2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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みなさん、おはようございます。いま、オープニングのビデオがありました。わたしはまだ、この情報革命というのは始まったばかりだというふうに思っております。
企業の成長の鍵、ひとことで言い表すとすれば、情報革命であると。情報革命こそが企業のこれからの成長を牽引する。それは単にITの業界だけではなくて、自動車産業であれ、ファッション産業であれ、あるいは医療の世界であれ、あらゆるところに言えるのではないかと思います。
ちょっと振り返って見ていただきたいと思いますけれども、このたった20年間で全世界の株式市場がどのように推移したかということであります。全世界の製造業の時価総額は20年間で12倍になりました。
しかし、インターネットの産業というのは20年間で710倍になりました。どうでしょうか? たったの20年間です。たったの20年間でこのように変わったわけですね。
ちょうど2000年の頃に、インターネットバブルと言われ、そのインターネットバブルが弾けたと。ソフトバンクの株価もたった1年で99%も下がったと。100分の1になったということがありました。
そのときに多くの人々は、ネット企業というのはまるで犯罪者かのように言いました。株式が暴落してですね……しかし、いまどうでしょうか? そのときのピークをはるかに上回る企業の価値が、このインターネットの産業から生まれました。
まさに、これは一時的なブームではなくて、一時的なバブルとかそんなものでもなくて、新しい時代のトレンドだというふうに言えると思います。まさに情報革命そのものであるというふうに思います。
企業の成長の鍵、この情報革命、インターネットの革命に対して、ひとつは情報武装するということですね。そして情報武装した新しい時代の機器を使って、どのような成長戦略を描くかということになると思います。
まず情報武装ですけど、前回のソフトバンクワールドでも、みなさん1日も早く情報武装をしましょうということを申し上げました。(前回と)同じような質問を会場のみなさんにしてみたいと思います。いま現在、スマホを自分で持っているという方はちょっと手をあげてください。
(会場挙手)
では、別の聞き方をします。いま現在、自分でスマホを使ってないという人は手をあげてください。
(会場挙手)
あ〜、いました。1%くらいいましたか。もう、その方は化石です(笑)。
(会場笑)
この情報時代のなかで、スマホすら使っていないという人は、1日も早く自らを進化させてほしいと思います。別の質問をしましょう。いま現在、自分でiPadのような、タブレットを使っているという人は手をあげてください。
(会場挙手)
はい、ほとんどですね。じゃあ、使ってないという人は?
(会場挙手)
あ〜、やっぱりスマホよりも多くいましたね。これは武士で言えば、大刀と小刀、二本差しと言いますね。昔からの文化で、侍は大刀と小刀の両方を持っていないと、武士としてのたしなみがないと言われましたけれども、スマホとタブレット、両方を自分に武装してないという人は、戦にも出かけられないと(笑)。
(会場笑)
日本の侍が、戦に出かけられないで、侍の役割を果たせるかということであります。当然これらを毎日使いこなすということは、実はこれは、単に手元にある端末ということで、スマホもタブレットもほとんどこれらは、上のクラウドにつながって仕事をこなしているということであります。
Googleであれ、Yahooであれ、Amazonであれ、あるいはアリババであれ、みんなクラウドにつながって仕事をしているということであります。
これら3種の神器をフルに使いこなして、初めて情報武装したと言えると思います。これらを情報武装して、どのように成長戦略を描くのかと。いまさっき手をあげていただきましたが、一部の人をのぞいて、もうみんなが持っていて当たり前という状況になっているわけですね。
これらを単に持っていて当たり前という状況で、これから新しい差別化をみなさんの業界で、あるいは他の人々に対して、自分の競争優位、自分の会社の競争優位を保てるかということになりますと、いまだけではなくて、これから10年後、20年後、30年後の近い未来がどうなるのかということを読み込んで、それに対し、戦略的に事前に準備をするということが肝要だろうと思います。
私事になりますけど、ソフトバンクがボーダフォン・ジャパンを買収し、このモバイルの分野に参入するという意思決定をする2週間前に、ボーダフォン・ジャパンを2兆円を持って買収しに行ったわけですね。
その2週間前にわたしは何をしたかということですけど、1人の人物を訪問いたしました。わたしが2兆円の賭けをしていいのかどうかと、つまり戦に出かける、それをしていいのかどうかということを意思決定するために、1人の人物に会いに行きました。
それはソフトバンクがモバイルの分野に参入してですね、果たして戦いに勝てる武器を手に入れることができるかどうかと、まだ世の中の誰も持っていない武器、わたしが競争優位に立てるためには、どういう武器を手にしたらいいのかと、誰に会いに行けばいいのかということであります。
その人物はスティーブ・ジョブズでありました。その時代、まだAppleはスマホ、iPhone、発表していませんでした。Appleの社内でもほんの5〜6人の極秘プロジェクトチームが発足したばかりということでありました。当然外部の人は誰も知りません。
そのときにわたしはスティーブに会いに行って、これからソフトバンクはモバイルの分野に参入したい、携帯の会社を買収したいと考えてるけど、新しい武器が必要だから、それはあなたしかいないんだと。ぜひ組んでやってくれないかということで、僕が手書きの絵を見せて、当時のiPodに携帯の機能をつけて、こういうものをつくってほしいと言いました。
「何で俺に会いにきたんだ?」と言うと、あなたはOSを持っていると、あなたはiPod、手に持って運べる、この小さな端末をつくる能力を持っていると。OSとこの小さな端末を足せば、新しい時代の携帯端末ができるじゃないかと。だからつくってほしいんだということを言いに行ったら、彼はニコッと笑って「お前はクレイジーなやつだ」と。「でもそんなクレイジーなお前が好きだ」ということで、組もうということになったわけですね。
だからソフトバンクは他の誰も手にしていなかった、新しい時代の情報の武器を手にして、独占販売して、ソフトバンク・モバイルが発展したわけですけど、そういう新たな武器があったからこそ、2兆円の賭けに出れたわけですね。ただ単に博打打ちで、2兆円を掛けて、何の手段もなく、戦略もなく戦いに参入するというのは無謀です。
だからわたしは、情報武装をする、そして成長戦略としては、これからの時代、単に音声で喋る携帯の時代から、モバイルがインターネットの最も重要な機器になるという時代を先読みし、成長戦略を描いたわけですね。ということで、成長戦略とは何かというと、これからやってくる10年後、20年後、30年後の近い将来を推定し、他社よりも先に手を打っていく、準備をするということであります。
そこで情報革命の、新たな時代の、いろんな機器がありますね。いっぱい手段があるわけでう。もちろんみなさんのなかで、わたしはこの分野の、この新しい成長戦略を自分たちの戦略的方向として定めると。みなさんなりにいろいろあると思います。立派な未来の成長戦略を描ける道筋であります。
そのなかでも特にわたしは、3つこのなかから選択したいと思います。これはソフトバンクが置かれたポジション、ソフトバンクが得意とする分野、そしてわたし自身が成長の大きなうねりの中心になると読んでいるもの。この3つであります。
IoT、AI、そしてそれらを使ったスマート・ロボットであります。この3つについて、ソフトバンクグループはより注力していくわけですけど、その考えをみなさんに一部披露したいと思います。
まずIoTです。いま現在、我々は1人あたり平均して2つのデバイスを持っています。先ほども手をあげていただきましたね? ほとんどの人がスマホとタブレットを持っている状態であります。
しかし、いまから30年後世の中はどうなるかと言いますと、1人あたり平均して1000個のデバイスがインターネットにつながると読んでいます。1人あたり1000個です。
松下幸之助さんが、松下電器を始めた頃に、当時はまだ日立さんとか、東芝さんとかの大きな会社が産業用の大きなモーターをつくって販売していると。そういう時代に幸之助さんは、一家に10台くらいモーターが普及する時代がやってくる、わたしは一家に10台くらい普及するであろうモーターを自分たちの製品に組み込んで、水道をひねれば水が出てくるように、ありとあらゆる家庭電化製品を提供したいと語られました。
わたしは10台どころではないと思っております。1人あたり平均1000個のデバイスがインターネットにつながると。そんな時代がくるというふうに読んでおります。つまり、人間の人口よりも多いと、10兆個のデバイスがインターネットにつながると、つながってないものがほとんどないという時代がやってくると読んでいます。
これらインターネットにつながるあらゆるものが、クラウドにつながる。それがビッグデータになるということであります。10兆個のデバイスがあらゆる情報をクラウドに持ち寄ってですね、それらが重要な意思決定をする役に立つという時代であります。
このビッグデータは単にデータがあるだけでは、意味をなしません。これらを分析し、データマイニングした結果の、情報を使って新しいビジネスモデルを構築する。これが戦いに勝つための重要なキーであります。
例えばひとつの例をとりましょう。いままでイスというと、単に座ってリラックスするための家具でした。しかしIoT、イスにさまざまな機器が組み込まれて、それらの機器がIoTとしてクラウドにデータを吸い上げる。クラウドから結果が出てくると。そのイスがありとあらゆるモノにつながると、そしてそのイスは家電を操作するようになったり、体調を管理する、あるいは病気を発見する、姿勢をコントロールする、また感情までコントロールしてくれると。そんな時代がくるんではないでしょうか?
これらのイスは単体で存在しているのではなく、イスは冷蔵庫にもつながり、靴にもつながり、ヘルスメーター、歯ブラシ、ありとあらゆるものと連携するようになります。そして、そのことによってその人の健康をサポートすると。
冷蔵庫に入っている食品をリアルタイムで管理し、ミルクが明日には賞味期限が切れそうだとなると、冷蔵庫から指示がいき、明日の朝までに新しいミルクが玄関先に届くと。そういう形で連携していくと。
我々は1人の人間がたった1人の人間で社会に存在しませんね? 多くの他の人間だとか、友達だとか、同僚だとかとコミュニケーションをとりながら社会が成り立っているわけですが、人と人がつながるだけでなく、人と物がつながり、物と物がつながり、ありとあらゆるものがつながる社会がやってきます。
それらの物と情報がつながって、これらを活用している人は保険代が安くなるとか、健康食品のお勧めがきて、マイレージポイントがたまると。それらをたくさん使っている家庭、自治体、国はですね、医療費用も安くなると。そうして病気をしにくい社会が誕生するなど、ありとあらゆる社会がエコシステムとしてつながっていきます。
IoTという言葉をはまだなんだかとっつきにくいなと、3文字言葉でよくわからないと。一体全体そんなニッチなものが本当にこれから広がるんだろうかと思っている人がまだまだたくさんいると思います。
しかし、スマホが生まれた直後はですね、「これからはiPhoneの時代だ」と一生懸命口から泡を出して言っていたときに我々の競合他社や多くのマスコミでは、日本ではワンセグが携帯に入って当たり前、赤外線が入って当たり前、おサイフケータイが入って当たり前だと言っていたわけです。
これは日本独自の文化・機能に適合していないiPhoneは日本の社会では売れないと、もっともらしく記事に書いたり、記者会見の場でおっしゃっている状況でした。しかし、時代はどうでしたでしょうか? まだ10年も経ってないのに、いまやスマホがあって当たり前という時代になりました。
つまり、スマホが人々のライフスタイルを変えたように、これからはIoTがあらゆる形で人々のライフスタイルをもっと爆発的に変えていくと思っております。その分野の最先端をソフトバンクは積極的に挑戦していく会社でありたいと考えています。
また、我々ソフトバンクとお取り引きいただいている会社様にはぜひそのようなことをお勧めしていきたいと考えています。
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