2024.10.01
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【慰霊の日・戦後70年】沖縄全戦没者追悼式(全1記事)
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翁長雄志氏:平和宣言。70年目の6月23日を迎えました。私たちの郷土沖縄では、かつて史上まれに見る熾烈な地上戦が行われました。20万人あまりの尊い命が犠牲となり、家族や友人など愛する人々を失った悲しみを私たちは永遠に忘れることができません。
それは私たち沖縄県民が、その目や耳、肌に戦のもたらす悲惨さを鮮明に記憶しているからであり、戦争の犠牲になられた方々の安らかであることを心から願い、恒久平和を切望しているからです。
戦後私たちはこの思いを忘れることなく、復興と発展の道を力強く歩んでまいりました。しかしながら、国土面積の0.6パーセントに過ぎない本県に、日米安全保障体制を担う米軍専用施設の73.8パーセントが集中し、依然として過重な基地負担が県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与え続けています。
米軍再編に基づく、普天間飛行場の辺野古への移設をはじめ、嘉手納飛行場より南の米軍基地の整理縮小がなされても、専用施設面積の全国に占める割合は、わずか0.7パーセントしか縮小されず、返還時期も含め基地負担の軽減とは程遠いものであります。
沖縄の米軍基地問題はわが国の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべき重要な課題であります。特に普天間飛行場の辺野古移設については、昨年の選挙で反対の民意が示されており、辺野古に新基地を建設することは困難であります。
そもそも私たち県民の思いとは全く別に、世界一危険といわれる普天間飛行場の固定化は許されず、「その危険性除去のため辺野古に移設する。嫌なら沖縄が代替案を出しなさい」との考えは、到底県民には許容できるものではありません。
国民の自由・平等・人権・民主主義が保障されずして、平和の礎を築くことはできないのであります。政府においては固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古へ移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を、再度見直されることを強く望みます。
一方、私たちを取り巻く世界情勢は、地域紛争やテロ、差別や貧困が元となり、多くの人が命を落としたり、人間としての尊厳が蹂躙されるなど、悲劇が今なお繰り返されています。このような現実にしっかりと向き合い、平和を脅かす様々な問題を解決するには、一人ひとりが積極的に平和を求める強い意志を持つことが重要であります。
戦後70年を迎え、アジアの国々をつなぐ架け橋として活躍した先人達の万国津梁の精神を胸に刻み、これからも私たちは、アジア・太平洋地域の発展と平和の実現に向けて努力してまいります。
未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさを作り上げ、時を越えていつまでも子ども達の笑顔が絶えない、豊かな沖縄を目指します。
慰霊の日にあたり、戦没者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、沖縄が恒久平和の発信地として輝かしい未来の構築に向けて、全力で取り組んでいく決意をここに宣言します。
平成27年6月23日 沖縄県知事 翁長雄志
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