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記子の気になる日本のほぉ~(全2記事)

戦後26回が解散選挙という異常事態 「抜き打ち解散」が奪う受験生と豪雪地帯の投票権 [2/2]

解散の10日前までに「理由」を通知しなければならない

三輪:そこで、この「衆議院の解散に係る手続等に関する法律案」について見ていきたいんですけど。だいたいどんな法律でも1条に目的が定められているんですね。この法律案の目的はこういうふうに書かれています。「この法律は、衆議院の解散に係る手続等を定めるとともに、併せて衆議院の解散による衆議院議員の総選挙の期日の公示に関わる手続きを定めることにより、国民主権の理念にのっとった議会制民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする」。

武田:うん。

三輪:これってすごく、目的の条項って私は大好きなんですけど、この目的からすると、今、衆議院の解散権の乱用がけっこう問題視されている現状において、逆に言うとこの目的が達成されていないと見ることができるわけですよね。

じゃあどういうことが達成されていないのかというと、やはり国民主権の理念にのっとった選挙になかなか言えないような、投票したくてもできない人がこんなにたくさんいるような状況って、本当に国民主権の理念にのっとっているんですかとか。

あるいはこのままの現状だと、議会制民主政治の健全な発展というのは、なかなか望めない状況なんじゃないですか、という問題提起をしているというふうに読むことができると思うんですよね。

武田:でもその目的というのは、言ってみればずっと無視はされていないけれども、軽視されてきたということになっちゃうわけですよね。

三輪:なってしまうと思いますね。最近さらに深刻なのが、投票率の低下というのもかなり深刻だと思います。今回みたいに解散から選挙まで期間も短いですし、天候の問題とか時期の問題もありますよね。さらに投票率がなかなか高まらないんじゃないかという懸念もありますね。

なので、この法案が成立するかどうかはさておきなんですけれども、この法案をきっかけにいろいろ考えられることがあるなというふうに思うんですよね。

さらにこの法案のおもしろいところがですね、手続きとして、内閣は2条なんですけど、「衆議院の解散に係る助言と承認をしようとする時は、当該解散の予定日と理由を、当該予定日の10日前までに衆議院に通知しなければならない」というふうにしているんですよね。

つまり、もし解散をするのであれば、「解散しますよ」ということと、その予定日、理由を10日前までに通知すると。つまりこれで議論の前提というか、考えるきっかけをちゃんと与えるということが非常に重要なんじゃないかという手続き法案なんですよね。

武田:うん。

選挙管理委員会への意見聴取も義務化

三輪:こういうふうに定めることによって、理由はポイントだと思うんですけど、日程と理由だと思うんですけど、「こういう理由で解散するんだよ」ということを、内閣はやはり衆議院に通知しなければいけないというところがけっこうポイントだと思います。

こういうふうに定めることによって、一方的な解散ってやっぱりできなくなりますよね。内閣が仮にこの手続き法案にのっとって解散をしたとてですよ、理由についてはこんなこと言っていたけど検討できるわけですよね。有権者もこれを考えることができると。このあたりがすごく法案のおもしろいところかなと思いますし。

さらに参議院にももちろん通知しなければいけないんですけれども。さらに3条なんですけど、内閣は前条の規定による通知をした場合において、当該通知に係る衆議院の解散に係る助言と承認をする時は、当該解散が当該通知に係る予定日以外の日にされることのないようにしなければならないと。必ずこれを守りましょうねというルールにしているんですよね。

武田:はいはい。

三輪:こういうルールを設定するというのは本当有意義だと思いますし、さらに5条の4項なんですけれども、「内閣は衆議院の解散による衆議院議員の総選挙の期日の公示に係る助言と承認をするに当たっては、解散の日までに、その総選挙の円滑な実施を図る見地からの、中央選挙管理会の意見を聴かなければならない。この場合において中央選挙管理会が意見を述べるに当たっては、あらかじめ全都道府県の選挙管理委員会の意見を聴かなければならない」と。

実際に選挙を統括するのは各都道府県、各自治体の選挙管理委員会ですよね。ここに意見を聴かなければいけないということを定めていて、ここも今回も投票券の遅配とか生じているわけですよね。

だからそういうことがないように、円滑にするにはどうすればいいかということを、ちゃんと各選挙管理委員会に聞いてくださいよということを定めることによって、参政権の保障を十分なものにしようという意図が感じられる法案になっています。

武田:これっていわゆる一般企業だとか学校組織だったとしたら、当たり前のことですよね。「この日にこういうことをやりますので、これまでにこれぐらい準備期間をやります。そのために事前に会議を開いておいて、ここのケツに向けて頑張っていきましょうよ」というふうにやるのは、ある種組織を運営する上では当然のことなわけですけれども。まあ、この選挙についてはそういうことがまだ整っていないというか。

三輪:整っていない。衆議院の解散に関しては、そういう十分な準備がなくてもいけちゃうっていう。それは良くないんじゃないか、っていう話なんですよね。

武田:一応解散をする時には、その時の首相というのは解散をする理由というのは、今回もそうですけれども、「なぜならこういう理由で解散します」ということを言うわけですけれども。

そうするともう本当によーいどんで始まってしまうから、そうではなくてこの案というのは、「解散する」と言ったんだったら、「なんでそれを解散するんですか」というのをきちんと議論をする場を作るということなんですよね。

三輪:ちゃんと通知して、議論ができるってことですよね。

武田:そうするとそれが可視化されて、この解散ってどういう意味があるのとか、確かにまったくだとか、いやこれは強引だと思うよというのを、有権者側が判断するという期間も作れるということなんですね。

三輪:やはりその判断がなかなかできない。解散してしまうと、国会の論戦がなくなってしまうじゃないですか。やっぱり国会の論戦と各地の遊説ってぜんぜん違うわけですよね。

自分が一方的に言いたいことが言えるのか、あるいは考え方の違う人同士が意見を言い合える場所なのかというのはぜんぜん違いますし。やはり同じ国会議員同士の会話なのか、付託を受けた人同士の会話なのか、そういった責任がない人との関係性として不均衡なところでの話なのかというのはぜんぜん違いますよね。

だからすごくこの法案はおもしろいなと思うんですよね。だからこういうふうにして、今、例えば解散って一方的にできちゃうよね、これが当たり前だよねじゃなくて、この当たり前は私たちの力で実は変えることができて、いいように変えることができるんだよということを、もうちょっと知られてもいいんじゃないかなというふうに思うんですよね。

武田:まあでも時の総理大臣というか、権力を持っている人たちは、まあこのままいきたいですもんね。

三輪:このままいきたいですよね。ただ本当に今回の選挙って、それこそ豪雪地帯の議員さんとかは、本当にこの時期に選挙するということについて、やっぱり地元でいろいろ批判も受けているんじゃないかなと感じます。

政権与党にいる人でも、そういう地元の声を聞いて「この時期の選挙というのは問題があるんじゃないか」という問題意識を持っておられる方は、おそらく大っぴらに仮に言えないとしても、けっこういらっしゃるんじゃないかなと思いますし。

権力というのは放っておくと、どんどん肥大化するし、ストップするのが難しくなるわけですよね。やはり権力というのは抑制的に行使されることで、市民のためになる。これは当たり前の話だと思うんですけど、そこに権力を持っている人こそ向き合わなければいけないということを考えてほしいなと思いますし。

だからもしこれから選挙現場とかで、いろんな候補者の遊説とかを聞かれる市民の方とかには、ぜひ「今回の解散についてどう思うんですか?」って。特に与党の議員の方に聞いてみられるのがいいのかなと思ったりするんですよね。やっぱりいろんな考えがあると思います。

各都道府県の選挙管理委員会のホームページを見比べてみると

武田:まあでも本当に現場の方たちがしっちゃかめっちゃかになりながら、いろんな投票環境を整えたりして、なんとか今週末に持っていくんでしょうけれども。

これがひとたび選挙としてひとまず終わってしまうと、これがまあ「できたじゃん」みたいなことになってしまうと。だって前も「えっ、なんでこんな2月にやったじゃん」ということになってしまうと、それはよろしくないことですよね。

三輪:本当によろしくないと思います。だから既成事実化してしまうと良くないし、どんな困り事があったのかということを残しておくべきだと思いますね。

武田:そうですね。

三輪:各都道府県の選挙管理委員会のホームページの一覧というものが総務省のホームページにあるんですけど、選挙管理委員会なんてどこでも同じでしょともし思われる方がいたら、ぜひこれ見てほしいなと思うんですけど。

各都道府県の選挙管理委員会ごとにホームページがありますけど、けっこうカラーが違います。それがすごくおもしろいので、ぜひご覧いただきたいなと思うんですけど。

例えば私これ北から見ていったんですけど、青森県の選挙管理委員会なんかは、「投票に行く前によく読んでください」というカードとかがありまして。もし字を読めない方がいる場合には、係の人が代わりに字を読んでくれますよとか、投票所にメモとか持っていっても大丈夫ですよとか、そういうコミュニケーションボードとかというのを作っていたりするんですよね。

これってすごくいいと思ったんです。この青森県の選挙管理委員会が準備している投票支援カードというのがありまして。でもじゃあこれってどこの選挙管理委員会にもアップされているのかなと思ったら、私がパッと見たところではこの青森県がすごく充実しているなというふうに思ったんですね。

さらに例えば石川県であったりすると、避難所からの投票の方とか、あるいは避難をしていて遠くに住んでいる方がどうやって住民票のあるところで投票ができるかという案内が書いてあったりとか。あとは、すごくかっこいいような特設サイトを作っている選挙管理委員会もけっこう多いんですけど。

あとポスターとかですね。ポスターとかを見ていると、どうも若い人にやっぱり選挙に行ってほしいんだなというのを感じたりしますし。山形県ってすごく投票率が高い県なんですけど、この選挙管理委員会のホームページを見ると、有権者教育の教材のリンクが貼ってあったりして、あ、こういうことを例えば小学生の時からずっとやっているんだな、それが投票率の高さにつながっているんだなということが見えてきたりしますね。

武田:各都道府県の選挙管理委員会がいかにこの円滑な選挙を成し遂げるため、やり切るために力を注いでいるかというのは、そういったホームページを見ると見えますもんね。

三輪:なんか「明るい選挙」って書いてあるところが多くて、でも明るい選挙って何だろうっていう。多分ですけど「公明な選挙」とかって言ったりするから、だから明るさというのがアピールされたりするんだろうけれども。

「明るい選挙って何だろう」っていうのをすごい思ったりとか、いろいろツッコミながら見るのがすごくいいかなと思いますね。

西村:みなさんもチェックしてみてください。このコーナーはPodcastQRでも配信しています。ラジマガコラム『記子の気になる日本のほぉ~』でした。

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