
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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湯川:グリーさんは、ゲーム以外になにかコンテンツビジネスをやっていこうと思っている考えはありますか?
荒木:そうですね、今は新規事業いろいろ立ち上げたいなと思っていて、実際やっているのもいくつかはあるんですけど、仕込み中っていうものが多いですね。ゲームはやはりすごい大きなマーケットで、しかもまたいいのはスマートフォンの普及っていうのは新興国を含めるとまさに爆発期の最中なので、市場規模が広がり続けるっていう意味においてすごくいい。
しかもゲームもノンバーバルで世界中で楽しまれるものなので、広がり続けていいなと。ただ、ゲーム以外の領域っていうのもいろいろやっていきたいなと思っていて、グリーはもともとゲームやってないところからゲームに進出したことで、インターネットとかコミュニティーサイトとかの考え方をゲームに持ち込んだから、イノベーションが生まれたっていうのがあると思っていて。なので自分たちが得意でやってきたことを、また別の領域に持ち込むことでイノベーションが生まれるかなと思うんで、やっていきたいなと思ってますね。
湯川:ねらっている領域ってどういうところがあるんでしょうか。インターネットの世界って英語圏と中国語圏と本当に2つに分かれてきていて、我々日本人っていうのは言語的に非常に不利なところにいるわけじゃないですか。ですからその非言語のところで戦っていくというところは、やり方としてはあるのかなと思うんですけど。
荒木:いや、インターネット関連で多くの人に使ってもらえて、大きな事業に育つ可能性があれば、特に制限を設けずにやっていこうかなと思っています。
湯川:言語の部分はどう乗り越えていくんですか? 現地の人を採用してということですか?
荒木:そこについては、そもそも日本向けだけの事業は別にあっていいと思っているんで、それはそれでいいですと。必ずしもすべての事業がグローバルにいかなきゃいけないとは思っていないです。
湯川:池谷さんの方はこれからの展望というのはどういうふうに考えておられますか。
池谷:私たちはやっぱり非言語にこだわっている部分がありますよね。そもそも子供向け、文字を覚えるのだって日本だと小学校入ってからというのが基本ルールであって、実際出てくるものに関しては一切言葉がないであるとか、英語すらなくて言語がないということだと思っているんで、そこにはこだわってある程度いきたいなと思っていると。
ただ、面でとっていく上では日本でも音楽とか絵本とか独特なものがあったりするんで、ちゃんとノンバーバルで世界を面でとらえられた暁には、ちゃんとその国に根ざしたもの、例えば絵本を、言語だけの問題じゃなくて、例えばその国にある、国の童話であったりとか特化したものをやっていきたいなと思ってます。まず最優先はビジネスの効率性も考えて、我々はノンバーバルコンテンツで世界に通用するモチーフで世界の子供たちを熱狂させるというのが直近のビジョンですね。
湯川:グリーさんはどうですか。展望というか、夢物語でもいいんですけど、こんなこと会社でも話していないんですけど、僕のアイデアだけです、でもいいんですけども、5年10年後くらいにはこんなことも個人的にはやってみたいな、とかいうのはのはありますか?
荒木:そうですね、なんか特にジャンルは問わないんですけど、既存市場を破壊するのは楽しいなと思っていて、基本的には破壊したいというのがありますね(笑)。破壊っていうと言い方が若干ラディカルになるので、創造的再構築というマイルドな言い方もありますけど。
例えばソーシャルゲームっていうのは今までのコンソールを1万円、2万円、3万円で買ってきて、一本5千円、6千円で買って、テレビの前に座って遊ぶ、っていうものを、携帯持っていれば誰でもただで遊べて、しかもマルチコミュニケーションできるっていうものに変えたっていうイノベーションであり、ある意味破壊であったと思います。そういった、ライフスタイルとか人の行動が変わるものをやってきたいなと思っていますね。
湯川:日本ってそういうのけっこう多そうですよね。まだまだインターネットのイノベーションを持ち込めば大きく変わりそうな業界ってたくさんありますよね。
荒木:そうですね。いっぱいありますよね。
湯川:海外、今日は海外というテーマなんですけど、海外でもそういうこと考えておられる?
荒木:そうですね。生活が変わるっていうのが世界規模で起こせたらそれが一番楽しいだろうなと個人的には思っていて。僕10年ぐらい前にインドに旅行に行ってバックパッカーやったんですけど、すごい山奥の村で電気来てないところとか、水道来てないところに行っても、コカ・コーラの看板があるんですよ。これはすごいなと思って。
インドのたぶん数百年前から同じような暮らしをしているであろう人たちですら、コカ・コーラ飲むっていうライフスタイルが届いてるわけですよね。でこれと同じようなことが、別にコーラじゃなくていいんですけど、世界中のこんなところにまで自分たちの作り出したものによって生活がよりよくなったりだとか、生活が変わっているという実感が得られるようなことをやっていきたいなと思っていますね。
湯川:ちょっと無茶ぶりなんですけど、お互いになにか質問したいこととかありますか?
池谷:そうですね、いや、今グリーさんって苦しいところだと思うんですよ。ただ話伺ってみるとすごくチャレンジングされてて、破壊的イノベーションみたいな話をされてて。ただ、そんな中でもすごくコアな方とお話すると、絶対に事業をうまくいかせようとか、さっきの(グリーの)田中さんもそうでしたけど、いや何言ってんだよみたいな、ちゃんとネイティブではぐいっときてるし世界だってお前半分以上あんだぜ、みたいな話とか、着実にやっぱり成果出されているなあとすごく思っていて。
そういうのを我々は一般的なニュースとかマスメディアで理解しているわけですけど、実際にどういったことをボードミーティングとかで話をされているのかとか聞いてみたいですよね。
荒木:僕らは反省点として「PR下手だな」というところがあるなと思っていて。ちょっと必要以上に叩かれすぎじゃないかって。必要以上にネガティブに見られている。
池谷:(笑)。そうですよね。
荒木:もちろんそれは自分たちに責任があるところもあるし、真摯な姿勢を見せていかなきゃいけないなと思っているところはすごいあります。ただ、そのボードミーティングとかどうしているのかというところは、かなり前向きで、なんでかというと、別に問題点は見えていて、論理的に考えればこういうふうにするしかない、というのがわかっているので、一個一個課題解決は進捗している感はあります。
池谷:そうですね。僕は本当に、日本の国内でソーシャルゲームって一番最初に作られたのは、釣りスタとかグリーさんじゃないかと思ったり、あとクリノッペとかああいった育成ゲーム、ソーシャルゲームとかもグリーさんかなと思ってて。もとからすごく技術者集団でもあり、いいクリエーターさんもいて、いいものづくりをされる会社さんで成功されたっていうイメージがあって。叩かれすぎだな、と思うんですよ(笑)。
とはいえ、利益あんなに出てるし、超健全じゃんみたいな。うちなんてまだ赤字企業なんで。一方で僕もまあサイバーエージェントの子会社(シーエー・モバイル)にいたんで、サイバーってすごく見せ方上手で、それ考えると本当にすばらしい会社さんなんだろうなと思ってて。企業やってく上でああいうPRとかIRと結構重要なんだな、とか勉強になりましたね。
湯川:荒木さんのほうからなにか聞いてみたいことありますか?
荒木:そうですね、昨日も若干話しましたけど、インターネットエデュケーションってできたばっかりで、まだ市場規模も小さいじゃないですか。もちろんその小さい市場規模のなかでトップシェアとっていくっていうのに加えて、たぶん市場自体を広げていくっていうこともやられていると思うんですが、市場自体を広げるためにどうするか、みたいのは何かあるんですか?
池谷:ここはちょっと国内と世界で話を変えたいと思っていて、国内に関してはまだお母さんたちが保守的なので、業界のリーダーとして、まず健全化をやってあげないと、なくなっちゃうんじゃないかな、みたいのがあるんですよ。絵本もそりゃ10時間読んだら体に悪いですし、(タブレットやアプリも)使い方だよってお母さんたちにノウハウを与えないといけない。日本のお母さんって特に保守的で、あまり知識も、これは世界的にもそうなんでしょうけど、ないんで、まず前提として「大丈夫だ」っていう情勢が必要なのが国内で。
さっきおっしゃったように、市場は伸びてるんですよ。ただ、すごくまだ小さい市場で。僕が思ってるのは、まだ子供向けのサービスってイノベーションが起きてないって思ってるんですね。月に2億とか売るプレーヤーはいるんですけど、まだたかがそんなもんで。もっと本当に子供が、世界中の子供たちが熱狂するコンテンツが出てくるはずだと思っていて、まだそれは誰も出せていない状況だと。
だからすごく緩やかにというか、ちゃんと2次曲線で伸びてはいますけれど、その後一気に「キッズ×スマートデバイス」みたいな市場が出来ると思っていて、そこはもう本当にさっきのゼロイチのところをうちも打ちにいきますし、他社も打って海外まで打ってくると思いますんで、誰が打つんだみたいな、誰が出すんだみたいなところは社内では結構議論になってますね。
荒木:保守的って話があると思うんですけど、なんか絵本をデジタル化しただけじゃんとか、おもちゃ屋さんで売ってるおもちゃをデジタルにしただけじゃん、みたいなものがキッズ向けというふうな、みんなの認識になってるんじゃないかなと思っていて。僕自分の子供とかがスマホとかタブレットで遊んでいるのを見ていると、なんかとにかく写真撮りまくるのが楽しいみたいなのがあるんですよね。
池谷:はいはいはい、新しい学びですよね。
荒木:別にいわゆるトイザラスに売っているものをどうデジタル化するかという発想ではなくて、カメラがもしかしたら面白いかもしれないし、あるいは振って音が出るのを楽しんでたりするんですよね。
池谷:わかります。特に日本では電子書籍とかデジタル絵本とか呼ばれているのが僕はすごく気にくわなくて、それは既存のプレーヤーの方が名前をつけているだけであって、「違うから」みたいな話もあるんですよ。だから僕らも心がけているのは、僕は絵本大好きなんで、絵本は絵本でいいんだよっていう話をしていて。
荒木:そうですよね。絵本は絵本でいいですよね。
池谷:全然違うデバイスなんで。大人がどうしても日経新聞を一番読むから、なんかこう同じようなことをイメージされるんですけど、まったく違うデバイスだと思っていて、新しい学びのチャンスがあるデバイスだっていうふうに考えているんで。
本当にそれはおっしゃるとおりで、なんかそういったもっと尖ったものとか、新しい学びを提供するっていうのをうちでは心がけていて、「これ単に焼き回しじゃない?」みたいなのは面白くない、という話をしながらモノを作り出してますね。
湯川:じゃあ、最後の質問になるんですけども、見てくださっている視聴者の皆さんに一言ずつメッセージをいただけますでしょうか。荒木さんから。
荒木:スマートフォンの普及があって、ようやくというか、今までよりさらに海外向けの事業展開っていうのがやりやすい土壌になってきてるのかなというふうに思っています。ただ、なんかそれって単に技術が変わっただけであって、本当に世界で成功させようと思うと、組織とか意思決定の仕方とかマネージメントの仕方から、グローバルスタンダードに変えていかなくてはいけないんじゃないかとすごく思っています。
僕自身もそれすごい努力しているところではあるんですけど、なんかそういう一歩をですね、上のレイヤーからというか、もう一歩視野を広げて、モノ作りのグローバル化っていうところについてとらえていただくきっかけになったらよかったかなというふうに思います。
湯川:ありがとうございます。では池谷さんお願いします。
池谷:はい。スマートデバイスの歴史はまだ始まったばっかりだと思っていて、もう勝っているプレーヤーとかが出始めていて、これがすべてみたいなイメージがあるかもしれないですけど、まだまだこれからで、新しいイノベーションがどんどん出ていくはずだと思っています。
かつ、これが世界、いわゆる先進国だけじゃなくて発展途上国にも間違いなく広がっていくと思っているんで、チャンスが絶対来ると思っているので、日本に閉じこもらず、日本でも十分に世界で勝てる能力があると思うので、みんなで市場を盛り上げられればなと思います。
湯川:はい、どうもありがとうございました。
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