【3行要約】
・「4月解散説」が消え、高市首相が突然の選挙に踏み切った背景には、国会での追及を避けたいという思惑があるのではないかという疑念が広がっています。
・ プチ鹿島氏は「林総務大臣の選挙買収疑惑」「高市氏への宗教法人からの不透明な多額献金」など、国会で追及される可能性のある問題を指摘。
・ 有権者は「自分たちで未来を作る選挙」という高市首相の言葉に惑わされず、過去を検証する選挙として捉え、短期決戦の中でも冷静に判断すべきです。
「4月解散説」が消滅、なぜ今なのか? 国会を避けたい首相の思惑
西村志野氏(以下、西村): ここからは前半レギュラーのラジマガコラム。木曜日はプチ鹿島さんの『プチ鹿島の「朝からタブロイド」』です。今日はどんなお話でしょうか。
プチ鹿島(以下、鹿島): 今日のテーマはですね、「解散報道、この1週間で気になった記事を点検します」。
武田砂鉄氏(以下、武田):はい。
鹿島:総点検です。
武田:まあ、総点検ですね。
鹿島:自民党もよく点検しますけどもね。それだけじゃちょっと危なっかしいなと思うので。僕も、この1週間、先ほども言ったように大きなニュースばっかりなので、どうしても少し小さいザワザワっていうのが流れていっちゃう可能性があると。なので、あえてそこにこだわりました。
まず、解散はなぜ今なのか。まずそこからですよね。
武田:そうですね。
鹿島:めちゃくちゃ気になりますよね。
武田:うん。
鹿島:去年(2025年)からけっこう言われていたのが、予算が成立した後の解散はあるんじゃないか。つまり4月頃っていう説ね。それは、なるほどと思っていて。
武田:逆に言うと、さすがに予算はっていうことですよね。
鹿島:そうなんです。その前提はみんな共有していたことですよね。ということは、じゃあ、あと2カ月弱ですね、なぜ待てなかったんだろうって。だって2月8日でしょ?
じゃあこの2カ月、もしかしたらこの間に何かあるのだろうかなと。不思議に思ったので、ふだんこの季節、通常何があるのかっていう日程を調べてみたら、国会がある季節なんですよね。
武田:うん。
鹿島:そうか、国会かと。通常なら通常国会が始まりますよね。ということは、この2カ月をもう前倒ししてやっちゃうってことは、何か国会に出たくないのかなって、なんかちょっと高市首相が心配になったんですよね。
武田:国会に出たくない。
鹿島:でもそんなことないよね、総理大臣なんだからと思って。
武田:そりゃそうですよ。国会に出たくない総理大臣って困りますよね。
鹿島:そうそうそう。で、国会出て予算通して4月っていうんだったらまだわかるんですけど。国会出たくないのかなっていう、これ、僕、あくまで個人のあれですよ?
武田:ええ。
鹿島:そしたら悪い週刊誌がありましてですね、本日発売の週刊文春っていうのがあるんですけども、これちゃんと説明しているんですよ。「昨年10月に首相となって約3カ月、高支持率の一方、中国との対立は経済戦に発展」。で、今回解散なんですけども。「しかし国会が始まれば、追及必至の問題が次々噴出」。
武田:うん。
鹿島:これ、僕が言ってるんじゃないです、文春が書いてるんですよ。「林総務大臣の選挙買収疑惑」。
武田:あれもね、うん。
鹿島:「高市氏への宗教法人からの不透明な多額献金」。あと週刊文春などが報じた「旧統一教会のTM特別報告」。けっこう山積みなんですよね。
武田:はいはいはい。
鹿島:そりゃ国会出たくないだろうな、出たくなさそうな気持ちもちょっとわかってきたんですよね。で、高市氏への宗教法人からの不透明な多額献金っていうのは、週刊現代が主に報じてきているんですよ。
武田:ええ。
鹿島:「高市総理に3000万、謎の宗教法人から出た真っ黒決算報告書」っていうので。だからよく謎の宗教法人なんだけど3000万円も出てた、これ何? っていう。そりゃ野党は国会で聞くだろうな、っていう。
武田:そうですよね。ええ。
鹿島:もしかしたらこういうのがたくさんあるから突っ込まれたくなかったのかな。と思ったら、先週号で週刊文春が、「安倍銃撃事件の当日、高市首相最側近、佐藤啓副長官は統一教会の集会に招かれていた」。悪いスクープばっか出してるんですよね。
武田:そんなに前じゃないですもんね、安倍さんが亡くなられた時だからね。
鹿島:しかも当日ですから。あの日にも統一教会の集会に招かれていたんだっていうのが明らかになってきた。
「逃げないため」の解散? 高市首相の会見に見る“維新と同じ理屈”
鹿島:じゃあそれを経てですね、月曜日、首相会見。高市さんが解散の理由、これもね、19日に行って。報道が出てから10日経ってやっとですよね、公の場に出てくるっていう。その期間の長さも気になったんですが、じゃあ解散の理由を何と言ったのかっていう。
どうやらやっぱり冒頭部分に力を入れたって言うんですよね、解散表明のね。そうするとやっぱり、あらためてみんなと話し合いたいところがあって。高市さんがこうおっしゃってるわけですよ。「逃げないため、先送りしないため」。
武田:あら。
鹿島:僕が心配してた逆の理由を言ってるわけですよ。
武田:あらららら。
鹿島:国会避けてるんじゃないの? と思ったら、いや、逃げないため、先送りしないため今選挙をやるんだと。
武田:うん。
鹿島:で、あとこれもけっこう記憶に残ったんですが、「国民に決めてもらう」。
武田:はいはいはい。
鹿島:でもこれも、やっぱり国会を避けてるのではっていう心配を、ちょっと覆い隠すために、「いや人気があるんだから私は。もうゴチャゴチャうるさい、もう表出ろ」っていう。維新のあの選挙と同じ理屈になってきちゃったんですよね、どうやら。
武田:「とにかく表出ろ」ですからね。
鹿島:「とにかく表出ろ。私は人気あるんだから」。もうごちゃごちゃ突っ込まれるんだったら、もういいよ、2月にもう表出ろ、解散しようっていう。
武田:うん。でも政治家の中で議論してほしいですけどね、ちゃんとね。
鹿島:そうなんですよ。その表出ろの中で、まず教室で議論しません? って思ったんですけど、いいよ表出ろ、私人気あるんだからって。あ、これ維新と同じ理屈だなと思って。
あとこんなことも言ってたんです。「公明との突然の別れ」。
武田:別れ……これびっくりしましたね(笑)。
鹿島:これ、高市さんご自身の責任ですよね(笑)。公明との突然の別れって、なんかちょっとおもしろかったんだよな。
武田:何か演歌の花道みたいな。イントロみたいな感じですよね。
鹿島:突然の別れって、なんかこれ、ご自分に責任あるんじゃないかなと思って。
武田:でも逆にだからそこでその政治とカネっていう話はしないで、突然の別れっていうふうに。
鹿島:そんなことより、ですよね。
武田:そんなことより、なんだなあ。
鹿島:で、あと今回の選挙をどう名づけるか。高市さん、「自分たちで未来を作る選挙」。
武田:うーん。
鹿島:これ安倍さんの言葉に確か「未来は他人に与えるものではありません」というのが確かあったんで、やっぱそこから引っ張ってきたのかなと思うんですけど。
だから自分たちで未来を作る選挙っていうか、今回はやっぱり急に「表出ろ」って言われちゃったんで、有権者が自分たちで過去を忘れない選挙、過去を振り返る選挙でもあるのかなって僕はあえて対義語でね。
武田:はいはいはい。
鹿島:だって砂鉄さんもよく言いますけど、これ、未来をすぐ言い出す人ってちょっとね。
武田:うん。もうまず警戒しようということですよね。
鹿島:警戒したほうがいいじゃないですか、だって。
武田:ええ。だって基本その政治の仕事っていうのは、より良い未来を作るために今現在とか過去どういうことがあったのかっていうのを考えるっていうのが仕事なので。
過去と現在を考えずに「未来いっちゃおうぜ」っていうのは、それは国民の感情としてはあるかもしれないけど、政治家が一番やってはいけないことですよね。未来に逃げるっていうのはね。
鹿島:特に過去どんなことが行われてきたのかっていうことが問われているんだけど、どうやらその議論になりそうな国会はもうせずに、選挙やろうよって言ってるわけだから。
で、「未来を作る選挙」って、僕らの首根っこを前のほうに向けられてるわけですけど。いや、これ過去を検証する選挙でもあるっていう意識を自分たちで持たないといけないな、自分たちっていうのは僕ら有権者ですけど、っていうのは思いましたね。
武田:高市さんがいろんな諸問題について、「とにかくもう時間がないんです」と。「だからこそこの選挙をやるんです」って言うんだけど、時間がないんだったら選挙やらないで、今やれよという話なんですよね。
鹿島:特に消費税論議なんて、結局みんな同じようなことを言っていて、時期の問題、もしくは本当にやるのかどうかっていう話もあるし。じゃあ消費税の財源をどうするのかとか、そういう切り口もあるじゃないですか。それ国会でやったらっていう話ですよね。
武田:本当に、高市さんが会見で言ったことを、いろいろネットで全文で読めるようになってますけど、それ読んでほしいと思うんですけど、あれ全文読むと「いや、今やれよ」っていうことで終わると思いますけどね。