2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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質問者:いま辻井さんがこのような変化する人生を歩まれてきて、どうして自分はそういう風にできたと思いますか?
小:いい質問ですね。
辻:コーチと話しているみたいですねー。
池:仕込んだんですか?
小:仕込んだんですかね。前に座っているだけで(この質問者の方が)やる気があるって話でもあるんですけどね。
辻:少しあまのじゃくなところが昔からあって、例えば就職活動を皆するじゃないですか。で、体育会だから当時すごいいいんですよね。分からないかもしれないですけど。バブルの頃で。売り手市場なわけですよ。学生は7こ8こ内定もらうのが当たり前で。
それで拘束とかいって高級旅館とかに会社のお金で招かれて、宴会をさせられるっていう。じゃないと他の会社に行っちゃうから。で、僕はそういうのは、すごくおかしいなと思って、お前なんで昨日銀行受けてたのに、今日は証券会社行って、明日はテレビ朝日なんだよ。みたいな。何がやりたいんだみたいな感じで反抗して、僕しなかったんですよ。就職活動を。
小:すごいですよね。それはね。
辻:そういうところが昔からあるので、ひとつはひねくれていたっていうのと、あとは今思うと両親が「自分の思うように生きなさい」っていうメッセージを、口では言わないんですけど、ずっと言ってくれてたって今振り返ると思いますね。
だから会社をやめるとか、東京の大学を出て名古屋の刈足っていうところに就職するとか。で辞めるっていうこととか、何にも止められなかったですよね。バンクーバーに住むことにしたって言っても。何やるのあんた? 楽しそうね、ていう。そういう周りの支えっていうこともあるかもしれないですね。
小:大丈夫? 答えになってますか?
質問者:はい。
小:何か目が輝いていていいですね。池谷さんコメントは何かないですか? 自分の人生と比較してどうかとかって。
池:いや、僕はあの、辻井さんと全く逆で、結構、真面目なんですよ。
辻:僕も真面目ですよ。
(一同笑)
池:なのでちゃんと大学院とか、就職しなきゃとかいう感じで周りに流されて普通に就職活動しましたし、どっか入んなきゃみたいな。僕の時はあんまり就職がいい時期ではなかったですけど。ちゃんとスーツ着ておはようございますって、内定を取ろうと思ってましたよね。
なので、すごく羨ましいなと思っていて、働いていきながら僕は30半ばぐらいから、だんだんやりたいことが見えてきて、今は好きなことしかやらないって決めてるんですけど。その人生が悪かったとか全く思っていなくて、周りの方にももちろん感謝していますけど、ただ比較的小さいときから変化は好きで、エンジョイはしてるかなと思っていて、過去に対して汚点とか、あれもう経験したくないとか、そう思うことはもうないかなと思うんですけど。
ただ人生、性格もいろいろなんで、まぁ前向きに生きていればどうにかなるのかなと、ちょっと不真面目に思ったり。そんな感じですかね。
小:(西村さんに)どうですか?
西:そうですね。僕は就職活動は最初、一瞬だけして辞めちゃったんですけど。最初コンサルティング会社の試験を受けて、SPIとかよくあるじゃないですか。得意だったつもりが、めちゃくちゃ難しくて、落ちたんですよ。それでもうダメだと思って、それでやめたんですよね。
小:早いですね。
西:そうですね(笑)。やめてよかったです。本当に合わないなと思って。ああいうグループディスカッションとかも、一度ぐらい参加したことがあるんですけども、なんか茶番だなと思って。今からやろうとしている人に何か失礼かもしれないですけど。
池:僕一生懸命やりましたよ。
(一同笑)
SPIの本とか3冊位買いましたからね。グループディスカッションとかめっちゃ強かったからですね。全勝ですよ。
西:そうやってできたらいいんですよね。僕ダメで。ちょっと天邪鬼なんですよね。それが向かないなーと思って。向く人と向かない人がいるんじゃないかなと。なので早いとこいろいろやっちゃいたいなぁと思ってましたね。
小:パナソニックでライバルを蹴落とし、 3000万の金をつくり、1年でなくなるというね。
西:そうですね。つくらずになくしたとうね。早いとこいろいろやっちゃいたいなと。松下幸之助だって15歳とかそのぐらいですよね、確か。丁稚奉公で小学生の頃から彼はやっていたり。それぐらいでいいと思っていたんですよね。僕、大学の時は投資クラブっていう活動をしていて。株式投資を元々していたので、すごい面白いけど一人でやっているのはつまらない。
それで、友達を集めて複数人で投資をしていて、いろんな株を買ったり、いろんな会社を訪問したりして、わーいってやってたんですよね。それは凄い楽しかったですよね。それはすごいよかったなと思って。日本の大学生ってやっぱり、当時、僕が思っていたのを正直に言ってしまうと、飲み会とテニスサークル、以上。みたいなところがあるなと思って。
小:ちなみに飲み会とテニスサークル、以上、っていう生活を過去していたとか、今もしているって人どれぐらいいます?
(会場、挙手なし)
いない! いないですか!? 本当ですか!?
西:どうもそれが抵抗があってですね、もっとこう刺激的で面白い生活をしたいなぁと純粋に思っていて、僕はたまたまそういうカタチだったんですけど。そういうエキサイティングなことを、パタゴニアに行くじゃないですけど、エキサイティングになりたいなと思っていて、就職活動をしてみた時に全くエキサイティングじゃないなあと僕は思ったので、それは自分に合わないなと思ってやめましたね。
小:なるほどやっぱりここで壁で(就活した人としなかった人を)分けてるんですね(笑)。
池:完全に温度差を感じますね。
小:ちなみに僕も普通に就職活動して入ったタイプなんで、2-2ですか。
池:そう。普通に僕、テニスと飲み会のサークルを立ち上げましたからね。
西:かく言う僕もテニスサークルやってましたね。
池:以上でしたね。
(一同笑)
小:はい、次に質問したい人? なんかアプリのマネタイズじゃない質問あります?
質問者:働きがいのある会社をどう作るかというキーワードに基づいて少しお話ししていただきたいんですけども。
(会場笑)
辻井さんはパタゴニアに入られて会社を休もうとか、やめようと思ったことが一度もないっていうのは?
辻:最近4年間ですね。最初の頃はサボりたいなぁとかよくありました。
質問者:それはキーワードのひとつになると思うんですけど。働きがいのある会社ということについて。あと事業内容が社会に貢献することだったりっていうのと繋がっていくと思うんですけど……。
小:そもそも働きがいって何ですかとか。あと社員にとっての働きがいとかね、幸せとかをどう考えているかっていうのを聞きたいですね。今は好きな事しかやってないっていう、働きがいと好きなことっていうのはまたちょっと違うと思うんですけど。
池:そうですね。まず3こぐらい、HPにいてサイバーエージェントグループにいて、起業してるんですけど僕はあんまり会社行きたくないとか休んだりとか、あんまないですね。そういう感覚は持ってない。せっかくイチから起業するんだったら、想いがこもってるほうがいいと思ったんで。
やっぱり勉強になったのは、サイバーとか見てると藤田さんの考えとか、ずっと近くで見てきたので、永く続けていこうとか、社会に貢献しようとか、そういう気持ちがすごく理解できたので、自分がもしやるんだったらそういうことのほうがいいと思っているし。
会社が提供できることって、よく部下にも言うんですけど、給料とかだけではないと思っているんですよ。もちろんやっぱり(給料というのは)結果として得るものであって、社会活動の一部となっているはずで、それをすごく意識したいなと思っていて、なので我々は子供たちの未来を作るということを皆さんに伝えていて、そのために働いてくださいと。
もちろん賃金も払うし、赤字だけどやっぱり正当な対価を得て黒字にならないといけないから頑張ろうということなんで、それは自分が創った時に、過去の経験から強く思って、ビジョンを掲げて、それはもちろん今まではなかったかもしれないけどホームページにも掲げますし、今はこういった皆さんの前でも生きる力を育てたいんだって心から強く言えるようになったというのもあります。
質問者:あともうひとつ、CSRということと絡めてお話していただけたらと。
小:CSRですね。CSRって分かる人?
(会場挙手)
大丈夫ですね。多いですね。CSR。CSRと絡めてお願いしますと。
西:いや僕CSRという言葉は知ってますけど、絡めるのはちょっと難しいですね。分かんないです(笑)。僕らの会社が今15人とか20人ぐらいの規模なんですけど、5年後、10年後もっと大きくなっていたら多分それは世の中に必要とされているってことなので、CSRとか言わずに世の中にいいことしてる証なんじゃないかなと思います。
その、今後の5年を見てもらいたいなという感じですね。働きがいも分からないですよね。まさに今ニーズが増えてきているので、今日も会場のどこかに来週から働き始めてくれるスタッフが来てるんですけど、分かんないです。これからいろいろ学んでいくんだと思います。
でも何をやっているかとかもすごい大事なんですけど、やっぱり一緒に働いている人というのがすごく大事なんだと思いますし、あとはこの間すごく嫌だったのは、オフィスでランチをしている人たちがいて、外に行く組と弁当食べる組がいるんですけど、弁当隣で座って食べてるのに2人ともモニターを見ているっていうの発見して、やめてくれと言いいました。
すごくミクロな話ですけど。やっぱりお隣さん感覚というか、一緒に働く人だったり、ウチのオフィスいろんな会社とか個人でも貸し出しているんですけど、それはなぜかというと家でもオフィスでも、家だと集合住宅に住んでいても隣の名前も顔も知らないというケースが多かったり、あとセキュリティが厳しすぎて、隣のオフィスとか入れないじゃないですか。
お隣さん感覚というのがどんどん失われていくなぁと思うんですよね。なので老人の孤独死とかも多いんだと思うんですけど。そういうのって、どうも嫌だなぁと思って。例えば近くにいつもいるのに、上下のフロアにいたとしたら3メートル位にいつもいるのに、全く顔も知らないし。道であっても挨拶もしない関係なのはどうも違和感があるんですよね。
なのでそれがさらに社員となれば尚のこと、気軽に普段から冗談でもいいので話したり、笑ったりする環境っていうのはどんなことやっていてもどんなステージでも、どんな状況でもないとおかしいということを、誰かが言わないといけないなぁと思います。
そうじゃないケースがまかり通っていたりする気がするので、そこに抵抗があるんですよ。働きがいというのは、そういう当たり前のことを当たり前に小さく実現できたらいいんじゃないかなぁと思っています。
小:まとめで辻井さんに、働きがい。好きな時間にサーフィンができたり、いろいろするじゃないですか。CSR活動もいろいろあると思うんですけど。
辻:働きがいはひとことで言うと、自分がやってる活動とか、自分の貢献している組織を誇りに思えるか、誇りに思えないかということだと僕は思っています。だからそれが、1番優れたアウトドアの会社だと誇りに思うかもしれないし、社会的に正しいことをしているという誇りの感じ方かもしれないし、そこが境目のような気がします。
CSRは、僕たちはcorporate social responsibilityっていう言葉を使わないんですけど、それはCSRという言葉がcorporateが本業でやっていることとは別に何か社会貢献をしなければいけないというイメージがあって、僕たちはcorporate responsibilityっていう言葉を使っているんですね。
もっというと本業で何かすごくマイナスなインパクトを出しているとか、株主に利益を還元するためには多少のことはしょうがないよねっていいながら、そのお金で社会貢献をしていますよっていうことをマーケティングに使うことは、あり方としては改善の余地があるなぁと思っているんですね。
じゃcorporate responsibilityってのは何かっていうと、いろんな考えがあると思うんです。これは僕の考えで、パタゴニアの考えとして発表したことはないと思うんですけど、やっぱりコミュニティに対して責任をとる。
コミュニティっていうのは、昔はその本人がすんでいる地域とかお店を出しているエリアってことだったと思うんですけど、今はもっと広い意味でコミュニティーっていうのは自分の社員、それから顧客、それからサプライチェーンのすべての人たちに対して責任をとる。
例えば自分の会社のスタッフがフレックスタイムで好きな時間にサーフィンに行けて、仕事中にお母さんが授乳できるんであれば、僕たちの製品を創っているバングラディッシュの人たちもフレックスがあって、お母さんと子供が一緒にいるべきだっていう風に思います。
西村さんがおっしゃった社員に対しての責任っていうのがもちろん一番最初にあって、自分たちの製品を作るのに関わってくれている方々、おそらく1万人位いるかもしれないですね、そういう方々全部に対して責任を果たすっていうのが一つ。あとは環境に対して、コストをきちんと定量化して責任を果たすっていうことかなと思います。
小:ありがとうございます。ほかにどなたかいらっしゃいます? じゃあ熱心にメモをとっている方、鋭い質問を期待します。
辻:目力ヤバイですね。
質問者:今日、東北大学から来ました。
小:お。東北から。ありがとうございます。
質問者:はい。ちょっと夜行バスで眠いんですけど、貴重なお話をどうもありがとうございます。池谷さんと西村さんに是非お伺いしたいんですけども、起業されて自分が会社の組織を作っていくってなったときに、自分を慕ってついてきてくれる人たちとか、人生を掛けて自分についてきてくれる人達に向かって、働きやすい環境を作るために何か工夫されていることとか、気をつけてきたこととかがあればぜひ教えていただきたいと思います。
池:そうですね、ひとことで言うとあんまり、そういう重い責任を負っている気はなくて、一緒に創ろうと言っているだけですね。よく採用する時に言うんですけども、部下はとらないんだと。仲間をとるんだって思っていて、5人で一緒にやってきたサイバーエージェントグループの仲間も、それぞれでリスペクトする部分があって起業したわけなんです。
なので私の方がたぶん秀でている能力もあれば仲間の方が秀でている能力もあると尊重しきっていると。我々は永く続けていく必要があるので、今話してるのは我々でルール決めて行こうっていうのがありますし、もう18人になりましたけれども、19人目にも同じことを言っていて、一緒に創るんだと。
私がこう決めて用意して、これでどうだ!っていう気は無くて、僕は責任をとらないっていうことじゃないんですけど、よく言うのはあなたのせいで会社が倒産するかもしれないし、でもそれでもいいと思っているんだと。それぐらい自負を持って組織にコミットしてくださいという話をしていて、まとまることの重要性も知っていて、バラバラになることはなくて、ちゃんとその中でコミットメントして決めて進んでいくっていうそういうポリシーで、会社は運営していますね。
小:西村さん、どうですか?
西:そうですね、僕はそれこそ大学卒業した頃からずっと友達とやって、最近まで友達だけが社員として入ってきていたので、いろいろ感じるところがあるんですけど、まぁでも最初に関わっていた2、3年は給料10万円で、さっきの年収100万円も僕らに当てはまることで、それでやってたので、申し訳ないなぁと思う反面、やっぱり弱音は吐かないというか、僕はこれだけは断言できるんですけど、あきらめないしやめないんですよね。創業当時チヤホヤされていたので、いろんなパクリ企業ってのも出てきたんですけど、みんなどんどん辞めていっちゃったんですよね。
僕らも給料10万でギリギリ、トントンとかそれでも赤字が出ている状態なので普通に考えたら潰れるんですけど、それでも皆辞めないから続いているんですよ。そういう時を乗り越えて今、落ち着けそうだなっていう時期なんですけど。なので普通にやったら大手も含め、絶対出来ないことを、給料10万で3人が堪え忍ぶ3年間、ウルトラCを経てはじめて成り立っているので。
そのなかで、言い出しっぺの僕が弱音を吐いたら、全部終わってしまう気がするので、それは意識しているわけではないんですけど、性格的にどうせ辞めないので、皆ついてきてくれたのはよかったなと。ほんとは社員をサーフィンに行かすのがかっこいいんですけど、うちのスタッフは1、2人ジャンプが大好きなやつがいて、仕事時間中にジャンプをローソンに読みにいったりするんですよね。個人的には僕はいやなんですけど、そういうのも一言も何も言わずに(笑)。
小:嫌なんですね?
西:なんかね、ジャンプかよ、と思うんですよね。それはまぁ個人的な価値観ですよね。サーフィンやって欲しいなと思うんですけど。まぁジャンプもいいんじゃないですか。寛大に。
小:辻井さんは創業ってわけではないんですけど、仲間といろいろやってきてると思うんですけど、そういう感じはどうなんですかね? 仲間に対してどう働けばいいかとか。価値を提供したいというか。
辻:これは全員にすぐっていうことじゃなくて、人間って1人で生きていけないように出来ているじゃないですか。ほ乳類の中で20歳になるまで両親の加護がないと生きていけないものってないですよね。馬にしても、何にしても。そのこと自体が、お互いに助け合うっていうことが、人間のDNAにはちゃんとあって、人の力になれるとか貢献できるとか、すごい喜びじゃないですか。
お二人もそういうところでやりがいを感じたりとか喜びを感じたりとか。人にはタイミングあるので、全員が最初からそうですよねというつもりはなくて、僕だって、自分自身の夢みたいなものをかなえる事ばかりを集中してやってきたのが、ある時に何かのキッカケで人に貢献するのが一番楽しいって思うタイミングが来たりすると思うんですよね。人間って。
そういう風にその人がなったときに、きちんとそれが出来る職場環境を維持していきながらビジネスがちゃんと持続しているっていうのが、僕は責任かなと思っているので、ビジネスだけが大きくなっていても、人に貢献したいっていう気持ちを満足させられないような職場だったら大きくなっても意味がないし、逆にそれでどんどんどんどん衰退していって、本来であれば一緒に働いてくれる会社の仲間を、一緒にいられないとなっていたら、それはそれでよくないので、すごく考えたりしますね。
質問者:池谷さんにぜひお聞きしたいのですが、私の両親が先生で教育分野に関してはもっとこうした方がいいんじゃないかなっていう、具体的な提言まではいかないですけど思いがあるんですけども、そういう知育ですとか教育っていう分野に新しく入っていかれたベンチャーとして、今後どういった関わりというか、価値を提供していきたいと思われますか? 抽象的な例でもいいんですけど。
池:生きる力を育てたいという話をしたと思うんですけど、これは具体的にある程度あって、やっぱり今の子供達って変化に富んだ時代を今後生きていくと思うんですよ。皆さんもそうだと思っていて、お父様やお母様とは違う時代になってきていると思うんですね。国境もなくなってグローバルで生きていく必要があると。
でも、日本を筆頭とする学習って変わっていないんですよ。教科書もさほど変わっていないし相変わらずITとかも入っていないんですよ。英語が重要だって言っても誰も学校の中で英語を教えたいと思ってる先生がいないんですよ。おかしいじゃないですか。
だから僕が思っているのはそういう子供たちに嘘をつかないというか本当のことを伝えたいと思っていて、やっぱりこれからの時代ってインターネットを使わずには生きていけない、というかむしろ仲間にした方がいいと思っていて、話すんではなくて完全にそれを使いこなした方が良いと。
残念ながら僕は自分の子供より長生きすることはできない。彼らの方がもちろん長生きしていくはずなので、彼らに逞しく生きる力を与えたいと思っていて、そのために今、世の中に出てきているスマートデバイスっていうのはものすごく使いやすいもので、起動する時間もないし。どんどん使いやすくなってきている。
私たちはそういった中で、既存の教育システムはすばらしいものだと思っていて、特に日本とかは20歳になって識字ができないとか文字書けないとかはないんで。たが今の時代、もう少し学ぶことがあると思ってるんですよ。既存の教育を肯定した中で今からの時代を生きてくための、そういったものを与えたいと思っていて、その中で子供がインターネットで調べて新しい夢をつかむかもしれないし。
例えばうちの小学校の子供に何になりたいの?って聞いても相変わらず、大工さんとか僕たちが子供の頃と変わらない夢をもったりするわけですよ。せいぜいサッカー選手とかが増えてきたぐらいで。プログラマーとか言ったってよさそうじゃないですか。そういう子ってあんまいないんですよね。起業家だってあんまいないんですよ。そういったのが当たり前に、小学生に何になりたいのって言って、起業家になりたいって言う子がいてもいいって思っていて、そういった子供たちの手助けをしたいと思っています。
小:早いもので時間も来てしまいましたので、最後にここに座っている学生たちにメッセージを頂きたいなと思っています。どんなメッセージがいいですかね?
参加者:ぜひ私たちを挑発して欲しいなと。挑発っていうのはちょっと違うかもしれないですけど。さっきもお話して頂いたんですけども、ご自身と会社の未来というかビジョンを熱く語って頂いて、働きがいのある会社というとこで、まとめて頂けると。
池:さっき控え室で皆早く起業しなよって先輩の方たちみんな仰っていましたけど、僕はそうは思ってないですよ。自分らしく生きたほうがいいですよ。早く自分探ししたほうがいい。僕は自分の人生は何一つ誇れないものはないと思っていますし、37歳で起業するべき人間だったと思っていますから。
20歳で起業すればいいっていうのは、誰しも成功すれば早くやったほうがいいって言うのであって、まぁ自分らしい人生を見つけて謳歌すること。あとはこういった大先輩のように前向きに考えてさえいれば人生って広がっていくものじゃないかなと。心持ちが全てじゃないかなと思うので。
自分らしさを見つけることが一番ではないでしょうか。あんまり激励にも挑発にもならなくて逆に脱力するかもしれないですけど。世の中、そのぐらい馬鹿になる位の強さがないと生きていけないかなと僕の中では思っています。いわゆる月曜になると会社行きたくなくなるとか、そんな奴にはなるなってことだと思っています。
西:僕は逆に挑発で……自分たちを含めなんですけど、やはり無知だと思うんですよね。 無知なので世の中のことをもっと知らないといけないっていうのを僕も今でも思いますし、それに加え自分のことも知らないといけないなぁと思うので、自分は無知であると僕は意識してます。
そうすると、いろんなことを知ろうと、知りたいという意欲がわきますよね。それを知ってた方がいいんじゃないかと、本当に思いますね。それこそパタゴニアのイヴォンシュイナードは環境が破壊されているってことを抽象的なことじゃなくて具体的に知ったからこそ今のパタゴニアがあるわけで、それがすごい大事じゃないかなという気がします。
なのでいろんなことを知りましょう。今のこれが全部ネット上でアーカイブ化されて、全部見られる時代って本当に恵まれてると思うんですよね。なので全部見たらいいんじゃないかなという気がします。
小:挑発になってなかった気がするんですけど。
西:最後に挑発をあえて言えば、皆さん無知ですよということです。
小:大丈夫ですか? 挑発になっていますか? じゃぁ最後にまとめを。大先輩。
辻:皆さんの人生ですので、あんまりこうした方がいいとか、こうするべきだっていうのはないんですけど、僕は環境問題のことを知るにつれて未来世代のことを……僕は子どもいないんですけど、すごい心配なんですよね。
僕たちって今、地球の資源を、地球が自浄作用で取り戻せる1.5倍のスピードで、燃料だったりとか水だったりとかレアメタルだったりとか。例えば水は97%は海水なんですよね。残り3%のうちの2%は地下水とか氷山で、僕たちがアクセスできる分は1%なんですけど、そのうちの7%を2020年までに人間が独占するって言われているんです。
そうすると淡水魚は生きられなくなったりとか。それは川が海に到達しなくなるからですね。漁場の栄養分がなくなって漁業が壊滅したりとか。最終的には人間に返ってくる。カリフォルニアっていう会社の水は、コロラド川っていうグランドキャニオンを通った大きな川からとっているんですよ。工業用水も農業用水も、生活用水も。ネバタとアリゾナと4州。
でもコロラド川っていうのは水位がどんどん下がって、11年前から海に注いでないんですよ。あんなに大きな川が。ずっとヘドロになっているんです。110キロ手前で。同じようにアジアの水を調達しているメコン川は、あと10数年すると海に注がなくなると言われていて、そうすると水を取りあって本当に戦争が起きたりすると思うんですよね。
そうすると裕福な人がそれを独占して、貧困層の人はますます水が使えなくなったりとか、自分たち自身ますます生きていけなくなる可能性があって。なので僕たちが見本にしているのはインディアンのイロコイ族っていう人たち。彼らは、酋長がいつも7世代先のことを考えて決断をする。
そんなこと考えていたらこないだ田坂広志さんが、「志と野心の違いは、野心っていうのは自分一代で何かを成し遂げるための夢だ」と。それは悪いことじゃないですよね。自分の生き方だから。でも志っていうのは自分の一代では成し遂げ得ない何か社会に対して善い変化が起きて欲しいという、未来世代の祈りだっていう風に仰っていて、なので僕のキャリアはあと30年ちょっとなので、出来るだけ未来の世代に良くなるような状態でバトンタッチしたいと思っています。
ここにいる皆様が、自己実現と同時に何か誇りに思える、一世代を超えた先のことを考えることだと思っているので。ピンと来たときに、その願いを叶えてくださるとすごく嬉しいなと思います。
小:ちなみに水の話をして、お気づきかと思うですけど、ペットボトルじゃなくて自分の持ってきている水を飲んでいるんですね。これはね、会社でもそうだと思うんですけど、僕ら主催者側で申し訳ないんですけど、ゴミになるものをつくるなという発想だと思います。そこが徹底されていて非常に素晴らしいなと思います。
ということで、このセッション、最後ジーンときて終わったと思うんですけど。起業でさっき盛り上がっていたんですけど、今回は人間として、どう働いていくかとか、どういう視点で会社とかビジネスパーソンとして生きていくかというのが知れて、非常によかったかなという風に思います。どうもありがとうございました。
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