2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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亀山敬司氏(以下、亀山):じゃあ、次。ちょっと異端に会社の売り買いをしてきた人。
光本勇介氏(以下、光本):うちは不本意ですね。自己資本で、サラリーマンのときに貯めた資本金で会社を始めたので、すぐにお金がなくなってしまいまして。「もうお金を調達しないとやっていけない」と思ったんです。
2008年は、僕の知る限りではあまりVCはなかったんです。知っている限りの、いろんなVCを回ったんですが、ちょうどリーマンショックの直後で、みなさんお財布の紐が固くなっていて、どこも出してくれませんでした。
最後に、今はもう名前が変わっていますが、国金(日本政策金融公庫)ですね。苦肉の金融機関でお金を貸してくれるところを知人に聞いて、国金を教えてもらい、簡単な事業計画書を作って、持って行きました。
でも、その人達にも「国の大切なお金を、こんなインターネットのよくわかんないビジネスに貸せません」と言われて、断られました。仕方なく、自己資本でやらざるをえなかったという感じですね。
亀山:でもこのビジネス、ぜんぜん儲かんないビジネスじゃない? なんだっけ、もう1つの、鶴ちゃん(鶴岡裕太)がやっている……BASE! あのサービスを見てもさ、儲かりそうもないの。ずっと利益ないような雰囲気で……。
光本:うちは、利益は出てますよ(笑)。
亀山:でも、初めはお金が出っぱなしじゃない? いくらまで自分のお金を突っ込んだの?
光本:900万円です。ちなみに、STORES.JPは4年前に作ったサービスでして、もともと、個人間のカーシェアリングのサービスで起業していたんです。ただ、お金を調達できなかったので、自分たちで稼がざる得ず、違う事業を始めたんです。ネットで靴を売ったり。
亀山:なるほどね。ほかのことでやっていく。
光本:そうです。結果的に5つくらい事業を作って、それぞれでちょっとずつ稼いで、会社の運営費を賄っていた感じです。STORES.JPは5つ目のサービスですね。いろんな小銭稼ぎをする事業を作りながら、どうにかやってきたんです。
亀山:その会社をある日突然、買収に来たわけだ。ZOZOさんが。
光本:そうですね(笑)。ある日突然、5年後に。
亀山:それで、いくらで売ったの?
光本:そのころ、6億円ですかね。
亀山:6億円。じゃあまず、6億円をゲットしたんだね。
光本:はい、そうです。
亀山:それは現金なの?
光本:いや、株式交換と言って、会社の100パーセントを、そのときのスタートトゥデイの6億円の価値分と交換した感じですね。
亀山:はいはい。じゃあ、ZOZOの子会社になって、何年間やってたの?
光本:スタートトゥデイさんに、3年間在籍していました。
亀山:結局そのあと、どうなったわけ?
光本:また100パーセント買い戻したという感じですね(笑)。
亀山:で、いくらで買い戻したの?
光本:6億円です(笑)。
亀山:6億円ということは、そのとき、ZOZOの株が6億分じゃない?
光本:はい、株式交換して6億分だったんです。ありがたいことに、スタートトゥデイの株価が、在籍してた3年の間に3倍になりまして。
亀山:はいはい。
光本:3年後に、また1倍の金額で買い戻させていただけたという。非常にありがたい。
亀山:12億円のキャッシュと、6億で買い戻し、みたいなことになるの?
光本:そんな感じですね(笑)。そういうことです(笑)。
(会場笑・拍手)
亀山:それ、むちゃくちゃおいしいよね!(笑)。前澤(友作)さん、ちょっと気前良すぎるんじゃない。
光本:非常に心が広い、ありがたいお話をいただいて(笑)。
亀山:そのときに、STORES.JPは売上の伸びはどのくらい?
光本:在籍してた3年間の間に、売上や事業の規模、利益も含めて、だいたい10倍くらいになりました。
亀山:10倍になったということは、黒字にもなったということ?
光本:そうですね。
亀山:なんかおいしいとこだらけだわ。なにそれ(笑)。
光本:そうなんです。すごくありがたい。
亀山:すごく気前がいいよね! いやいや、こういう逃げ方があるという。……あ、逃げ方じゃない、買い戻しがあるということで。
光本:ちょっとちょっと(笑)。逃げじゃないですよ(笑)。
亀山:ZOZOさんにいくと、おいしい目に遭うから、売るのならZOZOということが今回の結論です。
光本:ご紹介いたします。
(会場笑)
亀山:でも、結局お金はどう借りたの?
光本:結局、最初は事業を増やして、どうにか生き延びていた感じですね。
亀山:じゃあ、900万でなんとかやったんだね。
光本:すぐなくなっちゃいましたね。本当、初めのころなんて、すぐお金がなくなってしまって。
亀山:あるある(笑)。それはあるね。
あと、ちなみに話の内容はどんどん拡散してもらってけっこうですが、写真撮影は私だけNGです。ときどき私は似顔絵看板を顔の前に置くので、このときは写真を撮ってもらってけっこうです。はい、今、写真撮影OKです。
はい、じゃあ次いきます(笑)。
片桐孝憲氏(以下、片桐):あ、僕ありました。pixivができたときに、ぜんぜん金がなかったんですよ。社員5〜6人くらいでやっていて、給料を払うたびに、会社の現金が10万円を切る状態だったんですよね。自分の家の家賃も払えなくて、玄関のドアをガムテープで封鎖されたこともあるくらい、金がまったくなかったんですよ。
2007年9月にpixivができて、すぐに人気になってしまったのでサーバーが必要で。でも、サーバーを買う金がない。銀行からお金も借りれないし、ベンチャーキャピタルも時間がかかりそうだし、どうしよっかなぁと思ったんですね。
そのときにネットを見てたら、Googleの初期サーバーが載っていたんです。それがもう、ベニヤの上にパソコンの部品を乗せてただけだったんですよ。これだったら、1台4万円くらいでできるなと思って。
でも、4万円もない。しかも必要なのは、10〜20台なので、4万円といっても、50万円くらい必要だったんです。それがないと、pixivを運営できない。
考えた末に、消費者金融を4社回って、200万くらいゲットしました。VCも銀行も時間がかかるじゃないですか。消費者金融はその日中なんで、現金を持ってそのままアキバへ行って、部品を買って。そして、サーバーを作ったんですよ。そして、消費者金融からの催促は無視する(笑)。これで半年間持ち堪えました。
亀山:はい、みなさん。一歩転ぶと、ウシジマくんに捕まるパターンですね。危険を冒して、現在立っているということよね(笑)。彼らに比べたら、今のスタートアップたちが、いかにぬるいかということです。次、いきましょうか。
まずは、上場を目指すスタートアップと、それをそそのかしているVCを、みんなで糾弾しようというお話です。
(会場笑)
各自、心の中にいろいろあるものを吐き出してもらおうと思っています。なにが問題か、上場自体はいいことはあとで考えるとしても、とりあえずなにがダメかということをそれぞれ聞かせてもらいたいです。
俺はもし上場できるとしても、したくねぇなというところを話してください。では、いってみましょうか!
片桐:上場というより、なんか「トレンドっぽい事業だったら、儲かってなくてもいい」という空気が、なんかムカつく?
一同:(笑)。
片桐:ちゃんと、売上や利益を作っていかなきゃならない空気感が、ちょっと薄すぎるんじゃないかなぁと思うときがあります。……でも、それでもいいと思います(笑)。
亀山:なにそれ、土壇場でひよったな(笑)。
片桐:なんか、すごく怖い目線みたいなものを感じて(笑)。
亀山:じゃあ、山川さんどうぞ。
山川博功氏(以下、山川):先ほどお話したように、まずお金はいらないので。僕が一番求めるのは商売のスピードです。いろんな人に文句を言われたくないし、その中で僕のアイデアを実現したいと思っているものもあるんです。それをよその人に……こんなこと、本当に言っていいんですか!?
亀山:いいよ、いいよ。別に、関係ないから(笑)。ほら、俺たちはどうせVC関係ないし(笑)。
山川:まぁ、自分を大切にしたいから。
亀山:自分を大切にしたいの? 干渉されたくないってこと?
山川:文句を言われたくないですね。僕が「これは絶対に儲かる」と思っているものを、ほかの人から「それ、儲かるんですか?」と言われたくないんです。
亀山:お金があると、場所を借りたり、やれることが早くなるじゃない。お金がないと、けっこう苦労するのもあるよね。
山川:そうですね。僕らが今使っているお金がもっと大きいと、優秀な人材が入ってくる会社になって、スピードは上げられると思っているんです。
亀山:今はどう? もしかするとVCの人たちが「いや〜、初めて山川さんを知りましたよ」と、あとで近寄ってくるかもしれない。会ったことないと思うからさ「出します!」と言われたら、コロッと変わるんじゃない?
山川:まぁ、おいしいことを言われたら、ちょっと考えるかもしれないです(笑)。
亀山:偉そうなこと言ってるけど、こんな程度のもんです(笑)。
山川:(笑)。
亀山:あとで名刺交換にいけば、コロっと転ぶと思うから。
光本くんは、1回売った後、もう1回戻そうというくらいだから、よっぽど気合いが入っているんじゃないかな。
光本:そうですね(笑)。四半期に1回、報告用の資料を作ったりするじゃないですか。上場企業とか。ああいうのも含めて、まぁ、大変ですよね……嫌だ(笑)。
亀山:そういう計画を、書くの嫌?
光本:時間がもったいないじゃないですか。もっと言うと、時間の無駄じゃないですか(笑)。
亀山:単に5パーセントずつ上げて、適当にグラフを書いて出しておけばいいんだよ。
光本:適当に(笑)。なるほどね。
亀山:適当じゃだめなの? VCの人ってさ、見てるのかな。たいして見てなくって、右肩上がりならオッケーとか、そんな感じなんじゃない? 単位わかってないような気もするんだよね。
(会場笑)
光本:そういうもので許されるんですか(笑)。
亀山:俺は昔、銀行に事業計画を出すことがあったんだけど、「絶対にこの人達はわかっていないわ」というのがあって。土地の金額はやたらくわしいんだけど、計画書についてはわかっていないのに、なんか出せ出せと言われるんだよね。
光本:右肩上がりのグラフを作れば大丈夫なんですね(笑)。
亀山:だいたいそれで資金出ると思うよ(笑)。
光本:そうなんだ。あぁいうの、大変ですよね。
亀山:でも、俺はVCも大変だと思っているんだよね。だって、今けっこう値段が高いじゃない。バリューっていうの? 「今、投資のときだ」と思っているVCの人、手を挙げてみてよ。それとも、「全体的に高めかな」と思ってる人。
お、どちらも手が挙がらないね。みんな、ナイショなのかな。でも、たぶん数年前に比べると、1つの会社の投資額が高めになっているよね。みんな、資金が余っているからなのかもしれないけどさ。
昔に比べたら、今は投資にはあまりおいしくない時期かなと思ってるんだけど、でも、VCは集めた資金を投資し続けないといけない。いろんな大手企業から資金が集まってきやすいから、今はスタートアップのほうが、どちらかというと高いバリューが出やすい。俺なんか「え、この会社にこれだけの資金がつくの?」と思うことが、ときどきあるんだけど。
光本:そんな金額で調達しても、結局はリターンを出さなきゃいけない。大変ですよね、プレッシャーだけが(笑)。
亀山:初めから高いからさ、どうなるのか心配になることがあるんだよね。光本くんのところは、初めのころ、IPOという話はまったくなかったの? 売る間際くらい。
光本:売る間際は、まだそういうフェーズじゃなかったですね。売上もそんなにすごくあるわけでもなかったです。
亀山:そのときに、誰かVCから「投資します」はなかったの。
光本:あ、そういう話はいただきました。IVPさんに……(笑)。でも、お断りしちゃって(笑)。ギリギリまで話が決まっていたんですよ。すみません。
亀山:でも、どうなのかな。俺が聞いているかぎりだと、VCはあまり口は出されないみたいだよ。投資も5パーセントや10パーセントだったら、そんなに口も挟まないと思うんだけど、どうかな? あまりうるさくはないと思うんだよね。まぁ、ここには経験者がいないからわからないけど(笑)。
光本:途中から僕は、処女の気持ちでしたね(笑)。未経験なんで、少しでもお金を入れられると怖いんじゃないかと(笑)。ずっとそんな感じでしたね。
亀山:さっき、たまたまそこで三井住友銀行の人と会ったんだけど、そのほかにもみずほ銀行の人とかもいるんじゃないかと思うんだけど。銀行の人、手を挙げてみてよ?
……銀行の人は手を挙げにくいかな。あ、みんな今ちょうど裏側の会場でやっているフィンテックのセッションのほうに行っているんだ! ああ〜そうか! じゃあいいや、言いたい放題ね。
(会場笑)
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