
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
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小林雅氏(以下、小林):今、聞いて「楽しかった」っていう人どれだけいらっしゃいますか?
(会場挙手)
小林:刺激受けますよね。「こんな会社あったんだ!」みたいなのから始まり、「そんなマッサージルームもあるのか!」という話だと思うんですけども。ここからはオープンに質疑応答受けたいと思います。
質問者1:今、国際教育に特化した学校の口コミサイトを作っています。質問は千葉さんにいくつかあります。
3年後、5年後の将来を考えながらなさっているということだったんですけど、業界のトップになるということ以外に、どういうことを考えていらっしゃるのか、ということが1つです。
もう1つは日本の強みというのが、ゲーム業界で表れているということだったんですけど、例えば他の業界でそれを応用できるという分野があるとしたら、どういった業界なのかということをうかがいたいです。
小林:わかりました、では千葉さんなんですけども、お三方に同じような質問を聞きたいなと思います。じゃあ、千葉さんからいきましょうかね。
千葉功太郎氏(以下、千葉):最初の質問が……3年後?
質問者1:3年後から5年後どういうイメージというか……。
千葉:そうですね、みなさんぜひ意識してほしいのが、日本で閉じてなんかやっていてもあんまり意味がないと思うんですね。ちょうどこの間、日本の0歳児の出生数が初めて100万人を割りそうというニュースが出ましたが、予定通りいくと、たぶん日本は人口が減っていって、非常に国力が下がっていくと思います。
それを前提とした国内のビジネスの設計、および絶対に世界で戦うためには何らかのプロダクトを外に出していかなくちゃいけない。つまり、日本の5年とか10年のスパンで弱くなっていく。でも、世界に出て行って、そこから大きな市場を取っていかなくちゃいけない。こういう設計が大前提になると思っています。
プラス細かいところでは、スマートフォンが売れ出して、じゃあ今、市場のスマートフォンの普及率が何パーセントなので、あと1年、2年たったらサチュレーションを起こして市場が飽和してくるから、非常に国内もレッドオーシャンになってきますねとか。データを見れば大局の動きって基本的にはわかると思うんですね。
それに対して自分のビジネスの3年、5年というのをどういう波でやっていくのか。なんとなく今の状態がただただ3年間続くわけでは絶対にないので、ある程度大きな流れを前提として動いていくというのはやったほうがいいんじゃないかなと思っています。僕が心がけていることです。
それに伴って、世界に目を向けて僕のやりたいことは、やっぱり世界中のお客様に使っていただいて日本を強くするところ。さっき言ったとおり、正直ほっとけば弱くなっていくと思っているので。僕は日本人として、やっぱりもっと日本に強くなってほしいなと思います。
このまま弱くなって、どんどん世界で見えなくなっていくのはいやだなと思っているので、世界中のサービスを使って入れた売上を日本に持ってくることで、日本に納税できればいいなと思っているんですね。
なので、やっぱり世界中で流行らせなくちゃいけないなと。やっぱり日本の国力の1つは、納税をすることで国が強くなることだと僕は思っているので、しっかりと外貨を稼ぎにいく、車以外でもIT産業でそういうことができたらいいなと真剣に思っています。
小林:じゃあ水野さん、同じ質問を。3年後から5年後のイメージ、ライフイズテック、どうですかね?
水野雄介氏(以下、水野):僕は教育の会社なので、2020年くらいに学校を作りたいなと思っていて、新しい学校の仕組みが必要で、そのためにお金も必要なんですけど、新しい21世紀に合った学校の仕組みを作りたいと。
僕は25年くらい(のスパン)で見て、結局資本主義がどうなるのかというところでまず変わってくるので。つまり、価値の基準が(変わってくると教育の仕組みも変わってくるということ)ですね。そこは考えないとして、教育がどうなってやっていったらいいのかというところなので。
僕は、プログラミング教育は1つの手段だし、子供の可能性を伸ばす1つの手段ですけど、学校を作るとか、先生のためのプラットフォーム、あと僕はアントレプレナーシップ教育をやっていかなければいけないと思っているのでそこと、あとグローバルとつなぐ部分をやりながら、世界のディズニーみたいな教育の会社になっていきたいなと思っています。
小林:いいっすねえ。じゃあ、相川さんどうですかね? 3年後から5年後。別に10年後でも20年後でもいいんですけども。
相川雄太氏(以下、相川):そうですね、まず前提としてゲーム事業、エンタメ業界って、まあ娯楽ですよね。おそらく3年後から5年後、もしくは10年後、20年後、なくならない業界だと思うんですよね。かつ、市場規模でいっても、ゲーム業界は右肩上がりでずーっと伸びていって、この先もまだまだ伸びる。
頭打ちになったとしても、規模としては世界でもトップクラスの規模になっているというところで、3年後から5年後もおそらくゲーム事業というのはやっていくのかなとまず思ってます。その上で、やっぱり規模が大きい分、成功したり、ヒットタイトルが生まれると、資金というのもそこそこ増えてきていますと。
そうなったときに、それこそ教育事業であるとか、他の事業であるとか、まだない事業でワクワクしそうな事業というのは挑戦していきたいとは思っていますね。
小林:なるほど。2つ目の質問ってあれですよね? 日本の強みみたいなことですよね? 現在強いからといって10年後、20年後いいのかという議論もあるのかと思うんですけれども、そういった観点も含めて、この世代に伝えたいこととかってありますかね? 千葉さん、何かありますかね?
千葉:さっきの繰り返しになっちゃうんですけど、日本はやっぱりエンターテインメントが強いなと思っていて、漫画、アニメ、ジャパニーズ・ポップカルチャーですよね。非常に強いなと。ゲーム、漫画、アニメのようなエンターテインメントを生み出す力は、昔から非常に強いなと思っているので、この力は十分レバレッジがかかるんじゃないかなと思っています。
もう1つは、日本の文化は意外といいなと思っています。例えば旅行、インバウンドの海外旅行者が日本に来るというのも含めて、日本の文化というのは十分売り物になる。
和食も世界無形遺産に登録されましたが、いいんじゃないかと思っていて、そうすると日本の文化ってもうちょっと紐解いていくと、クオリティだったり、美しさ、安全性、きれいさみたいなものも非常に強みの1つになってくる。
あと最近だとアフォーダブル。やっぱり日本って安いですよね。円安もあって、いろんな物が非常に安いです。なので、世界と比較すると、日本は高いというイメージもそんなにないのではないかと。なので、全体的なパワーというのは、十分いろんな面で生かせると僕は思っていますね。
小林:(水野さん)どうですか?
水野:日本の強みということでいいですか?
小林:ええ。
水野:私はオタク文化というのが強みだなと思っていて。さっきのエンターテインメントにも通ずるんですけど、たぶん他の国より1つのものに集中する力が強いんじゃないかなと。たぶん飽きない、だからいい物を作れる力が強いと。そのオタク文化とイコールですね。
なので、まだまだ新しい日本を作れるんじゃないかなと。それで、世界とつながれるインターネットがあるので、そこの強みが生きるような人材を育てていきたいなと思っています。
小林:(相川さん)なんかありますかね? 付け加えるようなことがありましたら。
相川:付け加えるとすると、日本の強みってやっぱり細かい作業ができるというところがすごくあると思うんですけど。他にも、今うちで作っているゲームでいうと、いろんな部署をまたいで作業をしたりするんですよね。
部署が増えれば増えるほど、時間もかかるし、コストもかかるんですけど、そこの連携性みたいなところが、日本人はすごくやりやすいなとか、マメなところまでやりやすいなと思うので、そういったいろんな事業をまたぐような事業、その1つがゲーム事業だったりするんですけど、やっぱりクオリティの高い物が作れるなという印象がありますね。
小林:はい、続きまして質問をしたいと思います。
質問者2:今、休学をしていて、1年間ベンチャーで学んでいる最中なんですが、お聞きしたいことが1点あります。さっき水野さんが講演の中で、情報革命の中の市場で勝負したほうがいいというお話がありました。
自分自身もWeb業界であったり、情報革命の中で市場に挑戦したいなと思っていて、今アプリの開発とかITを学んでいるんですけど、アプリを学ぶということ以外に、経営者として何を学べばいいのかなというのが悩んでいるところなんですが。
小林:なるほど。つまり、自分は起業したいということですね?
質問者2:そうですね、はい。
小林:起業したいんだけど、経営者になるには……。
質問者2:アプリとかITの技術をもっていたほうが、市場に対して勝負できるんじゃないかなと思って、今アプリの開発とかITの勉強をしているんですけど、千葉さんのお話であったみたいに雑用から今の立ち位置に立っているということで、何を(身につけたのか)……。すいません、脱線しつつあるんですけど。
小林:(相川さんは)23歳ですから、たぶん年齢がすごい近いときに起業していると思うんですけど、ちなみに何をしたんですか?
相川:とにかく人に会いましたね。もう学生のときはいろんな大人に会って。やっぱり学生って特権があって、大人って学生が好きなんですよね。なので、ある程度馬鹿なことを言っても許されたりとか。
今いろんな大人に会えるチャンスだと思うので、そこでいろんな人に会って、あとは同時にいろんな仲間というか、「将来この人とできそうだな」という人を常にアンテナを張って、日々過ごしていたというのは間違いないですね。
小林:どんな人に会ったんですか?
相川:僕は学生のときは、出版社にいたんですよね。「編集したい」みたいなところがあったので、そのときはいろんな大手の出版社の編集者とかにバーッと会いに行って、そこで経験していったんですけど、「やりたいことは編集じゃないな」と。やっぱり経験して気づくんですよ。「メディア作りたいんだな」みたいな。
どんどんステップアップしていくんですよね。それで、「メディア作りたい」の次に、「いや違う、起業したいな」というふうに変わってきて……という感じで、経験して人に会うというところでどんどん思考が変わっていくので、すごく大事な経験だなというのはありましたね。
小林:いい話ですね、人との出会い。ちょっと聞いてみたいんですけど、水野さんは誰に影響を受けたんですか? 誰というか、「こういう経験で俺は変わったんだ」というような人との出会いってありますか?
水野:人との出会いですか? うーん……まず品川女子学院という女子校があるんですけど、女性の校長先生がいて、その学校がすごく良くて。
新しい学校で、例えば企業を招いて品女用のサンリオの商品を作ったり、東アジアのほうに学校を作ったり、いろいろやっているんですよ。そういった、新しい教育の実践をされている校長先生に会ったのがすごく大きかったなと思っています。
あと、起業したときに僕は『龍馬伝』を見ていて(笑)、やっぱり「龍馬すげーな」と思っていて、日本のために人生を使うじゃないけど、あそこの勇気の一歩目というのを踏み出せたのがすごい良かったなと思っていますね。
小林:千葉さんは、学生時代はどういう人との出会い方というか、過ごし方をしていたんですか?
千葉:学生時代はオタクだったので、学内にずっと引きこもって作っていましたね。エンジニアの友達と一緒に物作りをしてました。僕はデザイナー担当だったので。
CD-ROMを作っていたんですけど、ずっと物作りをして、稼いで、作って、稼いで。それで24時間、近くのアパートにこもって、学校はちょこちょこ行きながらという生活をしていたので、あんまり出会いはなかったですね。
小林:「この人と出会って良かった」という人はいるんですかね?
千葉:さっき考えていたんですけど、僕の場合はKLabの真田(哲弥)社長じゃないですかね。ずっと7年間、創業から一緒にやって、本当に「ザ・ベンチャー」みたいな方なんですよね。人生ベンチャーみたいな。何もないところから作っていくと。
一緒に過ごしてわかるんですけど、毎日何か新しいアイデアを考えているんですよね、毎日毎日。それで、「やりたいやりたい」って言ってる。これすごいなと。「これくらいないとベンチャーで生きていけないんだな」というのを学んで、今に至るかなと。だからやっぱりさっきの僕のメッセージで、「考えて動く」ってすごい重要だなというのが根幹にありますね。
小林:こんな感じの答えでいいですかね? 考えながら動くという。
質問者2:はい、ありがとうございます。
小林:おそらくこの辺の(会場にいる)人たちって100人くらいしかいないから、みんな話せると思うんですよ。とりあえず「俺と一緒に何かやろう」と言ったら、1人くらいはやってくれる人がいるかもしれません。それくらいの行動力がいいんじゃないでしょうかと。
千葉:エンジニアの勉強をしているんでしたっけ?
質問者2:そうですね。エンジニアを学びつつ、他のサービスの運用であったりとか、そういう……。
千葉:すばらしいと思います。起業家になるんであったら、絶対にエンジニアリングは身に付けたほうがいいです。それなくして、21世紀の起業家は作れないんじゃないかというくらいの気持ちを持っていて、そう思ったときに、今のエンジニアの社長とコンビを組んでやっているので、もし人生20年巻き戻るんだったら、絶対に深くエンジニアをやりたいですね。
その上で、それを軸にいろんなことを身につけていきたいなと。僕が人生で一点後悔しているのは、そこを後悔をしているくらい。なので、みなさんには迷わずエンジニアリングを身につけてほしいです。
質問者2:はい、ありがとうございます。
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