2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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山田雄介氏(以下、山田):続きまして、私メタップスの山田からお話をさせていただきます。よろしくお願いします。今日、お越しいただいているということは、弊社のことはご存知かと思いますが、まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
実は会社概要が少し古いということに今、気付いたのですが、弊社はメタップスと申します。おかげさまで、今年の8月に上場することができました。メタップスを知らない方、どれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手なし)
ほぼ知っているということで大丈夫ですか? 失礼しました、ありがとうございます。
みなさんがご存知の通り、世界8拠点にグローバル展開していまして、SPIKE(スパイク)という決済やウェブ接客などEC事業者さんの収益化のサポートをしている事業とmetaps(メタップス)というスマートフォンのマーケティングプラットホーム事業、この2つをしております。
そのなかで、私はもともとゲーム業界で4、5年くらいゲームを作っていたんですが、今は作る側から、作っている方々を支援する側として活動をさせていただいております。
メタップスでは、2012年から働いています。いろいろなセミナーなどにも参加させていただいていて、こういった場でお話させていただくこともございます。
最近、メタップスはよくプレスリリースも出しているのですが、本日のセミナーのテーマでもある、動画の領域に集中し、新規事業の立ち上げをおこなっております。
例えば、Metaps Video Analyticsというものがあります。こちらでテレビCMの投下量やGRP、プロダクト側のDAUやARP、課金率など、統合で管理して、相関性の把握と意思決定のスピードを支援するプロダクトを提供させていただいております。
また、ちょうど昨日(2015年12月17日)リリースさせていただいたんですが、エム・データさんと業務提携させていただきました。エム・データさんは、テレビ番組の内容やCM、どういう企業がどういうCMをどういう場所でどれぐらい打っているか、テレビ番組でどういうキーワードが流れているかを分析しています。
そういったものを分析されているエム・データさんと業務提携させていただいて、こういった情報がアプリのなかにどういう影響があるのかを調べています。
例えば、最近Yahoo!さんがテレビCMをたくさんやられていますが、どこで、どれくらい、Yahoo!さんがテレビCMを投下しているのか。そこからさらに、Yahoo!さんのアプリの内部で、CMを投下した後、どういう行動が起きているか、ユーザーやダウンロード数が増えているか、最近使ってなかったユーザーが戻ってきてくれているか。
Yahoo!さんは課金するサービスではありませんが、例えば、課金が上がっているかなどの部分を追えるようなプロダクトを提供させていただいております。最近のメタップスは、「グローバル×動画を科学する」というところに踏み込んで、新規事業を立ち上げています。
本日は動画がテーマなので、こちらについて話ができればと思いますが、弊社は先ほど申し上げた通り、CMやテレビ番組の分析にとても力を入れているので、今日はそういった部分についても話をさせていただければと思っています。
まずは前半、市場の課題みたいなグループ間の話ができればと思っているんですが、もうここにいらっしゃっているような方々はご存知の内容が続くと思うので、割愛させていただきながら簡単に話をさせてください。
こちらの資料には、スマートフォンのマーケットでアプリの数がどれぐらい増えているかがグラフで出ています。ご覧頂いてわかる通り、市場が大きく拡大していくにつれて、アプリの数も増え、完全に去年、一昨年くらいからそうなんですが、レッドオーシャン化がますます進んでいます。
そういうなかで、こちらはGoogle Playのランキングですが、今年リリースされたアプリのなかで上位にランクインしているアプリにはどういうタイトルがあるのか調べました。
ほとんどがIP(知的財産)タイトルでした。赤いものがIPタイトルで、アイドルマスターやFate、ドラゴンクエストや妖怪ウォッチ、あとはファイナルファンタジーです。
黄色いものはオリジナルなんですが、左上がセガさんのタイトルで、自社からユーザーを大量に流し込んでユーザー数を増やしました。右下はクラッシュオブキングスです。これは海外のタイトルなんですが、リリース直後にテレビCMが打たれるくらい大規模に展開されているアプリです。
無名オリジナルで、あまり自社のトラフィックを持っていなくて、よほど広告費を注ぎ込んでいないようなタイトルは実質上がっていないのが現状です。
なので、プロモーションをして知名度を上げるか、もしくははじめからIPを持ってきて、認知度の高い状態にするか、これらコンテンツ以外は、上位へのランクインが難しいという市場に現在はなっています。
この市場自体が成熟期に入ってきているので、こういったなかで勝ち抜いていくためには、多くのアプリのなかで埋もれずに、どうやってユーザーに知ってもらうかという部分が重要になってきます。
やはり知ってもらうためには、リーチ数で考えると、今後はWebに、もっとトラフィックが寄ってくるとは思うんですが、まだまだマス向けで考えると、テレビ、オフラインを活用していく必要があるということです。
「それでは、認知度が低いからテレビCMをやりましょう」と言えるようなタイトルはあまりないと思うので、こちらがしっかり戦略を立ててやっていかないと、お金を使えばいいという話でもありませんし、そもそもその原資をどこから持ってくるのかということもあります。
なので、こういった「認知度を上げないといけない」けれど、「どうやって上げればいいのか」ということが、市場の課題として残ってきます。
今日はそのなかで、テレビCMについていろいろな話をさせていただいたので、テレビCMを出稿しているのはどういうタイトルなのか、この辺りを深堀りして話していきたいと思います。
まず、こちらがトップセールスです。売上の出ているアプリなので、売上の入っていないアプリは除いたランキングです。
これを調べたところ、ランキング100位以内のアプリは、テレビCMを打ってるところが赤いものです。ほぼ真っ赤っかです。100アプリ中75タイトルは、テレビCMを実施したことがあるということになっています。
これはメタップス調べなので、「このアプリもテレビCMやってたよ」というものがあったら、あとでこっそり教えてください。
また、テレビCMを打つまでに、どれくらいの期間がかかって打っているのかも調べてみたんですが、2013年にリリースされたアプリについては、テレビCMを打つまでにアプリをリリースしてから1年から1年半くらいかけて、ようやくテレビCMのフェーズだったんですが、2014年には半年強になりました。
今年については、なんとリリースしてから、テレビCMを打っているアプリに限っているんですが、CMまでの期間が2ヶ月くらいになってきていて、今後2016年、2017年と考えていくと、ますますテレビを活用していくことが重要になってくると思います。
ただ、この期間が早くなっているのは、市場がそれだけ大きくなってきたとも言えます。マス向けにプロモーションしても、ちゃんとリーチできるくらいの市場規模になったのが大きいと思います。
また、アプリのジャンルによって、テレビCMを打つまでの期間がどれぐらい違うのかも少し調べてみました。アイコンを置いているのはイメージなので、これらのタイトルがそうでしたということではないです。オリジナルのタイトルは、リリースしてから約8.4ヶ月くらいでテレビCMに踏み込まれる傾向にあります。
一方、IPタイトルは、なんとリリースから1ヶ月後です。これは平均値なので、あくまで平均データになるんですが、リリースしてから1ヶ月後にテレビCMが出ます。1ヶ月後に打つということは、事前から準備していないとできません。
なので、アプリをリリースする段階から、テレビCMをセットで動かしていることが多いと思います。なかには、事前登録のタイミングからテレビCMを打ったり、翌月ではなくて、リリースして1週間後、当月にテレビCMを打っているようなタイトルもあります。
ちなみに、テレビCMは、どれくらいの売上が出ているタイトルが実施する傾向にあるのかも調べてみました。
もちろん想定の月商になるので、月商の算出の仕方はのちほどお伝えさせていただきますが、オリジナルのタイトルは、想定の月商が約2億円くらいになると、テレビCMを打ち始める傾向にあります。これはテレビCMを初めて打ったときの想定月商で出しています。
IPタイトルは、だいたい半分の1億円くらいなので、オリジナルよりIPのほうが売上の少ない段階で打っているように見えますが、実質、IPタイトルはリリース直後にテレビCM打ったりするので、その場合は想定月商0円になってしまう。そういうノイズが若干入っているということはご了承いただければと思います。
先ほどお話しした、月商の算出の方法なんですが、トップセールスのランキングを見ながら、ここにこれくらいいれば、これくらいの月商がたつ。ランキングは毎日動くので、これが固定値ということではないですが、この想定をもとに算出しています。
まとめると、このような結果になります。オリジナルのタイトルはリリースから半年強、月商が2億円くらいになるとテレビCMをかけ始める。IPタイトルは1ヶ月後、売上でいうと月商1億円でテレビCMを打つ傾向にあります。
まだ、テレビCMを実施していないと思われるタイトルで、この条件に当てはまるものをいくつか探してみると、6つくらい当てはまるものがあったので、この辺りのタイトルがもしかすると来年にはテレビCMをしているかもしれないと考えられます。
また、テレビCMを打った後についても少し精査をしてみましたが、どれくらいのアプリがCMを打った後にちゃんと成功しているのか。もちろん成功の定義はアプリや戦略にもよるので、必ずこれだというものはありません。
今回の調査をする上で、前提条件をつくっておかないと調査ができなかったので、ここでの成功の定義は、売上がテレビCMを打つ前に比べて伸びているか、先ほどの売上ランキングが上がっているかです。
あとは、トップセールス上位にいたアプリがそのまま落ちずに売上が維持できたか、の2点をどちらか満たしているものについて、成功していると定義をさせていただいております。
それで、こちらで成功確率を調べてみましたが、半数以上、6割くらいのタイトルがCM出稿前と比べて売上のランキングが上昇しています。もしくは、上位ランキングを維持しています。
また、逆の面から考えると、35パーセントのアプリがテレビCMを打った後に、売上ランキングが下がっているということがわかりました。約4割のタイトルが、テレビCMに約数億円のコストをかけてもランキングが下がってしまっている。
なぜ成功しているのか、なぜ失敗しているのか。2016年はよりいっそうテレビCMが重要になってくるので、このデータをより深く分析をしていく必要があります。
弊社では、そういう情報をプロダクトを通じて可視化しています。例えば、テレビCMで勝っているタイトルは、どういうことをやって、どういうテレビCMの使い方をして勝っているのか。また、自分たちの分野に活かせるのはどういうところか、ということをMetaps Analyticsでデータ提供させていただいています。
ぜひ、このあたりに興味がある方がいれば、本日でも後日でも、気軽に連絡をいただければと思います。以上です、ありがとうございました。
(会場拍手)
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