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オープニングイベント「GEEKたちが変えるセカイの形とは?」(全2記事)

「起業はやるな!」“自分の生きる道”を貫いた起業家が贈るメッセージ

日本から新しいプロダクトをどんどん生み出すために足りないことは? デジタルハリウッドが2015年にスタートした起業家・エンジニアの養成スクール「G's ACADEMY TOKYO」が、2016年6月に新校舎「G’s ACADEMY TOKYO BASE」をオープン。オープニング記念として「GEEKたちが変えるセカイの形とは?~ 日米韓シード期スタートアップによるパネルディスカッション ~」と題し、パネルディスカッションを開催しました。

日本が新しいプロダクトを生み出すためには?

司会者:今、ちょうど苦労話もあわせてしてもらいましたので、次の質問にいきましょう。日本から新しいプロダクトが産まれるために、なにが足りないか。もしくは、どんなことができますか。お2人のご意見を聞きたいと思います。

テリー・イング氏(以下、テリー):事前に質問をいただいておりまして、日本から新しいプロダクトが産まれるために、なにが足りないのか。

日本の会社、アメリカの会社、私より経験があります。私は年上なだけなんですけど、日本の会社を20年以上見てきまして、アメリカの会社で働きながら、日本で成功するにはやはり日本のお客さんと付き合ってこなければいけなかったので、そういった感じで大きな会社の人たちと、半導体メーカーとして働きながら見てきたことなんですけれど。

日本人の特徴として、ハイクオリティにすごくフォーカスすると思っていまして、最近は、マーケットに出遅れることが非常にあるのではないかなと思っています。

レオ・キム氏(以下、レオ):とても難しい質問だと思います。かつ、難しい環境にいればいるほど、いろいろな問題も出てくると思うんです。

個人的な話ではあるんですけど、農業の技術として世界でトップだと知られている有名な国が、イスラエルやオランダだと思います。

イスラエルやオランダは、技術的には優れていても、どうしても環境が整っていなかったりするので、技術があっても環境がないとうまく広がらないということの一例で。

あと、私は韓国から来ていますが、韓国としては、グローバルなマーケットに出ないとマーケットそのものが小さいということが、まず1つあります。韓国は、国の外に出ないとマーケットがないんですよね。

でも、もし私が日本でスタートアップをやっていたら、日本に十分な市場があれば、もしかしたら日本の外に出なくてもいいと思っているかもしれない。

自分の経験でしか語れないんですけれど、韓国で始まったスタートアップとして1つ特徴的なこととして、韓国ありきで考えて仕事を始めていないので、そもそもグローバルなマーケットでなにがウケるかという思いから始まっています。そういう意味で言うと、私の経験はプロダクトの開発に役に立っている、反映しているのかなと思います。

日本は世界で勝負できる

司会者:あと、もしよろしければお2人に聞きたいことがあれば聞いていただければ。

望月大樹氏(以下、望月):とりあえず、新しいモノが産まれる時って、一番は飢餓感みたいな雰囲気ですよね。たぶんイスラエルだったら、とにかく外に出なければ国が成り立たないみたいな。

日本だったら、僕、明治維新がすごく好きなんですけど、黒船が来て「やばい!」ってなって、吉田松陰とか高杉晋作とか坂本龍馬が立ち上がったように。でも今の日本ってたぶんそういう状態にはならないので。

僕、先週出たイベントで思ったんですけど、英語でしっかりビジネスロジックを伝える力と、プロダクトを自分で作れる力があれば、ぜんぜん世界で勝負できるなって再認識できて、とにかくプログラミングができればプロダクトができると思うんですね。

今、なにが足りないかというと、やっぱりG’s ACADEMYがもっと大きくなることだと思います。

(会場笑)

このコミュニティをめっちゃでかくしていって、「お前も起業したの? 俺も起業するよ!」みたいな、いろんなスタートアップが増えてくると、日本はどんどん盛り上がってくると思うので、G’s ACADEMYだと思います!(笑)。

司会者:ありがとうございます。お2人に質問を。

望月:Are you planning to release your product in Japan as well?

テリー:私たちは今回、Portalを日本のGREEN FUNDINGで2週間後にキャンペーンを始めさせていただきます。2つのキーのお客さんがいまして、彼らに私たちのテクノロジーを使っていただくことを1つの目標にしています。もう1つは、日本のマーケットはとても重要だと考えています。

レオplantyは、昨晩、GREEN FUNDINGで開始したばかりです。まだ始まったばかりですけど、みなさんぜひご支援をよろしくお願いします。

失敗を絶対に恐れないでください

司会者:ありがとうございます。では、早いですが、最後の質問にいきます。これから起業する方へ応援のメッセージということで、順にお願いします。

テリー:まずは、おめでとうございます。なぜかと言うと、G’s ACADEMYでは、トレーニングや教育にフォーカスされているということで、私はとてもトレーニングや教育は大事なファクターだと思っています。

2番目は、「情熱を持って」ということですね。お金、時間というのは、あとから付いてくるということで、まずは情熱を持って。そして、「勇気を持って」ということです。失敗を絶対に恐れないでください。失敗は成功への道のりに必ず出てくることですから、失敗を恐れないで、失敗を多く経験することで、失敗の先に成功があります。

投資することは非常に大事だと思います。トレーニング、教育、いい人たちに巡り会うということですね。その人たちと巡り会ってネットワークを広げることは、とても大事なことだと思います。

多くの銀行、投資家に会うことがよくあります。そこで一番大事なことは、自分自身を信じられるかということ。自分に自信があると、投資家たちともうまくやっていけるので、自分を信じることは非常に大事なことだと思います。

自分の趣味とビジネスは違うということを認識してください。それは非常に重要です。情熱があって、自分の趣味に取り組んでいるのはいいんですけれど、ビジネスとの大きな違いは、やはりお金を作らなければならないことです。そのためには、投資をして、トレーニング、教育。ぜひこのG’s ACADEMYで経理の勉強もやったらいかがですか。

プランして、お金を稼ぐということ。ギークで居続けることはあまりいいことではないので、まずお金を儲けることを1つの目標としてください。

司会者:ありがとうございます。

(会場拍手)

あなたの成功の定義はなんですか?

レオ:私が会社を起こした時に、叔父さんに言われました。「やるな!」と。だから、あえてこの場でみなさんに言います。「やるな!」と。まだ始めていない人には、「起業はやるな!」と言いたいと思います。

叔父さんにそう言われながらも、これは私の生き方なので、とくに耳を傾けずにそのまま突っ走りました。

1つ言いたいことは、起業、スタートアップを始めるということは、そんなに輝かしいものでもなく、すぐ億万長者になれるわけでもなく、友達やお金、家族、ガールフレンド、ボーイフレンド、すべてを失うこともあり得ることだということです。

誰になにを言われようが、私は自分のやりたいことを貫いたので起業しました。

今日、通訳者とランチで、『ワンピース』の話をしていたんですが、私の大好きな漫画です。まだ読んでなかったら、スタートアップを始める人はぜひ『ワンピース』を読んだほうがいいです。

(会場笑)

『ワンピース』を話にあげたのは、物語そのものが、ルフィがワンピースを得るか得ないかということも含めて、確信のない約束で冒険を続けながら、かつ仲間を増やしながら、約束されていない道を歩んでいく。これは、まさにベンチャーそのものであると思っています。

たとえ、どんなにたくさん失敗しても、必ず成功までたどり着くという自分の強い意志があればいいのだと思います。それが、自分なりの生き方なので、みなさんにもそういった自分なりの生き方があるのではないでしょうか。

成功の定義も人それぞれだと思います。私は、それは決してお金だけではないと思います。成功はそれぞれみなさんの定義があると思います。

なによりも大事だと私が思うのは、みなさんが起業するにあたって、自分なりの成功の定義がなんなのかということを知っておくことだと思います。失敗に失敗を重ねても、そこから伸びるバネになる力を与えてくれるのは、自分にとっての成功の意味が、おそらく倒れたときに立ち上がる力になってくれるでしょう。

司会者:ありがとうございます。

(会場拍手)

貯金が心の余裕を生む

望月:僕はシンプルに2点だけ。起業って失敗すると路頭に迷うみたいなイメージがあると思うんですけど、今ってだんだん日本企業も変わってきていると思っています。挑戦した人たちを評価するみたいに。

だから、本気でプロダクトと向き合って、ちゃんとビジネスしていれば、失敗したとしても自分を認めてくれる人が絶対いると思います。

僕もやっていくなかで、会社にいたら絶対ないようなスカウトみたいなものもちょくちょくいただいて、本気でやっていれば絶対に認めてくれる人がいるのでそれは心配しなくていいと思います。

もう1つ、現実的なアドバイスとしては、ちゃんと貯金しておくことだと僕は思っています。貯金額が少ないと、どんどん心が荒んでいって、心に余裕がなくなるとやっぱりいいものって生まれないと思うんです。

一番いいのは、8ヶ月くらいは生きられるような資金をちゃんと用意してやると、心に余裕を持ったビジネスができると思っています。これはけっこう本気で思います(笑)。以上です。

司会者:みなさん、ありがとうございました。最後に大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)

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