2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
Stanford Graduate School of Business Vinod Khosla: Failure does not matter. Success matters.(全3記事)
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司会:みなさん、こんにちは。レオナルド、今日は来てくれてありがとうございます。GSBへよく戻ってきてくれましたね。
ビノッド・コースラ氏(以下、ビノッド):ここに来るのはいつでも楽しいよ。僕がいた時よりも大分よくなっているみたいだね。
(会場笑)
司会:それについては少しだけ聞いていますよ。僕はこの会話ができることについて、すごく感動しているんです。あなたの時間枠は15分だって聞いたので。だから僕たちは時間枠を4つも占領することになるんですよね。
では、さっそく始めましょう。いくつか質問があるのですが、3つの事柄に集中しています。あなたのリーダーシップやマネージメント経験、投資に対するあなたの考えや企業家精神、その他にプライベートの生活や資産についての質問です。その後に、今日ここに来ている観客やTwitterに寄せられた質問を取り上げる予定です。
ディーン・サロナーが話したように、あなたはサン・マイクロシステムズ社の創始者であり、最初のCEOでもあります。あなたが経営を始めた約1年後、サン・マイクロシステムズは重要な案件から締め出されていることに気付かれましたね。
あなたはその話を聞いた時、飛行機に飛び乗りました。顧客の会社のロビーに行き、チームに会えるまで立ち去らないという電話を掛けたんですよね。この粘り強さや信念というのは、一体どこから来たのですか?
ビノッド:僕には、人生における哲学というものがあるんだ。何かを信じるならば、それを達成すべきだと思う。とても単純なことだよ。
もし顧客が間違いを犯したとしよう。顧客がいつも正しいとは限らないからね。これは本当の話だよ。そして君がすばらしい商品を作りたいなら、顧客の話は聞いてはいけない。
そういえば、80年代に僕がビジネススクールで担当した多くの、あまり出来のよくない講義では、「なぜ顧客の話を聞き入れないのか」という話をしたんだけれど、きっと誰かがその話は真実かどうかを質問するだろうね。
そこには既にライバルと結んだ契約書があったけれど、僕は午後6時までロビーに居座った。赤い目をしながら、そこに留まっていたんだ。そこでその会社のCEOに会うことができ、大抵僕は追い返されるんだが、何とか夜9時にシカゴで彼と彼のチームに会うことを説得できたんだ。なぜなら、彼は交渉している姿を見られたくなかったからね。
次の日の朝5時になって、僕たちは彼を離したくなかったから、手書きの契約書にサインしたんだ。その彼がコンピュータ・ビジョンのイースト・コースト・カンパニーのCEOだった人物だよ。僕たちは手書きの契約書にサインをして、そこで人生は好転した。
ここでポイントとなるのは、もし君たちが何かを実際に信じるならば、持てる最高の力を使ってそれを実現させることだ。いつでも実現可能なわけではないが、大体の場合は成功するものだよ。
ビジネススクールで教える最初の話だって本当なんだよ。誰かはドロップアウトするものだと、僕は学んだんだ。だから僕が現れたら、ビジネススクールのオフィスの感じのいい女性が、旦那さんにとっては残念なことだけど、僕をリビングルームに招き入れてくれたんだ。彼女は本当に感じのいい女性だったよ。物事は突き通せばうまくいくものなんだ。いつもではないけどね。
僕が言いたいのは、失敗は問題ではないってことなんだ。問題になるのは成功の方だ。誰も自分が失敗した時のことを覚えていない。みんなサン(・マイクロシステムズ)のことは覚えているけれどね。誰か、僕が同時に始めたサンや(スコット・)マクネリの前の会社のことを覚えているかな? 手を挙げてみて。
司会:僕は知っていますよ。でもそれは、あなたについて調べているからだと思います(笑)。
ビノッド:君はどんな会社だと思う?
司会:データ・ダンプだったと思います。
ビノッド:その通り。サンの3カ月前に、データ・ダンプと呼ばれる会社を初めて創設したんだ。うまくいかなかったよ。両方とも簡単に始めたんだけどね。人というのは、失敗は覚えていないということだ。
それと、僕の失敗したいという願望は、成功する能力を与えてくれるものだということも言いたいね。多くの人は失敗するのを恐れているし、挑戦もしない。そして、行動を起こすのに十分重要だと思えることだけをしようとするんだと分かったよ。行動を起こすのに値するものは、何だって大変なものだ。
司会:あなたは過去に、失敗の重要性とそれを失うことについて話されました。あなたは20歳の時、デリーで最初の会社を始めましたが、それは予想通りうまくいかなかったんですよね。
ビノッド:厳密には始めていなかったんだけどね。僕は言われたんだ。電話回線を引くのに7年はかかるってね。
司会:それで、あなたはどんな反応をしたんです?
ビノッド:神に正直になったさ。僕は19〜20歳くらいで、電話回線を引くのに7年待たなきゃいけないって言われたんだ。だからやめて、カーネギーメロンに行ったんだよ。
司会:アメリカに引っ越してくるというのはどんな感じでした?
ビノッド:そうだね、簡単だったかな。本当はシリコンバレーに行きたかったんだ。僕は、自分がそこに行けると分かっていたからね。
でも学費を払えなかったから、誰かに払わせる方法を考えなければならなかったんだ。最終的にはCMUの医用生体工学部が払ってくれたから、僕はそこに行ったんだ。それと、医用生体工学にはとても感銘を受けたよ。だからその勉強をして、それからすぐスタンフォードに出願したんだ。その後の話は、皆聞いているよね。
何度も失望させられたけど、おかしいのは、ずっと続けていると不可能に思えたことのほとんどは可能になるんだよ。いつもみんなが物事をひっくり返し、ノーとは簡単には言わないことに驚かされるんだ。
ビジネススクールに入るように目標を達成しようとすることも、グリーンカードを取得することも、同じ方法なんだ。僕はスポンサーになってくれていた仕事を捨てたけど、グリーンカードはもらえた。弁護士が僕を連れて行くことはなかったけどね。だって僕自身が僕の弁護士になったんだから。ビジネススクールに通っていて、働いていないのにグリーンカードをもらえたんだ。完全に法にのっとった方法でね。
僕の戦略は、入国管理に納得できなかったら、彼らを困らせてやろうと思って、実際にそうしたんだ。それで、彼らは僕にグリーンカードをくれたってわけだよ。
司会:お聞きしたいのですが、幼少期の経験で今の生き方に影響を及ぼしていることは? 高い忍耐力や、強い信念を持った人間になったことに対して、何か思い当たることはありますか?
ビノッド:僕はいつだってこんな感じだったよ。僕はこの環境で生まれ育ったわけではないし。父は16歳の時に軍隊に入って、イギリスと戦うためにエジプトへ送られたんだ。それで、僕は全然違う環境で育ったんだよ。
もし何かが正しいと判断したら、行動に起こそうといつでも決めているんだ。この講義でフォーカスする議題の1つは「リーダーシップ」にしたんだ。
僕が驚いたのは、多くの人々が信念システムを持っていないということだ。彼らは一体何を信じているのだろうか? この質問で、君たちの気分を害するのは問題ない。
(会場笑)
90パーセントの人々は、自分がしたいこととは逆のことをすると期待されているものだ。こういったイベントに来ると、僕はなぜここにいるのだろうと思うんだ。僕の貴重な1時間をなぜ邪魔されなければならないのか。
(会場笑)
でも事実だよ。僕は目的を持たなきゃいけない。とってもシンプルなことだよ。ここには400〜500人がいるけど、もしその中の1人を変えられるとしたら、自分の信条に従う勇気を持てるようにしてあげられるよ。有意義な時間を過ごせると思うんだ。そうだろう?
僕は何をしようとしているのか、そしてそれはなぜなのか。僕は喋らないよ。だって、知り合いの誰かがよく書いてくれるからね。
僕には目的と言えるものがあるんだ。それに僕には信念システムがある。成功している会社や、「Fortune(フォーチュン)」に載るような500人ものCEOたちと繋がりがあるんだけど、彼らはリーダーシップには乏しくて、何を信じているのかという心のコンパスを持っていないんだ。
その他の人々は何を期待するかな? 僕は卒業して、起業した。ビジネススクールを出た他の皆は、起業しなかったよ。その人たちは、なぜゴールドマン(・サックス)や(ベーカー&)マッケンジーで働かないんだって言ってたよ。逆に僕は、なぜそこで働きたいのか聞いたんだ。
僕は、なぜ君たちがそういう仕事をしたいのかについては、深くは尋ねないよ。ちなみに、僕は今でも無理だよ。そういう仕事をしたい君たちにとっては、最適な人がたくさんいるよ。僕は話をしてあげるのに最適な人間じゃない。正直に言うと、特に話すのは構わないけどね。皆にだよ。
(会場笑)
僕は基本的に、コンサルタントや投資銀行で働きたいと思っている人たちは何か間違っていると思うんだ。
(会場笑)
彼らは世界が将来どう動くのかが、分かっていないんだ。ここでもう1回言うけど、僕が伝えたいのは信念システムを持つということなんだ。それが指し示すものに従うことだ。僕はちょっと大げさに言っているけど、そういった仕事に就くのに何かしら希望があるんだと思う。単なる誇張だけどね。
話を「Fortune」誌の500人のCEOに戻そう。過去数年間でそのうちの多くと話してきたよ。もし「The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」の記者たちが記事を書いたら、彼らは自分たちの戦略を変えたがるし、その記事に応えたいと思う。
馬鹿げたことだけど、1度も企業で仕事をしたことがない英語専攻の人たちが「Fortune」誌に載る500もの会社の戦略を決められるっていうのか? なぜか? それはみんなが何を書かれるのかを気にしていて、信念システムなんて気にしていないからさ。
エノン・マスクが記者に何て言ったか知っているかい? 「本物の仕事に就け」さ。ジェフ・ベゾスが何を言うと思う? 「それがリーダーシップだ」だよ。
信念システムを持つことだ。自分の行動に影響を与えるものが何なのかを知ることだ。キャリア向上に自分を合わせるのではない。誰かのためによく見せようとしないこと。それは友人でも、ボスでも、株主でも、だ。
正直、シリコンバレーで笑っているような会社を君たちは見つめているんだ。古くからある会社の多くは、信念システムを持っていないんだ。一般的に彼らは4半期目標を達成しようとする。この目標が、僕たちがどう違っていくのか、そして僕たちがどうしていくのかということだ。
アップルは10〜15年くらい衰退をしている時期に、スティーブ・ジョブズがある考えを持ってやってきて、そして世界で最も価値のある企業を作り上げた。彼は理不尽なことをやったよ。
君たちが2007年の1月に戻ったとしたら、1月1日、誰もがキーボードのない携帯電話なんていらないと言っているのを見るだろうね。誰も699ドルもする携帯電話なんて欲しがらないと言われていた。これに関しては、僕は長談義ができるよ。まず、英語専攻だった記者たちが記事を書く。
僕はこういう考えを、英語専攻出身者に持っているんだ。すべての英語専攻出身者がダメではないけれど、スタンフォードでは彼らの多くが指導されていなくて、目標も目的もない。悪いね。彼らの間で言われているんじゃないんだ。本当にすばらしい学生は20パーセントもいないのさ。彼らはただ正しい指導を受けず、間違った場所で学生生活を終えただけなんだ。
(会場笑)
通常の学校教育は好きだよ。とにかく、悪かったね。戻るよ。
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