2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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三枝孝臣氏(以下、三枝):みなさん、こんにちは。C Channelの三枝と申します。
今、C CHANNELというサービスをやっています。LINEをやっていた森川(亮)が代表、僕が取締役で、クリエイティブ全般を見るということで、今年の7月に入社しました。
前職は日本テレビで、実は6月までいまして、日本テレビのなかでずっと番組制作畑にいました。
『DAISUKI!』という深夜の番組を皮切りに『THE夜もヒッパレ』とか、もうすぐ放送の『さんま&SMAP!』のスペシャルとか、最後は『ZIP!』という番組と『シューイチ』といった情報番組系を作っていました。
最後2年間、インターネットの部署に行ってHuluというサービスの立ち上げなどをやっているうちに森川に呼ばれて、「俺LINEを辞めるんだけど、三枝、日テレ辞めないよね?」と言われて。「じゃあ辞めてやってみようか」ということで、今年の6月から勤務したという感じでございます。
そういう意味で言うと、実は森川とは日本テレビの同期です。森川も最初は日本テレビに入社して、途中からソニーに行って、NHNに行ってというような感じです。
今日はせっかくですので、「なんで日本テレビを辞めてベンチャーに行ったのか」ということや、ベンチャーのC Channelでどういうことをやっているのかをご説明しながら、最後はみなさんといろいろとお話ができればと思っています。
ざっくり概況から言うと、これはテレビのリアルタイムの視聴時間ですけれども、250、300みたいな数字が出ています。右は年齢層が上の方たちが見ている。これはもうすでにみなさんおわかりだと思います。
それから、(次のスライドで)テレビと携帯を一緒に見ているというのが黄色ですけれども、つまりテレビだけで見ているというよりは、モバイルと一緒に見ているという状況があります。
実は、僕らがテレビにいる時には、テレビがファーストウィンドウ、携帯がセカンドウィンドウなんですけれども、時代的にいうともうすぐ……もうすぐというよりは、もうすでにファーストウィンドウが携帯で、セカンドウィンドウがテレビなんじゃないかという印象を最後の2年間は受けていました。
それはなぜかというと、3つのシフトというのがここ何年かで起きていると言われています。
この辺はみなさんもよくご存知かと思いますが、デバイス、タイム、それからプレイスということで、どこでも見られる、いつでも見られる、どんなデバイスでも見られるというように、動画の視聴が変わっていったなかで、どんどんファーストウインドウが変わっていったという状況があるかと思います。
若干データ的な部分がございますけれども、右側が24年度で、左側が平成25年度です。左が新しいデータです。
水色がスマホを使っている人たちで、これはちょっと古いデータで申し訳ないんですけれども、どんどん伸びてきて、とくに若い世代はほとんどというような状況で、完全にモバイルに移ってきているという状況だと思っています。
動画配信、動画元年と、いつ動画がくるんだと言われていましたけど、なんとなく今年が動画元年っぽい雰囲気になっているのは、大きく2つの理由があるような気がしております。
1つは、コミュニケーション型と言われる、いわゆるYouTubeさんとかニコ動さんみたいなソーシャルを入れた感じのものがどんどん動画に移ってきている。Facebookさんも、ものすごい量で動画が今回っている状態です。
もう1つは、いわゆる既存の動画というか、コンテンツをインターネットというインフラに変えてみる、エンターテインメントをプラットフォームに変えてみるという。エンターテインメント型のものがどんどん出てきているということで、この2つが大きく動き出したのが今年だろうと思っております。
僕は、前職のHuluというところにいて、そういう意味で言うと、昔はテレビをインターネットに流すのはものすごいことになっていて、僕がその部署に行った2年前ですら「テレビの番組をインターネットで流すとはどういうことか!」ということで各所からいろいろと言われる状態でした。
今、2年経ったらなんとなくみんな普通になってきた。
こういったなかでいうと、いろんな意味で僕はずっと作り手だったものですから、クリエイティブもずいぶん大きい変化が出てきたと聞いて、インターネットで動画コンテンツを見られるような時代になったらどういうことになっていったのか、注目しているのは何個かありますのでご紹介したいと思います。
アメリカのTastemade(テイストメイド)という製作会社があって、いわゆるフードチャンネルにコンテンツを卸すようなところです。
ここがどんどんインターネットで動画を配信するようになって、食動画を配信している。
直近でいうと、SnapchatのディスカバリーにもTastemadeが載っていて、この間もファウンディングをしたということで、かなり目立っています。
僕らモノづくりの人間からすると、インターネットで専門のコンテンツ製作会社ができて、しかもそこにお金が集まってきてクライアントもついてくるのがアメリカの大きい動きなので、ここらへんが加速してくれると世の中も変化してくるのでは、と。
ただ日本はご承知のとおり、大ガラパコスなので、そこまでいってくれるかわからないですが。
オリジナルコンテンツを動画配信プラットフォームに向けて作る制作会社の動向が、アメリカで重要になってきた。これは当然、ご承知のとおり、Netflixが『ハウス・オブ・カード』というドラマを10億くらいで作って、一気にアメリカの制作と市場の環境が大きく動いた。
そういう意味で言うと、オリジナルなコンテンツが放送局とかではなくて、インターネットというインフラの上にやってくる時代になったということが、相当おもしろいことを生むんじゃないかなと思います。
それからソーシャルプラットフォームを使った動画配信で新しいのが、これはけっこう昔から言われていますけれども、最近僕が注目しているものでいうと「Now This!」というサービス。
いわゆるプラットフォームを持たないということで、昔からいわれる分散型メディアというやつです。
なぜおもしろいかというと、1つのコンテンツを各ソーシャルプラットフォーム向けにバラバラに編集し直して出していて。
これは、作っているほうからすると「俺、これ作ったからこれを出す。出す先はココとココとココ」みたいな感じにどうしてもなりがちなんですが。
「Now This!」のすごいと思うところは、「Facebookだとこういう感じかな、Twitterだとこういう感じかな、VINEだとこんな感じかな」と、1個のソースをばらけてプラットフォームに特化して見せる。
そういうことをやっているので、これは相当「うーん、なるほど!」と感じております。
なので、究極のソーシャルプラットフォームというのはプラットフォームすら選ばないコンテンツクリエイティブになっていくのではないかということで、ご承知のとおりやっぱりシェアされたこと。最初の「Share is all!」みたいな感じになっていくなと思います。
同時に、これから先もビジネスの主役は圧倒的にモバイルになっていくのではないかと。
それはもうデータでもあるんですけれども、PCの視聴がどんどん下がっていて、当然モバイルになってきている。
日本でどうしてもタブレットがいまひとつ伸びてないのは、おそらくみんな電車で通勤しているからじゃないのかと思うんですよね(笑)。
アメリカ人はでっかいバッグをボンと車に入れてそのままガーといけるので。日本的にいうと、こんなに小さいスマホである必要がないし、タブレットのほうがでかくて見やすいので、けっこうタブレットが普及しているんじゃないかな。
これはアジアもそうなんですが、日本の場合はそんなに車でガンガン移動するということもないし、手軽な小さい端末とすごく相性がいいということで、日本およびアジア。世界的に見てもそうですが、とくに日本、アジアはモバイルが動画ビジネスの主力になってくると思います。
実は僕、2011年に『ZIP!』という番組を立ち上げました。今からちょうど5年くらい前です。その時に、なんとなく直感的に「テレビってずっともうダラダラ見てくれないんじゃないか」と思いましたね。それでテレビを細切れにしようと思いました。
なので『ZIP!』という番組は、その当時はとにかく細かいコーナーの積み重ねで、それが『ZIP!』というプラットフォームに乗っている。
『ZIP!』というプラットフォームに乗り終わったら、そのままインターネットに出して、インターネット上で「どうぞ自由に見てください」と。
とくに『MOCO’Sキッチン』は、放送が終わって1週間くらいで、すぐにインターネットで配信しました。
この時にそのプランをやったら、日本テレビの局内各所から「お前! そんなことをしたら誰もテレビで見ないじゃないか。視聴率を下げる気か!」と言われたんです。
でも、「いや、見るとか見ないとか、視聴率が上がるとか下がるとかじゃなくて、きっとこれからみんな知らなくなっちゃうから」と。
つまり、モバイルとかいろんなところでコンテンツを作らないと、きっとテレビが放送されていることすら知らない世界になっちゃうのかもしれないと。
おかげさまで『MOCO’Sキッチン』は狙ってなくて、別にもこみちくんに「オリーブオイルをいっぱいかけてくれ」と僕は言ったことはないですけれども、自然といっぱいかけるようになったら、ソーシャルでブレイクしちゃった(笑)。
おそらくテレビのなかで放送されたソーシャルコンテンツの最初のコンテンツになるのかなと思います。
そんなことで、ここ5年間くらいで時代が動いていくのではないかなと思って、C CHANNELを始めようと思いました。
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