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プチ鹿島の「朝からタブロイド」(全4記事)

高市首相「逃げない解散」の矛盾をプチ鹿島氏が点検 予算前の“異例”決断に透ける「国会回避」と現場の混乱 [2/2]

「単独過半数が本音」なのに「連立の枠組みを問う」矛盾

鹿島:他にもけっこう矛盾があって。高市首相が連立の組み替えを問うんだと。これに対しては、じゃあ昨年秋に解散すればっていうツッコミがあるんですが、ここは僕やっぱり高市さんの立場になって考えてみたいなと思ったんですよね。

昨年10月ぐらいに何があったかっていう、もう1回みんな思い出してほしいんですが。やはりこれ、野党候補も含めて、首班指名が誰になるか怪しい瞬間って数日ありましたよね。

武田:ありましたね。ええ。

鹿島:で、思い出してほしいんですが、じゃあ自民党はもう必死になって、高市さんですよね、連立相手の日本維新の会と合わせて、もう参院で過半数に届かないと、参議院でもね。じゃあ過半数の到達を目指して何をやったかっていったら、あのN国と10月に参院会派を結成した。現在は解消しているんです。なぜなら立花党首の逮捕で。

武田:はいはいはい。

鹿島:N国ともいろんなものをかき集めて、で、会派を結成して多数派になろうとした。で、維新と連立をスタートした。

ただ、その維新は定数削減も打ち出して、これがうまくいかないと連立離脱を匂わせるっていう。だからその手口が、日刊ゲンダイに言わすと「チンピラ維新」みたいなことを言ってるんですが。

武田:うん。

鹿島:実際組んではみたけどちょっとめんどくさいなって、もしかしたら思い始めたのかなと思うんですよね。高市さんがですよ、高市さんの気持ちになってみるとですよ。

で、これ僕が勝手に思ってるだけじゃなくて、これ昨日の報道でも、「いつ解散をすれば自民で単独過半数が取れるか」っていうのが、ずっと目指していたことだったと。ただ、高市さんは「単独過半数が目標」ではなく、「維新との連立与党での過半数が目標」って言ってるじゃないですか。これはやっぱり維新への配慮だっていうんですよね。

武田:うーん。

鹿島:つまりこれ、10月からのプロセスを追ってみると、ひとつこういうことがわかるんですよね。「維新が不安なので単独過半数を取りたい」っていうのが本心なんだろうけど、しかし今回の選挙では「維新との連立」を問う、枠組みを問うって言ってるわけですよね。

これって矛盾してませんか? っていうのはどうしても思えるんですよね。

武田:そうですよね。しかも今回の目標が、自民と維新で過半数を目指すということなんだけれども、もう過半数だから、別に今現状維持でいいわけだけど、ここから別にプラスアルファしなくても、高市さんの中ではもう勝ったっていうことになってしまうということになってるわけですよね、今ね。

「単独過半数が本音」なのに「連立の枠組みを問う」矛盾

鹿島:いやそうですよね。いやだからこうした急なドタバタ選挙で、いろいろ、それこそ歪みとか軋みが出ていて。給付付き控除の会議も先送りしてるし、昨日の東京新聞一面トップなんですが、「物価高対策最優先どこへ、交付金急げ一転選挙」。

これどういうことかと言ったら、ある職員の自治体を取材しているんですが、「区民への交付金支給のため急遽専門チームに加わった」と。というのはこれ、昨年12月に国の補正予算に計上された「重点支援地方創生臨時交付金」、例えばお米券とかね、そういうのも入ってるんですけども。

これを高市さんが「国民のみなさまに迅速に対策の効果をお届けする」と説明したので、職員が支給するためのチームに入っていたんですが、年明け、そのチームから職員が姿を消したって言うんです。

そもそもこの職員は、選挙管理委員会の職員たちだったので、衆院解散へというニュースを聞いて、やっぱ自分の本業である選挙の準備をしなくちゃいけないから。

武田:ああ、そっかそっか。やばいやばいやばいってなって。

鹿島:つまりその「交付金急げ」って言って、みんなでチーム作っていたんですが、そこから抜けて選挙に、中止せざるを得なくなったということで。

結局じゃあ昨年末から言っていたこととちょっと違うね、ギクシャクしてるよねって、チグハグだよねっていう記事だったんですが、本当にそう思いますよね。

武田:そうですよね、だから本当に、この一度決められたことが、成し遂げられないっていうことがあまりにも多すぎて。でもこういうふうに選挙をやる大義は何なのかっていうことを、自分たちなりにこね上げた結果、そういった現場の職員の人たちが、大混乱になったりとか。

今、首長さんたちの中にもね、こんなスケジュールじゃやってられませんよっていうことを連帯して、声明を出したりもしてますもんね。

維新の「勝つまでじゃんけん」と、ねじれる自民党大阪府連

鹿島:いや本当そうなんです。だからこれ、一方の維新もね、大阪でダブル選を仕掛けて、僕これを、また都構想で出直し選とか入れ替え選とかやってるから、これもゴチャゴチャうるさいから「表出ろ選挙」って言ってるんですけど。東京新聞が、これを「勝つまでじゃんけん選挙」って言ってるんですよね。

武田:はいはいはい。うん。

鹿島:で、これ僕が注目したのがここなんですよ。例えば、衆院選っていうのが12日間の選挙期間なんですね。知事選っていうのは17日間。つまり、吉村さんは候補者として5日間長く活動できることになるんです。

武田:なるほど。

鹿島:これ、けっこうズルくないですか?

武田:そうですよね。だからそれで街頭立って、自分たちの選挙のことを言えるけれども、要するにその存在がバーッと周知されるわけですからね。

鹿島:そうそう。人より5日間長く活動できるので、もちろん直接選挙のこと言わなくても、吉村さん、維新が立って言えば国のことも思い浮かぶじゃないですか。与党なんだから。

武田:そりゃそうですよね。

鹿島:だからそういうなんか戦略もあって、なんか維新ってね、法に反しなければいいじゃないかみたいな、これコスパでしょタイパでしょみたいな、そういうのが見え隠れするんですが。

ここにもほら、いわゆる「だってルールなんだから」っていうのを利用して5日間長く活動できるアピールができるっていうのがあって。で、これも昨日ですよね。「出直し選、再選なら来年春までに都構想住民投票」。

武田:ええ。

鹿島:いやだから、もうそういうふうに言及、言ってるわけですよね。で、これ注目したいのが、維新の地元大阪では、大阪自民がやっぱり野党というか、対抗勢力になってるわけで。これ松川るいさんという自民の大阪府連の会長が、大阪のダブル選に対して「一人相撲」って言ってるんですよね。

武田:ああー。

鹿島:つまりこれは壮大な一人相撲で、自民党として候補者を擁立しない。そのほうがいいですよね。でも一人相撲になったとしてもですよ、えー、出直し選再選なら来年春までにもう都構想やりますって言ってて、すごいですよね、もう。

いろいろ言われてるんですけど、「もう俺出直します」みたいな、なんかサブタイトルが目に浮かぶんですけど。でもそれ本当に出直してるのかっていう話ですよね。

武田:うん。昨日維新の公約が出ましたけれど、これまでね、自民党と組んでた公明党はブレーキ役っていうふうに言われてましたけども、維新はもう率先して「アクセルだ」と。自分たちがアクセルを吹かしていくんだっていうふうに宣言をしてましたから。

鹿島:言っちゃってますよね。

武田:このアクセルがどういう走りっぷりを見せるのかっていうのはちょっと心配ですけどね。

鹿島:その自民の大阪府連の松川るいさんも、これ実は微妙な立場で。大阪ではそういうふうに言ってるわけじゃないですか。「壮大な一人相撲だ」って。でも同じ自民党で言うと高市さんにも似たようなことは、論評に当てはまると思うんですよね。そこに対しては言わないと。

でも松川るいさん、昨日は高市首相に対して「維新応援やめて」と猛アピールしていると。

武田:うん。

鹿島:すごいですよね。同じ与党なんだけど、維新の応援やめてって。それぐらい、もうねじれちゃってるっていうことなんですよね。

武田:うーん。でもなんかこの選挙の、この短い中で、いろいろな攻防があるんでしょうけれど、これが近づいてくると、そこがどこまで、もちろん報じられるのかっていうところもありますし、もうドタバタ、ドタバタですよね、そうなるとね。

「真ん中」は正義なのか? 新しくできた「中道改革連合」への違和感

鹿島:この1週間で言うとあと「中道改革連合」ってね、できましたよね。

武田:ええ。

鹿島:えー、立憲と公明ですか。

武田:はい。

鹿島:なんかすごく固い、よりによって一見さんお断りみたいな名前ですよね、なんかね。

西村:(笑)。

武田:なかなかね。

鹿島:それでいいのかと思っちゃうんですけど。

武田:暖簾くぐりやすいかっていうと、くぐりにくい感じはしますけどもね。

鹿島:固いですよね。ただこれ僕去年の10月から言ってるんですけど、やっぱり排外主義の色が濃い政党が出てきたり、候補者が出てきた他、自民党もね、石破さんから高市さんに代わって、そこにアクセルというか保守的なものにアクセル吹かしてるので。

じゃあそれに対抗して、より真ん中の、例えば昔で言うと自民党で言うといわゆるハト派と言われる人たちがいたじゃないですか。そういう人たちが空き家状態になっているので、支持層もですね。だからその層を獲得するためにできた、僕は新しい保守政党のひとつだとは、認識してるんですよね。

武田:うーん。

鹿島:ただその認識自体は、あんまり重心が右に寄ってるんだから真ん中を取りに行きますっていうのは、選択肢を増やすって意味では僕はいいと思うんですが。

一方で気になった点が、その立憲の野田代表が「中道っていうのは右にも左にも傾かず、熟議を通して解を見出していく」って説明していて、中道のことを言ってるんでしょうけど。ただ一方でね、僕気になるのが、真ん中にいることがあたかも正義であるかのような言い方っていうのが、ちょっと気になるんですよね。

武田:ああー。

鹿島:だって政党って、本当にそれが有権者のためになるっていうのであれば、傾いたっていいじゃないですかって僕は思うんですよ。

武田:そうですよね。

鹿島:それが、しかもですよ、これちゃんと注意しなくちゃいけないのは、事実に基づいて公正に向き合った結果、その政策が少し右か左に傾くんだったら別にいいことだと思うんですけど。

武田:うん。

鹿島:それが事実に公正に向き合ってるかどうかっていうのが大事なんですけど。だから僕、やりたいことがあれば別にどっちかに少しは傾いたっていいだろうし、それが情熱だと思うんですけども。

武田:まさにその「生活者ファースト」っていうのを連呼してますけれども、生活者のことをファーストに考えるのであれば、今どういう生活をしている人が、非常に厳しい状況に置かれてるのかってことを考えた時には、真ん中に立ってるだけでは見えてこない部分っていうのもたくさんありますからね。

鹿島:SNSでもね、右でも左でもありませんみたいな、よくそういうおじさんいますけど、だいたい傾いてますけどね。

武田:傾いてるんですよね。

鹿島:だから危ないんですよ。「自分は真ん中にいる」っていう、誰が決めてんのっていう。自分が思う真ん中だから。

でも何度も言いますけど、そうは言っても政権自体がちょっと右に行ってるんだったら、真ん中、あのハト派みたいなのを狙いますっていうのは、狙いとしてはいいんですけど。ただ、そのまんま中道って政党名にするんだと思って。そこらへんはちょっと考えましたよね。

武田:立憲と公明側が、それなりに時間をかけてたっていうふうに、後々今語り始めてますけれども、そうは言ってもこないだの選挙ではね、ライバル関係というかむしろVS関係にあったわけなので、その時の、どういうことを言ってたのかっていうのは当然掘り起こされるわけですよね。

公明党側が「いや立憲なんて」っていうふうに言ってたでしょうし、立憲側は「あの自民とくっついている公明なんて」っていうふうに言ってたっていうことは、いろんなところで出てくるわけなんでね。そのあたりを追及された時に、どういう言葉を返せるのかっていうのがポイントになるのかなとは思いますけどね。

鹿島:だから僕は新しい保守政党のひとつと認識してるので、そりゃ当然原発とか安保政策とか、こういうのが主張が変わる、もしくは真ん中に寄せていくっていうふうになるんだろうなと思うし。じゃあそれで納得できない人たちが、じゃあさらにリベラル派の連携っていうのが出てくるのか出てこないのか。今見てるとあんまり出てきてないですけどね。中道、けっこう立憲からほぼ参加するカタチになってるので。

じゃあよりリベラルな塊っていうのがいつできるのかな、大きくなるのかなっていうのもひとつ注目すべきだと思うんですが。でもこれ、政策的に言うんだったら、やはり高市さんのあれだと今ちょっと危なすぎるよねっていう。

武田:うん。そこの受け皿になるという。

鹿島:そこの政策をもっと出して、いってもいいのかなと思うんですよね。「高市さんと比べてうちはこうです」みたいな。

武田:はいはいはい。中道改革連合、真ん中にいますと。で、高市さんもこないだの会見で、「いや右傾化してる」というふうに言われてますけども、「普通の国を目指します」みたいなこと言ってましたけれども。

鹿島:高市さんだって総裁選の時「私こそ穏健保守」みたいなこと言ってましたからね。だからみんなにとっての真ん中って、それぞれ真ん中だと思ってるんでしょうけどね。

武田:そうね。だからなんか「私が真ん中です」「僕たちこそ真ん中です」っていう、これの主張が一番票につながるというふうに考えてるっていうことなんでしょうかね。

鹿島:「真ん中」っていう打ち出し方、その精神はいいとしても、そのまんま打ち出すっていうよりは、もっと「高市さんとは違ってこれをやるんです、高市さんとは違ってこれなんです」っていうほうがいいのかなとは思うんですけどね、見え方としてね。

武田:そうね。あと高市さんがね、その会見で言ってたのが、「国論を二分してる問題を、もうこの選挙で」っていうふうに、今それこそネットで話題になってますけど、「え、これ白紙委任したことになっちゃうの?」っていう、この問題点っていうのもかなり大きいですよね。

鹿島:だからスパイ防止法云々っていうのも、もっと具体的に中道のほうも言っていったほうがいいと思うんですよね。

武田:この短い期間の中で、どこまで議論が尽くされるのかっていうのを見ておかないと。

鹿島:本当に短い。その「短期決戦」っていう言葉に惑わされないように、ちゃんと考えていかないと。

西村:このコーナーはPodcastQRでも配信しています。ラジマガコラム『プチ鹿島の「朝からタブロイド」』でした。

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