【3行要約】
・高市首相の消費税減税に関する発言は日替わりで変化し、「悲願」と言いながら第一声では言及せず、立場によって使い分ける姿勢が批判されています。
・ 解散表明から選挙戦開始までの短期間で、消費税への姿勢が大きく変わる様子は、プチ鹿島氏によれば「独断的なワンマン制」の表れとも言えます。
・ 国会での熟議を軽視し「国論を二分する政策も推し進めたい」と述べる高市首相の姿勢から、選挙後も「プロセス軽視」が続く危険性が指摘されています。
高市首相の第一声は秋葉原、当初は能登を希望していた
西村志野氏(以下、西村): ここからは前半レギュラーのラジマガコラム。木曜日はプチ鹿島さんの『プチ鹿島の「朝からタブロイド」』です。今日はどんなお話でしょうか。
プチ鹿島(以下、鹿島): 選挙がスタートしたということで、「高市首相の『あっ』と驚く演説とは。第一声からさっそく点検します」というタイトルでいきたいと思います。
武田砂鉄氏(以下、武田):はい。
鹿島: もう一昨日ですよね、27日に公示で始まりましたけれども。高市首相が選んだ第一声の場所がですね、秋葉原だったんですよね。
武田: うん。
鹿島: これは安倍さんがよく最終演説をやっていた場所なので、そこにイメージを合わせてきたのかなと。ただ安倍さんは最後だったんですが、最初に(秋葉原で)という。そこもいろいろ話題になっていました。
ただですね、ニュース番組を見ていたら、ジャーナリストの後藤謙次さんが出ていまして。後藤さんの取材では、高市さんはもともと石川県の能登で第一声を上げようとしていたと。
武田: へえ。
鹿島: ところが警備上の問題。まあこれはわかりますね。あと一つ、豪雪。
武田: 豪雪。
鹿島: これがあって、ちょっと無理じゃないかということで、東京に変えたというんですよ。
武田: ああ、じゃあその絵が映ってしまうことで、「なんでこんなところで」ということが伝わってしまうかもしれない。
鹿島: そうそう。もしくはもう物理的に雪があって、なかなか場所を確保できないと。なので東京に変えたというんですよね。
じゃあ真冬の選挙、特に雪国はどうするんだという指摘がずっと出ていますけど、当初は能登で希望だったというのが本当なら、高市首相が皮肉にも自分で実証してしまったということですよね。「この時期の選挙ってなかなか表に出るのが大変だよ」みたいな。
武田: 無理があるんだよ、ということがわかりますね。
鹿島: というのを実証してしまったという。で、秋葉原というのを考えると、なかなか味わい深いなと思ったんですよね。
武田: 確かにね。
「悲願」だった消費税減税に、第一声では言及なし
鹿島:あと初日の第一声で注目すべき高市さんの(発言ですが)、なんと消費税に対して言及がなかった。
武田: うーん。
鹿島: だってつい先日、解散をするという表明の会見では、「消費税減税は私自身の悲願」と言っていたんですよ。
武田: 悲願だ。
鹿島: 「悲願」と言っていたのに第一声で言わない、初日に言わないというのは、本当に悲願なんだろうかと思ってしまうんですよね。
武田: そりゃそうですよね。
鹿島: しかも、ここが大事なんですけど、じゃあその前の日、公示の前の日、26日は何を言っていたのか。日本記者クラブ主催の討論会というのがあって、高市首相はですね、「国民会議」というのがあって、夏までに結論が出たら臨時国会に法案を提出できると。
希望はできたら2026年度内、まあ来年ですよね、を目指したいと。かなり早い時期の実施に意欲を示したわけですよ。
武田: うん。
鹿島: この26日の高市さんは悲願モードですよね、これね。
武田: 悲願モード。確かにね、もうすぐやりますと。
鹿島: 悲願モード。しかし選挙が始まったら消費税減税の悲願を言わなくなったんだと。じゃあこれは何のための論戦なのかなというので、各紙、高市さんの消費税に関する時系列とか自民党内の証言を整理していましたので、ちょっとおさらいしたいと思うんです。
これは朝日新聞ですね。「来年中に消費税減税という党の公約を踏み越えた発言」。これにある政権幹部は、「中道改革連合が秋までに減税を実施すると言っていたので、引っ張られたのではないか」と。つまり、「練った上での発言ではない」との見方を漏らす。
「練った上での発言ではない」、突然言うキャラだというのがわかりますよね。
武田: はいはい。
鹿島: 同じ記事には自民党のベテランの発言も載っていまして、「物理的にどうやるというのか」と驚きを隠さないという。
武田: 隠さないんだ。
鹿島: 驚き隠されていませんね、もうね。
西村:(笑)。
武田: 隠さないで、もう「えっ、えっ」ていうのがもう出ちゃってるんだ。
鹿島: 党内から、もう身内から驚きを隠されない感じで。
武田: そうか。
日替わりで変わる消費税へのスタンス
鹿島: さらにもっと長い時系列で言うと、スタンスの変遷ですね、消費税。昨年の自民党総裁選では、持論とする食料品の消費税ゼロ、党内の支持を得るために封印しています。で、首相就任後も慎重な姿勢を貫いてきました。で、昨年12月、国会がありました。懐かしいですよね。
武田: 懐かしい。
鹿島: 消費税について、「特定の世代に負担が集中せず、社会保障の給付として還元されている」と主張していました。だが、さっきの冒頭に戻ります。解散を表明した今月1月19日の記者会見では「私自身の悲願だった」と。もう急に前向きな姿勢に戻ります。悲願モードに戻ります。
武田: うん。
鹿島: それで、1月23日に衆議院が解散されました。先週の金曜日かな。で、事実上の選挙戦に入るじゃないですか。そうするとやっぱりテレビとかに呼ばれていろいろ党首討論みたいのがありますけども、25日収録の民放の報道番組では、これまで「1年かかる」と慎重姿勢の理由に挙げていたレジのシステム改修について、「細かく聞けば半年でも可能ではないかという状況が見えてきた」と。
武田: 雑すぎません、それ(笑)。
西村:(笑)。
鹿島: 「細かく、やっと聞いたんだ」と思ったんで、僕びっくりしたんです。
武田: 今までふわっと「1年ぐらいかかる」ということになってたのが。
鹿島: そうですそうです。「1年ぐらいかかりますかね」っていう。さっきで言うと「こんなお蕎麦屋さん嫌だな」と思うんですけど。
武田: はいはいはい。
鹿島: ねえ。だから細かく調べなくても公言しちゃうタイプだということがよくわかります。
武田: 困りますね、それはね。
鹿島: まあじゃあそれも含めて、「わかったわかった、じゃあ高市さんは消費税の食料品の減税とかが悲願なんだな」と思ったら、実際に選挙戦が始まって、秋葉原とか福島に行った初日ですね、何を言うかと思ったら消費税については言わない。
武田: うーん。
鹿島: もうこれだけの短期間でも、おっしゃることはコロコロ変わっているんですよね。
武田: かつては「国の品格として消費税減税を」というふうに言っていた時もありましたものね。
鹿島: いやだからもう、毎日日替わり定食なんですよね。
武田: あら。何が出てくるかわからない。
鹿島: だし、その日替わり定食の消費税も、いったいいくらかかるかわからないわけですよ。
武田: 大変だそりゃ。