2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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玉木諒氏(以下、玉木):渡邉さんは、一番苦しい時期が長かったのかなって思うんですけど。
渡邉拓氏(以下、渡邉):僕はけっこう切り詰めてやるタイプなんで、お金に関しての失敗はあまりないかなと思っています。
本当に切り詰めてやるタイプで、1個1個のお金回りは全部見てたりするんで、必ずチェックしてました。もし金額の見積もりか何かで「こんだけかかります」という変な金額が出てきたら、なぜやるのか、その手段でいいのか、けっこう詰めますね。
玉木:あと渡邉さんはあまり失敗を失敗だと感じない。
渡邉:それはあるかもしれないですね。
玉木:それがすごい渡邉さんの強みなのかなという感じがして、やっぱりすごいポジティブに捉えて次に活かすのがうまい方なのかなとお話を聞いて思ったんですけど。
渡邊:そうですね。この間、働いているメンバーに、「渡邉さんって、なにかやるときに絶対失敗しますよね」みたいな話をされて、僕としては1回も失敗したことないと思ってやってるんですけど、周りから見ると、「あ、確かに」みたいな。「失敗してるんだけど、最後はなんかうまくいってますよね」「なんか帳尻合わせてますよね」と。
僕はあまり意識してないんですけど、そういう意味では、社内カルチャーとしても息をするように失敗するというか、意識しないぐらい早くアクションを起こして、ラーニングして、また次に活かすと。
それぐらいのPDCAの速さと、あとは次に切り替えると。そんな気概が大事なんじゃないかなと思いますけど、確かに玉木さんがおっしゃってたみたいに、失敗はあまり意識しないですね。
玉木:杉山さんと最初にFacebookメッセージでやり取りさせていただいた時に、「ベンチャーはやっぱり、どんどん失敗を積み重ねて、それを活かしていくものだけど、その中で大きな失敗をすると……」というお話があったと思うんですが。
杉山智行氏(以下、杉山):そうですね。シードでまったく金がないのに、毎月60万ぐらい、まったく価値のないものに溶けてるとか。もうこれだけで死にそうになってたので、2014年はずっと「どうしよう、どうしよう」とばかり考えていたんです。
その中で、地方の小さいラジオ局でしゃべらせていただいた時に、反対側に座ってる人が、別に自分でベンチャーをやってる方ではなかったんですが、「ベンチャーはやっぱりたくさん失敗しないといけない。失敗するようなチャレンジをガンガン仕掛けないといけないんですけど、やっぱりやっちゃいけないのは、なかなか傷から回復しない複雑骨折ですよね」みたいなことを話してて。
誰でも言える内容のないことではあるんですが、自分がやっちゃってたので、グサっときまして。「複雑骨折しちゃってる、どうしよう」みたいなことを考えていいました。
たくさんチャレンジして、たくさん失敗するのもいいんですけど、実際やってみて、複雑骨折しちゃうみたいな大きい失敗は、一応しないように。意識していても結局複雑骨折するんですけど、セーフティネットを張られてもいいかなという気がしています。
玉木:ちょっとQ&Aに入る前に、みなさんに1つだけおうかがいしたいんですが、今の杉山さんの話で、「ベンチャーは失敗するものです」と。「とは言え、複雑骨折したら、ちょっと立ち直れなくなる可能性があります」という話なんですけど。
許容できる失敗と、「ここのライン越えたら、もう相当な打撃を受けるな」というのは、どういうふうに見極められてます?
例えば、誰かに仕事を任すとかでも、事業にチャレンジするとかでも、そこら辺の見極めはご自身の感覚につながってくるのかもしれないですけど、経営者としてどのように判断されてますか?
秋山勝氏(以下、秋山):1個は、自分たちのアセットの中である程度解消できる範囲であれば、たぶん問題ないとは思うんです。それが仮に、1億溶かして2億溶かしたとしても、別に現金が残っていれば、そんなに問題ではなくて。僕も先ほど事業化はけっこううまくいってますという話をしたんですけど。
それはなんでかなと思った時に、単純に諦めてないというだけでしかないと思いましたね。だから、失敗を何と定義するかによると思うんですけど、それこそ、スラムダンクの安西先生が言うのは、「諦めたら、そこで終了だよ」という、本当にそういうことじゃないかなと思ってます。
なので、現在進行形の間は、失敗になってないと思いますし、事業をやっていく過程で、うまくいかないことというのは毎日起こるんですよね。だけど、その分同じぐらいアイデアが出るから、そういうアイデアが浮かんでる間はたぶん問題ないんです。
「これがダメならこうやろう」とか。その事業の中で、「こういう手を打とう」とか、「こう工夫してみよう」とかできるので、本当の意味では、さっき杉山さんが言われた複雑骨折という、本当に埋められないものじゃないでしょうか。
完全にキャッシュアウトしちゃうとか、自分の気持ちが燃え尽きちゃうというところかなと思います。
玉木:杉山さんは、新しい商品を売るというリスクがけっこう出てくると思うんですけど、会社としては、そういう時にどこまでリスクを許容されるんですか?
杉山:プロダクトに関しては、中期的にはミドルリスクでいきたいんですけど、短期的にはハイリスクの商品を扱っています。
お金の受け手からしたら、日本という先進国から投資としてのお金が届くということになってくるので、単純に金融商品として、「こういうリスクだったら、こういうリターンがあって、ちゃんとリスク分は開示して」みたいな話になってくると思ってます。
最初の話に戻っちゃうんですが、自分が複雑骨折しちゃった時の話も、チームがぐじゃぐじゃになっちゃうと、もう何もできないですし。基本的に骨折なんかしてなくても、ベンチャーはもう次々にろくでもない壁みたいなものが来るじゃないですか。
それをチームがちゃんとしていれば、淡々と「今日もろくでもないね」みたいな感じで、バレーボールでもやりながら適当にやるんですが、やっぱりチームが失敗しちゃうとそれを「ふざけんな」みたいに、解決してくれないうえに、ケンカしかけるみたいになっちゃうんで、結局はチームビルディングのところかなと。
逆にそこがしっかりしてれば、絶対うまくいくわけじゃないですし、僕は秋山さんみたいにこれを成し遂げましたというわけではぜんぜんないんで、これからがんばる立場なんですが、今、そこでがんばろう、もっとグロースしようというところです。
課題は簡単に100個ぐらいあげられると思うんですけど、やっぱりチームで毎日これもこれも、朝も昼も夕方も夜も、みたいな感じでやってると、やっぱり、それがぜんぜんできないところを見たんで、もっと目線を高くしないといけないのかもしれないです。
複雑骨折というところでは、最初の話に戻って、チームビルディングかなと思っている次第です。
玉木:ありがとうございます。ちなみに渡邉さん、いかがですか? あまり、結果を失敗と捉えられてないのかもしれないですけど。リスクを取る時に、どこまでなら許容できるか、どこからがヤバいか、みたいな線引きをどう決められてますか?
渡邉:あんまりリスクをリスクだと思ってなくて、何かチャレンジする時も、振り返るポイントがいくつかあると思ってます。
例えば、新しいことをやるにしても、以前クライアントから「生放送とかできないの?」みたいなのがあって。オフラインのイベントで、YouTuberさんが来て、生放送をやるみたいな。
そういうことを言われた時も、「できますよ」みたいなことをとりあえず言うんです。それで言った後に、「どうしようかな」という感じなんですけど。
「でも一度、現地を見る必要があるんで」みたいなことを言って、それまでに機材とか全部用意して、「検証していけそうだったらやろう」みたいな。
周りはけっこう唖然としてるんですけど、「本当にいけるの?」みたいな。「まあ現地調査してから決めるって言ったから大丈夫でしょ」みたいな。
そういう期待値調整だったり、「ここまでは大丈夫だけど、ここまではダメ」みたいな感覚がけっこうあって、それをうまく設定しさえすれば、大丈夫な気がしてるんです。
あとは経営リソースとの相談なんですけども、投資がかからない新しい事業であれば、いくらでもやればいいかなと思っています。
予算組の中で、もともとここのマーケティング費に対しては、これだけ投資しようとか、いろいろな新規事業に対して、これだけ投資しようという割合を決めてるんですけども。
その中でけっこう、金額が大きくかかりそうなやつに関しては、本当にいけるのかどうかすごい精査して、ここはテストの期間にして、見極める期間をちゃんとポイント、ポイントで設定すれば、それがリスクかどうかというのはまず判断がつくかなと。それをまずリスクかどうかを判断するポイントが重要じゃないかと思うんですよ。
玉木:ここまではいったんやってみる、というのを設定して、どこから止めるかというのをちゃんと判断するということを緻密にやられてる感じですか?
渡邊:ちゃんと分解したり調査すればどのぐらいのリスクかがわかると思っていたりします。
玉木:わかりました。ありがとうございます。
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