イスラエル出場をめぐり4カ国がボイコット表明
マライ:そして最新の揉めごともちょっと紹介したいな。
武田:まだあるんですね、最新も。
マライ:うん、ずっと揉めてますね。それはですね、イスラエルの出場についてなんですね。イスラエルもずっと参加している国の一つではあるんですけど、今年も一応出場することになっているんですね。
それに対してアイルランド、スペイン、オランダとスロベニアの4カ国は、今回コンテストをボイコットすると発表したんですね。それはもちろんそのパレスチナ・ガザ地区での戦争とか、あと不公正な投票の疑いを理由にやっているわけなんですね。
だからイスラエルの排除を求めてきたわけなんですけど、結局参加するんだったら「じゃあ私たちはもう参加しません」と公表して。おそらく参加しないということになっているんですかね。
何が背景にあったかというと、もちろんそのパレスチナ・ガザ問題なんですけど。実は去年のコンテスト、2025年のコンテストでは、イスラエルが出していた国がすごく人気だったんですね。2位に輝いたんですよ。
武田:2位。
マライ:で、視聴者投票では1位だったんです、実は。もうすごくいい成績だったわけですね。で、女性だったんですけど、ユバル・ラファエル(Yuval Raphael)という24歳の女性がバラードを歌っていたんですけど。彼女はですね、ハマスの襲撃から生還した体験を歌に込めたんですね。
まあ、ある意味政治的な曲かもしれないんですけど、でも自分の個人的な気持ちを歌ったわけで、それがすごく感動的だったので、視聴者にはとてもウケが良かったわけなんですけれども。
ただですね、彼女のその出場については、イスラエル側がものすごくバックアップしていたのではないでしょうか。ものすごく政治的な利用が実は疑われていたんですよ。なんか送り込んだんじゃないのっていうね。
ある意味そのイスラエルの政権のプロモーション、ネタニヤフのプロモーションとして使われたんじゃないのっていうことで、もう開催地でのデモが起きていたりとか、反対運動が起きていて、ステージ乱入未遂とか、そういうことあったわけなんですね。
だから、なんかその被害者の政治的な利用なんじゃないのっていうのがすごく議論になったんですね。で、それが解消されていないので、今年はやっぱりもうイスラエルがもう1回参加するんだったら我々はダメよっていうことだったんですね。
武田:去年あんなことあったのにまたOKするってどういうこと、ということで出ないと。
マライ:ちなみにドイツ政府はまたもね、過度にイスラエルの肩を持ってしまって、ボイコットの呼びかけを批判して不評を買ったっていうね。なんかドイツ、ちょっと政府あるあるな展開に残念ながらなってしまったってことなんですね。
今年に関してなんですけど、新しいルールが実はあるんですね。それが去年の12月に決まったんですね、EBUの会合で決まったと。それはですね、政府や第三者による組織的な投票キャンペーンは禁止にします、というルールなんですね。
これはまあBBCのニュース見てみると、この新しいルール、明らかにイスラエル政府を意識しているよね。去年の要するにあの問題。だから政府とか第三者は、組織的な投票キャンペーンはしないでねっていうこと。
武田:しないでねってことは、「あった」ってことになりますもんね。
マライ:そういうことになりますよね。で、今回このコンテストに参加したいんだったら、この新ルールに賛同しないといけないわけなんですけど。
賛同するってことは、イコール、イスラエルも参加するよねってことですね。「イスラエルも、はい賛同しますね」って言ってるわけだから、自動的にあのイスラエルの参加にイエスを言うことなので、それに対してその4カ国が怒ったわけですね。
武田:なるほどね。
マライ:これはずるいと。我々はダメだと。いうことになりました、というのがまず今までの揉めごと紹介ですね。
ドイツ代表がいつも「パッとしない」3つの理由
マライ:でですね、ちょっと中身についての話なんですけど。まあドイツ人なんですね、私は。なのでちょっとドイツについて喋りたいなと思うんですけど。実はドイツの代表、いつもねパッとしないんですよね。
武田:パッとしない。困ったね、これ。
マライ:困ったな。ユーロビジョンのね、成績悪いんですよ、常に。
西村:へえ。
武田:これは冷静に分析するとどうしてなんでしょうかね。
マライ:あのね、2回一応優勝しているんですよね。82年、砂鉄さんが生まれた年ですね。
武田:生まれた年ですね。だいぶ前だよ。
マライ:あと2010年。やや記憶にあるなっていう感じなんですけど。で、じゃあドイツがパッとしない理由。探ってみましたね。
これはですね、さっきみんなちょっとね「おやおや」って言ってた、要するにドイツがいきなりファイナルに参加できる権利とも関係しているかなとは思うんですけど。要するにね、ちゃんとずっと戦って這い上がってたら、他の国は、そのドイツの代表曲を何度も聴くチャンスがあるんですよね。
武田:そうね。
マライ:なんか耳に残るっていう。それをやらないから。いきなりファイナルでドンってやるから、「何これ」ってなって、あんまり応援されないのかなっていう。
武田:もう原因わかってるじゃないですか。もっと叩き上げで出てこいよってことですよね。いきなり決勝で歌いますって言ったら「誰この人」っていうことになるわけでしょ。
マライ:はい。あとまあ2つ目なんですけど、まあドイツの代表曲、ちょっとね近年だと無難すぎる。英語が中心。国民的な合意を得やすい曲ばかり選んでしまったんじゃないかな。だから個性がないよね。ダメじゃないけどめっちゃいいわけではない。
というのがもああるんですよね。で、その前はずっとドイツ語の曲やってたんですけど、それはそれであんまり他の国には理解されなかったっていうのもあって。結局なんかそのスウェーデンのABBAとかと比較すると、まあウケが良くないよねっていう。
武田:はいはいはい。
マライ:あと3つ目ですね、投票ブロックの噂。なんかね、ユーロビジョンだとね、まあもちろん非公式ではあるんですけど、北欧圏はお互い応援するんですよ。バルカンもお互い応援するんです。旧ソ連圏もお互い応援するんですけど、ドイツを応援する国はないんですよ。
武田:ないんだね。
マライ:残念。
武田:残念。
マライ:嫌われるわ、みたいな。
西村:(笑)。
マライ:ていうので、まあ今年はどうなるのかな。なんか本当にね、この間15日にドイツの参加アーティストが発表されたんですけど。うーん、無難だったんですよね。
武田:無難だったんですね。突出する感じないですか、今年も。
マライ:そう、なんか一つのグループだけが、ポーランド系とイタリア系のドイツ人の若者たちが一緒に「イタリア系ポップス×東ヨーロッパ的なユーロビートみたいなのを合わせました」みたいなのはあるんですけど。まあそれがウケがいいかどうかというのはわからないんですよ。
武田:でもそれ、国内でも別にこのユーロビジョン目指そうぜみたいな勢いがそんなにないってことなんですかね。それでもやっぱり目指したいは目指したいんだ。
マライ:目指したいんですよね、みんな。
武田:だけど対策が練られてないという。
マライ:そうなんですよね。どうしましょう(笑)。
単なる音楽の祭典が「情報戦の場」に
マライ:だから本当に難しいわけですよね。だからその政治的に無難な曲とか、まあドイツの路線だとつまらないという印象が強くなるし、尖った曲だったら揉めるっていうのもあるわけだし。
うーん、とても難しくなるわけですね。だからそのイスラエルのやり方含めて、ロシアの広報戦術とかね、まあそのメジャー化をどう受け止めるべきかというのは気になりますし。なんかね、単なる音楽コンテストのはずだけど、いや実は情報戦の場になっているんだよねということで。
そしてドイツ問題。
武田:ドイツ問題ね。
マライ:ドイツ問題もあるよね。というのでね、昔はねすごく国際的な祭り感は強かったんですけど、楽しかったんですけど、今年は実はそのソングコンテストの裏側にどんな揉めごとが隠れているのか、隠れてないのか。EUが一つになるかどうか。
武田:まあでもね、こういう音楽のお祭りではあるけれども、このEUというものが一つにまとまろうとすると、大変なことになるんだぞっていうような、一つのなんかこう例になってしまっているってとこもありますもんね。
マライ:ありますね。だから一つになれば良かったんですけど、ならなかったら、ちょっとメッセージとしてマイナスかもしれないっていうね、そんなソングコンテストですね。
武田:そう言われると確かにね、なんかドイツ勢頑張れっていうふうに……。
マライ:えっ、ちょっと応援してくれるんですか?
武田:応援してもね、結果が5月に出るということですからね、注目しましょう。
西村:このコーナーは
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