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Larry Page and Sergey Brin with Vinod Khosla(全2記事)

「君らは手を広げすぎだ」ジョブズがGoogle共同創業者によく注意していたこと

Googleはなぜ自動走行車に力を入れているのか。その理由は地域、ライフスタイル、そして土地の利用に大きな改革を起こせるからだと共同創業者のセルゲイ・ブリンは語る。一方で故スティーブ・ジョブズからは「君らは手を広げ過ぎだ」とよく言われていたそうです。それに対して同じく共同創業者のラリー・ペイジは、「彼はある意味正しかった」と認めながらも、最近気づいたことがあるそうです。

Googleの自動走行車は「劇的な変革になる」

ビノッド:私は基本的に労働と資本からアイディアで回る経済に変わっていくと信じています。多くの経済学者はアイディアが経済において非常に大きいウエイトを占めていくことをあまり重要視していません。今回ここでは深く言及しませんが、興味深い議論を生むと思います。共産党と民主党の税や所得分配に関する意見の相違は、今後さらに深刻になっていくかもしれません。お2人はこの点に関して何か意見はありますか? もちろん政治の話は避けたいというのであれば、深追いしませんが。

セルゲイ:理想的なのは私達に必要のないものに対して増税すること。そして助成金を出したり、何らかの形で支援して、私達により必要なものを得やすいようにすること。人は有害なものに多額をつぎ込みますね、そういったものにこそ増税すべきです。例えば、有害な炭素は増税されるべきと思います。そうすれば、一方で無駄遣いが減るのではないでしょうか。そして私達が本当に必要なものに対してより多くの投資ができるようになるのではないかと思います。

ビノッド:40年のスパンで考えた時、人口の半分が仕事をせずに、興味がある分野を追求することを奨励すべきです。X-Gamesはスポーツイベントではなく、エンターテインメントになりました。それはともかく、話をGoogleに戻しましょう。先ほど少し自動走行車について触れました。自動走行車は社会にどのくらい影響を与えると思いますか? お2人は自動走行車が社会にどれだけの影響を与えるか考えてみたことはありますか? これはただのソフトウェアで済む話ではないと思いますが。

セルゲイ:劇的な変革になることを願っています。多くの人が、高齢であったり、若すぎたり、または障害があったりして行きたい場所に、行きたい時に移動することができません。でもそれは人口の一部に過ぎません。地域、ライフスタイル、そして土地の利用により大きな改革が起きるはずです。

現在、多くの街の土地の30〜50%が駐車場で占められていますが、これではもったいないです。さらに道路も密集している。道路で土地が埋まっていると開放感がありませんよね。自動走行車によって、私達は1人1台車を所有する必要がなくなり、既存の駐車場スペースを有効活用できるようになります。車が私達を迎えに来て、目的地まで送り届けてくれるようになるのですから。

まだきちんとプランを練っている訳ではありませんが、既存の道路をもっと有効活用できるようになるでしょう。「自動走行車が電車のように機能する」「とても速く走ることができる」「高速道路の制限速度よりも速い速度で走ることができる」。こんな具合になるかもしれません。

つまり、自動走行車は街により多く有効に使うことができる空間を生むのです。それによって人々は時間を有効に使うことができるようになることに繋がります。達成されたら、物凄い変革になることと思います。

自動走行車で失われるもの--自動車業界はどうなる?

ビノッド:そこで少しいいでしょうか? 自動走行車、とても良いと思います。経済的にもとても急進的改革となることでしょう。車のリースには大体月300ドルかかり、運転手を雇うには一日に300ドルかかります。自動走行車になるとこのコストは97%カットできることとなり、自分で車を所有し自分で運転するより安くなることでしょう。つまり、経済がとても大きく変わることを指します。ここで既存の自動車業界を考えると、彼らは車の生産量を大幅に落とすことをよく思わないと思いますが。

ラリー:それは彼らが5年越しにものごとを見るか20年越しにものごとを見るかによるでしょうね。

セルゲイ:あとは、彼らが自動走行車を生産するか否かにもよるでしょうね。恐らく、自動走行車の生産を請け負うことができれば、彼らはそれでよしとするのではないでしょうか。

ビノッド:Googleが車生産にも着手する可能性はありますか? 今ここで企業計画を明かせ、と言っているのではなく今後十年で考えた時の可能性は?

セルゲイ:試行錯誤している自動走行車のテクノロジーにとてもわくわくしているものの、あくまで今は初期段階です。ゆくゆくは、複数のパートナー、企業と一緒にやるかもしれません。例えば、そのうちのいくつかは製造業者で、いくつかはサービスプロバイダーでしょう。現時点ではあくまでアイディアですがね。

まずは、基本的な技術を発達させることが当面の仕事です。レクサスやプリウスを使って試験的に自動走行車を組み立ててみましたが、少し違いましたね。ハンドルやペダルが付いていない車が良いですね。座席はお互いを向き合う形にしたらいいかもしれません。そのように、既存の自動車の形ではないものが理想だと感じています。

「Googleは手を広げすぎている」 ジョブズからよく言われた

ビノッド:ではラリー、GoogleのCEOとしてどうでしょうか? ボードメンバーの多くは「いくつかの点にだけフォーカスしたほうがいい」と言いますね。自動走行車はその1つ。あなたは医療・ヘルスケアなどの分野にも貢献しています。どのようにしてフォーカスすべきものとすべきでないものを選別するのですか?

ラリー:これまでの変化についてはよく考えます。大企業であるのに、例えば5つのことしかできないなどと言うのは馬鹿げていると思います。しかもそれは従業員にとっても良いことではありません。3万人の従業員がまったく同じことをしていたら、それは彼らにとってもわくわくする仕事ではないですよね。

理想は、企業が直線的に組織を考えて、どれくらいのことを何人と一緒にやっているか把握することです。しかし、まずこんなことをやっている企業はないと思いますが。これについてはいつもスティーブ・ジョブズと話していました。彼から、「君らは手を広げ過ぎだ」とよく言われ、私は「その通りですね」と言っていたものです。ある意味では彼は正しかった。

しかし、このことについて最近わかってきたのですが、いろいろなことと関連付けることができる、あるいは相互関係にある複数のことをしていると複雑な問題に直面する。結局CEOが最終的に問題を解決しなければならなくなる。ある一定のポイントまでは相互関係にある複数のことを統合する必要がある。例えば私達のインターネット関連事業、ユーザーエクスピリエンスは理にかなうものでなくてはならない。

ユーザーには、他の検索エンジンではなくGoogleでなければならないと感じて欲しい。 私達ができることは限られているので、何を選ぶか注意深く考える必要がある。自動走行車に関してはセルゲイが取り仕切っているので、私がセルゲイと自動走行車について話しあう時間を設ける必要はないのです。

会場:(笑)。

Google Xでは「ビット」ではなく「アトム」にフォーカス

ラリー:もちろん彼と話すのは好きですよ。しかし自動走行車については話す必要はないのです。なぜなら、自動走行車は他にGoogleが抱える事業に何の関連もなく、影響も与えないからです。他プロジェクトと相互関係にないからです。社内でマッププロジェクトや他のプロジェクトに関わっている素晴らしいエンジニア達が自動走行車にも関わっているのは事実ですがね。素晴らしいエンジニア達は自然にプロジェクトを移動していくのです。それはもう何かの魔法のように。

私が直接彼らと話す必要はありません。多くの企業はすでに始めている事業と似たような事業をやろうとしがちです。「すでにこれと似たことをやっているのだから、絶対にこの新事業は上手くいく」、こういった考え方の問題は マネージメントが大変になることです。反面、相互関係度が低いプロジェクトに着手したほうが、より多くの問題を処理できます。

セルゲイ:Google Xでのプロジェクトに関しては、Google本体からわざと離れるようなルールを設けています。例えば、私達は「ビット」ではなく、「アトム」にフォーカスしています。私達のプロジェクトでは多くのソフトウェアが関係してきますが、常にソフトウェアとはまったく関係のない鍵となる部分、例えば車だとかを導入しています。

ラリー:バルーンとか。

セルゲイ:はい、インターネットプロジェクトでバルーンというものがあります。高度に飛ぶ風船からインターネットに接続することができる。凧によって電力を供給するのです、タービンを風で飛ばす。これらは物理学的に設計されています。さらに言えば、Google Xにフォーカスしていた時、Google本体のやっていることに近いと感じるプロジェクトはやらないようにしていました。

ラリー:スタートアップにとっては、まずはひとつのことを成功させなければ次の仕事に繋がらないということがあるかもしれません。しかし、大企業は違います。

医療への取り組み、「規制がとてもやっかいだ」

ビノッド:それを受けてもうひとつ戦略についての質問です。あなたは医療、ヘルス・ケアにも興味を示しましたよね。急進的だと思います。Androidはヘルス・ケアのナチュラルプラットフォーム。携帯電話もそうですが、医療へも皆が平等にアクセスできるようにならなければならない。病院の中だけではなく、一般にもっと広い意味で。Googleが医療事業も担うことについてはどうですか? 検索ビジネス、メディア関係のビジネスよりも大きなビジネスになると思うんですが。

セルゲイ:医療ビジネスがより大きなビジネスであることは間違いないでしょう。実はGoogle Xでもグルコース値を読み取るコンタクトレンズを開発しました。

ラリー:あれは本当にすごいんですよ。

セルゲイ:私はコンタクトをしていないので、着用していませんし、グルコース値を気にすることもないですし。でもなかなかいいところまで来ているのでとても楽しみにしています。一般に、医療関係は規制が物凄く厳しいです。なのでビジネスとするのはどうかと。そういったことに自分の時間を費やしたいかと言われるとそうではありません。医療関係のプロジェクトはあるものの、ある一定のところまでしかやりません。アメリカでの医療関連規制はとてもやっかいなので、多くの起業家も医療ビジネスに乗り出すことをためらうのでしょう。

ラリー:Calicoはありますけどね。あれはアーサー・レビンソンとやっていて独立した事業です。ヘルスと寿命にフォーカスしています。この事業に関してとてもわくわくしているのはデータが健康促進する可能性があるからです。しかし、セルゲイが言う通り、医療分野の規制はとても厳しいのです。難しい分野だと思います。

例えば、医療研究者が人々の医療情報を自由に検索できるとして、でもそのデータには個人名は載せないようにします。そして例えば、研究者がデータを検索すると、どんな研究者がどんな理由でどんなデータ検索を行っているかもわかるようにしましょう。それだけで1万人の命が、もしくはそれ以上の命が最初の1年で救われるとしたら? でも「HIPPA」があるのでそんなことは不可能でしょうね。私達はこの分野のデータマイニングが持つ素晴らしい可能性に規制をかけることによって私達自身の首を絞めているのでは、と心配になります。

ビノッド:数年前に「医者は本当に必要か?」というタイトルでブログを書きました。ドクター・アルゴリズムが医者に変わるのではないか、という内容です。Ginger.ioのアモルがいますよね。彼らは精神科患者をモニターするアプリをカイザーで……。

ラリー:それについて昨夜丁度話をしていたんです。すごいですよね。

ビノッド:1週間目に、このアプリのお蔭で、カイザーは三人の自殺を阻止することに成功したと言っています。アプリが看護士に患者の予兆を知らせたのです。これは素晴らしい結果です。しかし、なんだかソフトウェアビジネスのような感じですね。携帯電話を通じて受けることができるサービス。こういったものは医療制度が整っていないエリア、例えばインドやアフリカなどで本領発揮しそうです。

ラリー:糖尿病と心臓病の治療費は年間で3000億〜4000億ドルかかります。1年の医療費の総額が1兆3000億ドル、この中でも大きな割合を占めますね。これをなんとかできればいいですね。

ビノッド:実は知っている人は少ないと思いますが、初めて携帯電話アプリが製薬として認定されたのは、血糖値を下げる薬であるメトホルミンと同じ効果が出たからです。メトホルミンと同じように作用するアプリなのでFDAが認定した。そして興味深いことに、3か月ごとに月々182ドルを再処方代として支払うように定められたんです(笑)。

ラリー・ペイジ、自身の病気について語る

ラリー:そろそろ会場の皆さんから質問を受けますか?

ビノッド:その前にもうひとつだけ質問してもいいかな、ラリー? 昨年声が出なくなりましたよね。そこから何を学んだかであるとか少し話されていましたけど。

ラリー:起こったことのすべてを公開するように、セルゲイが背中を押してくれました。声が出ないことを皆に公表して本当によかった。たくさんの応援の声や情報をもらいました。いま医療について話していたことの良い例ですが、多くの人々は医療保険システムと個人の医療情報が密接な関係にあることを不安に思っています。

医療保険のシステムを変えることができればいいのですが。医療保険とはそもそも医療費をカバーするための保険ですから。それなのにいつの間にか医療保険システムは医療を受ける人の敵になってしまった。僕がこういった問題を抱えているわけではありませんが。とにかく、声はこれ以上悪くならないでしょうから嬉しいです。仕事でも不自由していません。

ビノッド:それでは、会場の皆さんからいくつか質問を受け付けたいと思います。

質問者A:共同創立者は会社を作っていく中でとても重要なウエイトを占めます。そしてお2人はその重要な仕事を15年間もやっていらっしゃる。この15年間で根本的な意見の相違はありましたか? また、意見が食い違ったことがあるのであれば、どのようにそれを解決したのでしょうか?

Googleの2人の共同創業は根本的に意見が食い違っている

セルゲイ:(ラリーを見て)どこから話そうか?

ラリー:意見の食い違いは今までありません。

会場:(笑)。

セルゲイ:何言ってるんだ? 僕らの意見はいつも食い違うじゃないか?

会場:(笑)。

ラリー:でも根本的な食い違いじゃないじゃないか?

会場:(笑)。

セルゲイ:いや、そんなことないだろ? 根本的に食い違うじゃないか。

会場:(笑)。

ビノッド:意見が食い違うか否かについて、この2人は根本的に意見が合わないようですね。

セルゲイ:僕たちは長い時間を一緒に過ごしてきたし、これからも一緒にやっていくことに決めています。よくお互いを知っているし、小さなことで喧嘩をしたりしません。問題があれば一緒に解決します。僕らの考え方はとても似ていることもあります。物凄く似ているので、周りの人は気味悪がります。

ラリー:私達の意見が食い違う時は、私達自身が明確な動きをしていないとき、どう動いていいかわからずがむしゃらに動く時です。この傾向があることを、私達自身が長年の付き合いから理解しています。

起業家よ、「創設者のダンジョン」に気をつけろ

質問者B: 最初にお話があった「Exciteにもしも会社を売っていたら世界はどう違っただろうか」という点についてです。当時お2人とも大学院生でしたし、例えば巨額を積まれたりしていたら、もしかしたら売っていたかもしれませんよね。あの時会社を売ったとして、Exciteで数年働いた後、お2人はどうしていたと思いますか?

ラリー:とても幸せに暮らしていたと思いますよ。素敵な家に住んで……。

セルゲイ:わからないですね。ラリー、創設者のダンジョンを覚えているか?

ラリー:いや。

セルゲイ:Exciteは僕らを見学しに連れ出したじゃないか。忘れたけど、どこかのビルで。確か今は僕らが所有しているビルだったと思うけど。

会場:(笑)

ラリー:ここがオフィスでここが地下で、って。そして誰だか忘れたけど創設者を監禁していたじゃないか!

会場:(笑)

ラリー:その創設者は地下の小さなクローゼットにいた。彼は、「私はここにいられてとても幸せだよ」と言ったんだよ。管理人のクローゼットくらいの大きさでさ。ダンジョンみたいだった。どのくらいExciteに留まったかは本当に想像ができないです。彼らにとっても僕らを買収することがベストだったとは思いません、もしそれが起きていたら。僕らはきっと今のように情熱的でも生産的でもなかったと思います。

Googleは「政府」についてどう考えているのか?

質問者C: 4年越しの計画と20年越しの計画について触れられましたね。政府について、政府にまさにそういった時間的規制を持つ性質があること、そしてガバメント2.0についてどうお考えですか?

ラリー:それはとても大きな議題ですね、そして私はそれについての知識をそこまで持ち合わせていません。でも政府について考えると不安になりますね。私達と政府との関係は興味のある範囲ですが、とても非論理的です。これは政府関係者が悪い訳ではないです。彼らは世のためになることをしようとしています。多くの方は志を持って政治に関わっています。そして多くの場合、彼らはお金のために働いている訳ではありません。彼らは世界を良くしようと努めています。

しかし、規制やルールがどんどん複雑になっていると感じます。例えば、世界中の民主主義を取っても、法律には規制があり、それは底知れない勢いで増えています。私はGoogleをシンプルにしようと努めました。「会社がどんどん大きくなってきた。よし、ルールや規制を50ページ内に収めるようにしよう。それくらいであれば、皆もきちんと目を通してくれるだろう」と。しかし問題は、参照として世界中の全ての法律や規制を盛り込まなくてはならなかったこと。私達は多国籍企業ですから。世界中で展開しています。世界中の従業員の行いはGoogleの責任となります。

ある意味、私達は10億ページにも至る世界のあらゆる国の法律や規制を読まなくてはならない。だいたいそれくらいのページ数になると思いますが、これがどんどんページ数が増えているんですね。韓国の大統領とお話していた際のことなのですが、「法律や規制は何ページ以内に収める、とページ数を決められたらいかがですか? それで、新しくページを加えたらその分既存のページを削除するんです」。彼女はそれを書き留めました。彼女は本当に素晴らしい人です。

会場:(笑)。

セルゲイ:その「法律や規制は何ページ以内に収める」というのも新しい1ページとして加わったの?

会場:(笑)。

ラリー:いや、一文だけだからね(笑)。

会場:(笑)。

ラリー:でも真面目に。そうでもしなければ、政府はその複雑さで自らの首を絞めるだろうね。どんなに内部で働く人々が素晴らしい志を持った人々であっても、そのルールの複雑さが仇となる。そんなに筋の通らないことはないよ。私達が上場した頃、法律は60年前からあるものでした。もしもどこかから教授を連れてきて、どこかの部屋に閉じ込めて「法律を全部書き直してください」と言ったら、とても理に適った良い法律が生まれるはず。でもそんなことをやる人はいないし、できない。

セルゲイ:なんでわかったの?! 僕らが法学者をダンジョンに閉じ込めていることを! 実はそれがもうひとつ僕が手掛けるGoogle Xでのプロジェクトなんだ。

会場:(笑)。

ラリー:それはよかった! これで安心だ。

エリック・シュミットは良いCEOだったのか?

ビノッド:終わりが近づいています。でもここでひとつ聞きたいことがあります。これは多くの創立者が通る道だと思います、ラリー。CEOとして始めた、そしてエリック・シュミットをしばらくCEOとして迎えた、そしてまたCEOのポジションに戻った。その経験について少しだけ話してもらえませんか? あれは良い方法だったか、それとも悪い方法だったか。過去に戻れたら違うアプローチを取るか、それとも同じようにするか。ここにいる多くの方もこの点について考え深いものがあるはずです。

ラリー:あれはとてもよかったと思います。エリックは素晴らしいリーダーでしたし、僕らは彼から多くを学びました。チームとしても長期に渡って効率的にやれたと思います。あれはとても個人的な決定でした。何が正しいか間違っているかは誰にもわかりません。長く時間をかければマネージメントのノウハウを身に着けられるでしょう。あれは個人的な決定でした。スタートアップ企業を経営するにはとても大きな覚悟が必要です。自分を捧げなくてはなりません。

もちろん企業が大きくなっても同じこと。新しいことを始めることが得意でも、それを終わらせることができない人もいるのです。組織はこういうことをしっかりと認識すべきであり、こういった決定はとても難しい。プロジェクトや会社内に安定したリーダーシップが20年以上あるというのは良いことですよね。

ビノッド:お2人とも今日はどうもありがとうございました。ここまで運転して来てくれて。セルゲイはカイトボードに乗って来てくれたそうで。

ラリー:でも最後までカイトボードで来れなかったんですよ。

セルゲイ:ちょうど中間地点くらいまでしか来れなかったんです。中間までって、本当に中途半端で最悪ですよね。

会場:(笑)。

セルゲイ:でもそこから元来たところへ戻ったんですよ。あまり風が吹いていなかったので。

会場:(笑)。

ビノッド:今日はありがとうございました。

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