
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
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山口揚平氏(以下、山口):抽象的な話は終わって、もっと具体的な話をしたいんですけども。塚田さんは、オリンピック金メダリストですよね。オリンピックの金メダルって、共産圏だと家が建ったりしますけども、どうなんですか? 日本では。
一般的には、「日本ってつらいよね」みたいな話ですが……。
塚田真希氏(以下、塚田):そうですね。柔道は、企業が社風にしてたりして、なんていうんですかね、わりと企業が多いんですね。自分のところで柔道のチームを抱えるところが。
だから、ほかの競技に比べると恵まれてるんですけど。金メダルを取ったから、じゃあそのあとの人生は……ってなったときには、保証はないですね。
山口:なるほど、そうなんですね。
塚田:保証はなくて、自分でやっていく。競技自体は非常に恵まれた環境でやっている選手が多いんですけど。しっかり体のメンテナンスしながら、よい食事を取って、練習して、トレーニングしてという。
そういうチームが、東京オリンピックもある関係ですごく増えてるんですけど、そのあとの人生どうなるかってなると、そこまではまだ保証はない状態で。みんな警察官になったり、その会社に残ったりというのがだいたいの流れになってます。
山口:海外だとどうなんですか?
塚田:海外ですか? 海外のアスリートですか?
山口:そうです。
塚田:私が北京オリンピックで負けた中国の選手が、日本に来てたんですけど。彼女に話を聞いたら、半永久的にメダルを取った本人とその指導者に、年金として支払われてるって聞きましたね。メダルの数だけ。
だから、そういうシステムがある国もあるし。フランスなんかは、オリンピックでメダルを取ると国家公務員になる資格が優遇されたりで、国のスポーツ省に勤めてる子がほとんどだと。
あとマスコミ関係ですね。やっぱり流れてる子もいるという話は聞いたんですけど。そういう状態です。
山口:なるほど。オリンピック裏事情なんですけども。これで終わりにしますけども。選手村は楽しいことがたくさんあるという話を聞きました。
塚田:(笑)。そうですね。いろいろオープンになっていない内容もあるんですけど、隔離されるんですよ。セキュリティもすごく厳しくて。その国のチームに配られるIDカードも、かなり少なめですね。
なかにはすごく大きい食堂があって、マクドナルドが食べ放題なんです。オーダーすると、お金を払わない状態で、どんどん、チーズバーガーなどを(両手を広げて)こんなに持って帰って(笑)。
(会場笑)
塚田:あとはいろいろ遊べる、ゲームセンターみたいなところがあったり、コインランドリーがあったり。そのなかでストレスたまらずにいられるように、工夫が凝らされてるという、そういうことがあります。
山口:日菜太さんは次の試合っていつでしたっけ?
日菜太氏(以下、日菜太):次は6月の頭ですね、はい。
山口:それはどこでやるんですか?
日菜太:後楽園ホールです。格闘技の聖地、後楽園ホールなので。ぜひよかったら見に来てください。
僕は、イベントじゃなくてキックボクシングを競技にしたいってのが目標です。
山口:すごい熱い思いが伝わってきて。
日菜太:そうですね。ここのライン(落合氏と日菜太氏)、すごく対極だと思うんですね。
(会場笑)
日菜太:さっきの話を聞いてても、わかんない単語がすごい出てきて。隣で聞こうかなとか迷ったりしたんですけど。でも、僕は、こうやっていろんな人に会えるのって、すごい楽しくて、いつかいろんなことで組んでなにかできたらいいなと思います。
落合陽一氏(以下、落合):ちなみにボクシングは、研究対象としてめちゃくちゃよくて。速いカメラを試すなら、ボクシングがいいですよね。なので、撮りに行かせてください。
(会場笑)
日菜太:すごく楽しみだなと思って(笑)。
落合:1キロヘルツぐらいで撮れるカメラを、今作りたくて。そういうのはすごく興味があって。
山口:さっき「モーションキャプチャーつけて、やろう」という話をされていて、夢がふくらむなと思っていて。
会場からの質問を受け付けたいんですけどよろしいでしょうか。「なにかこういうことを聞いてみたい」というのありますか? じゃあ、最初に手を挙げてくださった方。
質問者1:ありがとうございます。浜松でものづくりをしてる者なんですけども。世界でトップを取ったということで、そうすると価値観が変わって視野が変わると思うんですね。そういう三方にお聞きしたいんですけど。
10年後の日本というところと、10年後の自分というところ、なにかそういうところを教えていただいてもいいですか?
山口:はい。一言ずつでよろしいですかね。挙手形式にしましょうか。10年後の日本と10年後のご自身を教えていただけますか。
落合:どうもこんにちは、落合です。僕はすごくニッチな分野なので、世界一を取ることはよくあるんですけど。日本は、コンピュータは負け戦が確定しているので、グッとくるものだけ作っとけばいいと思うんですよ。
あと、まだ負け戦が確定していないのは自動車とかなんですけど。そこで負け戦をしないようにするのが今すごい大事で。人工知能ブームとか言ってるんですけど、ユーザー側のブームは絶対にもう無理で。今は物側のブームがすごい重要で、今あるものがどんだけ負けないかのほうが。防御戦ですよね。
なので、うちの研究室がやってることは、マルチメディア寄り。Apple、Googleとかがやりたいようなことをやってるんだけど。資本はトヨタ、アイシン、電通とか、そういう日本っぽい企業から入ってます。それは電機メーカーとかとは違って、守備の戦いなので。
そうなっていったあとに日本がどうなるかというところなんですけど。我々は統一された宗教概念があまりないので、たぶん人間が脱構築されても自我を失わないですむと思うんですね。
神がいないって言われると、信じられない人たちがいっぱいいるんだけど。我々は結局、「生きてるか死んでるかよくわかんないよ」って水木しげる風に言われても、許容できるってのが強みなので。そういうゾンビ的な生き方はありだと思います。はい。いいことです。
山口:はい。塚田さん、いかがでしょう? 10年後の日本はこうなってるんじゃないかということについて。
塚田:10年後の日本。
山口:ちょうど2025年、オリンピック終わった5年後です。
塚田:スポーツ界に携わってるってところで話をさせてもらいたいんですけど。今、私は全日本のほうでやってるんですが、オリンピックとか、そういうスポーツの大会に、国籍を自由に変えて出場できるようになってほしいなと、そういう思いがあって。
今はルールが厳しくてあれなんですけど。海外ではオリンピックに出るために国籍を変えたりはあるんです。そういうのが自由になって、オリンピックだったり、そういう世界の祭典に出場したいという選手が。熱い思いなんですけど、これも。
そういう選手が最終的にそこにエントリーできるような、自由なかたちになってるといいなと今は思っています。
山口:ちなみに、塚田さんは何人(なにじん)になりたかったんですか?
(会場笑)
塚田:私ですか(笑)。私はイギリスに2年間留学していたので、イギリス人かぶれなところがあるんですね。だから、「うらやましいな」なんて思うところもたくさんあって、練習終わったあとにすぐ食べにいってビール飲んだりという。
ああいうのはなかったんで。そういうところで気楽に競技スポーツやったら、また感覚違うのかなというのをずっと感じてた2年間だったんで、そういうのはあるんですけど。もう、今は日本人を支える側で、やっていこうと心に決めてますんで。それを見てたいなという、第三者的な立場から。そういう夢があります。
山口:日本チームから、ほかの国籍の方が、もしかしたら帰化するのかもしれないですけども。日本代表として出るということも?
塚田:そうですね、はい。楽しみだなと。
山口:すばらしいですね。 日菜太さん、どう思われますか?
日菜太:僕はまだ世界を取ったことはないんですね。世界一になったアンディ・サワーに勝ったことはあっても。僕のやってる競技の70キロ、70キロってミドル級っていって、世界で一番激戦区なんですよ。
僕は客観的に見て、こないだも若手に不覚取っちゃったんですけど。自分のランキングが本当にあったら、たぶん10位か20位ぐらいの間なんですよ。この10年間で、どこまで自分がそいつらに食っていけるかって挑戦していきたいですね。
あともう1個は、この10年の間にもうそれが叶わなかったとしても、選手を一生懸命やって飯が食えないってのは、すごく悔しくて。そういう選手たちに仕事を回せるような会社を作りたいなって思ってます。
選手をして飯が食えない。だから、競技をやめる。そういうのが、すごい僕の周りに多くて。そういう奴らって不器用なんですよね。「おれ、これしかできません」みたいな。「コミュニケーションうまく取れません」みたいな。
この競技好きです。だけど、子供できちゃったからやめなきゃいけないとか、親が病気しちゃったからやめなきゃいけない。仕事しなきゃ。でも、仕事しようとしたときにやろうとする仕事って、格闘技だけやってたらいい会社とか入れないですよね。
現場だったり、そういうのに自分が生かしてた技術を使えるような会社とか、そういうのを派遣できたらいいなとは思うんですけど。まだ、それができるかどうかわかんない夢物語の話をしてるわけで。少しでもできたらいいなと思って。今度、投資してください(笑)。
(会場笑)
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