2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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司会:シェラトン札幌で開催中の「Infinity Ventures Summit 2013 Spring」の特別インタビューをお届けしております。続きましては、ITジャーナリストの林信行さんです。よろしくお願いします。
林:よろしくお願いします。
司会:すっかりお馴染みの林さんなんですが、改めて自己紹介とお仕事の内容について教えて下さい。
林:僕、よくテレビに出たりとか、あとラジオ、Webなんかで、ITジャーナリストという肩書きを使っているんですけれども、実態は全然かけ離れていて、どちらかというとコンサルティングの仕事がメインになっています。講演とかコンサルティングです。まぁメーカーさんですとか、結構大手の通信会社のコンサルをやって、今後スマートフォンとか、あるいはソーシャルメディアといったものがどういう方向に流れていくのか、それに対して、どういう戦略を取っていったらいいのか、という所で相談に乗ったりしているんですけれども、来週ちょっと大きい発表がありまして、私の新しい方向性というか、ちょっともう一部で出ているので、ここの番組を見ている人だけに先に言ってしまうと「IFS未来研究所」。
伊藤忠ファッションシステムという会社があって、そこの会社で未来の研究をしよう! みたいなチームが立ち上がって、トップは川島蓉子さんという方、それからパリにいる建築家の田根さんという人もそうですし、SOMARTAのファッションデザイナー、それからtakramの渡邉さんという方、プロダクトデザイナーの酒井さんという方。ITの視点だけじゃない、ファッションの視点だけじゃない、建築だけの視点じゃない、という形で、色んな老舗の方々のコンサルティングをやったりとか、家電メーカーさんのコンサルティング、そういった広い視点でやってこうみたいな、そういった活動をやることになります。
司会:そういった場で、いつも林さんが伝えておられる「未来」は、どういう世界を伝えておられるのでしょうか?
林:「未来」って、どういう方向にも進み得る。みんなが部屋に閉じこもって、スマートフォンの画面を一日じっと見ている、そういった未来も十分ありうるし、一方でもっと自然に回帰する、そういった未来にもなりうる。どういった未来が良いんだというビジョンを描いて、どれだけメッセージ性がある人が伝えて広められるかが重要なだけであって。
このスマートフォンが出てきた時も、どこにいてもぱっと調べられるというのも強みだと思うけれども、一方で用事が終わったらぱっとポケットに戻せて、Face to Face で会話に戻れるっていうのも、スマートフォンの強み。そういったテクノロジーに吸い込まれる未来じゃなくて、どっちかと言うと人間性を豊かにしてくれて、そこをうまく添えるじゃないけど、サポートしてくれるようなテクノロジーになってくれると良いなと。僕はそういった未来をサポートします。
司会:林さんのTwitterを見ていると、本当に世界中のカンファレンスや展示会やミーティングを見ていて、今日本当に日本に居るのか定かでないくらい、色々移動されていると思います。その中にこの「Infinity Ventures Summit」というのが年2回あって、いつも姿をお見かけするんですけれども、やはり林さんにとってこのイベントに参加する意味は大きいのですか?
林:そうですね。世界を見ても、まぁ最近IT系のカンファレンスであまり海外のものは行ってないんですけど、このIVSほど、それこそGREEの社長や、DeNAの社長だったり、そうそうたるメンバーが集まっていて、もちろんビジネスの話もすれば、結構フランクな素顔も見れるじゃないですか。そういった特別なイベントは、今はなかなかないですよね。この間も、京都で食いっぱぐれてしまった二人ということで、ウツミさんたちと一緒に食べに行ったりして、この人こんなに素晴らしい人なのかと改めて人間性を知れる、そういう意味では貴重な機会ですよね。
それこそインタビューをしてらっしゃるのぞみの藤田さんも京都のエキスパートでなんか京都の事を聞きたくなっちゃう、すごい素敵な価値観を持っていらっしゃる。その価値観を、例えば京都のIVSってこんなところを選んだっていうそこだけでやっぱフジタさんのセンスは素晴らしいなと。そうすると普段からも相談したくて、本当は仕事で相談できればいいのだけれど、いつもTwitterとかで聞いてしまって申し訳ないのですけれども。
そういった出会いも、もちろん価値があれば、そういう素敵な人たちに惹かれて、海外からも大勢ゲストが来ますよね。そういった人たちが今何をやっているかとか、どういう所に目をつけているんだとか、結構それによってインスピレーションを受ける部分がある。やっぱり仕事でずーっと会社の中に閉じこもって仕事をしていても良いけれども、やっぱり外に出て人と繋がると、急に視界が開ける事があると思うんですね。
その出会いやインスピレーション、ネットワークの部分が、結構うまくパッケージ化されつつ、その中にちょっとしたね、今日の朝行けなかったんですけれども、京都のお寺で座禅であったりとか、ちょっと合間合間で出る食事もつい写真を撮ってTweetしたくなるような所が、世界に自慢できるカンファレンスであると思っています。
司会:元々、参加されるきっかけはどのようなものだったのですか?
林:きっかけはですね、僕も前から招待状とか貰ってたんですけど、なかなか取材とかで行けなかったのが、小林さんから招待されてスピーカーとして初めて行ってみたら、小林さんがすごいノリで、いきなり最後のセッションも「英語でしゃべる人員が少ないからステージに上がってくれ」と言われて、そこからもう無茶振りの嵐で、毎回色んな無茶振りを楽しんで受けさせていただいているっていうそんな形ですね。
司会:結構もう小林さんが困ったときの信行さんという感じで。セッションオーナーとかもされてますしね。
林:でも本当に今回のIVSにしても、こういうものを日本の経営者達に伝えなければいけないという、すごい熱い思いを持って、本当に血みどろの努力じゃないけれども、しているじゃないですか。Facebookにちらちらっとたまに泣き言を見せていたりとかして、そこが本当に応援したくなるし、そういう応援したくなるような人たちが参加者に多いから、いい感じのコミュニティになっている気がします。
司会:セッションのテーマや並びを見た時に、あーこう来るのかみたいな、ある種の毎回驚きがあるという感じですか?
林:僕、年度と何かが思い出せないのですが、あそこから風景が変わってきたなという思い出に残るIVSは結構あります。例えば、LINEの二人が冒頭のセッションで、僕もその時モデレーターじゃなくて、一緒に何故か並んで話していたんですけれども、LINEが出てきてそろそろ一億にいきそうだみたいなところが、その後本当にLINEがこうね、いまや世界を制するようになってきて。
IVSってすごい象徴的なイベントで、LINEの二人がステージに上がって、IVSが良い象徴だったなという時もあれば、あるいはソーシャルゲームが流行ってきた時も、やっぱりその思い出に残るセッションというか、IVSの過去の写真とかが見れるギャラリーがあったら、それだけで常に日本のITが常にこっちに行ったり、あっちに行ったり試行錯誤している歴史が、こう改めて振り返れるような感じがするし、なんかそういう所ですね。
結構小林さん、狙って色々やろうとしているような気もしたりして。今回はですね、僕も実は結構プッシュしていたのを受けてくれたので、すごい嬉しいんですけれども、僕の勝手な解釈で、もしかしたら小林さんの真意は違うかもしれないですけれども。冒頭のセッションはですね、パーティーという会社の中村さんと一緒に出させていただいて、本当は僕はモデレーターで、パーティーの二人が話す予定だったのが一人来られなくなったので、対談のような形になったんですけれども。
今回のIVS、僕が勝手に思っている隠れテーマは、スマートフォンの画面の中の世界が、これまであまりにも多かったんですよ。でも段々画面の外にも目を向けなければいけないような時代で、みんなこう画面を凝視することに飽きが来ているような所があって、それでどんなに頑張ってもあんまり良い成果が得られない。アメリカとかに行くと、トイざラスにiPhoneと連携するリアルなおもちゃが、もうすっごい長い棚を埋め尽くしていて、子供たちがこうね、ショッピングしている中、「あれ買って!」と言うと、そこからアプリをダウンロードするような流れになっている。
段々フィジカルな方にちょっとゆり戻しが来ているのではないかなと思う所があって、それで言うと3Dプリンターなんてまさに数年前に流行ったセカンドライフで作ったジュエリーなんかが3Dプリンターを使って、今リアルに本物のジュエリーになって売れるような世界になってしまった。これから、どんどんどんどん画面の中だけの世界だったものが、フィジカルなもの、リアルな社会、生活の中に飛び出て来るんじゃないかなという風に思ったりしています。
司会:じゃあ、そのあたりのセッションのテーマはまさに?
林:そうですね。明日あるセッションいくつか忘れましたけれども、11時くらいからのセッション、デジタルファブリケーションという事でtakramの方がですね、IAMASの方達と一緒に登壇させていただいて、まさにその3Dプリンターが世界へ、これまでミットの画面だけの情報だけだったものを、形にしてしまおうという作業の話をさせていただこうと思っています。
司会:実際その先程、小林さんの名前が出ましたけれど、IVSの当日以外も小林さんとは会われたり、何かしら接点はおありだと思うんですけれども、小林さん及び主催であるInfinity Venture Partner の皆さんに対する、何かイメージはありますか?
林:そうですね…。まぁ楽しい感じですよね。急にですね、大根とかの被り物をしてマラソンし始めちゃう人もいれば、みんな結構楽しみながら、でもちょっとずつ世の中というか日本を元気にしていこう! みたいな想いをどこかで思いつつ、でも広い視点を持ってうまくやっている、本当になんかいい感じの人達という以上になんかうまく表現できないですけれども。そんな印象を持っています。
司会:ありがとうございます。今日のUstreamをご覧になっておられる方は、何か新しい企画をしたりとか、会社を作りたいとか、あるいは今会社を作っていて何か新しいヒントを得たいとか、そういう野心のある方が多いと思うのですが、そういう方に向けて、先程時代の変化がこっちにあるというお話をされたと思うのですが、それも踏まえて何かアドバイスやメッセージをお願いします。
林:自分が日本にいるとどうしても、特に東京にいると、周りの強豪ばかり気になってしまって、その自分がいる業界に閉じこもって仕事をやってしまいがちだけれども、パッと自分と業界の違う人たちと話してみる、会ってみる事が、すごい大事な事だと思っていて、僕よくメーカーさんとかに行っても講演とかでよく話に出すのが、三洋電機さんの例で、三洋電機さんって野中ともよさんが社長だった時に、アドバンストデザインセンターというのを作って、三洋電機の工業デザインは全てADCを通してやるというようにしたんですね。
ある時、エアコンのデザインをやっている人が、もうエアコンのデザイン飽きたからと言って「なんか他の仕事ないの?」と言ったら、「今ちょうど掃除機空いたから、掃除機のデザインやってみない?」と言われて、掃除機の方に行ってみた。そしたら、掃除機の世界ではずーっと解決しなかった後ろから出てくる汚い排気をどうしようという問題があってですね、たぶん三洋電機さんだけじゃなくて他のライバル会社もそこで悩んでいるんだけれども、エアコンのデザイナーの人が掃除機の世界はそんな所で悩んでいるのかと、エアコンの世界はそんなことフィルターでとっくに解決してるよと、パッと入って急に解決しちゃった。
業界の中でIT村、デザイン村、ファッション村と色んな村があって、結構みんなそこに閉じこもっちゃっているんだけど、半歩外に出てみると、ずっと解決できていなかった問題の答えがそこで見つかったりすることがある。でもそれを発見するためには、やっぱり自分が閉じこもっている業界から、ちょっと外に出てみる必要があると思うので、ぜひ皆様の趣味とかをまずは生かして、新しい違う業界の人たちと会ってみるのは結構大事かなぁと思ったりします。
司会:その面から言うと、Infinity Ventures Summit にも、もっと異業種の方とか、業界の方が来ても、面白いかもしれないですね?
林:そうですね。いつもIVS最後のトークとかで、登山家の方が来たりとか、それこそNGOで色んな医療の活動をされている方がいらっしゃったりとか、あるいは将棋の名人の方がいらっしゃったりですとか、そういう所だけでも、結局みんな自分の仕事第一なんで、その事ばっかり考えているじゃないですか。
そういうメンタリティで、将棋の話とか、登山の話とか聞くと、結構重なり合うことって多いと思うんですよね。僕も、例えばある時シリコンバレーに行って、会計事務所とかがですね、日本のベンチャーの人たちがプレゼンした時に、あんまりああいうステージで投資家の人たちにお金貰っちゃうと、自分たちが本来やりたかったことから離れてしまって、本来やりたかったことが出来ないよね、っていう話をしていた翌週に、東京のアートイベントに出ていたんですよ。
そしたら、アート系のイベントのアーティストの人達が、パトロンって大事だし彼らがいないと仕事ができないけれども、あんまりパトロンにお金を貰っちゃうとアーティストとしてどうなの? 本来自分達がやりたかった表現ができないって、まったく同じ話じゃないですか。結構世の中って、違う業界でも繋がる所が多いので、そこでこうパズルのピースをうまくやると、アート業界ではそういった問題をこうやって解決しているんだみたいな事を考えると、自分にとっても良い事になると思いますね。
司会:やはりじゃあ林さんご自身としては、色んな業界を横断的に見ているからこそできるマッチングであったり、アイディア提案であったり、そういうのを武器にして、色んなところに提案をしていきたいという風に考えておられるのですか?
林:そうですね。SONYのCSL、Computer Science Laboratory という所の所長のキタノさんという方がよく言うのが、人間、脳の重さよりも、腸内細菌ってものすごい数あるらしいんですよ。宇宙人がもしやってきて、人間をスキャンしたら、実際人間って生命の集合体じゃないかと言ってるんですけど。それだけ多様な腸内細菌を飼っているからこそ、人間ってどんな病気にかかっても、生き残れてしまう。
そういった色んな視点。自分の業界の中だけの視点だけでやると、あるウイルスがやってきた時に、例えばソーシャルゲームで一斉に殺しちゃうようなインフルエンザ的なあれがやってきた時に、一斉にみんなダウンしちゃうけれども、そこで違うDNAを、自分の中に持っておくと、根を張って、すごい病気が大流行しても、生き残れる人になれるような気がするんですよね。そういった意味でも、多様性を内包するのって結構大事なんじゃないかと思ったりしますね。抽象的な話ですみません。
司会:非常に今日は参考になるお話ありがとうございました。
林:ありがとうございました。
三木谷浩史
楽天株式会社 代表取締役会長兼社長
伊佐山元
DCM共同経営者
佐藤光紀
株式会社セプテーニ・ホールディングス 代表取締役社長
古川健介
株式会社nanapi 代表取締役
吉田浩一郎
株式会社クラウドワークス 代表取締役社長
小林賢治
株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 Chief Game Strategy Officer
岩瀬大輔
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長
川崎裕一
株式会社ミクシィ 執行役員 クロスファンクション室長
川邊健太郎
ヤフー株式会社 副社長
日高裕介
株式会社サイバーエージェント 取締役副社長
朝倉祐介
株式会社ミクシィ 執行役員 経営企画室長
松本龍祐
株式会社コミュニティファクトリー 代表取締役
林信行
ITジャーナリスト
森川亮
LINE株式会社 代表取締役社長
熊谷正寿
GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長
玉川憲
アマゾンデータサービスジャパン株式会社 技術統括本部本部長
舛田淳
LINE株式会社 執行役員
荻野泰弘
株式会社ミクシィ 取締役執行役員 経営推進本部長
藤田晋
株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長
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