2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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岩本有平氏(以下、岩本):入ってますね。(会場に)800人入ったらしいです。
森川亮氏(以下、森川):すばらしいですね。
岩本:本日よろしくお願いいたします。
森川:はい、お願いします。
岩本:前段として、僕はTech Crunchの日本のスタートアップの記事を書かせてもらってるんですが、今でいうTech Crunch Tokyoは2回目です。この1年くらいの2回で、一番ソーシャルでシェアされた記事って、森川さんのC CHANNELの立ち上げの記事でした。いいね数で5,500くらいですか。
森川:すばらしいです。
岩本:ツイートのシェアでも、1,000よりは高かったと思います。あれは4月……5月?
森川:そうですね。4月10日ですね。
岩本:そこから半年弱経って、「C CHANNELってどうなっているんでしょうか?」ということを伺いたいなと。少し前に著書も出されたので、組織論の話がすごい話題となってくるんですけれども、そのエッセンスだけでもこの30分、40分で伺っていければなと思っております。
最初にちょっと「C CHANNELとはなんぞや?」というところを、みなさんご存知だと思いますが、改めて近況も含めて、森川さんに伺っていければなと思います。
森川:今年(2015年)の4月10日からC CHANNELというサービスを開始しました。これから動画の時代が来るということで、さまざまな動画のサービスが立ち上がっていて、大きく分けるとYouTube上の動画のサービスと、もう1つはFacebook上のショートムービーという2つがあると思うんですけれども。
ただ、どっちにしてもやっぱり巨大なプラットフォームだけに依存すると、リスキーだし、独自プラットフォーム作りたいなということで、ある意味動画ブログ的なアプローチで、クリッパーと呼ばれる(投稿者の)女性たちが、動画のブログをアップするというものを開始しました。
どういうことかというと、今単純に動画を「ハイ」っと上げるというのだけではなくて、クリッパーという名の女性たちが自分で撮りに行って、自分が映って、かつ独自の編集用アプリで編集してアップすると。それが今、世界中で150名くらいで活動している。
岩本:150名ですか。世界ですか。
森川:今まあ、ニューヨーク、ソウル、台北、シンガポール、バンコク、ジャカルタとか。あと国内でも札幌、福岡、関西、東海、東京もですけど、展開しています。当初、動画ブログという形で開始して、思ったより伸びなかったんですね。
岩本:そうなんですか(笑)。意外な話を。
森川:そこから単純に、有名じゃない人が動画を上げてもそんなに話題にならないということで、ViViさん、non-noさんとかそういう女性雑誌。あとは、アットコスメさんとか食べログさんとか、そういうサイトと組むことによって、ブランディングもできて、また見るほうの意識も変わって、結果250万再生にいって、そこからさらに個人参加と英語版、中国語版を立ち上げて、かつアメリカの会社と提携して。ちょうど今月に1,000万再生を超えたというかたちで伸びているという状況ですね。
岩本:今アプリ立ち上げると真ん中にある録画ボタンで、もう自分で投稿できるようになっていますよね。最初は本当にクリッパーに限定して、投稿させていたという状況だったと思うんですけれども。見たらえらく変わってるなと思って……。
岩本:もう少し数字の話も伺いたいんですが、今基本的に出されている数字でいうと、月間1,000万視聴という数字だけなんですが。ユーザーの属性だったり、どういう志向で見られているのかみたいなところをもう少し教えていただけませんでしょうか。
森川:基本女性の動画のファッションマガジンで、7割くらいが若い女性、F1層中心なんですが。もうちょっと詳しく言うと、やっぱり今の若い子って特にパケット代を気にするので、朝方伸びるんですけど、基本(見られるの)は夜なんですよね。一方で、昼間上がるところは、それこそ主婦の方が見てまして。
岩本:自宅でWi-Fiがある環境で見ると。
森川:そうですね。なので、実際にはF1層プラス、ちょっと上の層も見ていて。いわゆる若い人向けっていうと「私若いのよ」と。ファッション誌もそうなんですけど、ちょっと上の方も若いつもりで見ていると。
岩本:若いつもりで(笑)。
森川:あとは男性の方々は、女性たちが好きなレストランかな? お店情報をキャッチして、予約するみたいな行動も起こってますね。
岩本:男性のユーザー、視聴者というのも結構多いんですか?
森川:大体2割から3割くらいで。
岩本:2割。
森川:主にフード系ですね。フードって女性が自腹で行っているので、やっぱり安くておいしいお店が多いということなんですね。
岩本:ラーメンとか、僕も最近見ましたね。
森川:ありがとうございます(笑)。
岩本:男性女性の比率もそうなんですが、ちょっと気になってるのは、スタートしたときはWebだったと思うんですが。最近アプリもすごいアップデートされていて。そのWebとアプリの比率、またはWebでもPCとスマホってあると思うんですけど、そのあたりはどういう割合なんでしょうか?
森川:1つがいわゆるSEO対策っていうんですか。動画というのは(検索に引っかかるのが)なかなか難しい。なので、最近はニュースアプリとかで動画につなげるような……それはちょっと伸びているんですけど。
一方で、どうしてもそういう方って行って見るとそこで帰っちゃうので、滞在時間短いんですよね。一方で、アプリの場合はWebに比べて大体7倍くらい長くいますし、それでトラフィックの数も多いので。そういった意味だと、Webで伸ばしたいなら、今後アプリのほうでより強化していくというところが1つと。
あと一方で、みなさんご存知のとおり、ソーシャルメディア上の動画の対応が今ものすごく進んでいて、Facebookやtwitterの動画再生数が急激に伸びているんですね。僕たちの数字だとYouTubeよりそっちのほうが多いみたいに。
もちろんそこも強化していきながら、ぐるぐる回していけるような仕組みを作ろうと思ってます。
岩本:そのぐるぐる回るような仕組みでいうと、記事でも紹介されたあとに外部の方から何度か質問を受けたお話で、4,300万時間の再生で、その時点での月間のページビューが100万PVという数字があったんですけど。
これ、1人のユーザーさんが相当な時間見てる計算になると思うんですけれども、そんなに見ているんですか。43時間とかですよね。ヘビーユーザーになるとそのくらい見てるってことですか。
森川:短い動画が多いので、次から次へと見ていくという視聴行動になっていますね。なので、1回の時間は短いんですけれども、まあちょこちょこ、つまみ食いポテトチップスみたいな感じで、頻繁に見るという行動は起こってますね。
岩本:そうなんですね。「いや、これ本当なんですか?」という問合せをいただいて、「いや、仰ってたんで」というふうになりました。
岩本:以前に取材させていただいた比較でいうと、もう1つ伺いたいのが、広告のお話ですね。創業当時ですと、1年は広告とか採算度外視でまずはとっていくんだと。
資金も5億ですし、調達からスタートされているので。まずはもうこの1年落っこっていくんだとおっしゃられたのが、もう半年も経たないうちにナショグラ(ナショナルジオグラフィック)さん含めて、動画広告を始められているようにお見受けしたんですが、そのあたりって変化があったんですか。
森川:事前に動画広告のニーズが高かったので、始めようかという話になったんですけど。厳密に言うと、動画広告ではないんですよね。実はコンテンツを制作する要素のほうが強くて。
ネット上って、だんだん動画メディアになっているんですけれども、いざ自分たちの商品を紹介する動画を作ろうとすると、うん百万とかうん千万になってしまう。なかなか手を出せなくて、テレビCMを流す、でもライセンスが権利処理できないという中で、僕たちは100万円で4分の動画を作って、かつ配信までやるっていうところなので。
広告としての要素も大きいけど、むしろ動画を制作して、自社メディアとして配信もできるというところも強みですよね。実際に普通の広告と比べてコンテンツ化しているので、普通のコンテンツと同じか、もしくはそれ以上のアクセスがあるという状況になってきていますね。
岩本:いわゆる動画系のスタートアップというふうに区切ると、動画の制作に特化したスタートアップの会社だったり、動画の広告ネットワークに特化したようなスタートアップがあると思うんですが。
そういう考え方でいくと、C CHANNELというのは、プラットフォームもあります。制作の機能もあります。広告の案件もやりますと。どういう位置にいる、もしくはどこがベンチマークすべきような会社になると考えてるんですか。
森川:一番大事にしているのは、ブランドですね。スタートする時には、MTVとかCNNみたいな会社を作ると。MTVとかCNNというのは、別にケーブルテレビだけで観れるわけじゃなくて、イベントもやるし地上波でもやるし、ともかくそのブランドが表に出るか出ないかなんですよね。
僕たちのコンテンツを見ていただくとわかるとおり、CMにも僕たちのブランドが出ているということで、さまざまなところに僕たちのブランドが出る場合と、正直今、デジタルサイネージからのオーダーも高くて、日本中に広まっているんですけれども。流すものがないということで、みなさんC CHANNELの動画を流し始めた。
岩本:あの縦長のフォーマットというのは、最初から結構おっしゃっていましたけど、受けはやっぱりいいんですか? そのデジタルサイネージとの親和性が一番いいんですか?
森川:それもそうですし、やっぱり特にアメリカにおいては縦長の動きが急速に高まっていて、いろんなメディアが縦に対応してきていますから、この動きは間違いないかなと思いますね。ゲームでもやはり横から縦に変わったので。
岩本:わかりました。
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