2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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伊藤ようすけ氏(以下、伊藤):なるほど。今度、自分のブランドを持つわけよね?
清水彩子氏(以下、清水):そうなんですよ。最初は問屋さんで物つくってたんですけども。
伊藤:だよね。
清水:そこはやっぱり。
ふくだ峰之氏(以下、ふくだ):ハードル高いね。そこから先はね。
清水:はい。店頭にいるとお客様から、「もっとこういうのないの?」「ああいうのないの?」って要望をすごくもらうんですよね。
伊藤:なるほど。
清水:それを最初は問屋さんに「そういうのつくってください」「こういう要望があって、それがあれば、売れるからつくってください」って言ったら、やっぱりいち小売店のことは、なかなか聞いてもらえなくて……。
伊藤:なるほど。
清水:結局買えても1枚しか買えないから、それよりもやっぱり大きく売ってるところの物がメインになっちゃうと、要望を聞いてもらえないんだなって思ったときに、「聞いてもらえないなら、自分でつくればいいや」て自分でつくろうって思ったんですよね。
だから最初から夢を持って、ドレスをつくりたいとかじゃなくて、何か壁にぶつかって、こういうことがあるんだったらつくろうみたいな。それで初めていってるんですよね。お店も、必要ならつくろう。
伊藤:でも、デザイナーがいないわけじゃん。
清水:私がしてました。今もしてますけども。
伊藤:「こういうドレス」って言って、それをつくってもらって。
ふくだ:こうやって絵を描けばいいんでしょ?
清水:そうです。本当にそんな感じです。
ふくだ:テキストはだって、いろいろあるもんね。こういう絵を書いて。
清水:そうです。その想像している絵を書いて、あとは直接中国に行って、生地見て、これで物をつくりたいっていうことが伝わればつくれるなと思って、こうなったら中国行こうって思いまして。
伊藤:はい。
清水:お金なかったので、アテンドも、そのとき私、勉強もあまりしてないので、商社とかジェトロとか知らなかったんですよ。
伊藤:なるほど。
清水:自分が行って、探せばつくれるなって思ってたので。
伊藤:はい。
清水:通訳とかつけて行くと、お金すごいかかるじゃないですか。調べたら高かったから、「じゃあ通訳もいらないな」と思って、1人でチケット取って、ホテルはインターネットで予約して。
インターネットで、『中国、工場、生地市場』みたいに検索したら、1個の場所が出てきて、「よし、ここ行こう」みたいな。それでそこに行ったのがきっかけで、うちの売上すごい変わったんですよ。
ふくだ:これ、僕から言わせると。
伊藤:はい。お願いします。
ふくだ:ジェトロとか公的機関に相談しないで行ったほうが……。だから成功したんだよ。
清水:そんなこと言っていいんですか(笑)?
ふくだ:だって相談して何でも成功するなら、成功した人ばっかりになっちゃうじゃん。
清水:そうですね。
伊藤:なるほど。
ふくだ:やっぱり自分でルートをつくって、自分でやり始めるほうがそりゃいいよ。だから成功したんだと思う。
清水:今は本当に、自分で行って良かったなということがいっぱいあって。当然ながら安く作れるじゃないですか? 商社に頼むと、パーセンテージが抜かれてしまって、さらに大きなロットじゃないとつくれないんですよね。
でも、自分で行けば10枚からでもつくれるんですよ。何故かといえば、生地市場に10枚分の生地さえあれば、それで縫ってくれる人がいればつくれるわけですから。でも商社を通すとやっぱりそれはできなくて。
でもそんなことを知らないまま行ったから、開拓するときには壁にぶち当たりましたけど、ロット数とか金額の部分は、スッと入ることができて。
伊藤:要は、生地もできて、自分でデザインもできたら、後は縫う人さえいればできますよね。
清水:はい。そうなんです。
伊藤:それを、まずは店で売ってたんですよね。
清水:そうなんですよ。
伊藤:いつからネットで売り出すんですか?
清水:やっぱり今度、自分でつくったものを全国のみんなに見てもらいたいって気持ちが、湧いてきたんですよ。
今までは店頭で売ってれば良かったんだけれども……やっぱり女の子ですから、ファッション誌見るじゃないですか。
伊藤:はい。
清水:ファッション誌見てると、自分が好きなモデルさんが服着てて。「いつかこのモデルさんに、自分の服も着てもらえたらいいな」っていう、そんな本当に安易な女の子ならではの夢。
伊藤:ちなみに、生まれて来てからこのかた、デザインの勉強とか全くしてないんですよね?
清水:ないです。
伊藤:だってコンビニの店員しかしてないんだもんね。
清水:してないですね。あとは学生時代に回転ずしと、居酒屋でバイトしただけ。
伊藤:まあまあ。
ふくだ:これはだから、学ぶとか学ばないって問題じゃないんだよ。
伊藤:ないんだよな。
ふくだ:要は、本当にどれだけの思いで、やろうっていう気持ちになるかどうかっていうことでクリアできるものが、たくさんあるってことだよね。
清水:わかります。私はわりとそういう派で、いくら勉強して、いくら本読んだからって、正解ってたぶん書いてなくて。やっぱりやらないと答えは見えなくて。
どれだけ学んだってうまくいかないんだったら、やりながら答えを見つけていけばいいかなっていう考え方で、私は今までやってきてます。
伊藤:それで、全国で1人でも多くの人たちに自分がつくった洋服を。
ふくだ:まず見てもらいたい。
伊藤:知ってもらいたいし、見てもらいたいし、着てもらいたいなと思って。
清水:そうなったら、今度店舗じゃ無理なんですよね。
伊藤:それはそうですよね。
清水:そう。
伊藤:新潟に来る人じゃないとね。
清水:でしょ? そうなったときに、取りあえず通販をやろうと。そのときには私の中では「もうオークションの時代は終わってるな」って思っていて。
これからは通販の時代だから、自分でネットショップ起ち上げようと思いまして、そこも、お金をかけずにやれる方法って結構あって。
これ先入観で言うと、本当に「通販サイトって100万とか出さないとできないよね」っていう感覚の人もいれば、やっぱりお金がなければないなりに、考えるんですよ。
「激安 ショッピングサイト」とかってやると、0円とかでできるサイトも、実はいっぱいあって。
こんなのでショッピングサイトってできるんだと思って、自分のショッピングサイトを持って、うちでかかったのは500円だけなんですよ。
伊藤:いわゆる初期投資がね。
清水:初期投資は500円。
伊藤:500円。
清水:あとはドメイン代が毎月かかりますけど。
伊藤:はい。
清水:そこで通販サイトができました。あとはお客様に見てもらうだけで、その雑誌に載せればいいわけなんですけども。
「どうやったらこの雑誌に載せられるんだろう」って今度は思うわけじゃないですか。
伊藤:考えるね。
清水:最初は、いつかやっぱり私のセンスを買ってくれて、誰かが見て、載せてくれないかなんて思ってたんですけども、
やっぱり世の中そんなに甘くないなと。ここはお金が絡んでくるなと思ったわけです。だから、広告を打とうと。
広告を打てば、編集部と繋がって、編集さんたちも良くしてくれて、広告打ってるスポンサーのところを、いろいろ載せてくれたりするんだろうなっていう、そこは世知辛い世の中だと。
伊藤:でもちゃんとそこまで想像は膨らむんだ。
清水:はい。やっぱり待っててもダメなら、もしかしたらそういう仕組みなのかなと思って。その私が載せたい雑誌の広告費用が、1ページ100万円だったんです。
伊藤:はい。
清水:そのとき店頭での売上が、ひと月400万ぐらいだったんですね。
伊藤:売上が。
清水:ひと月400万円の店頭が、(広告費に)100万円出すって、すごく勇気がいることで。「この1ページ、100万もするんだ」みたいな。
伊藤:それはそう思うよね。
ふくだ:高いの?
清水:どうしようと思って。でも私はどうしても載せたいから「バーキン1個買ったと思おう」と。
「夢買ったと思おう」と思って。それを買ったことが、自慢になるじゃないですか。「うちの服が雑誌に載ってるよ」とか、やっぱり言いたかったんですよね。
だからもう、最悪それだけのために、雑誌に載せようと思って載せたら、なんと、その1ヵ月だけで、今まで月400万だったじゃないですか。いくらになったと思います? 売上が。
ふくだ:それはまあ、そこまで言うんだからね。
伊藤:そこまで言うんだから(笑)。
ふくだ:たぶん10倍ぐらい。
清水:そこまではいかないかもしれないですけども(笑)。
伊藤:(笑)。
清水:でも、ひと月2,000万になったんですよ。
伊藤:5倍になったんだ。
清水:そうなんですよ。
伊藤:1回の広告で?
清水:はい。400万だったのが、2,000万になったんです。
ふくだ:すごいよな。全然元取れちゃったんだ。
伊藤:へー。
清水:はい。で、そのとき出してた雑誌が、まだ当時は妖怪雑誌と言われていて、40万部ぐらい出てた雑誌だったんです。
伊藤:ちなみにそれ、なんて雑誌なんですか? 言っちゃダメなの?
清水:いいです。『小悪魔ageha』という雑誌だったんですね。
伊藤:『小悪魔ageha』ね。
清水:はい。その雑誌があったから、うちは今があると思っていて。
伊藤:『小悪魔ageha』に100万円の1ページの広告出したら、いきなり5倍になったわけ?
清水:なったんですよ。本当にその雑誌が発売されましたっていった日から、もう注文と問合せがぐわーって来て、本当に追いつかないぐらいになりましたね。
伊藤:へー。
清水:そこから、「雑誌にはこんなに効果があるんだ」っていったところで、当然資金ができますから、じゃあまた来月広告に出して、
中国で新作もつくって、もう少し数を積んで、お客様を大切にしていこうっていったところから、ネット通販のスタートなんですよ。
伊藤:それ何年前ですか?
清水:それが7年前ぐらいですね。
伊藤:7年前。
清水:はい。ちょうど、起ち上げて2年ぐらい店頭でやってて、そろそろ自分でつくりたいなって思ったのが2年目で、雑誌に載せたいなと思ったのが3年目で、今ちょうど10年なので、7年になります。
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