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プラットフォーム活用で拡大させるインバウンド(全4記事)

今、タイで一番人気なのはLINE 世界825万種のアプリを分析し、インバウンド攻略を狙え

エンタテインメントとテクノロジーの新たな融合を発信していくことを目的として立ち上がったプロジェクト「THE BIG PARADE」。今回のテーマは「インバウンド×テクノロジー」です。開催初日には、「プラットフォーム活用で拡大させるインバウンド」と題して、3人の登壇者がトークを展開。本パートでは、世界中のアプリを分析するツールを提供するApp Annieの滝澤氏が、自社のサービス概要とアプリを活用してインバウンドで成功するために必要なことについて話しました。

アプリの人気とトレンドを知るツール

鈴木貴歩氏(以下、鈴木):それではApp Annie(アップアニー)の滝澤さん、お願いします。

滝澤琢人氏(以下、滝澤):皆さん、こんにちは。App Annieの滝澤です。(Yelp Japanの)高田さんのすごく熱い赤い情熱のトークに感銘を受けまして、私も同じようなアプリという切り口で皆さんにお話ししたいなと思っております。

ちなみにApp Annieという会社をご存じの方ってどれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。大体6名ぐらいですかね。5分の1ぐらい。

簡単に弊社の会社紹介のムービーをご用意したので、先にこちらをご覧いただいて、そのあと本題であるインバウンドとかその辺のお話をさせていただきたいと思います。

これに出てる人間は弊社のスタッフです、ほとんど。

(映像開始)

映像音声:毎月4万以上のアプリが新しくリリースされ、トップ100のうちおよそ半数が1年前には存在しなかったアプリです。流動性の高いアプリ市場で成功するには、最新トレンドやユーザー動向の変化を熟知しておく必要があります。

しかし従来までの情報ツールは使いにくい上、不十分なものばかり。多くの現場でアプリ戦略がデータではなく勘や私見で判断されてきたことでしょう。そこでApp Annie intelligenceの出番です。

App Annie intelligenceは世界一のアプリ市場データを提供しています。世界中のアプリストア収益のおよそ半分以上がご契約企業さまによるものです。

intelligenceでは、業界一精度の高い推計値を提供します。ダウンロード数、収益、利用状況、ユーザー属性に関して多様な切り口からアプリ市場について深く洞察することが可能です。intelligenceは競合アプリの分析、急成長している市場セグメントの把握、新しい投資先の見極め等に役立ちます。

さらにintelligenceのデータは世界水準かつ多様なツールを通してご覧いただけます。カスタマイズされたレポートによりデータに基づいたビジネス戦略を可能にします。intelligenceは組織内共有できるよう設計され、部署を越えて容易にデータへのアクセスが可能。

(映像終了)

世界には約825万種のアプリが存在

滝澤:長いのでこの辺で終わりにしておきます。っていうことで、何をやってる会社というと、今スマートフォン、世界で大体20億台あると言われておりまして。その20億台に配信されてるアプリ。大体数で言うと皆さんどれぐらいアプリが全世界中に存在するって思われるでしょうか?

弊社のデータベースに全て入ってるんですけども、約825万種類のアプリがこの世の中に存在するんです。それをデータベース化しております。ただ、その825万アプリのうち、使われてるアプリ、トレンドは地域ごとによって結構異なります。

そういったトレンドを分析することによって、どういったアプリを使って、どういったサービスを生活者に提供していったらいいか、弊社のプラットフォームを使っていただくとそういった分析ができるような仕組みになっております。

今ご覧になっていただいてるWebサイト、App Annieドットコムにつなぐと、こういったサイトが出てきます。

無料の製品と有料製品がありまして、無料の製品で一番ポピュラーなのがStore Statsという。全世界でどういったアプリが人気なのかっていうのを今150か国以上、各プラットフォーム別に統計情報を出しております。

ちなみに今このタイという国を選択しました。タイの中で今一番無料で売れているアプリは実はLINEという、日本でもかなり普及してるアプリが、今タイで1位のアプリということがわかります。

次に例えば旅行カテゴリーを選びますと、旅行アプリはどういったアプリが人気なのかが分かります。旅行アプリで今一番ダウンロードされてるものはAirAsia(エアアジア)という航空会社のアプリです。

2番目がGrabTaxi(グラブタクシー)という、タクシーを予約する、Uberのような移動手段として車の助手席に乗るというか、そこで走ってる車をレンタルして目的地まで送りますみたいなアプリが人気だということがわかるようなかたちになっております。

チャート形式でも各国、各ジャンルの人気アプリが確認できます。こういったトップチャートっていうところを見ていただきますと、これだけの国をカバーしてます。

主要国だけで言うと中国とかアメリカとか韓国とか日本をはじめあるんですけども、全ての国というここまでのカバレッジ、サポートをしております。ですのでどこの国でどういったアプリが人気なのかっていうのを把握するには、こういったサービスをぜひ使っていただいて分析していただければなというところであります。

旅行者が母国と同じ体験を日本でもできることが必要

今日は旅行というところ、インバウンドがテーマなので、少しそれに沿って話をさせていただきたいと思います。

最近結構タイの観光客の方、すごい増えているなっていうのが身近に町を歩いてて思うんですけども。じゃあタイの方を日本の飲食店またはショッピングのところに呼び込むためには、やっぱりタイの現地でどういったアプリが使われてるのかというのが非常に参考になると思うんですね。

例えば今タイでよく使われてるアプリ、旅行カテゴリーのアプリではタイ航空の航空会社が出してるようなアプリであったりタクシー配車アプリがあります。

人気なのはThai Lion Airという、これもLLC、格安航空会社が出してるアプリであったりですとか。これはNok Airというタイの国内では非常に有名な航空会社なんですが、ここが出してるアプリ。それからGrabTaxi(グラブタクシー)。これは先日ソフトバンクさんが300億円ほど出資を発表されて、非常に大きなニュースになったんですけども。アメリカのUberに相当する、東南アジアでは非常に人気のあるタクシー配車アプリですね。

こういったところで見ると、現地のニーズに即して、アプリっていうのがこのように現地のニーズに合わせて現地会社によって開発されてることが多いということが見ていただけるかなと思います。

ちなみにこのGrabTaxi(グラブタクシー)というのは、大体どの国で普及してるのかというところで見ますと、まずシンガポールだとかパラオ、フィリピン、ミクロネシア、ベトナム、パプアニューギニア、インドネシア、こういった国が上位に挙がっていきます。

もし東南アジアからのお客さまを日本でお迎えする場合であれば、これらのアプリでどういったユーザー体験が提供されているのかということをまず理解した上で、日本でそのアプリを使うのか、それとも似たようなユーザー体験を提供するアプリを使うのか、そういった視点って、非常に重要じゃないかなと思っております。

日本で人気の旅行アプリは?

一方で、今これ日本でどんな旅行アプリが人気なのかっていうところを、今この時点でこの瞬間でダウンロードされてるアプリの1位はGoogle Earth、2位がリクルートさんのじゃらん、3位が個人の方が作った東京ディズニーランドの待ち時間をアトラクションごとに出してくれるようなアプリ、待ち時間for TDL TDSが3位に入っています。(続いて)楽天トラベルさん。それから昭文社さんのまっぷるリンク。

こういった地図アプリがランキングに入ってきておりますので、もうかなりこれは国ごとにトレンドが違うというふうに見ていただけるんじゃないかなと思います。

一方で、日本でインバウンドっていうテーマでどんなアプリが提供されてるのかっていうのを少し調べてみたんですが、Japan Shopping Naviというアプリ。日本に来ていただく観光客向けに地域別にこういったアプリがあったりとか。

それから最近NAVITIMEさんがNAVITIME for Japan Travelというインバウンドアプリを出されて。今10万ダウンロード達成したとかいうニュースがあったり。それから成田空港さんがアプリを出されて、日本滞在中のいろんな困ったことを解決するようなアプリを出されていたりとか。

それから外国人観光客に質の高い観光情報を提供するっていうテーマで作られたこういったアプリ。英語、中国語、韓国語、タイ語に対応してWi-Fi環境でつながらないところで事前に地図をダウンロードして見ることができるアプリであったりとか。

あとは、これは最近の動きなんですけども、J.フロントリテイリング、大丸、松坂屋さんがやられている動きですけども、今、中国でWeChatというLINEに相当するようなアプリが非常に人気なんですけども。そういった中国のWeChatの決済に対応したサービスを来店客向けに提供したり。

やっぱり買い物するときに言葉が通じないのももちろんそうなんですけども、一番困るようなお金の支払い手段をきちんとここで提供してあげると。しかもそれが普段使ってるアプリで買い物ができるというのは、非常にニーズとしては大きいのかなと。日本の百貨店としては初めてこういった取り組みをされていたりとかいうことが、事例として出てきております。

一方で、さっきの話に戻るんですけども、日本に来たインバウンドの旅行客の方々、観光客の方々に日本に来たあとでアプリに触れてもらうっていうのはかなり難しい部分はあります。ですので先ほど高田さんがおっしゃってたように、世界的に売れてるアプリっていうのは何なのかみたいなことを知って、その同じ体験を日本でもできるようにしてあげるっていうところが1つ結構大きなキーポイントなのかなと思っております。

世界共通のユーザー体験の創出を

そういった意味で注目すべきアプリをいくつかピックアップしました。

まずこのトリップアドバイザーというホテルとかレストランとかを予約するアプリなんですけども。ここで見ると、世界の旅行カテゴリーで155か国に100位以内にランキングされているようなアプリであったりとか。

Booking.comという、これもホテルの旅行アプリなんですけども、149か国でダウンロード100位に入っていたアプリとか。あとはこれ皆さんご存じかもしれませんが、エクスペディアホテルス、こういったグローバルに展開しているアプリ。

それからAirbnb。これは今年の夏に大体当社の発表ですと、100万人を1日で泊めたみたいな発表がありました。バーチャルに人の部屋を貸し出して、そこを宿泊施設として提供するようなCtoCで提供しているアプリ。

こういったものが世界では人気になっておりますので、こういったアプリの動向みたいなのをウォッチすることで、旅行者に対してどういった経験を提供するのかというところで、非常に役に立つものなのかなと思っております。

最後になりましたけれども、弊社のサービスでどんなことがわかるのかっていうのを少し紹介します。

これは先ほどちょっと出てきたアプリです。このアプリが全世界での利用者がどういったシェアを占めているのかっていうのをグラフ化したものです。

ちなみにここにある赤いところは日本が占めているんですけども。この全世界で有名なアプリの日本市場のシェアっていうのはまだまだ小さいと。一番大きなシェアを占めてる部分が、その他の全ての国みたいなそういった表記をしてるんですけども。

つまり半分以上が、主要国いわゆる先進国からのユーザーではなくて、いろんな小さい国を集めてそれを全部束ねると、大体50パーセント以上いってしまうということがかなり特徴的だなと思ってまして。大体グローバルでヒットしているようなサービスっていうのはこういった傾向が見られます。

ですので、1国1国をもちろん大切にするっていうのもあるんですけども、世界共通のユーザー体験みたいのをどうやって出していくかっていうとこは、非常にポイントになってくるのかなという一例として、ちょっとこちらのデータをお持ちいたしました。

以上で終わります。ありがとうございました。

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