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人生は挑戦だ!(全5記事)

「まず10億稼ごうと思った」ヤフー小澤氏が30個の夢を叶えるために選んだ道

2015年6月26日(金)、27日(土)に開催された、未来の起業家育成プログラム「IVS SEEDS 2015 Summer」の最終セッションに、セプテーニ・佐藤光紀氏、KLab・真田哲弥氏、VOYAGE GROUP・宇佐美進典氏、ヤフー・小澤隆生氏が登壇。モデレーターを務める、じげん・平尾丈氏の進行で、「人生は挑戦だ!」をテーマにディスカッションしました。未来の起業家を目指す若者たちの質問を一刀両断するIVS恒例の人生相談会。楽天を辞めて劇団四季のオーディションに挑戦した経験のある、ヤフー小澤氏は、自分がやりたいことを「リスト化」して、そのリストを実現させるためのプロセスを考えることの重要性を学生たちに語りました。 編集部注:2019年4月25日、登壇者の発言に誤りがあったため本文を一部修正

やりたいことを諦める? 続ける? プライオリティの決め方

平尾丈氏(以下、平尾):よろしいでしょうか? 続きまして、はい! 真ん中のあの方。

質問者7:小澤さんにお聞きしたいんですけども、テーマ「人生は挑戦だ!」ということで、僕も何か挑戦したいなと思ってるんですけど、別にコレといったものはないんですよ。

やはりベンチャーの創業者の方って、ネットが好きだとか、先ほどの話だったら教育が好きだとかあると思うんですけど。別に今、コレというものがなくて、探してる段階でもあるんですけど。小澤さんはライオンキングしたくて、劇団四季に入ろうとしたじゃないですか。でも入れなかったじゃないですか。

(会場笑)

小澤隆生氏(以下、小澤):……。

質問者7:すみません(笑)。

佐藤光紀氏(以下、佐藤):まだわかんないよね。これから入るかもしれないよ。

質問者7:僕がすごいなと思ったのは、ライオンキング1回落ちて、そこで諦めず、自分の得意な道に進んだじゃないですか。得意な道というのは、一番本望じゃなくて、セカンドと言いますか、次にやりたかったことなのかなとは思いますけど。

そこでどう諦めて、次に移って、モチベーションをどうしたのかなって。続けることもできたじゃないですか。ライオンキングにずっと挑戦するという……そこで賢明な道なのかわからないですけど、結果はやってみないと。どういうモチベーションで次に進まれたのかというのをお聞きしたいです。

小澤:結論から言うと、俺、ライオンキングだけがやりたいわけじゃないからね。

(会場笑)

小澤:おいしいものも食べたいし、やりたいことって人間いっぱいあって、プライオリティの問題だな。みなさんも家に帰ったらぜひやられたらいい。僕は20歳だか21歳のときに、「自分がやりたいことってなんだろう?」って思って「リスト化」したんですよ。

世界旅行行きたい、ライオンキングのシンバになりたい、女の子にモテたい、月収200万円になりたい、ベトナムで学校を寄付したい……とか。僕は30個くらいあった。

僕は常に具体化させていくのがクセだから、これを実現するためにはどうすればいいんだと。「世界旅行だったら簡単だよね。お金と時間があればいいよね」「女の子にモテるのは、お金があってもちょっと難しいかもしれないよね」みたいに具体化させていくわけだ。28個くらいお金だけじゃダメだけど、お金はとりあえず必要だったんです。全部足すと10億くらいだった。だから、まず10億稼ごうと思った。

劇団四季はお金があっても入れない夢のうちの1つだけども、僕のやりたいことは30個あるわけだから、そのうちの28個のベースとなるのはお金だから。とりあえずそれを足した金額が10億だったら10億稼ごうと、こういう順番で。じゃあ、10億稼ぐにはどうしたらいいかというプロセスに入っていくわけですね。

残念ながらそのプロセスに入ったとしても、劇団四季には入れないわけだ。それは別に一致してないけども、リストを1個1個潰していく感じだ。さらに30個が40個50個60個に増えていくこともあるけど、それに対して僕には何が必要かと。

おそらくそれは、みなさんにとってもあなたにとっても、やりたいことが明確化されて、それは1個じゃないの、10個20個あって、望んでもなれることとなれないことがある。つまり、やれることとやれないことって必ずあるからね。

それをかなり冷静に分析しながら、諦めないけども。繰り返しになるけど、劇団四季、僕が買収すればいいんだから! 10億じゃ無理だけど、1000億突っ込めば買えると思うんだよ。

質問者7:はい(笑)。

小澤:そういう話だと思います。だから、諦めてるわけでもなんでもなく、プライオリティを付けながら、現実的に自分がやれることに対して、具体化して、それを1個1個プロセスで歩んでいるというかたちになります。以上です。

質問者7:すみません、続いていいですか?

平尾:続いちゃうの?(笑)完結にスパッといってくださいね。

1つのことに夢中になる人間の本性

質問者7:お金を稼ぐための手段として事業をされるじゃないですか? その事業に対して、思い入れがないと儲からないと思うんですよ。その思い入れをどうやって引き出してきたのかなというのをお聞きしたいです。

小澤:非常に簡単に言うと、その10億がどれくらい必要かという思い入れがあれば、やれるんですよ。二次方程式だかなんだか知らないけど、あれが役に立つと思って勉強してるヤツはいないわけだ。東大に行きたい、早稲田に行きたい、慶応に行きたいと思っているからやれる。あれに惚れ込んで志を感じて、三角と丸と四角のココの面積を心から求めたいヤツがいるか!? って話なんだよ!

(会場笑)

質問者7:いないです(笑)。

小澤:極端な話、人間ってそういうもので、パズルで徹夜できるでしょ? ロールプレイングゲームで徹夜できるんだ。人間というのはそういう謎の本性を持っていて。そもそもパズルなんて元々の絵をぶっ壊してそれを組み立てるだけで、夢中になれるんだよ? 人間というのは、それくらい意味のないことに夢中になれる。何かを解決しよう、何かが問題であると思うと一生懸命解決したくなる人間だから。

それがインターネットなんて活用した日には、世の中の困っている人を解決できるんですよ。その人から「ありがとう」って言われながら、お金もらえるんですよ。

これはどう考えても、ココの面積よりも価値があることなんですよ!それに気づくんですよ、我々は全員。1回、佐藤さんと宇佐美さんと一緒に話したことあるんだけど。それぐらいインターネットというのは、僕らにとって貴重なものだと、ある日気づく!

元々、そんな人間のヘンテコリンな本質があるのに加えて、人から感謝されて、かつ金がもらえると。「こんなすごい商売ないぞ!」と思うと、劇団四季のプライオリティがちょっとだけ下がるんです(笑)。

(会場笑)

平尾:ありがとうございます。じゃあ、続いて、はい。後ろの方。

経営者たちの最新の挑戦

質問者8:レッティ株式会社の〇〇と申します。質問としては、みなさんの課題感とか現在の挑戦とかの話をお伺いしたいなと思っています。先ほど、小澤さんの話もあったと思うんですけど、ニケシュさんが上司になられて、それって1つ大きな挑戦かなと思ったので、そこをお伺いしたいなと思ったのと、真田さんも最近アメリカに行かれていたと思うので、そこらへんで感じた具体的な課題感とか挑戦をちょっとお伺いしたいなと思います。

平尾:具体的なお話ですね。真田親分からいきますか。「アメリカ行かれていましたよね?」ということで。

真田哲弥氏(以下、真田):一度やったことがあることは、もう1回やって、3回目やってとかやってると、だんだんつまらなくなってくるんですね。そうすると、まだやったことがないことがやりたくなるわけです。

僕は今まで、日本でさんざんいろんな商売やってきたけど、海外で1回も商売を成功させたことがないんです。海外旅行行ったことない人が海外旅行行ってみたいという発想に近いかもわからないです。

最初は、日本である程度成功させてきたから、次は海外でやってみたいという個人的欲求。これもすごい大事だと思います。会社の経営者だから個人的な欲求だけで動いたりはしません。もちろん戦略があって、戦略の中で組み立てていってやってるわけですけど、次はまだ成功できてないところで成功したい。

ひょっとして、インターネットじゃない事業でもう1回挑戦をしたいという気持ちもあります。インターネットではもうやり方がわかってきたし、僕がやらなくても僕の部下に任せていれば、それなりにやってくれるだろうと思ってるわけです。でもそういえば、地べたのビジネスって最近してねぇな~とか思うことがありますね。地べたのビジネスって不動産屋っていう意味じゃないですよ(笑)。

実際やるかどうかは別ですけどね。自分が成功できたら、次まだできていないエリアを求めて……狩猟・ハンター系ですよね。

平尾:お二方はどうですか? 最近の挑戦に関しての、真面目なお話ですけども。

宇佐美進典氏(以下、宇佐美):最近、同業の会社を買収してグループになってもらったんですね。さっき真田さんからは違うというお話がありましたけれども、僕らは非常に価値観を大事にしていて。

真田:今の歳はそれで十分ですよ! 学生さんならって話で。今の歳で価値観が合わないヤツとはもう一生価値観合わないですから(笑)。

宇佐美:はい(笑)。何が挑戦かというと、やっぱり異なる会社って、価値観違うんですよ。僕ら今、全社で300〜350人くらいいて、その新しくグループになった会社が40人くらいなんですけど。

40人の異なる価値観のチームの人たちを、どうやって同じこちらの価値観のチームに融合していくのか。もちろん完全にこちらの価値観に合わせるだけではなくて、彼らのいいところを取り入れつつ、逆にこちらのいいところも彼らに取り入れてほしいという部分を融和させていくのかというのは、非常に大きなチャレンジというか、難しいなと思いながら、今やっています。そのへんは、たぶん平尾さんのほうがいろいろやっているので、聞いてみたいですね。

平尾:いえいえ。ありがとうございます。モデレーターなので、私400文字以上しゃべらない計画でおりましたが、ここだけ入らせていただいて(笑)。先ほど自己紹介のときに、自分だけ挑戦することを言ってなかったんですけど、ここで言わせていただくと。

リリースをご覧いただいたかもしれませんが、スカイマークさんと事業提携をさせていただくことになりまして、例えば、堀江(貴文)さんが上場していたときも、みなさんライブドアとか知っているかもしれませんが、彼はホームページ制作で上場までいったんですよね。

いろんな企業さんとのホームページを作っていく。私も19歳のころから商売をやっていて、いろんなITの先輩方を見ていて、まだまだITのフロンティアというのは、いろんな大企業様の中に広がっていると思いまして。

今回債権者さんとかもいらっしゃるので、なかなか慎重にやっていかなきゃいけないタイミングではあるんですが、「じげん」という会社を宇宙まで進化させていきたい中で、いったん空まで飛び立とうと! テイクオフしようと!

半年くらいお願い申し上げながら、「空に行きたいんです」「ドローンではなく、飛行機で行きたいんです!」と申し上げて。本当に口説きに口説いて、熱量で何とか応えていただいたのが、半年後というようなかたちでございます。

まだまだ無償支援ですから、これからどんな事業ができるのかというのを、既存の枠組みを越えながらやっていきたいなと思っております。

平尾:すみません、佐藤さんの話も聞こうかなと思っていたんですけど、お時間が60%くらいきてますので。今日聞けなかったらなかなかチャンスないですよ。元気良く、「はい!」と。元気いいほうからいきますので。彼いいですね。後ろの方ピシッといきましたね。

経営はマラソン

質問者9:個人的には、何かをするのであれば、一番にならないといけないと思っているのですが、私見で恐縮なんですけれども、今立っていただいているみなさんは一番じゃないかなと正直思っていまして、インターネットという領域においても、それぞれの事業の中でも。

平尾:ヤフージャパンさん、日本で一番大きな会社さんですよ。

質問者:僕の私見なんですけど、ヤフーさんよりもGoogleさんのほうが何か強いかなとか。

平尾:うわ〜、言うね。

質問者9:セプテーニさんとサイバーさんどっちが強いかなとか、わかんないですけど。みたいなところがある中で、一番を追求したいなと思っています。

みなさんそれぞれお立場があると思うので、もちろん今のお立場であれば、今の会社の事業を強くして一番になっていくというのは、前提であると思うのですが。あえて、今のお立場、今の会社じゃないところ、1回それを捨てるとしたときに、何をして世界で一番を取りにいくのか、というのを今日のテーマにもかけてお伺いしたいなと思いました。

平尾:今の立場を捨てて何をするか、という話ですね。佐藤さん、よろしいですか?

佐藤:ご指名いただいてありがとうございます。今の立場を捨ててというのは、あんまり考えたことがないので、ちょっと想像できないんですけど。

自分が何か勝負をしたら確実に勝ちに行くという、勝負について、負けたくてしているということはまったくないですね。常に携わった仕事はすべて一番になるという目標でしています。なので、競争相手の方が誰であろうと特に変わらなくて、ずっとそうかなぁと。

あとは、ポイントで言うと時間軸ですかね。いろんな条件とかがある中で、経営ってやっぱりマラソンなんですよね。最終的に最後のゴールテープ切る瞬間で勝っていればそれでいいんですよね。すべて過程は、単なる戦い方のプロセスなので、最後のゴールテープ切る瞬間に勝つことを明確にイメージしながら、すべての事業をしています。

競争相手を気にして、心が揺れるみたいなことはあんまりなくて、最終的に市場とか顧客に対して、思いっきりインパクトを与えるにはどうするか、ということを常に頭をひねりながら、脳みそに汗かきながら取り組んでいると、こういう感じですかね。

平尾:ありがとうございます。よろしいでしょうか。では、続きまして。

仕事に夢中で恋愛できない

質問者10:インタビュー記事とか本に書いていない人生相談ということで、真面目な話になってしまうんですけど、恋愛について聞きたくて。

平尾:きましたよ!(笑)

質問者10:というのも、真面目な話なんですけど(笑)。恋愛って、人を愛することって必要なのかな、みたいなことを思っていて。僕は何か目標に対してみんなで熱中するみたいなことが好きで、今は恋愛の優先順位が低くて、たぶん今ここにいる人とかも20代は仕事に没頭するみたいな人が多くて、プライベートな時間とか少ないんじゃないかなと思っていて。

僕はそれでいいかなと思っているんですけど、人生の偉大な先輩方に聞くと、「お前わかってねぇよ」みたいなことを言われて、一人の人を大切にすることこそが、人生を豊かにするということを伺って、そのへんの恋愛観についてお伺いしたいです。

平尾:さぁ、きました。笑顔のお二人あたりから切り込んでいきたいなと思っておりまして。毎回誰か、恋愛について聞きたいとというのがあるのかな。どうしましょうか、真田さんからいっちゃいますか? 親分お願いします。

真田:僕は、仕事でもスポーツでも女でも、1つのことに夢中になれる人、夢中になり度が強い人というのは、成功する人だと思っていて。1つのことに夢中になれない人はなかなか成功していないと思ってるんですよ。そういう意味で、一時期仕事にガーッと夢中になっているときは、恋愛とかって忘れてると思いますよ。

ただ、一生そのままってことはないでしょう。なので、今、同時にあれもこれもそれも大事にするなんてことを器用にできる人、まぁそういう人もいますよ、あれもこれもそれも同時に器用にやる人もね。

でも僕は、成功しているベンチャーの社長、スポーツマン、あるいは、演劇でもなんでもいいですよ。成功している人って、一時期ひとつのことにガッと集中して夢中になってる人が成功しているように思う。心配しなくても、君もナニがついてる から、ついてる人は必ず好きな女ができますから大丈夫です。

平尾:ありがとうございます。大きな拍手をお願いします。親分、立派です。ありがとうございます。素晴らしいですね。

(会場拍手)

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