
2025.02.12
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スタートアップ・ピッチ3 コロプラ(全1記事)
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千葉功太郎氏:こんにちは! 今回、僭越ながら(プログラムの)表紙を務めさせていただいた千葉です(笑)。よろしくお願いします。「白猫プロジェクト」とか「(魔法使いと)黒猫のウィズ」とかを作っているゲーム会社です。グラニさんに続いて2社目です。僕は今、次世代部長としても創業からやっているのですが、次の一手、次の3年後のところをやっていこうかなと思っています。
簡単に自己紹介です。僕は慶應藤沢キャンパスの出身です。大学の頃会社をやっていたんですが、リクルートという会社に新卒で入りました。ベンチャーをやりたかったのですが、学生起業をして一所懸命働いていたので、当時ベンチャー企業に入るという選択肢がなかったんです。
裸一貫でやるかやらないかぐらいの究極の2択の中で、「いったん大きな会社を見てみようか」ということでリクルートに行った後、ずっとベンチャーです。
リクルートをたった3年で辞め、サイバードというベンチャー会社に行きました。サイバードはモバイルコンテンツのベンチャーです。1年でマザーズで上場し「子会社を作ろう」となり……知ってますか? 六本木ヒルズにあるKLabという会社。もともとケイ・ラボラトリーという名前だったんですが、途中でKLabという社名になりました。
最初は子会社だったんですが最終的には独立して、ここの創業取締役としてベンチャー企業の立ち上げを7年やりました。そのときに出会ったエンジニアの馬場(功淳氏)と一緒に2009年、コロプラを創業しました。
うちの会社はスマートフォンのゲームを作っているんですけども……いっぱい作っています。
いろいろ作っていますが、全部内部で作っています。ゲーム会社は開発パートナーと一緒に作ることが多いです。しかし、コロプラの特徴はクリエイターな会社で、徹底的にコロプラ内部だけで作っていくというのをやっています。
どんな感じでこの会社が大きくなったかというと、さっきグラニさんの話がありましたが、あんなスピード感じゃないです。
この写真は2009年の1月に、僕と代表の馬場と2人で秋葉原の近くのマンション一室だった時の写真です。2人しかいなかったので、2人で仲良く映った写真がなくて、代わりばんこで写真を撮りました(笑)。「きっと将来大きくなるから、このときの写真をどっかの講演で使えるんじゃない?」ということで、今日使ったわけです。
マンションは家賃8万円でございます。ここで、僕と社長、そしてデザイナーの女の子とサーバさんがいて、仲良くやっていました。社長はエンジニアで僕は雑用。何でもやりました。
「コロニーな生活」という位置ゲーを作りました。たぶん、位置ゲーとして世界で初めて大規模でやった会社なんじゃないかと思います。
そして、今はこんな感じです。今は500人、600人くらいの方々が働いているんです。楽しいですよ!
今日来ているみなさん、すごくいいと思うんです。なぜかというと、平日に雨の中、会社や学校を休んでまでこのイベントに来ているというのはすごいと思います。
そんなみなさんはベンチャーの世界に興味があると思うんですけど、何がワクワクするってこれですよね! さっきの(写真の)マンションの一室で給料ももらえずやっていたところから、こんなになるんですよ!
数字で見るとこういう感じです。時価総額は、何とありがたいことに3150億円。東証一部上場させていただき、今年の4月単月のスマートフォンのアプリが売上ランキング世界9位。昨年、1年間の平均の売上ランキングが6位。そして今、94タイトルくらい出しています。うれしいじゃないですか!
最初1個のところから徹夜して、「頑張ってみんなで世界を取るぞ!」って言いながらここまできました。残念ながら我々、まだ世界を取れていません。やっぱり1位になりたいですよね!
「1位になるには赤いドラゴンを倒さねば!」と思いながら、この1年間やってきたんですが、この1年のうちに赤いドラゴンが2つに増えてしまって(笑)。なかなかきつい世界だなぁ……と思いながら頑張っています。
売上は何とか伸びています。ゲーム業界の特徴だと思うんですが、いくつかヒットゲームが生まれたりすると、それに伴って増えていきます。ただ、エンターテイメントなのでアップダウンが激しいです。なので、アメリカの映画会社と同じように、たくさんの良質なゲームを戦略的に提供していくようにポートフォリオを組んでいきます。
よく「ゲーム業界って不安定だよね」とか、「ゲーム業界ってダメだよね」と言われることが多いんですが、それをカバーしていくようにやっています。
そして、世界売上ランキング。これが今年の4月単月のアニーさん(App Annie)のデータですね。
これが去年の1年間ですね。これを見ていただきたいんですが、世界のスマートフォンのアプリの売上高を上から1位から20位まで順番に並べたオールランキングです。うちは、6位になってうれしかったです。その前の2013年が11位だったので、5ランクアップしました。みなさんに見てもらいたいのが、このオレンジ(の文字)です。これ、すごいと思いません?
IT業界広し! といえども、日本あるいは日本勢がこんなに頑張っている市場ってありますか? みなさん志が高いと思うので、「世界を取りたい」とか「自分が作ったサービスを世界中に使ってほしい」という野望があると思います。だとしたら、勝てる分野でしっかりと勝っていくというのがいいんじゃないかな。
日本人はやっぱりゲームが得意ですね。ゲームの文化もゲームを作る側の能力も、エンターテイメントを作る能力も非常に高いんじゃないかと僕は思っています。その証拠に、数々の老舗のゲーム会社様から、ぽっと出の我々の新しいゲーム会社まで、世界のランキングで戦っているんです。
みなさんがやろうとしている、あるいは飛び込もうとしている業界が、日本人または、日本のプロダクトとして世界で戦えるかというのは結構重要だと思っています。
僕はゲーム業界が大好きですが、よく「ゲームってどうなのよ?」って言われることが多いです。しかし、ゲーム業界は日本が輸出できる非常に魅力的な産業だと思っています。
ということで……うちのゲームの作り方ですが、実は非常にシンプルで、難しいことはやっていないです。既存のゲーム業界をいろいろ見て「逆をやってみようかな」と。複数のゲームのプロダクトを兼任せず、専任でやってみたり、少人数でやってみたり……そして、エンジニアとデザイナーが一緒に作品を作るという文化ですね。
コロプラのちょっと変わっているところは、プロデューサーがいない会社なんです。基本的な考え方として、ゲーム業界はプロデューサーという人がいて、その人が全体の企画を考えて、エンジニア、デザイナー、あるいはプランナーに指示を出していくような作り方をしているんです。
しかしコロプラは、エンジニアと企画が一緒になって議論しながら作っていくというやり方に固執しています。なぜかというと、最初、社長でエンジニアの馬場と雑用係の僕、そしてデザイナーの女の子だけで、企画担当がずっといないまま過ごしてきたんです。
よく考えたら、「みんなで話し合って、みんなで作ればいいじゃん!」となって。3人のときは企画書も仕様書もなかったんですが、それが心地よかったんです。
仕様書を作ると、その通りに実装しなくちゃいけない気がしてくるので、「気持ち悪いな……」ということで、自分たちが気持ちいい進め方、気持ちいいやり方をやってきました。
その結果、「白猫プロジェクト」も「(魔法使いと)黒猫のウィズ」も、なんと恐ろしいことに企画書も仕様書もないんです。どうやって作っているかというと、コンセプトと方向性だけを決めた後、プロトタイプを作ります。
そしてそれをずっと積み上げていく、ちょっとずつ改善していくやり方で、プロトタイプ積み上げ型の作り方をしています。言ってみれば、行き当たりばったりですよね。みなさんが研究でアプリを作ったりとか、チームでアプリ作ったりとかと基本的には一緒です。それぞれの立場から意見を出し合って作っていく、これがいいんじゃないかと思っています。
なので非常に怖いです。しっかりとレビューをしたりとかしないとダメなんです。一本芯を通しているのは、「ユーザーへのプレゼント」という考え方です。「何のためにゲームを作るのか?」といったら、自分が作りたいものを作るわけではなく「届けたいお客様にプレゼントを作りたい」とういうことです。
よく社内で言っているんですが、例えば自分はガンダムが大好きで、初めて付き合った彼女の誕生日が来週だから誕生日プレゼントは、レア物のガンプラをプレゼントしてあげよう! だけど彼女は喜ぶかな?
このように、みなさんが何かサービスを作りたいと思ったときに、そうなってないか? と考えるのはすごく大切だと思っています。なので「プレゼント」という考え方を大切にしています。
今うちの会社が、これから未来に向けて一生懸命頑張っていることが3つあります。1つは学生の採用を頑張っています。今年63人の新卒が入ってきて、来年が100名ぐらい入ってきます。
あと、ヴァーチャルリアリティ系の開発と学生起業家支援、この辺を頑張っていきたいなと思っています。今、2016年卒はデザイナーとプランナーを絶賛募集中です。あとは、2017年のインターシップ。夏はエンジニア、秋は総合職、ビジネス系も募集を開始しています。
興味があったらぜひ飛び込んできてください。おもしろいと思いますよ。コロプラはさっき言った通り、たった3人から始まって、そこから中途社員で社員を増やしてきて……いわば猛者みたいな人たちですね。
各業界の凄腕の人たちが集まって仕事をするプロの場に、「今度は文化を作っていこう!」と。僕が最初に入ったリクルートもそうだったんですが、新卒がだんだん入ってきて、先輩が新卒の学生から上がってきた子にいろんなことを教えることで、会社の文化がより固まっていくというフェーズになっていくと思っています。
これから100年くらい続く会社になっていくと思っているので、一気に新卒に切り替えて育てていき、そして未来の中枢になっていただきたいなと思っています。なので、教育研修なども頑張っています。その他いろいろと社内設備があります。
みなさん、社内設備を当たり前のように「そんな感じか」と写真を見ると思うんですけど、大変なんですよ。あのマンションの写真を見てもらえればわかるんですけど、最初は何もなかったんです。マッサージルームとか作っちゃいましたけど、最初からこんな設備があるわけじゃないんですよ。
なぜ今あるかといったら、「どうやったら人が来てくれるかな?」あるいは、「どうやったらクリエイターたちが楽しく健康的に働けるかな?」と考えて、全部1個ずつ企画して、作り上げてきたんです。作り上げていくというのがベンチャーなんです。
ベンチャーの楽しさは2つあると思っているんです。1つはプロダクトを作ってそれをグロースして流行らせる楽しさです。これが一番気持ちいいです。
2つ目は、会社を育てていく「育てゲー」ですね。会社は生き物で、ちゃんと手間暇かけると育っていくんです。そこを楽しめるというのも重要だと思います。
ぜひみなさんは新しい世界に挑戦していってください。小さくてぐちゃぐちゃしていてよくわからない、混とんとしたところからそれが大きくなり、オーガナイズされていく過程を楽しむと、人生すごく飽きないです。楽しいです。やってみてください。
これはVR(バーチャルリアリティ)です。VRはぜひやってみてください。オキュラスリフトでいろんなプロジェクトをやっています。今、「白猫プロジェクト」をリリースして、完全360度ビューの中でRPG没入してできると思います。これ、やってみるとわかるんですけど、全然ゲームの世界観が変わるので遊んでみてください。
あとは「コロプラネクスト」という名前で、学生起業家支援というのを始めました。3月にスタートしたんですが、学生CEOの会社に特化して出資したりサポートをしています。
僕はサポートとしてメンターで付き、うちの会社のいろんなメンバーもサポート、そしてなんとプロダクトのレビューにうちの馬場が入ってくれます。我々事業をやっている側としてできること、というのをやっています。
2つ目に書いてあるオフィスの活用についてです。これは、コロプラネクストで一緒にやる会社のフリーで働けるオフィスをご用意します。渋谷の道玄坂に7月中旬オープンします。全部で50席ぐらいで24時間自由に出入りできる場所、という感じで作ってます。これぐらいの気合いを入れて学生起業家を盛り上げていきたいと思っています。
ちなみに、学生起業家はすごい面倒くさいです! すごい面倒くさいというのは、社会常識がなさ過ぎてです。いくらプロダクトが作れる能力があったとしても、社会人としての適応がダメなんです。
なので、新卒を育てるのと同じぐらいの気持ちで、この学生起業家さんに、真っ当な社会ベンチャーになっていただけるように「汗をかこうかな」と。これはもう、社会使命のつもりで、やっていこうと思っています。
最後にメッセージなんですが、この会社はたった1人からスタートしております。それが、今の会社になっているわけです。その「一歩」というのが、馬場が起業したところからスタートしています。
なので、今日みなさんにメッセージとして伝えたいのは、「動いてください」ということです。今日、みなさん動きました。雨の中、授業、学校、会社を休んでまでここに来ています。なので、第一歩はできていると思います。
もう1つ、次に動いてほしいのは、コミュニケーションを取ることです。今日、これだけのメンバーで、明日も参加するといろんな会社がいるので、ぜひ話してほしいなと思っています。
直接捕まえてどんどん名刺交換したり、あと業界の人は意外とTwitterを使っている人が少なかったりするので、Facebookでコミュニケーションをとることをお勧めします。
聞いて「よかった!」で帰るだけでは何の意味もないです。遠慮せずにまず売り込んで、覚えてもらって、「なんでも盗んでやれ!」って気持ちで動くといいと僕は思っています。
なので今日、明日、あるいは飲み会があるのであれば、飲み会にも参加して、徹底的にいろんな経営者に食らいついて、盗んで、良いとこ取りして、自分の未来に繋げていただければと思います。2日間頑張ってください! よろしくお願いします。
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