2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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村上太一氏(以下、村上):セッションに移っていければと思います。まず1つ目ですね。お三方、いろいろ選択肢があるなかで、就職ではなく起業を選んでるじゃないですか。
ふつうだと就職なのに、なんで起業したんですか? そこの部分、まず聞かせてください。じゃあ、吉岡さん!
吉岡諒氏(以下、吉岡):いつも全力なのでちょっと1発目に(笑)。
村上:全力の吉岡さん、お願いします。
吉岡:私は父親がバツ2で、53歳のときの子供だったんですね。それで、自分が高1のときに父が69歳で亡くなってしまったので、けっこう家庭的な事情もあって。
大学4年間はワイワイきゃーきゃー青春したかったんですけど、早く自立しないといけないという家庭環境がありました。
そんななかで、慶應義塾高校に通ってる、小学校1年からの親友である小島と定期的に電話で話をしていました。「東京に来たら一緒に会社をやろう」と言われていて、私も早く自立したいと思っていたので、小島からの誘いは渡りに船で、高校卒業後にすぐ起業したという感じです。
なので、お恥ずかしながら、バイトをしたこともなければ、就職活動もしたことがないですし、自分の会社以外から給料もらったことがないんです。もう18歳から起業してるので、なんていうんですかね、それしか選択肢がなかったみたいな。
村上:就職を意識したことも一切なし?
吉岡:一切ないですね。大学3年のときは、もう社員数30人ぐらいになっていたので、就職は考えられなかったです。
村上:ありがとうございます。続いて、飛翔さんは?
高橋飛翔氏(以下、高橋):そうですね。私の場合は、小さい頃から持ってる夢があって。自分の人生というか命を最大化させるにはどうすればいいのかをものすごい考えていて。
小さい頃に思ったのが、より多くの人に良い影響を与えていくということが、それに叶うやり方なんじゃないかということだったんですね。
それで最初に、「政治家になって、首相になって、この日本を変えるようなすごい政策を俺は通す」みたいなことを言って。それで、東大法学部が一番首相の輩出数が多いということで、頑張って東大に入ったという経緯だったんですよね。
入学後、いろんな官僚の先輩とか政治家の方の話を聞きに行くなかで思ったのが、多くの人が何かを変えられない前提でしゃべってるというか。既存のアンシャンレジームを前提としつつ、こういうことをしたらいいみたいな、小さい志でやってる人が多いなという感じがしてしまったんです。
政治という世界で世の中を変えようとしても、もしかしてすごく時間かかるんじゃないかと思っていたときに、「起業」という選択肢に出会ったのがすごい大きくて。
それこそ一介の大学生が数年で何億人、何十億人が使うようなサービスを作れるような世界だったりするので。
「起業」という選択を使って、自分の昔からの夢である「より多くの人に良い影響を与える」ということが実現できるんじゃないかと思ったのがすごい大きな理由ですね。思い立ったらすぐやろうということで、2007年大学2年生のときに起業したという経緯ですね。
村上:ちなみに就職をしようとしたことは?
高橋:実は3社だけ受けていて。当時、社員数がもう15〜20人ぐらいはいたんですけど。就職活動っていわゆる新卒の年齢のときにしかできないじゃないですか?
なので、行く気はさらさらなかったんですけど、記念受験的に3社ぐらい受けてみようと思って。外資系コンサルの会社2社と、それから日系コンサルで1社受けてます。
村上:どうだったんですか?
高橋:全落ちしました(笑)。
村上:全落ち?。
高橋:2つは筆記で落ちて。1つは日系のコンサル会社に受けに行ったんですけど、グループディスカッションがあって、「こういう市場があります。この市場に対してこのサービスを広めていくには、どうすればいいと考えますか?」みたいなことをお題として聞かれて。
「今与えられてる情報のなかでは、これは適切な回答は出せないと思いますね」みたいなことを言ったんです。
「このへんのデータってどうなってますか?」って面接官に聞き返したら、「与えられた情報のなかで考えるのがコンサルタントなんだよ」みたいなことを言われて。
「いやいや、そうは言っても、調べるくらいのことはできますよね?」って言ったら、「お前もういいわ」って言われて、落ちたみたいな(笑)。そんな感じでしたね(笑)。
そこを通じて思ったのは、みなさんこれから就活されると思うんですけど、落とされるということは、「みなさんが優秀ではない」という証明にはまったくならないですね。
要は、たまたまコンサルタントの面接官と僕の相性がめちゃくちゃ悪かったというだけで。それをおもしろがる人だっているわけなんですよね。
だから、僕がそこで落ちて思ったこととしては、「こんなにおもしろい人材を採用しないこの会社はなんてセンスがないんだろう」と思いました。まあ、そんな感じです。
(会場笑)
村上:そうですね。本当に僕だったら全力採用ですけどね(笑)。
高橋:ありがとうございます。リブセンスに入れてください(笑)。
村上:次、世一さんは? 就職、起業。
世一英仁氏(以下、世一):僕は大学、今と仕組みが違うと思うんですけれども、昔弁護士になりたかったので、司法試験の勉強を大学3年生の後半ぐらいから始めて。
今みたいに法科大学院はなくて、ちょうどできかけてるくらいの頃だったんですけれども。それで、弁護士になりたいなと思って、司法試験の勉強をしてて、大学をそのまま卒業しちゃって。でも、試験には受からなくて。まあ言うたらプー太郎というかフリーターの状態で学習塾の先生のバイトをやってました。
気づいたらもう就職できないんですね、そんなやつは。なので、起業するしかなかったんですよね。という、あんまりおもしろくないストーリーで申し訳ないんですけれども、最初はそんな感じですね。
村上:一切就活する時間もなく?
世一:就活はもともとやらなかったと思う。就職してサラリーマンになってというのは考えたことはなかったはずなので。
選択肢として「就職」か「起業」かで選んだというよりは、就職という選択肢がそもそもなかったので、司法試験受からなかったらもう自分でなにかやるしかないという。なので、迷ってはないですね。
村上:同期だとけっこう就職している人が多いなかで、「就職しとけばな」と思ったり、むしろ「就職しなくてやっぱりよかったな」と思ったり、今どう思います?
世一:まあ、起業家同士で、経営者同士でいろいろ比べたり学んだりすることはあるんですが。同期のサラリーマンやってる人間を見て、自分と比べるというのはそんなに、たぶんしないですよね。
ただ、「自分はこっちのほうが向いてたんだろうな」とも思うし。サラリーマンやったらやったでおもしろいことできたかもなと思うこともありますけど、それは大人になってからわかることで。
たぶん、あの頃そんなに自分に合ってる会社とか選べたかどうかもわからないし、そもそも企業研究なんてしてないです。なので、あんまりそこはなんとも思わないですね。
村上:ありがとうございます。続いてのテーマが、この表題です。「メリット・デメリット」って実際どうなのよと。
学生時代に会社を起こしてみて、まあいろいろと修羅場がありますね。私も死にそうな戦いを何回超えてきたかというなかで、実際に就職しないで会社を起こしたメリット。「とはいえ、こんなんあったな」というデメリット。そんな話をいくつか。
高橋:メリットで一番大きいのは、若くしてものすごい強い敵と戦えることだと思いますよ。要するに、ほかの人たちはみんな社会人で経験があるなかで、自分はぜんぜん経験がなくて、全部がはじめてのことで。
普通に考えたらクリアできないような課題や問題がある。それに最初から直面して、自分の力で乗り越えていくということで、ものすごい大きい経験値が積めるというのが学生起業のメリットじゃないかと思っています。
逆にデメリットは、「社会人やってたら、これ絶対失敗しないでしょ」みたいなポカミスをバシバシするような。
村上:ちなみにどんなポカミス? 「こんなのありえないだろう」というような。
高橋:僕がやってしまったのは採用での失敗。売上がガーって伸びそうなときに、営業人員の拡大を急いでしまって。本来採るべきでない人材をバンバン採っちゃって、結果として、その人たちはパフォーマンスしないし、どんどん辞めていく負のスパイラルに陥ってしまった。
たぶんこういうのって、ちゃんとした採用ラインを持ってる会社で、「こういう人を採る」みたいな戦略が明確にある会社にいたら、やってなかったと思うので。そういうところですよね。
吉岡:採用のところでは飛翔さんとまったく同じ。うちの会社も2期目に5000万円ほど、個人投資家の方々から調達したんですよ。
そのときは自分たちが学生の割にはけっこう会社をうまくまわせてたので、有名な会社のすごい方に来てもらえば会社は絶対に伸びるだろうと思って、一気に30人まで採用したんです。
でも、採用の仕方がぜんぜんよくなかった。ベンチャーの良い点ばかり伝えて大変さをきちんと伝えることができていなくて。かろうじて名刺と請求書はあるけど、あとはサービスもなにもないという状況で、一気にたくさんの方を招き入れてしまったんです。
結局、2期目は売上が上がるどころか、数千万円の赤字を出して、会社が潰れかけてしまったんです。やっぱり採用とか組織創りというのははじめての経験だったので、失敗したなという感じですね。
村上:でもその30人の採用量すごくない? 30人採るのけっこう大変ですよね?
吉岡:全力過ぎたんですね。全力の吉岡だけに(笑)。
(会場笑)
村上:そのデメリットを解消するために、「こういうことをやっておけば解消できたのに」というのってどんなのがあります?
吉岡:やっぱり私自身がベンチャー企業でインターンをやっておけばよかったなと心から思ってますね。今でこそ、こういったイベントがあったり、Facebookでわからないことを教えてくれる人がいますけど。
当時、岡山県の田舎から出てきて、大学にもまったく行ってなかったので、友達がいなかったんですよ。会社を作るにあたってホームページを立ち上げようにも、ノウハウを聞ける人がいなくて。2ちゃんねるに「これ教えてください!」って一生懸命書き込んでました。
村上:2ちゃんですか(笑)。
吉岡:そしたら「ググれカス」みたいな感じで。
(会場笑)
当時、mixiにコミュニティがあって、そこで質問したらめっちゃ温かい回答が来て。超いいサービスだと思いました。
村上:mixiいいですね。検索リテラシーを高めるという。
吉岡:そう。インターンをしていれば、そういうのを教えてくれるちょっと年上の先輩がいたりして、つながりもできますし。
それに、営業もあれば、商品づくりもあり、請求したり、管理したりという一連のビジネスモデルのフローを、ほかの会社で見れるというのはものすごいいい経験ですよね。当時は営業もしたことがなくて、テレアポするという概念すら知らなかったので。
村上:電話で営業するのかと。そんな方法かと。
吉岡:そうですね。フォームからメール送ったりしてたんですが、後々考えれば電話をすればよかったなと。そういう常識すらなかった。
高橋:そのへん、インターンに強いキュービックさんはどうなんですか?
世一:うちはインターンを卒業して起業してる子がもう4人いまして。状況的にいうと、すごい伸びてるかというと、僕もちゃんと追ってないので、わからないんですけど。
例えば、みなさんわかると思うんですけど。自分の会社のインターンをやってる学生の子が「起業しようと思って、将来こういうふうになりたいと思ってるから、社長相談乗ってくれ」って言われたら、もうかわいくてしょうがないんですね。
村上:逆になりますよね。
世一:そういう、なんかあったらすぐ相談できる大人が周りにいるか・いないかというのは、相当大きなやっぱりメリット・デメリットあると思っています。
なので、就職してからでもそれは得られるかもしれないですけど、本当の話、早めの起業で若いうちから始めることのメリットも大きいという話なので。
であれば、学生のうちにインターンを何ヶ所かやって。そういう助けてくれる大人のネットワークを持っておくというのが非常に有効だと思います。
僕はそういうネットワークがなくて苦労したなというのがやっぱり思い起こしてもいろいろあるので、インターンはやっておいたほうがいいですね。
村上:インターンといっても、いろいろなインターンがあると思います。こんなインターンがいいのではないかって(ありますか?)。インターンと言えばキュービックさんなので。
世一:うちは逆に長期インターン、期限を決めずにずっとやってもらうインターンはやってますけど、1dayとか3日間のインターンシッププログラムみたいなのはやってないので、そっちとの比較ができないんですけれども。
そこで1日とか3日でできたつながりって、どうなんですか? そのあと起業するんだっていうときに、久しぶりに連絡して答えてもらえるもんなんですかね?
一緒に働いて、一緒に悩んで苦しんで、なにかを達成してということで人間関係が醸成されるのかなと思うので。そんな数日で決まることはないのかな。
高橋:でも、僕はぜんぜんもらいますよ。Facebookでメッセもらって「こんなふうに考えてみたら?」って返信したりして。
世一:今はFacebookがあるので、けっこうつながっていられるというのはありますね。
高橋:そうですね。
村上:飛翔さん的にはどんなインターンを?
高橋:僕も世一さんとまったく同じで、長期インターンシップが一番いいと思っています。
うちの会社でも長期インターン募集してますけど、実務をやってもらうんですよね。なので、社員さんと同じような働きをしてもらいます。
経験もつくし、知識もつくので、ある種企業に入って1、2年やるのと同じぐらいの能力値が1年インターンやれば得られちゃうんですね。
そういう意味で、インターンをやらない理由なんてないと思いますね。僕が今学生だったら、絶対ベンチャーでインターンをします。
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