2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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林信行氏(以下、林):次のテーマに進みますけれども。今、一番どこが盛り上がっていて、どこが実際にお金も落ちているかというところの、みなさんはどんな感じで思ってるか。
金山裕樹氏(以下、金山):誰が勝者か……。これに関しては、まだ勝者は出てないとは思っていますが、間違いなく勝者であるべき人がいると思っていて、それは作り手だと思います。
ファッション産業で価値を生み出す、源流となるような方たちにお金が回っていかないと、どんどん先細るかなと思うんです。そしてこのままで行くと、正直ファッション業界の未来は明るくないと思っています。
なぜかというと、シンプルに服としての競合製品というよりも、アイデンティティとして、自分を表現する手段としてのファッションと捉えたときに、今はファッションじゃなくても、自己表現ができると思うんですね。
みなさんが何を着てるかというのは、みなさんが周りからどう思われたいかということだと思うんです。例えば、Nikeの靴を履いているのであれば「スポーツ好きなのかな?」とか。
多くは自己表現の1つ、どう思われたいかということで、僕は黒ばかり着るんですけど、何かこうイカツイ感じに見られたいみたいな……あんまりそれはないですけど(笑)。
そういう何かがあると思うんです。そうなったときに、ソーシャルメディアがこれだけ広がっていくなかで、別にファッションで自己表現しなくても、例えばインスタグラムでおしゃれなカフェの写真を一年中あげてたら、もうその時点で服にぜんぜん興味がなくても、周りからおしゃれな人だと思われるわけです。
そのような環境のなかでファション業界がより盛り上がっていくためには、ソーシャルでインスタントに自己表現できるようなものに、打ち勝っていくプロダクトがベースでないと、「服はどうでもいいよ?」みたいな感じに……。
北川竜也氏(以下、北川):僕も同じことを思っていて、先ほど自己紹介のときに、百貨店の役割を最適にしなきゃいけないという話をして。
「じゃあもともと、バックトゥーザベーシックで何の価値を提供してたの?」と考えたら、ゼロから目指した作り手の方々に資本の管理を生み出すというのが我々の重要な役割なわけです。我々は、人間のクリエイティビティに対する賛辞を、ちゃんと資本というかたちで提供できるわけです。
自分1人で作って、世の中に出そうと思っても、なかなか自分1人じゃできない。どこに行っていいかわからないときに、伊勢丹に展示されたとか、三越で全面的にバックアップされることで世の中に出て行って、それが売れて、そのお金がその人に管理をされると、次のクリエーションの投資になるというのがすごく日本を元気にすることだし、(それが)僕自身がこの会社に来た意味でもあるんです。
自分で会社を立ち上げる準備をいろいろやって、初めてこの会社(三越伊勢丹)に入って感じたのが、名刺を渡したときに、「あ~」と言ってもえるんですよね。何の会社か全部わかると。
これは全国のおじいちゃん、おばあちゃんでもわかってくれるんです。三越とか伊勢丹が元気になってくる、あるいはファッション業界が元気になってくると、おじいちゃん、おばあちゃんが元気になってくれたり、日本を元気にできるということは本当にあるんじゃないかな? これは青臭いんですけど本気で思っています。
例えばこの会社が、金山さんみたいな方とか、森田さんみたいな方とか、わりと同じようなエリアにいる方々とタッグを組んで、ファション業界を盛り上げて、おじいちゃん、おばあちゃんが元気になって、おじいちゃん、おばあちゃんが元気になると、孫にお金を使うと。
孫も元気になって、何かそんな管理を生めるんじゃないかなと。でもその原点にあるのは、クリエイティビティに対する賛辞じゃないかなと思ってます。
森田修史氏(以下、森田):我々もクリエイター、デザイナーさんと一緒に仕事をさせていただく機会があるんですけど、「伊勢丹さんに出して売りたい」という思いでやっている方もたくさんいらっしゃる。
これが正しく作り手というところを認めて、一緒にWin-Winで、利益を取っていくようなことが、デジタルを通してグローバルにできる世の中になるんじゃないかなと思います。
林:伊勢丹はグローバルをやっていますが、IQONさんもグローバルを狙ってるんですかね?
金山:そうですね、グローバルのほうがユーザー数が増えるんじゃないかなと思っています。本当に自己表現の一候補で、とくに北米というよりかは、やはりアジアを中心に。
僕らが連携させていただいているECサイトのデータで、600万点ぐらい商品があるんですが、ほとんど日本のブランドです。やはり日本のブランドの価値が認められるような場所で、僕らのサービスはより生きるかなと思っています。
アジアには早い段階で出て行かないといけないと思っています。それこそ僕らを出島的に使っていただいて、そこから外貨を獲得する。日本のファッションで外貨を獲得するための足掛かりになれたら、なんてことを勝手に思っています。
(ただ)アプリビジネスはなかなか収益化が難しくて、とくにアジアとなると「どうすっかな~」みたいな。
林:みなさん、欧米は難しいかもしれないけど、実感としてアジアは狙えると思ってる感じですか?
金山:そうですね。「行かないとまずい」っていうのがありますね。日本のファッションが競争力を持っていているのも、「あと本当に何年かな?」と思っています。
例えば韓国は、本当に国策の一環じゃないかというぐらいで、コンテストファッションもセットにしてアジア圏に売り出してきていますし。
現地に行ったりすると、僕らが思っているよりも、日本のファッションのレジデンスはどんどん下がってきているような感覚がありますね。まずは急がないといけないです。
北川:森田さんが先ほどプレゼンされていたような技術は、世界的に見るとどうなんですか? グローバルで、いろんなところで開発されてるのか。
林:実際に森田さんのところは、CG上で服を表現する技術を持っていらっしゃいますよね?
森田:そうですね。欧米中心のファッションに憧れもありますし、ここに日本のセンスを入れていきたいというか、その1つのツールとしてデジタルがありえるのかなと思っています。
先ほど、「勝者」という話がございましたけど。頑張って作っている日本の産地……みなさんご存知のとおり、海外ブランドが買いに来てますよね? こういうものを上にあげてあげると。
あるいは設計技術、パリに行ってもパタンナーが日本人であるとか。こういった日本の技術とデジタル技術が融合したかたちで、世界のファッションという牙城をメイドインジャパンということで、少しでも傾ければ……。それが私が本当にやりたいことの1つかなと思います。
林:今日のLaunch Padに出場された方はいらっしゃいますか? アジアという話が出てきたので、椎木さん、無茶ぶりしちゃっていいですか? 東京ガールズコレクションをアジアにという話があったと思うので、そこら辺をお話していただけることは可能ですか?
椎木隆太氏:この間、先週に発表になったんですけれども。中国のZozotownと言われている、Hifashionと業務提携しました。
「日本のブランドを売っていこう」ということでやってるんですけど、彼らは日本ブランドに対して非常に崇高な憧れを抱いてくれてるんですね。金山さんもおっしゃるように、韓国ブランドはものすごく元気で。
実際に、日本のメーカーより今、アジアが勢いがあるんです。でも日本ブランドと韓国のブランドを比べて、「日本ブランドはオリジナリティがある」と言ってくれてるんです。
でも実際には、日本はオリジナルティをかなりの勢いで失っているんですよね。世の中で売れるもの、消費者が何を求めるかをすごく研究しすぎているがゆえに。
韓国も差別化がどんどんなくなっていると。そういうなかで、中国のHifashionみたいなビジネス会社がすごく大きな期待をしてることに、日本のメーカーがオリジナルティやクリエイティビティで期待に応えられるかというと、今の時点ではノーだと思っています。
今メーカーが失ってしまった機能……実は日本の個人の力、クリエイティビティの力はすごいと思うので、そこら辺がまた発揮されると、アジアで「日本は桁違いだな」と思われるようなものが提案できるんじゃないかなと感じています。東京ガールズコレクションは、アジアですごくニーズがありますし。
日本のブランドを束ねて、アジアに持っていくという機能を果たそうと思っているので、そういった、輝く日本のメーカーを復活させるような流れを作らないと、今の日本のブランドはかなりまずい動きになっているというのが僕の感想です。絶対に今のままじゃアジアに勝てないと思ってます。
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