2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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鈴木貴歩氏(以下、鈴木):ではここで野田さんと八木さんに変わっていただいて、KKBOXさんの話を伺いたいと思います。KKBOX Japan代表の八木さんです。どうぞ。
八木達雄氏(以下、八木):初めまして、KKBOX八木です。よろしくお願いします。
いろんなストリーミングサービスが最近たくさん出てきているなかで、もっとも知名度が低いと認識しておりますが(笑)。もしもしの、今回の趣旨(「インバウンド×テクノロジー」)には非常に意義があるんじゃないかと思っております。
KKBOXは、実は結構昔からサービスをしている会社になっています。
ローンチが2004年ですね。まずPCからスタートしております。当時、Spotifyとかも欧米で始めたときに、「違法コンテンツがたくさんあるなかで……」という話があったと思うんですけれど、台湾でも同じでした。
やっぱりCDの市場がどんどんシュリンクしている状況のなかで、こういうストリーミングサービスがスタートしていた背景もあり権利者の許諾がとりやすかったっていう状況もあります。
2004年からスタートして、今、市場展開しているエリアなんですけど、台湾が2004年。2009年に香港に進出しております。その次は2011年にシンガポールとマレーシアに、2013年にタイと日本で。今は6ヶ国でストリーミングサービスを行っております。
サービスの概要なんですけれども、今、2,000万曲の楽曲を配信しております。ちなみに、日本では現在、1,500万曲です。
大きく6つの機能があるんですけれども、まず「月額定額制の音楽ストリーミングサービス」ということで。
今いろんなサービスが出てるところで、ご存知の方も多いと思いますけど、基本的には「水道の蛇口をひねるように、いつでもどこでも多種多様な音楽が好きな時に好きな場所で聞ける」っていうサービスになってます。
単純にスマートフォンだけじゃなくて、PC、タブレット、台湾のほうでは中華電信と一緒に作ってるセットトップボックスでTVでも聞けたりとマルチデバイス対応をどんどん進めています。OSについても、iOSにも、WindowsもAndroidも、全部対応しているという状態です。
これはあとでご説明いたしますけれども、「Listen With」っていう特徴的なサービスがありまして。例えば、私が音楽を聞いてる時に、私が聞いてる音楽を他の人とシェアして一緒に聞くことができて、コミュニケーション、チャットもできるっていう機能になってます。
もう1つが、歌詞ですね。これも最近他のサービスでもやられてますけども、例えば歌詞が見れていて「サビが聞きたいな」っていう時は、その歌詞をタップするとそこに飛べるっていう機能になっています。
あと、これはディスカバー機能ですね。いわゆるアルゴリズムで、自分の再生履歴等からリコメンドをしてくれるという、ラジオ型のサービスになっています。
これもソーシャルですね。台湾とか他のアジアの国ではFacebookが非常にメインになっています。なので、Facebookとの連携っていうのが非常に大きな魅力になっているんですけれども、当然、日本ではTwitterですとか他のソーシャルメディアとのコンタクトもできるようになっています。
スライド資料、英語で書かせていただいてましたが、今回「もしもしにっぽん」と「THE BIG PARADE」のコラボっていうことにあわせて、「台湾で作ってる資料をそのまま持ってきてしまいました」っていう感じなんですけれど(笑)。
ここまで説明していて……僕、久しぶりに資料見たんです。で、「面白くないな」って思っていて。「何でかな?」ってちょっと考えてみたら、冒頭で申し上げたように、サービスが2004年にスタートしてるんですね。
KKBOXに僕が出会ったのが、実は2009年なんです。ちょうどiPhoneがどんどん普及し始めてきて。その当時は、「音楽をいつでもどこでも聞ける」って、ものすごく新鮮味があったんですね。
ただ、今はステージが随分変わってきてるかなと思っていまして。今ってもう、検索するとどこでも聞ける状況っていうのは随分できてしまってるなと。
すごくいろんなサービスが、TVCMを含めてキャンペーンやってますけど、僕も2014年の3月、渋谷で交通広告打ったんです。体力が無いなりに結構お金かけてやったんですが、結構散々な目に遭いまして。というのは、ちょうどその当時、無料で聞けるアプリが全盛の時代がありまして。
これ言っちゃいけないんですけど、当時最強のiLoveMusicっていうアプリがありまして、これが「神アプリ」って言われていたんですね。無料で聞けて。僕らのは有料で配信したので、「ゴミアプリ」って言われたんですよ。
その時、非常に悔しい思いをしまして。その当時はまだ楽曲も少なかったですし、なかなかマスでプロモーションしてもやっぱり「何で楽曲がないの?」「無料でコンテンツがこんなにたくさんあるのに」っていう状況がありました。
そこで考えさせられたのが、無料を超える有料サービスの設計をどうするかということで、「音楽を聴く+αの価値をどう提供できるのか?」と。
そんな中で、KKBOXが今どういうステータスになってるかっていいますと、350人ぐらい社員がいますが、ほとんど技術系のスタッフで、かなり技術オリエンテッドの会社なんですけど、最近ステージがどんどん変わってきていて。やっぱり塩の一振りじゃないんですけど、かなりアナログなところに力を入れてきています。
今、台湾、香港等でどうなってるかといいますと、さっきお話したListen Withは、基本的にはユーザー同士でコミュニケーションする設計にしてたんですけど、最近ではアーティストのプロモーションで使われ始めてるっていう状況なんです。
今はアジアのC-popメインですけど、K-pop、J-popも。最近では日本でも、例えばシェネルさんとかMacoさんとかもListen Withってやっていただいております。
このListen Withの機能を使って、ファンとコミュニケーションとっていただいているっていう事例が、どんどん増えてきています。
アーティストサイドからすると、プロモーションしたい場所も選べるので。「(海外から)日本のファンとコミュニケーションしたい」とか、逆に日本から「台湾、香港でもオープンにしたい」と。パソコン1つでユーザー、ファンとコミュニケーションできる機能として、うまく使われる事例になってきています。
台湾と香港で、唯一の音楽専門誌を発刊している会社でもあります。
あとMusic Awards。今年は野田さんも来ていただいて、来年の1月24日にまたやるんですけど、もう11回目になってまして。これまではC-popメインだったんですけど、その年に各国で活躍されたアーティストさんを呼んで、3時間半ぐらい(音楽イベントをやっています)。
エリアでいうと、先ほどの6カ国に加えて、10カ国ぐらいでTV中継するのと、インターネットでこのイベントの情報を配信しています。
なので、各国でアーティストが「発信をしたい」「プロモーションしたい」という時には、このイベントは非常に大きなインフルエンスになるという状況です。
あと、最近はKKBOX LIVEっていう自主イベントも始めています。これはイーソン・チャンっていう、香港の非常に有名なアーティストなんですけれども。
先日、KKBOXの会員向けに1,000人限定でライブをやりまして、このライブ中継をした時に、20万人以上の人が見たっていう事例になっています。こういう自主ライブをどんどんやってるっていうのと。
例えばblurですね。香港でblurのライブをやって、これもアジア6カ国で同時再生をして、15万人ぐらいの人が見たという事例になります。この時も非常に小さい箱でやったんですけど、そこから外に広げるっていう意味では、このライブ配信っていうのはかなり有効になっています。
あと最近ではTicketing事業も始めていまして、月大体9億再生ぐらいあるKKBOXの再生履歴を活用して、そのアーティストを好きな人にチケットを勧めることでかなり効率的にマーケティングができている状況です。最近ではマルーン5とか、洋楽のアーティストのチケットも取り扱い始めています。
簡単ですが、時間かなり短くなりましたが、以上になります。
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