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挑戦する人生!(全3記事)

「年収が上がったときに、これマズイなと思って…」 LINE・森川社長が語る、成長する環境のつくりかた

就活生の人気企業ランキングを見ると、上位に並ぶのは大企業ばかり。しかし本当にチャンスを掴みたいのなら、その選択は間違いなのかもしれません。LINE・森川亮氏、コロプラ・千葉功太郎氏、GMO・熊谷正寿氏の3氏が、自身の20代を振り返るとともに、若者がもっとも成長できる環境についてレクチャーしました。(IVS 2014 Summer Workshopより)

経営者とたくさん会える就職先は?

質問者C:慶応大学4年生です。就職活動を終えています。私は、こういうベンチャーの方々が世界に日本を発信するような企業をつくっていくことにすごく賛成だけれども、私にはできないと思ったんです。0から1をつくるとか、私はちょっと違うと思って。でもそれができて、経営者にたくさん会える、経営者に向き合えて、資金の調達ができるということで投資銀行かな、と思い選びました。

田中:どう思いますか? ちなみに今僕もベンチャーキャピタルやっていますが、投資銀行や金融系の会社では一切働いたことがありません。

よく、ベンチャーキャピタルやるにはどうしたらいいですか? と聞かれます。もちろん金融系ルートで来る人も多いと思いますが、アメリカのベンチャーキャピタル産業を見ると、ほとんどが投資銀行やお金を扱う業者から来ているのではなく、ベンチャー出身の人が圧倒的に多い。彼らのほうが全体的な割合が大きいと思う。なので、必ずしも投資がしたいから投資銀行に行く必要はない、と個人的には思っていますが、どうですか?

熊谷:投資銀行は上場後の、いわゆる大企業に資金供給をする役割です。僕は上場しているから、多少投資銀行の方々とコミュニケーションはある。でも投資銀行に勤められても、いわゆるイケイケのベンチャーとは無縁です。イケイケのベンチャーに縁があるのは、投資銀行経験のない、田中さんのようないわゆるVC。VCさんがイケイケのベンチャーに張り付いているんです。VCに行かれたほうが目的が達成できると思います。

千葉:もう決めたんですよね? だったらその会社で3年は是が非でもさっきの感覚で、ボードメンバーに入るんだくらいの気持ちでやりきらないと、今決めた人生もったいない。その後に事業会社に行くべきですね。

田中:まずは3年修業しろと。

質問者C:やりきります。

熊谷:またその意見に賛成です(笑)。

(会場笑)

質問者C:追い抜いていきます。ありがとうございます。

転職するたび、より厳しい環境を選んできた

田中:3人ほど、それでも大企業に就職したい、という意見がありました。挑戦する人生、というセッションのトピックについてですが、どういったチャレンジが今のキャリアや人生観に結びついているのか、各自の持論を聞かせていただきたいと思います。最近発言が少ない森川さんから。

森川:結局は、何のために生きるか、という話になると思います。人生を振り返ると、ダメな時ほど自分の価値が上がったな、と。振り返るとですよ。自分をいかにダメな環境に置くか、というのをいつも考えて生活しています。

仕事でいうと、最初は日本テレビに入りました。当時テレビ局はすごく人気の会社で、20代で年収も1千万を超えて、このままだとまずいなと思いました。多分ダメになる、インフレを起こしている気がして。それでソニー移ったんですけど、年収が半分くらいになりました。

で、ソニーにいるとまた上がるじゃないですか。その時はトヨタさんとジョイントベンチャーをつくって、その経営をやってたんですけど。やっぱり高くなってしまってまずいなと思い、今の会社に入る時、また年収が半分くらいになりまして。

人それぞれ違うと思うんです。良い環境にいるほうが伸びる人もいる。僕の場合は、このままじゃいけないと思って限界に追い込んだ時に、自分の能力が発揮され、それを乗り越えた時にすごく成長する。いかに自分が成長する環境に身を置くか、5年前の自分と、今の自分と、5年後の自分と変わっていけるかと想像しながら生きるべきかなと思っています。

田中:森川さんは毎回転職するときに、わざと自分を苦しめるほう、給料が落ちるほうを選んできたんですか?

森川:給料だけじゃないですけどね。自分にしかできないとか、今ここで頑張らなきゃいけないとか、もし自分がこれをやったら、これだけ多くの人が幸せになるとか。そういう環境にいないと人間は怠惰だから、ストレッチして成長をするのが難しいと思うんです。敢えてそういうところに身を置くようにしています。

日本ではPCよりもモバイル周りの方がチャンスがある

田中:なるほど。では千葉さん、人生のチャレンジをどう考えますか?

千葉:大学を卒業して、リクルートで3年間だけやりました。リクルートから今現在まで、一貫して、携帯電話のテクノロジー&サービスの領域で仕事をしてきました。入ったのはiモードがスタートする直前でした。

田中:リクルート時代は何の携帯サービスやられていたんですか?

千葉:iモードが出る前に、リクルートのすべてのサービスをiモードの仕様に合わせて携帯電話で提供するサービス設計、というのをキャリアさんと一緒に技術的なヒアリングから、議論から、という形でやっていました。現在コロプラに至るまで、ずっと携帯電話向けのものをやっています。

別に携帯が好きなわけではなくて、何でやっているかというと、たぶん「日本発世界へ」なんです、キーワードは。せっかく日本人で生まれて、テクノロジーを大学の頃に習い、インターネットという武器を手にし、その小さな竹槍で世界に挑むときに、日本はPCよりも携帯のほうが戦いやすい、と直観的に思いました。

とにかくこの小さな竹槍で、島国から世界中に日本発の携帯電話サービスや技術を提供できたらかっこいいよな、と思いました。そのためには、さっきの森川さんのお話と同じで、途中途中にかなり高い目標設定をしていかないと、個人の成長も組織の成長もできない。コロプラもそうです。

5年半前に創業しました。「世界と闘う」という定義が何かと考えると、例えば株式市場で存在感を表さないと世界で闘うプレイヤーになっていないので、最低でも1千億円以上のプレイヤーになっていなくてはいけない。すると上場もしなくてはいけない。世界中にユーザーが必要だ。あるいは、1億ユーザー以上が使っていなくてはいけない。やっと先週、1億ダウンロードを突破しました。LINEさんには全然勝てませんが、日本でつくったものを世界に出していくのが挑戦のひとつです。

アメリカはすごいな、と言っていますが、すごいと言っているだけでは弱い。先ほども言いましたが、今は丁度いいチャンス。スマートフォンにかけるお金が回る、本当に2014年はいいチャンスなので、ここでより一層自分もそうだし、組織としてもジャンプアップしていかないと、世界のマーケットで日本が注目されることはないかな、というのが自分の挑戦ですね。

18歳、家が無くなったところからスタートした

田中:ありがとうございます。では熊谷さん。

熊谷:「挑戦する人生」ということで、僕は来月で51歳になりますが、皆さんと同じ位の頃から約30年挑戦し続け、この人生を振り返って、生まれ変わっても同じような人生を歩みたいと思っています。後悔はない。挑戦する人生は本当に楽しい。

挑戦する人生って非常に曖昧ですが、何に挑戦しているかと言えば、結論は人の笑顔を増やすこと。多くの方に喜んでいただくことに挑戦し続けています。これから死ぬまで、そういう人生を歩みたいと思っています。

新しいサービスを生み出して、お客さんに喜んでもらって、お客さんに褒められて、仲間が喜んで。この笑顔の循環が続くと、結果として利益が残り、株主の方も笑顔にできる。この三角形の笑顔の循環が回転していくと、社会をもっともっと良くできる。笑顔の循環に挑戦する人生を生まれ変わってもしたい。おすすめしたい。

きれいごとの話ではなく本音なんだけど、挑戦する人生をどうやって続けて来たか、2つのポイントをお話したいと思います。ひとつはさっきお話した通り、大きな夢です。自らができるか、できないかもわからないけれども、壮大な夢をつくってそこにチャレンジしていく。人は想像できる範囲でしか成長できないから。まず自分が「できない」って言ったら絶対できない。鎖に繋がれてはダメです。大きな夢を持つ。

有名な例えですが、サーカスに小象が鎖で繋がれていましたと。象は、小さな時は、いくら鎖を切ろうと思っても、その鎖を切ることができなかった。巨象になって、実は切ろうと思えばすぐ切れてしまう鎖でも、小さい時の切れなかったという思い込みで切ろうとしないそうですね。

皆さん鎖に繋がれちゃだめだよ。できないことはない。自分じゃ無理だと思っている人もいるかもしれないけど、鎖をブチぎって。できないことはない。前に進んでいただきたいと思います。

2つ目、僕が実際にやってきたことをご説明します。僕はコンプレックスをバネにしてきました。いつもめげそうになる自分の背中を押すのは、コンプレックスでした。僕は学歴のコンプレックスがあります。だから生まれ変わったら大学に行きたいと思っています。

そのうえ、20歳で結婚して、21歳で子供がいたから、経済的にも非常に苦しかった。2世だったけど、「人よりも安く、人よりも長く働け」というのがうちの創業社長、父親の口癖だったので、収入もすごく少なかった。

20代前半の頃は傾いた家に住んでいて、当時奥さんが家に帰ったら、泣きながらフロムエーを見ていて、子供を保育園に預けて明日からアルバイトに行きます、お金がないから、と。子供も毎朝保育園に行くのが嫌で、わんわん泣いていた。家族すら笑顔にできないのかと、ダメな自分に気づいたのも20代。学歴も無い、家族も幸せにできない。

あともう1つ、うちは家庭環境が複雑でした。うちの父親は一生独身で亡くなりましたが、家庭がいくつかあったという複雑な形でした。10代の頃、うちのお父さんとお母さんがお別れをして、僕は住む家がなくなったんです。これ人前で言うのは初めてです。お母さんは家を出て行ってしまい、お父さんもいなくなってしまって。僕が18歳くらいの時、ある日突然、自分の家がなくなってしまった。

その頃からワンルームマンションに住んで、自分で生活するようになりました。自分で味噌汁作って、夏場2日目くらいにちょっと泡立っていたんですが、石鹸でも入っちゃったかなと思って、そのまま食べたら腐っていて、救急車で運ばれたけど、誰も助けに来てくれなかった、みたいな。……笑い取ろうと思ったら、全然笑いになりませんでしたね(笑)。

一同:(笑)。

熊谷:そんな10代だったんです。ダメダメだったのね、皆さんと同じくらいの時。生活も、生活環境も、すべてが。それを抜け出したいという想いが、ものすごいコンプレックスに繋がっていて、そこから抜け出すために自分の人生変えてやろう、という気持ちがすごくありました。

大きな夢をもって淡々とやってきたことも事実。一方、通常と違うコンプレックスをバネに、絶対やってやる、と思い続けたことも事実です。この2つの原動力で挑戦する人生を選んで、本当によかったと思っています。長くてごめんなさい。

「新卒で入ったら3年は続けろ」 ナゼ"3年"なのか?

田中:ありがとうございます。なかなか直接話を聞けないパネリストの方々に集まってもらっているので、Q &Aを早めに解放しようと思います。質問ある方?

質問者D:貴重なお話をありがとうございます。さっき千葉さんが3年間は頑張って、と仰いました。世間でも言われる「3年間」がどうして3年間なのか、ということ。あとはどこかの企業に入ったら3年間は働くべきと思いますか? そしてそれはなぜか、を聞きたいです。

千葉:誤解のないように言うと、良いと思ったらずっといていいと思います。なので、うちはこの前入社式をやったんですけど、新卒には「最低5年はいて」って話しました(笑)。とはいえ、自分がリクルートを3年で辞めてしまったくらいなので、一応公的には3年と言っていますが、社内では5年と言っています。

5とか3、数字に深い意味はないと思いますが、最低でもそのくらい本気でやらなければ成果出せないですよね。最初の1年は何やっているかわからないし、2年目でなんかポチポチで、3年目でやっとエンジンがかかってくる、みたいなタイミングなんですよ。どんなに頑張ったとしても。

だとすると、最低3年で1アウトプットができるかどうか、くらいで、それでできなければ、5年かけて複数のアウトプットを出すという時間軸だと思うんです。それもやらずに、1年半くらいでこの会社大体わかったしダメだ、と逃げる人は、人生に逃げ続ける人になってしまうと思うんです。

どんな会社であっても必ずそこでやりきって、ボードメンバーに入るぞくらいの、短期間でアウトプット出す人は、どこでも通用する成長と力を持つはずなので、大手だろうがかなりひどい企業だろうが、今回登壇している企業だろうが、どこでもやりきるべきだと思います。その後に自分の人生に繋がると思います。

熊谷:聞かれてないけど答えていい? 面接、たくさんしてきました。ダメな履歴書は、1年とか1年半で転々としている方の。これはダメな人という証になってしまうから、3年が正しいかどうかはわからないけど、3年という千葉さんの意見に、賛成です(笑)。

(会場笑)

森川:僕もいいですか? やはり稼いでいる会社というのは、それなりにすごい会社だと思います。できれば、その会社の社長が「辞めないでほしい」と直接止めるくらいの人にならないと、どこ行っても一緒だと思うんです。それくらいに1年でなる気持ちで頑張って、3年でなったらハッピーじゃないですかね?

田中:ちなみに今は就職されているんですか? 就職活動中ですか?

質問者D:大学を去年卒業して、それからずっと海外を周ったりしていて、1週間くらい前に帰国して、これから、というところですごく悩んでいて質問しました。

田中:参考になりましたか?

質問者D:はい。ありがとうございます。

やみくもにやる、ではなく「改善策」の改善を

田中:では次に行きましょう。

質問者E:お話ありがとうございました。アメリカのシアトルの大学に通っています。

田中:今回海外から来ている人多いですね! 今回海外の学校から来ている、あるいは留学した経験ある方どれくらいいますか?

田中:あ、結構多いですね。すみません、続けてください。

質問者E:アメリカの授業や、スタートアップウィークエンドに行って、挫折……。周りと自分とのレベル(の差)にすごく悔しい思いを何回かして。自分でもアメリカで運動会を開いたりだとか、やっているのですが。自分の意気込みとは逆に、あまりいい結果が出ないんです。挑戦して何回も挫折するのですが、自分の成長を実感できなくて。挫折を経験した時にどうやって次に繋げるのか。次に対して具体的に決めるのか、なんでもいいから挑戦するのか。こういうことを聞きたいです。熊谷さんにお願いします。

熊谷:「挫折」と思うか「学び」、あるいは「成長」と思うかは、心のあり方だと思います。「挫折した」で諦めてしまうと物事は終わってしまうけど、「これですごく勉強できた」と失敗をよく分析して、自らのものにすれば、「次は絶対同じことしないぞ」と思って次に進める。こういう心の状態がすごく大きな違いだと思うんです。

あとは、やたらめったらやっても上手くいかない。やはり人よりも何か優れていないと。あるいは、インターネットで情報の獲得コストやスピードがゼロになっているから、圧倒的に他より優れていないと、ナンバーワンじゃないと、今は上手くいかない時代なんですよ。よく考えながらチャレンジをしていったらいいと思う。上手くいかなかった時には、100回の失敗を笑顔でしたほうがいいと思う。

今グロースハックでよく言われていますが、100回に1回しか上手くいかないものと考えて、小さな1個ずつの失敗は笑顔でする、失敗するのは当たり前だと思って。そのくらいの気持ちでいないと、今の時代はダメだと思います。成長率、ものごとの改善というのは複利で考えた方がいい。

すべての改善のスピードを改善する、改善スピードを改善することこそ、今の時代の成功のキーです。インターネットなんて同じサービスがすぐ出てくる。だから、ものすごい勢いで改善する。高速の改善をしていく、ということを当たり前にして100回笑顔で失敗する。こういう心構えでいることが成功への近道だと思います。

GMO熊谷氏の「魔法」に会場驚嘆

質問者F:イスラエルで、クラウドファンディングとギャンブルとクラウドソーシングを掛け合わせたビジネスをします。7月から向こうで登記してやる予定なのですが、LINEさん、コロプラさん、GMOさん、海外でも事業展開されていて、LINEさんは4億人のユーザーを取られていて、世界を獲る勢いだと思います。

日本から世界を獲るために、こういうところに注意して、あるいはこういう考え方をもってやっていけばいい、というのがひとつ。あともうひとつお伺いしたいのは、熊谷さんの素晴らしい姿勢、ひとりひとりの名前を覚えられて接していく、みたいなのは普段から心がけられているのか、経営の姿勢もお伺いしたい。この2点をお伺いしたいと思います。

森川:僕も今日、夜イスラエルに行くんです。日本と世界の違いではないと思います。日本は日本だし、世界といっても色んな国があるから。中国とアメリカを一緒にしてはいけないと思います。どこかにフォーカスするのか、もう少し俯瞰してみるかによって、コンセプトが違うと思うんです。

どこで勝負するのか。LINEの場合は、日本にこだわらないものにしたからこそ、世界でウケた。ただ、それは結局は非常に競争が厳しい。シンプルであればわかりやすいから世界中の人が使うんですが、一方でマネできてしまうから。ではそれをどうするのか、というところは、また別の勝負があって。さっき熊谷社長が仰っていた、改善のスピードが速ければ、マネされたとしても追いつけない。何で勝負するのか、ということで変わってくるというのが僕の考えです。

千葉:うちはLINEさんと真逆で、スマホのゲームをつくっているゲームクリエイター会社なんです。世界に関しては逆にシンプルで、日本のクリエイティブ力を信じて、日本人としての細かい緻密な、楽しいものをつくって喜ばせる。我々の持っているすべての能力を、そのまま世界に出して闘う。これを大切にしているので、極端に、例えば北米向けローカライズをしたり、中国向けローカライズをせずに、黒猫のウィズは黒猫のウィズで、しっかりとそのままぶつけていく。これをやり続けています。

マンガ、アニメ含めて、日本から生まれたエンターテイメントがこれだけ世界にそのまま受け入れられているということは、たぶん日本人がつくったエンターテイメントは世界に届く能力を持っているんじゃないかと。我々はゲームなので、あえてこの日本を出していく。こういうやり方をしています。

熊谷:では僕は海外ではなく、ご質問にあった、名前を覚えるような経営姿勢(このセッションで質問、回答した会場からの一般閲覧者の名前をすべて挙げる)。

(会場からざわめきと拍手)

熊谷:なんかマジシャンみたいですね(笑)。

田中:手帳にメモってたんですか?

熊谷:いやいや、メモってないですけど(笑)。お名前を覚えることはすごく大事です。ご質問いただいた方のお名前を最初と最後に言うようにしています。真剣にお答えしている、という印にもなるじゃないですか? なので、そういうポイントはきちんと記憶しておこうと思っています。純粋に、ただ覚えています。コツはあるんですが、それはまた個別に聞いてください(笑)。

LINEの強みは意思決定のスピード

田中:僕のほうから逆に質問してもいいですか? さっき、何やってるんですか? と質問した時に、クラウドファンディング、ギャンブル……というお話がありましたが、もう少しわかりやすく、何をやろうとしているのか説明頂けますか?

質問者F:やろうとしているのは、起業のあり方を変える、お金の集めかたを変えようとしています。それは新しいイノベーションが生まれやすい社会をつくろうということなんですが、今ギャンブルのほうに流れているお金、例えば今日本だと数十兆円がギャンブルに流れている。そういうお金を志がある人に流していく。ベンチャービジネスがもっと一般の人に浸透していくようなサービスをつくりたい。

具体的には、例えばプランA、B、Cというプロジェクトがあって、そこに一般のユーザーが、例えばAの企業がこれから伸びていきそうだからAに5千円賭けます、とか。そのような形で一定の期間を設けて、プランを競わせて、人々がベットしていく。そのレースの結果、勝ったところに賭けた人はリターンを得られ、勝ったチームは投資を得られ、我々のプラットフォームはそのマージンをもらう。そんなサービスです。

田中:どうですか? サービス内容わかりましたか? ビジネスプラン審査会じゃないですけど、どうですかね? これはいけますか? 無理かな?

森川:結局はお金が回るか、という話だと思うので、まずやってみたらいいと思うんですが。コンセプトはいいような気がしますけど、ただそれに参加する人がどれだけ集まるのか、これがキーだと思います。まずはやってみて。ダメだったらちょっとずつ変えたらいい。

質問者F:ちなみに、そのちょっとずつ変えるというのを、LINEさんは物凄くスピードを意識されていると思います。会議もほとんどしないと聞きます。そのスピードの源泉はどこにあるんでしょうか?

森川:僕の考え方は、ビジネスはやはり最後に勝たないと意味がないと思っています。勝ち方は色々あると思います。LINEの場合は比較的アプリケーションそのものは開発しやすい、これが根本的な課題で、だからこそ早いスピードで動かないと生き残れないと思います。なので、速いスピードでいるためにどうしたらいいか、いつも考えているというところです。

田中:ありがとうございます。

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