2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
スクー森健志郎氏講演(全1記事)
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森健志郎氏(以下、森):ご紹介いただきました、森健志郎と申します。よろしくお願いします。
すごい心配になったんですけど、大丈夫ですか? すごい疲れてるんじゃないかな。うちの会社は、別に前日に言っておけば、会社に来なくていいという感じで、僕も週4でしか出社してなくて。
ほかの会社のオフィスで働いたり、1日図書館にこもったりをぜんぜん推奨している会社なので。たぶんうちの会社来たほうがいいんじゃないですかね(笑)。
今日は20分ほどお時間いただきまして、2つのテーマでお話しさせていただこうと思うんですけど、まず自己紹介させていただければと思います。
私、森健志郎と申しまして、1986年生まれの29歳になります。2009年にリクルートに新卒で入社いたしまして、2年目の終わり、東日本大震災があったときに、今ある「schoo WEB-campus」という名のサービスの原型を思いつきました。
これは絶対社会に出てやったほうがいいなとすごく思いまして、やっちゃおうと思い、次の日会社に退職届けを出しまして、いろんな方々からの反対がありながらも無事退職させていただき、1人でこの会社を創業しました。
創業したときには資本金30万円で、従業員1人で始めたんですけども、Webサービスってなかなかできないんですね。世に出すのにけっこう時間かかるんですよね。
僕はプログラミングを1回もやったことがなかったので、そこの目算を見誤りまして、ぜんぜんお金が入ってこず、ご飯を食べることもなくなって、飴玉だけで3日間生活するみたいな(笑)。
一応トピックスとしてご教授させていただきますと、林檎味の飴玉が一番腹持ちがいいので、もしみなさんも食べ物がなくなったら、林檎味の飴を買いこむのもいいんじゃないかなと思います(笑)。
その後、投資家さんたちやいろんな方にご支援いただきまして、50人で5期目を迎えて、楽しく会社をやってます。今はもう3食食べてますので細いのは体質です。大丈夫です(笑)。
今日の2つのテーマは、まず最初、簡単に3〜5分くらいで弊社の「schoo WEB-campus」についてご説明させていただいて、うちのサービスの事例というか、考えるグロースハックというところをみなさんに共有させていただいて、懇親会のときにコミュニケーションを取らせていただければと思います。そういう献立になってます。
まず事業の概要なんですけども、弊社はschoo WEB-campusというWebデザイナーやエンジニアに向けたインターネットの動画学習サービスをやってます。
使ったことある方、どれくらいいらっしゃいますか? ありがとうございます。知らない方は今すぐスマートフォン登録していただいて。その中でプレミアム会員の方っていらっしゃいます? ありがとうございます!(笑)。後ほどちょっとお酒を注ぎにうかがいますので(笑)。
僕は最近結婚しましたので、日本にはご祝儀という文化がございまして(笑)。今日終わった後、みなさんプレミアム会員になっていただければうれしいなと楽しみにしています。
会員数220,000人で、そんな感じで楽しくやっているんですけども、2,700くらいのいろんな講座を取りそろえながらインターネット上で社会人向けに学習体験作っているというサービスです。
僕たちはこのサービスをやっていく上で一番大事にしているのが、ミッション、役割であったり、ビジョン、志みたいなものですね。僕たちがサービスを作っていく上で大事にしているミッションが、「世の中から卒業をなくす」というものです。
僕がサービスを思いついたのが、先に補完したようにリクルート2年目の終わりなんですけども、eラーニングの研修をリクルートから使えって言われたんですよ。
動画で10時間マネージメント研修を学べって言われたんですけども、すごく学びたかったんですね。この内容をすごく学びたくて、学習意欲高かったんですけども、実際に動画再生してみると、おじさんがカメラ目線でダサいパワーポイントで語ってくるんです。
これどうやって学ぶんだろうって、相当な苦行だなと。一人ひとりがインターネットをこれだけ使えて、デバイスを持っていて、学習体験もいろんなことをやっていけるのに、こんな体験に留まってしまっているのがすごくもったいないなと思いました。
こういった、学びたいけど体験がイケてないから学べてないとか、もっと視点広げてみると、お金がないから学びたいのに学べてないとか、場所が近くにないとか、アフリカのほうに目線を広げてみると、9時間水汲みをしている子供たちがいて、その人たちに学べと言っても、それは無理な話じゃないですか。
お金だったり、モチベーションだったり、場所だったり、環境だったり、いろんな学びを妨げている要因がたくさんあって、それをテクノロジーやいろんなもの、新しい技術を使ってどんどん解消していけば、みんないつでも学校に通える、いつでも学生のままでいられるんじゃないかと。
そうなって卒業がなくなるという世の中を作れたら、もっと人類よくなるんじゃないかと。そういう想いを込めて、会社のロゴにある通りschoolという学校の終わりのLをとってスク─という名前で創業のときから同じ志でやってきています。
今(スライドで)お見せしているのがschoo WEB-campusの画面なんですけども、弊社は渋谷に3つスタジオを持っていまして、毎月100本、100時間の新しい授業を製作しています。
特徴的なのは、実名制で登録していただいたユーザーさんには、コミュニケーションをとりながら学習できると。
イラストレーター入門という授業を北海道に住む90歳のおばあちゃんと沖縄に住む15歳の中学生がわからないところを教えあったり、助けあったり情報交換をしながら、コミュニケーションを作って学ぶことができる。
インターネットでも、本当は現地の場所に行きたいんだけど、インターネット「でも」なんとか学べますではなくて、インターネット「だからこそ」いろんな人とやり取りをして、刺激を受けあいながら学習体験ができる。そんな学習サービスをやっています。
これは録画の画面なんですけども、録画になると3分間の隙間時間で学べますよと。生放送でやったいろんな方々のやり取りを録画の様子でも再現して観ることができますよといった、人を感じられる学習サービスをやっています。
コンテンツはエンジニア向け、デザイナー向け中心なんですけども、ビジネス英語だったり、全国13大学の授業だったり、スタートアップの企業家向けの授業だったり、あとビジネススキルだったりと幅広く2,700時間の講座を揃えていますので、今日帰ったらみなさんぜひ観てみてください。ここまでは宣伝でした。
どうやって飴以外のご飯を食べているのかというと、3つ事業があります。月額980円、今日みなさんにご祝儀として払っていただくプレミアム会員と、あとは法人の研修として、うちのコンテンツであったり、学習システムを使っていただいて、ミクシィさん、ヤフーさん、サイバーエージェントさん含めて全国200社の会社さんに扱っていただいております。
それ以外でも、まったく初心者の方からエンジニア、デザイナーを輩出して、就職のサポートまでさせていただきますよという職業訓練の授業もありまして、4ヶ月10万円で就職までサポートさせていただきますよという内容になっています。
みなさんにお配りしているマスタープランのパンフレットがあると思うんですけども、これが職業訓練事業になっております。
ここからは、弊社のサービスというか、僕が思う今日いただいたテーマである「グロースハック」というところを、みなさんにお話しさせていただいて、一緒に考えていければと思っております。
いただいているお題をそのまま書きますと、「グロースハックに必要なもの、これについて語ってください」とオーダーをいただいて今日ここにうかがいました。
なので、今日はこれに対するアンサーを最後に話させていただこうと思うんですけども。1点みなさんにも考えていただきたいポイントがあるので、後で一緒に考えましょう。
そもそも、「グロースハックってなんだ?」みたいなことを調べてみました。2010年に最近の言葉で、アメリカのショーン・エリスさんという起業家がグロースハッカーという職種を勝手に作って言い始めたのが起源らしくて。
シンプルに言えばサービス、事業であったりみなさんが携わっているものを洗浄、グロースさせることだと言えると思います。
弊社はインターネット関連の学習コンテンツがすごくあって、Kaizen Platformというグロースハッカーのサービスをやっている須藤(憲司)さんという方に、グロースハックの授業をやっていただいております。
その授業からのテンプレなんですけども、グロースハックというのはこういうので、今見ていただいた通り、(スライドの)左側がPCを購入するECサイトの画面なんですけども、左側はパソコンの性能を箇条書きで書いているんですね。スペックがどれくらい、これはこういう人にいいよ、というのを箇条書きで書いている。
右側はその情報を箇条書きではなくて、その性能を普通のテキスト状態で書いているんですね。書いてある要素は変わっていません。
右側の購入決済、次のページに進む割合が100パーセントだとしたときに、左側のように箇条書きにするだけで、その他の部分を一切変えないで125になりましたよとか。
あとこれは海外のサービスのボタンなんですけど、(ボタンが)緑のときを100とした場合、ほかのページを一切変えずにボタンをオレンジにしただけで131になりましたよ。
よくあるグロースハックってこういうことであると思っていて、ネットで調べるとグロースハックってこういうのがたくさん出てくると思います。
じゃあスク─はどんなグロースハックが伸びたのかということを、うちのグロースのマネジャーと確認しながらいろいろ整理してみました。
うちのサービスが月次に新規の会員の数を横並びにしていって、(スライドの)左のほうは、リリースしたてで口コミでバーっとユーザーさんが入ってくるんですけど、その後すぐ落ち着いて、ちょっと伸びたのは、けんすうさんがブログに載せて、Yahooニュースに載って伸びたんです。
そのあとちょっと停滞してたんですけど、ここから成長率が劇的に変わりましたということなんです。なにをしたか調べたんですけど、ディールグロースで伸ばしたんですね。
いろんな細かいボタンの設計、UIの変更をいろいろやったんですけど、一番効いたのが、全国13大学と事業提携して、その大学のコンテンツをお預かりし、その大学のユーザーさんにも見ていただく。これらの事業提携を2人のメンバーがずっと頑張ってやりました。というのが一番伸びたんですよ。
ちなみに、今日一緒に来ている経営企画室の二宮というのがいるんですけども、この大学のプロジェクトを担当していまして、二宮がスク─を伸ばしたという感じになっております。
なので、今日いただいているお題の「グロースハックに必要なところ」でいくと、発想を自ら小さくせずに労力対効果、投資対効果をもう一度しっかり考えて、時間がかかる一見大変そうに見える仕事、自分は製作者だから資料向き合いとかしなくていいやとかいうことではなくて、サービスが伸びるために自分の時間をうまく効率的に使って、一番伸びる方法はなんなんだろうということをちゃんと考える思考なんじゃないかなとすごく思っています。
グロースハックってネットで調べたり、うちも19時間もグロースハックの授業ってあるんですね。全部見ても施策がやっぱり小さいんです。
ボタンがどうだとか、UIがどうだとか、設計がどうだとかの積み上げがすごい大事で、絶対やり続けなくてはいけないんですけども、時としてサービスを伸ばすのであれば、もっと発想を変えて本当に届けるべきものはなんなのか、足りてないコンテンツはなんなんだろうとかを考える思考がすごい重要だと思いますね。
なので決してグロースハックという言葉に惑わされることなく、自分のサービスを本当に届けるべき人に届けるために、なにか忘れてないかということを大きく考えましょうということで、今回いただいている「グロースハックということを考えましょう」っていう講演を終わらせていただきます。
小さいネタとかは後で懇親会で聞いてくれれば全部しますので言ってください。以上です。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:せっかくなのでなにか質問したい人いますか?
質問者1:僕も今グロースハッカーの真っ最中なんですけれども。大きい発想がおりてくるコツというか、作家さんのように神がおりてくるというか、なにかコツがあるのか、もしくは社内で企画会議をするのか、それとも自分でやるのか?
森:いくつか観点があると思うんですけど、全体として頭の中にあまり降りてくるものではないので、無数に案を出し合った中で一番確からしいものを選ぶっていうもんですかね。
そういうときはチームでやるときが多いと思うんですね。でもうちの会社は基本的に、自分たちのことをビジョン駆動型だと呼んでるんですけども、ビジョンと戦略を毎月のようにみんなで徹底的に共有して、役割を決めて後は個人サイクルで決済してやるという感じで、勝手に50人の従業員に任せてやったりするぐらいなので。
そういう意味ではガシガシやってみて、ダメならすぐやめるみたいな感じだと思います。発想を変えるときは、みんなでブレストしていいものを洗い出していく感じだと思うんですけども、やってみないことにはなんとも言えないかな。
質問者1:KPIとか設定しますか?
森:もちろん設定します。相関性が高いKPIは、だいたいどの指標をみればこの指標がこのくらいの割合で伸びるというのが全部出てるので。
司会者:ちなみにさっきの二宮さんがやった大学のやつは、他にどんなアイデアがあって、最終的に行き着いたのか?
森:これを突っ込まれるとすごいややこしい話になるので、困るんですけども(笑)。これはですね、僕がやれって言いました(笑)。
司会者:そういう具体的なのを知りたいのかなって(笑)。
森:なんでしょうね……そうなんですよね(笑)。けっこうそれ難しいんですよね。これをやるべきだと思ったら、それをやってもらうところはあるんですけども。どうやって案がおりてきたかということですよね?
司会者:停滞してたっておっしゃってたじゃないですか。それからこれだというのに行き着いた過程なのか、数字なのかわからないですけど。
森:それでいくと、これが別に伸びると思ってやったというよりは、僕がサービスはもちろん、会社作りでも大事にしているのが「圧倒的オンリーワンの追求」なんですけども。常にいろんな類似サービスがあったら、まともに碁を打ちにいかないというか、どれだけ盤面をぐちゃぐちゃにできるかを考えているんですね。
プログラミング学習サービスってすごいたくさんあるじゃないですか。だからまっとうにロジックで考えていくと、どこよりもわかりやすいPHP入門の授業作れって話になるんですけど、それだと資本力勝負になっていったりしてぜんぜんつまらないなと思うんです。
近い領域のサービスを展開しているのが外資なんですね。外資がなかなか入れないコンテンツを作って盤上を荒らしに行っといたほうがおもしろいなって思って。
だから大学さんとウェットな関係性を作るのが一番効くかなって思ってやったら効いたっていうことですね。まっとうな論理で考えないというのはあるかもしれないですね。
常に自社の独自な部分ってサービスにあると思うんですよ。同じソーシャルゲームやってたとしたってうちにはデュエル機能があるんだとか、ギルド機能があるんだとか、独自の機能があると思うんですけど、その独自機能比率を一定以上の割合を保てるようにサービス作りしていくことが大事だと思うんです。
ある程度ユーザーさんの中で「そのサービスにしか満たしてもらえない価値の比率」が低くなっちゃうと比較検討が始まっちゃう。
比較検討させない、あそこはなにかちがうよねって思わせ続けるっていうのは考えたりしますし、でもこれは現場から上がってきづらい。
現場で議論していくと、一定の合意形成が必要なので、だいたいロジックで意志決定されるんです。だから起業家がある種強引にやっていくこととか、現場のメンバーでそういう発想に至ることができて実行力がある人間に対して権限を与えていくことがすごい大事かなって思いますけどね。
司会者:ありがとうございます。講演の方は以上になります。もう一度大きな拍手をお願いします。
(会場拍手)
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