもの会社、8人ほどの、ほとんどエンジニアなんですけれども、プロダクトデザインをやる人間だとか、回路だとか、メカの設計とか、そういったロボットをつくるのに必要な人材が一通りいます。
青木:現在はプロダクトとして二つ販売をしていまして、一つはこちらの「ココナッチ」という、ソーシャルロボット。小さいロボットなんですけれども、最初に発売したときはパソコンにUSBでつないでおいて、ツイッターで話かけられたり、メールが届いたりしたのを可視化してあげることができたらおもしろいなと思って、女の子でも使えるロボットをつくろうということで、こちら製品化しました。
青木:僕たちが目指しているのは、こういったロボットが、こういう家の中で、今どんどんスマートハウスといって、家がスマート化しているんですけれども、家がスマート化してくると、いろんな場所にセンサーが増えてきます。
青木:ここに載せているのは「Kinect」のセンサーなんですけれども、今、1万円ぐらいで販売されているんですが、近い将来に、2、3年以内には、1000円前後ぐらいの価格になってくるんじゃないか。そうすると、照明の中に入ったり、ベッドサイドに入ったり、たくさんセンサーが増えてきますので、そういったセンサーをネットワークでつなぐことで、ロボットがいろいろなサービスをすることができる未来になるんじゃないかな、というのを目指しています。
青木:現在は、大和ハウス工業さんというハウスメーカーさんと一緒に、スマートハウス向けにHEMS(家庭内のエネルギー整理システム)の情報をお知らせするロボットとして、こういうふうに(説明)ご活用いただいていまして。まだスマートハウスを本格的に販売し始めたのは今年からなんですけれども、現在は筑波のほうで120世帯ほどのご家庭でご活用いただいています。
青木:もう一つの製品としては、「Konashi」というローエナジーという新しい規格のBluetoothを使った、フィジカルコンピューティングのツールを出しています。真ん中の右下にある小さいボードです。これが「Konashi」と呼ばれているものです。
これは一言でいうと、スマートフォン向けのArduinoのような試作のツールなんです。現在、ノートパソコンの売上がどんどん落ちてきて、その代わり、スマートフォン、タブレットに移っていっています。
フィジカルコンピューティングをやる環境というのも同様に、恐らくスマートフォン、タブレットがメインになってきて、そうすると無線でつなぐことで簡単にプロトタイピングができるツールがあったら、非常に便利だろうということで製品化して、ボードだけではなく、開発環境もオープンソースで提供しています。
青木:こちらはiOS向けのSDKを提供するだけではなくて、javascriptを使ってプログラミングができれば、アプリの作り方を覚えなくても、もっと簡単にハードウエアの電子工作に入門することができるんじゃないかということで、アプリをつくって、javascriptで開発ができるような環境を提供しています。
ちょっと時間がなくなってきたので飛ばしますと、このkonashiを使って、最近ではオープンイノベーションということが強く言われているので、いろんな企業さんとワークショップをやったりしています。
青木:他には、いわゆるコンサルティングというか、プロダクター開発を一緒にお手伝いするような仕事も結構やっていまして。大企業さん向けですとSHARPのココロボさんのソフトウエアマップ部の開発をお手伝いしたり、ネコミミという、これは電通さんが開発されているものですが、僕たちは最初のほうのプロトタイピングから、ずっと一緒にプロジェクトをやらせていただいていました。
他にも、最近はすごくスタートアップでハードウエアをやるというところが増えているので、テレパシーさんの最初のモックアップの制作でしたり、あと右下にあるのはルークスという、最近リリースが出ていたんですけれども、スマホで管理できる簡単な鍵ということで、こういったスタートアップ向けの開発もお手伝いさせていただいています。ちょっと長くなってしまいました。すいません。
林:青木さん的には、今、ハードウエア・スタートアップが注目なのは、なぜでしょう?
青木:いろんな要素があると思うんですけれども、やっぱり一番大きいのはキックスターターで、たくさんのハードウエア・スタートアップがアメリカで生まれているというのがあると思うんですけれども。あとはやっぱり、既存の日本のメーカーがインターネットの波に乗り遅れているようなところがあるので、日本でもインターネットとハードウエアを組み合わせたようなものづくりというのが、すごく求められているのかなというふうに思います。
林:ありがとうございます。続いて吉崎さん、お願いします。さっき、楽屋で、ちょうどこの並びが起、承、転、結になっているなと話していました。
吉崎航(以下、吉崎):つまり、私の話が、転、ということですね(笑)。
林:そうです。よろしくお願いします(笑)。
吉崎:よろしくお願いします。転ばないように気をつけながら(笑)。株式会社V-Sidoの吉崎と申します。私は、もともと個人で、それから今は、いろんなメーカーさんと組んだりしながらロボット、特にヒューマノイドに寄ったロボットの制作。それから、その中のソフトウエアの制作というのを主にやっております。
吉崎:こちらに載っているような、等身大のロボット、それから小型の30センチ程度のロボット、あるいは4メートルクラスのロボットなど、かなり幅広いサイズ、それから用途のロボットで使うことのできる汎用性の非常に高いソフト、そういうものを目指して開発をしております。
吉崎:なぜハードウエアビジネスが流行ってきているのかというようなところにも、つながるかもしれないんですが、私はロボット、そろそろ開発競争が始まったんではないかというふうに考えております。こちら、あえて開発競争と書いております。
3Dプリンター、それからハードウエア系のもの、これからどんどんはやっていって、もう既に、はやっているのかもしれないんですが。ロボットはまだ、販売においては、はやりきってはいないと思っています。
ロボットに関しては、今は開発の競争が始まって、世界がそろそろつくってみるかというような時期になってきたのかなと。私もこのような状況を、やはり万博のときに一度感じまして、よくよく調べると日本では何年かごとに、このブームが起きているんです。今回は本物です(笑)。
吉崎:なぜなら、世界的な規模になっているから、私はそう考えています。「週刊ロビ」とかが売れて、もしかしたらホビーロボットを女性でも買うかもしれないというときに、今度は世界でも売ります、とか。日本からロボットベンチャー東大から出ましたといったときにGoogleが買いますとか、もう世界規模ですよね。
医療分野でもロボットがとか、巨大ロボットがAmazonで売っているとか、この巨大ロボット、うちがつくったんですが、そういうものが出てきていますということで、世界中でロボットが買える状態になったときに、日本がある程度の地位だったり、すごいだろうと見せるものを持っているというところは、これはアドバンテージになるんじゃないかと。ただまだ、売れる段階には来ていない、なぜか。
吉崎:人型ロボットの開発ってそれなりに難しいところがありまして、人間をつくるのとかなり近い部分がありますので、正直すべての分野に精通していないと、一つのメーカーさんではつくれませんと。それができるメーカーさんは、世界にどれだけありましたっけという話になるんです。
ただ、パソコンとかは、パーツをつくるところとソフトをつくるところと違うじゃないか、アンドロイド携帯でもそうじゃないかというところで、ロボットは、まだそれができていないだけなんですと。
ダイナミクスもできなきゃいけない、力学もわからなきゃいけない、ソフトもわからなきゃいけない、アプリケーションもネットもわからなきゃいけないという状態は今だけで、これからは、ちゃんと分業できるよね、というようなところを担うソフトウエアとして、このV-Sidoを私は開発しております。
吉崎:ロボットをこのようにタッチパネルで自由に動かしながら、CGとロボットがリアルタイムに同期して、例えば人間の動きを簡単にコピーすることができます。人間とロボットの形というのは、非常に似てはいるんですが同じではないので、もし思いつきでロボットをつくってしまうと、自分で自分を殴ったり、バランスを崩して転倒したりというようなことが、すぐに起きてしまうのですが、それが起こらない。
なぜ起こらないのかというと、これ人間が思いどおりにロボットを動かしているつもりでいるんですが、実際にはロボットが自分で考えて思いどおりに動いてあげているふりをしていると。そのふりをする部分をV-Sidoが実現しております。Perfumeの動きをパクれといったら、似たような動きをするのだけれども、全く同じではない。できる範囲で頑張る。
吉崎:こちらの4メートルサイズのロボット、これが油圧で動いているんですが、やはりこちらもV-Sidoというソフトウエア、バイナリレベルで同じソフトウエアで動いております。このように、小さなロボから大きなロボまで動かせるソフトウエア、これがV-Sidoになります。
吉崎:最後に出てきた油圧のロボット。こちら最近パトレイバーという実写の映画にラスボスとして敵で登場しました。あと、最近ですと秋葉原でイベントがありまして、アムロ・レイの声優さんに乗っていただいて、名言をたくさんしゃべってもらいながら立ち上がって銃を撃つということをやっていただいたんですが、なかなか版権的に難しい気がするので、ここで動画は上げないので、よかったらググってください。
そんな鉄のロボット、このハードウエアで3Dプリンターがはやっていても、いろんなものが個人でつくれる、ひとりメーカーさんが出てくるような時代の中で、きっちり溶接をして、一人でつくっておりますという、今の「クラタス」の状態なんですが。
ある意味では、これも2人だけで、自分たちで面白いものがつくれるんじゃないかというようなところから始まったプロジェクトでもあります。例えばV-Sidoを使った例として、ちょっと時間がないので話が若干飛んでしまうのですが、小さなロボットに、例えばこのV-Sidoを使うと、こんなことができます。
吉崎:これ、60センチサイズのホビーロボットなんですが、こんな歩き方するホビーロボット、見たことありますか? これはソフトウエアの工夫をすることによって、市販のサーボを使った、市販のロボットであっても動きが変わりますよと。
ただただ、このソフトを使うだけで、この回路を組み込むだけみたいな感じでロボットを動かせます。完全に膝を伸ばした状態で、それから、ちょっと詳しい方とかなら分かるかもしれないんですが、これジャイロを使っておりません。ジャイロセンサー、加速度センサーなどのセンサーなしに、これだけの動きを予測とリアルタイムの同期によって実現しております。
難しく言うとそんな感じなんですが、大体ネット上では「歩く絶対領域」とか呼ばれていたりします(笑)。こんなロボットをつくったり、最近の例で言いますと、もう少し実用的なものもいくつかやっておりまして、今回お見せできるところでいうと例えばこれ。
吉崎:これは重機を動かしているのが実はロボットです。しかもこれが、市販のサーボモーターの組み合わせでつくられたロボットを、V-Sidoで制御することによって、このようにちゃんとレバーを握って、シリンダーを直につないでとかじゃなくて、あえて人型にすることによって、どんな重機にも載せることができるというような利点を考えて、人型にしております。
吉崎:これ実際に重機を使われている企業の方と一緒に頑張っているものなんですが、これからどんどん使えるようなものにしたいなと。
吉崎:それから、こちらのソフト、例えば本当に市販のホビーロボットに入れると、入っていない状態では、ロボットって固いので簡単にこけますよねという中で、V-Sidoを入れると振動が勝手に収まります。こういう技術も開発しております。
ちょっとわかりづらいですかね? 例えば立っているロボットが、山手線とかでもこけないというようなことを目指して開発しております。結構、揺らしてもこけないので、この辺からやけになってきて、比較実験をしていないのにロボット自体を投げ始めたり、持ちこたえるんです。しまいには、缶ジュースをぶつけるという(笑)。
吉崎:なんかもう、手当たり次第、立っているものをぶつける。もし、何も制御がかかっていないと普通はこけてしまうのですが、もちろん中身入っております。人間の重量で換算すると10キロ、20キロのおもりが飛んできても、耐えられるというような状態です。
吉崎:このようなV-Sidoを使うことによって、これまであった機械、あるいはこれから「モーターを組み合わせただけで人型にしたよ」みたいなものが、本物のロボットになる。その助けをするための、パソコンでいうとOSにあたるような部分を実現できるんではないかというふうに考えております。
吉崎:はい、通称「テムレイの回路」とか呼ばれていたりします。こんな物をくっつけるだけでロボットの動きがより良くなる。それからWebからつなげる時にもiPhoneアプリしか開発できない、よって人がヒューマノイドロボットを動かせるようになるっていうような所を目指しております。以上です。
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