2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 Chief Game Strategy Officerの小林賢治さん、株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 Chief Platform Strategy Officerの赤川隼一さんです。今回このIVSインタビューを見ておられるのは、若手の経営者の方々とか、あるいは将来起業したいなと思う若い学生さんとかだと思うんですけれども、そういう方に対するメッセージとかアドバイスを頂ければと思います。
小林:おそらくインターネットなり、Webなりっていうものに関心がある、あるいは既に関わっておられる方っていうのが多いと思うんですけれども、この業界で今世界に出てて僕はすごく感じる事があって、日本人って卑屈だなっていうことなんですね。例えばなんですけど、Amazonにしても、Googleにしても、Appleにしても、Twitterにしても、アメリカでボカーンと流行りましたと。「これ絶対世界でウケる」っていってそのまま持って来るんですよね。
日本でも、中国はないですけど、どこでも。事実流行るんです。ユニバーサルに流行らすんですよね。もちろん細かくは最適化した方が良かった点っていっぱいあるのかもしれないですけど、とにかく「俺の国でめちゃウケた」と、「これ世界中にそのまま伝えたろ」っていう。楽観的なのかもしれないけど、普遍主義をなんか持ってるんですよ。
それに対して日本人って、日本でバーンと当たると「いやこれ、こんなん島国のちょっとねぇ……日本人とはちょっとちゃうし、日本語やし……ウケるかどうか分かんないから、west向けはwest向けにしなきゃいけないんじゃないの?」みたいなのをまず最初に考えちゃうんですよ。メーカーでいうとものすごいSKUがばらけているとか、一個一個に全部最適に対応しようとして、本チャンがおぼつかないみたいな。
結構そういう戦い方しちゃう事が多くて、いきなりなんかちっちゃい局地戦を始めちゃうんですね。そんなんやるんだったら、米国のベンチャーがやる方が上なんすよ。日本人がやって「めちゃめちゃ日本でウケた」と「そのまま、ほなアメリカ人に伝えたろ」っていうぐらいの意気込みあってもいいんじゃないかと思って。
事実ドラゴンボールだって、ワンピースだって、ポケモンだって、マリオだって、別にはなから世界万国民にウケようと思ったかっていうと、僕はそうじゃないと思うんですね。
普通に「めっちゃおもろいもん日本で作ったろ」と思って、「じゃあちょっと海外も出すか」っていう。あとはディストリビューションとかビジネスの問題はあるとは思いますけども、まずもって自分が自信あるものをそのまま世界に出すぐらいの事は、もっとチャレンジしていいんじゃないかなと思って。それってwebがまさに流通の面とかでもすごくやりやすいわけだから、バンバン日本はやるべきだと思うんです。
僕はソーシャルゲームでDeNAが幸いにもグローバルで結果を出し始めた一つの大きな転機って、日本でめちゃめちゃうまくやった事を「海外でもそのまんまやったろやんけ」っていうのが、明確に戦略の規定にあるんですよ。なんか変におもねらなくていいよと、日本でバカウケしたものはそのまま示してやろうと、全部ダメだったらちょっとその後考えようっていうぐらいのつもりでやってて、それが幸いに結果出たので。
本当色んなサービス作られると思うんですけれども、なんか良く分からない人の事を想像するより、自分とか自分の周りの人が「これめっちゃ面白いな」っていうようなものを作って、それをもうじゃあ「そのまんま出したろうやんけ」っていうつもりで僕はやっていいんじゃないかと思いますね。はい。
司:ありがとうございます。赤川さんいかがでしょうか。
赤川:そうですね。まず僕はこのモバイルインターネットのインダストリーってすごくいい産業だと思っていて、設備投資費がみたいな話になるとめんどくさいですけれども、やっぱり個人の才能とか力が本当に世界を変えられる環境にあって、それを日本のどっかの田舎だろうと、あるいはアフリカのどっかだろうと、どんどんより平等になっているという状況になってると思っているので、その中でチャレンジをしてる起業家の人たちってすごくリスペクトをしてます。
その上で、そうですね。小林が言ってた事と一部かぶるかもしれないんですけれども、僕もグローバルで仕事をしていく中で日本人が明確に勝てると思ってるポイントっていくつかあって、ディテールとか細かい所に対して気が利くとか、ホスピタリティとか、コミットメントの高さとか色々あると思ってるんですけども、逆に言うと裏表でそれらが弱みになるケースっていうのもあるんですよね。
小さくまとまっちゃうとか、細かい差分にこだわっちゃうとか。小さな勝利を目指してると、逆に言うと誰でもできる分、小さな勝利じゃ勝ち続けられない産業かなと思ってるので、まず大きく勝っていく所を一緒に目指して……一緒にっていうと変ですね。大きく勝ちましょうよという事ですね。
さっき中国の話をしましたけれども、中国のスタートアップの人たちですごく印象的なのは、彼らにしてみると、今彼らが勝ち取った成功ってチャイニーズドリームで、むちゃくちゃ大きなものだと思うんですけども、全然満足してないんですよね。むちゃくちゃギラギラしていて、「もっと大きくなる」「この産業俺らのほうが進んでるから、むしろアメリカも俺らが出て行くんだと。
今後はいわゆるコピーキャット的じゃなく、もっとイノベーションを中国が起こすんだみたいな熱を、物すごく当てた人たちっていうのがギラギラやってるんですよね。で、その熱量っていうのがもっと日本の起業家だったりスタートアップも……というか、僕はしたい。
DeNAはそういうつもりで世界で勝ちに行きたいと思ってるし、日本のスタートアップの人たちもちょっと成功すると、やっぱりすごくいい生活とかが待っていて、それを糧に頑張るっていうのもあると思うんですけど、やっぱりそれだけじゃねぇだろと。その先もっと大きくなった時にもっと面白さもあるし、逆に言うともっと大きくなるっていうつもりでやらないと、すぐ競合さんがバーンって来て潰されちゃうっていう世界だと。
改めてシンクビッグじゃないですけども、大きいものを目指して頑張って欲しいと、僕が言うのは僭越ですが、一緒にやっていきたいです。インターネット業界はそういう業界であって欲しいと、僕は日本のインターネット業界、起業家に対して思ってます。
三木谷浩史
楽天株式会社 代表取締役会長兼社長
伊佐山元
DCM共同経営者
佐藤光紀
株式会社セプテーニ・ホールディングス 代表取締役社長
古川健介
株式会社nanapi 代表取締役
吉田浩一郎
株式会社クラウドワークス 代表取締役社長
小林賢治
株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 Chief Game Strategy Officer
岩瀬大輔
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長
川崎裕一
株式会社ミクシィ 執行役員 クロスファンクション室長
川邊健太郎
ヤフー株式会社 副社長
日高裕介
株式会社サイバーエージェント 取締役副社長
朝倉祐介
株式会社ミクシィ 執行役員 経営企画室長
松本龍祐
株式会社コミュニティファクトリー 代表取締役
林信行
ITジャーナリスト
森川亮
LINE株式会社 代表取締役社長
熊谷正寿
GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長
玉川憲
アマゾンデータサービスジャパン株式会社 技術統括本部本部長
舛田淳
LINE株式会社 執行役員
荻野泰弘
株式会社ミクシィ 取締役執行役員 経営推進本部長
藤田晋
株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長
赤川隼一
株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 Chief Platform Strategy Officer
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