【3行要約】
・旧統一教会の解散命令が改めて出たが、内部資料「TM特別報告書」に基づく再調査を自民党が拒む姿勢が問題視されています。
・ プチ鹿島氏は有田芳生氏への取材を通じ、KCIAと統一教会が69年から始めた政界工作が今なお尾を引いていると指摘しています。
・ 自民党は第三者委員会による再調査と検証を行い、同じ過ちを繰り返さない体制を整えるべきだとプチ鹿島氏は訴えています。
「TM特別報告書」で浮上した疑惑を自民党はなぜ再調査しないのか
西村志野氏(以下、西村): ここからは前半レギュラーのラジマガコラム。木曜日はプチ鹿島さんの『プチ鹿島の「朝からタブロイド」』です。今日はどんなお話でしょうか。
プチ鹿島氏(以下、鹿島): 今日のテーマはですね、旧統一教会と政界の接点。33年前の気になる記事。後半は自分で調べたことを改めてお話ししようと思うんですが、まず昨日の解散命令ですよね。
今後としては被害者支援策、これがどうなるのか。例えば宗教2世の子どもらの支援体制とか、こういう課題をずっと見ていかなくちゃいけないと思うんですが。
今朝の毎日新聞だとやっぱり気になるのが、教団と政界の接点について書いていて、「疑惑うやむや」と。自民党は2022年に「今後は旧統一教会と関係を絶つ」と宣言しているんですが、年末以降また新しいニュース、情報が出てきたじゃないですか。それが教団の内部資料とされる「TM特別報告書」ですよね。
この報告書には多くの政治家の名前、接触の記録、会談の報告があるんですが。記事にも書いていますけど、それでも自民党は再調査しない態度なんですよね。普通ならだって、「もう教団と接触しません」と言うんだったら、「じゃあまた疑惑が出てきたら調べます」というのが本来の態度だと思うんですが。
例えば、「報告書の信頼性がわからない」という言い方なんですが、だったら尚更調べたほうがいいですよね。この人は何回も出てきて、「こんな名誉を毀損する報告はないよ」みたいなことを逆に反論すればいいじゃないですか。
武田砂鉄氏(以下、武田):高市(早苗)さんは「あの報告書は自分の出身が神奈川って書いてあって、私は奈良ですからね」みたいなことを言って。ま、それでこの報告書が正統性のあるものではない、真偽不明なものだと言っているわけですけど。
であるならば、ご自分が出ているところをきちっとね、「これは違います」「これはこうです」とすべて立証すればいいだけの話だと思うんですけどね。
鹿島:高市さんに関しては、直接的な接触というよりは周りの方ですよね。内閣に寄与した、最側近と言われている佐藤啓(さとうけい)さんですか、副長官が統一教会の集会に招かれていて、これは文春が書いたのかな。で、ご本人もそれは認めているというので。
例えば取材した人からすると、「いやあの件ってTM報告書と合うと、けっこう時系列が合うよね」というのはあるので、じゃあ何が正しいのか、何が盛られているのか、何が嘘なのかというのはむしろ調べなくちゃいけないわけですよ。というのが、やっぱり重要ですよね。
こうなると、ただやっぱり選挙で大勝したから、もううやむやな空気になって。
そうなるとですよ、やっぱり3月、昨日4日にこういうスケジュールがあるというのは当然わかるわけじゃないですか。裁判の経過が出る。
それも織り込んで早めにやっちゃえみたいな要因もあったのかななんて思っちゃうんですよね。こうやってうやむやにする態度になると。そこはやっぱりこれからも注視していかなくちゃいけないと言うんですが。
33年前の猪木議員スキャンダルが示す統一教会と政界の蜜月
鹿島:で、本日の本題、テーマです。僕がちょっと自分が調べた旧統一教会系の記事、ニュースの話がありまして。これやっぱり今にもつながっているんじゃないかという、そこのお話をしようと思うんですが。
僕、数年前にプロレスラーであり国会議員でもあったアントニオ猪木さんについての本を書くことになったんですね。僕、大ファンだったから。
じゃあ政治家時代の猪木についてもちゃんと調べて書いておきたかったんですよ。というのは、ずーっと頭に引っかかっていたことがあったんですよ。それが今から33年前の1993年。だから平成の最初のほうですね、90年代前半。当時、猪木さんはスポーツ平和党という党を立ち上げていたんですよね。
武田:スポーツ平和党。ありましたね。
鹿島:89年に参院選に当選しているんですけど、それから4年ぐらい経っての話なんです。ちょっとその党で内輪揉めみたいなのがあって、元秘書の方が猪木さんを告発したスキャンダルがあったんですよ。「猪木のこの金の使い方なんだ」とか「態度なんだ」みたいな、要は暴露系の話ですね。
ワイドショーでは連日この話題で持ちきりで、僕も学生だったから、猪木ファンだったから見ていたんですよ。ただ僕はスタンスを言っておくと、政治家としての猪木にはちょっと距離を置いていて、「あの人に権力を持たせたらやばいな」というので一度も投票したことはないんですけど。
そういうスタンスだったんですけど、でもやっぱりあの猪木が責められているというので、ちょっとハラハラドキドキしながら見ていたんです。
するとワイドショーでその元秘書の方が、猪木議員と統一教会の関係を語っていたんですね。どういうことかと言ったら、当時ワイドショーでこう証言していた。「統一教会の幹部がスポーツ平和党にふだんから出入りしており、文鮮明(ムン・ソンミョン)の入国について動いてほしいと頼まれたこと」。
で、猪木氏は票と金のために受諾、まあ「いいよ」って受け入れたものの途中で断念した。で、結果的に金丸信さんに横取りされたというのを言っていたんですね。
こうした内容を言っていて、ずーっと気になっていたんですよ。なんで金丸信という当時の絶大な権力者の前に猪木に相談したんだ? 猪木、そうは言っても参議院議員1回生でしたから。
武田:そうですもんね。
文鮮明の訪日を実現させた「金丸信の便宜」
鹿島:それが謎だったんです。ちなみにその文鮮明の入国というのはどういうことかと言いますと、旧統一教会創設者の文鮮明氏が1992年に来日したんです。だからこの93年の1年前ですね。
本来は入国が不許可となるところだったんですけども、自民党の金丸信副総裁の便宜で認められていたことがわかったんです。当時から「金丸さんが動いたんだろう」と言われていたんですけど。3年前、韓国の外交省が公開した外交文書で、やっぱり金丸さんが動いていたと言うんですよ。
じゃあ当時なんで文鮮明氏は入国できなかったかと言ったら、アメリカで脱税の有罪判決を受けて服役していたんですね。で、入管法の規定では本来は入国できなかった。なので、法務省は当初不許可とするつもりだったんですが、金丸さんが動いたことで入れたと言うんですね。
先ほどの話に戻すと、金丸さんが動いて入れたと言うんだったら、当時の自民党のトップ、最高実力者言ってもいい存在だから、まあそうなんだろうなと思うんですけど。その前に猪木さんに持ちかけてたって秘書の方が言うんですよ。「これ本当?」と思って。
ずーっと気になっていたんで、本を書くにあたって、この記事を調べようと思って国立国会図書館へ行ったんですよね。そしたらやっぱりね、そのワイドショーの、元秘書が告発した翌日に、「新疑惑続々浮上」と言って東京スポーツが報じていたんですね。
武田:東京スポーツ。
鹿島:東京スポーツ、猪木さんはプロレスと親和性が高いですから。で、この日「猪木議員と統一教会の意外な関係が秘書によって暴露された」みたいな。「猪木はこれで金が入ってくるんだから」と言って話していた。
ところがなかなか猪木自身が動いても事態が進まなかったので、結果的に金丸さんに横取りされたみたいなことを東スポも報じていたということなんですね。
僕、東スポと言えども当時統一教会関連はもうガンガンやっていたので、なるほどなと思って、こういう記事があったんだと。じゃあ本を書くにあたって、周りの人に取材しようと思って。
というのはこの記事を読むと、スポーツ平和党の当時幹事長だった新間寿(しんまひさし)さんという方がいるんです。この方は猪木さんのプロレス時代からの本当に右腕として活躍されていた方で、スポーツ平和党でも幹事長。その方が統一教会の名誉会長と会談もしているというのが記事では載っていたんですね。
だから僕は3年前、新間さんに会いに行ったんですよ。もうお亡くなりになった方なんですけど。そしたら、他のことはけっこう饒舌だったんですが、「これ熱海に呼ばれて名誉会長と会談したんですか?」と聞いたら、「覚えてないな、覚えてない」。