沖縄の選挙が「楽しい」のは、心が折れないようにするため
武田:でも本当にこれ、小学校のクラスとかにいた、もう本当にずっと勝つまでじゃんけんするやつと同じ手口ですよね。
鹿島:そうそう。で、自分は人気あるから、いざとなれば強引にということができるわけでしょ。
武田:「勝った、勝ったー」というふうになるまでじゃんけんするやつが、いましたよね。
鹿島:3回目、4回目もこれ、続くんでしょうかね。そうするとやっぱり、ある種諦めムードが出て。だからこれ真面目なこと言うと、何かに似ているなと思ったら、沖縄のその住民投票とか県民投票とかもあるじゃないですか。
あと知事選でもね、よく問われて、何回結果出ても沖縄の場合は逆で、党中央の側が何も見て見ぬふりして「さあ工事始めます」みたいな感じ。そうすると結局、有権者の人たちって心折れますよね。
武田:まあやっぱりこう、自分たちが意思を示したとしても、それが反映されないんだったらと思って疲弊をしちゃうと。
その時にまた別の、「いや、じゃあこっちで沖縄の経済盛り立てますよ」とかっていうふうに言われると、「いや反対はしているんだけど、なんかもうまったく聞いてくれないから」みたいな、こう疲れさせるという効果があったわけですもんね。
鹿島:僕だから4年前ですか、今年また沖縄県知事選があるんですけど、県知事選を見に行ったんです。その時はやっぱり沖縄の選挙って「お祭りのようで楽しいよ」というのを、事前に取材している記者のジャーナリストの方から聞いて、「じゃあ行こうか、楽しそうだな」って行ったんですよね。
で、いろんな陣営見て、特に僕が見て印象的だったのは玉城デニー陣営、玉城さんですよね。けっこう年配の女性方がすごくグッズとか作って楽しそうにやっているんですよ。だから僕も思わず「楽しそうですね」って聞いたんですよね。
そしたら「いや、楽しいですよ。でも楽しくせざるを得ないんです。何回やっても、なんか投票が出ても、東京に届いてないから、心が折れてしまうので。折れないようには楽しくやるしかないんです」っていう。
「ああ、なんか沖縄の選挙が楽しい、賑やかだ、お祭りだっていうのは、そういう実は裏事情というか、切実な事情もあるのかな」と思って。
まあ今回、維新もやるまで、勝つまでやるみたいな感じは、なんかちょっと似ているなと思って。問われますよねこれ。心折れたら負けだよっていうのがね。
「表出ろ選挙」という民主主義の逆転
武田:そうね。でもまあ3回もやる側から、まあ投票する側からしたらね、なんかいつまでやるんだってことになりますよね。
鹿島:で、「勝つまでやる」みたいなことで、「決めてからじゃあ話し合おう」みたいになると、諦めムードみたいのも出てくるのかなと思うし。だからこそ、ちゃんとそこは見とかなきゃいけない、論評していかなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですけどね。
武田:まあ今回この選挙に入っていくのだとすれば、それこそ維新がずっと一丁目一番地だというふうに、まあずっとというか新設した一丁目一番地であった「定数削減」というのが、実現されないまま選挙に突入するわけですけれど。
この維新側が「なんでこの定数削減やらないんですか」というふうに自民党側、高市(早苗)政権側に怒っている感じがしないのが不思議でございますけどね。
鹿島:いやそうですね。で実際「国保逃れ」という見方も当然あるし、あとさっきのプロセスとかやり方っていうのをもう一度詳しく説明すると、これ2011年に都構想実現を掲げて橋下(徹)知事が大阪市長選に出て、松井一郎府議が知事選に出馬してダブル選で勝利。だからある種入れ替えですよね。
で、その後住民投票があって負けて15年。すると2019年、松井知事と今度吉村市長が任期途中で辞職してポストを入れ替えてダブル選で勝利。だから別に何にも問われてないのに、自分たちから「じゃあもう出直しするんで、市長と府知事を入れ替えるんで、ちょっと選挙やらしてください」っていう、そういうやり方ですよね。
で、今回もまあ同じですよね。そうすると何なんだろう、やっぱり選挙の使い方っていうのが、さっきの脱法の国保逃れとか公金還流スキームと同じで、「いや別にルールの範囲だからいいじゃん」っていう理屈は成り立つんですけど、同じ匂い、やり方を感じてしまうんですよね。
だって「選挙、いいじゃんやったって」っていう。「何が悪いんですか」みたいな。でも問われているのはそのプロセスであったり説明であったりするんですけど、そこをすっ飛ばして「表出ろ」みたいな感じで、入れ替えて出直してって、「何を出直すんですか」っていうことですよね。
武田:じゃあまあラジマガ的には、今回のこの解散、高市政権の解散のほうを「そんなことより解散」にして、こちらの本当にまあ再度都構想の選挙するんだったら、こっちはやっぱり「表出ろ選挙」ということに。
鹿島:「表出ろ選挙」ね。文句あるなら表出ろ。ごちゃごちゃ言うのやめて。で、結果が出たら話し合おうか、みたいな。これ、なかなかの手口。
武田:ぜんぜん民主主義じゃないですもんね。まさにでも、その「表出ろ」って本当にチンピラしぐさの典型ですもんね。
鹿島:だからゲンダイが「チンピラ、チンピラ」って書いているんですけど、だんだん言われてみればそうなのかなと思っちゃう自分もいるんですけど。
武田:確かにね。挑発的につけたこの言葉っていうのが、ちょっとしっくりくるような情勢になってきてますもんね。
鹿島:だからもちろん政策も大事ですけど、政局を見ると、じゃあ政策を掲げているんだけどそこで隠したい思惑って何かというのもちゃんと見とかなくちゃいけないし、それは国保逃れかもしれないし。
もっと言うと、自民党と組んだのはいいけどあんまりパッとしてないから、じゃあそれこそ一丁目一番地の都構想にまた戻ろうかという、そういう思惑があるのかもしれないし。じゃなきゃこれ、理解できないですよだって。
で、しかも民主的プロセスが必要って言っているわけですから。じゃあ今までこれ何話してきたんですか、3度目やらしてくださいみたいなっていう。決めてから話すっていうの、なんかちょっと違うんじゃないかなって思うんですけどね。
武田:昨日の夜のニュース番組見てたら、まあ解散するのであろうっていうのに合わせて、街の人に声を聞いて「これからの日本どうなってほしいですか」みたいなことを聞くわけですよね。
いやいや、「これからの日本どうなってほしい」ってことじゃなくて、「今何が起きているのか」っていうところに戻らないと、もう完全にその設定に乗っかりすぎてるだろうというふうに思って、僕はびっくりしたんですけどね。
鹿島:なんかメディアの得意なところで、「これからの話」、もっと言うと「未来の話」、きれいな話にしちゃうんですけど、じゃあ今何が行われて、プロセスどうでしたかというのがすっ飛ばされて、とにかく現実を受け入れちゃうっていうのもあるじゃないですか。それに対してはなんか論評していかなくちゃいけないんじゃないかなってずっと思うし。
これ、片山(善博)さん、元鳥取県知事の片山さんがこの毎日新聞で言っているのが、やっぱりこれ任期途中の辞職っていうのは不見識だと。で、出るにしても準備が整わない中で、ライバル陣営はですよ、現職2人の思惑で、これ市長と府知事ですね、選挙が行われるのは不公正だ。これ、今回の高市政権の解散戦略と似てますよね。
武田:似てますよね。
鹿島:やっぱり準備が整わない中で、思惑だけで「もう選挙やろうぜ」って言っているっていうのは、どうなんだっていう。だからやっぱりちょっとこう、自民と維新のこのね、自民からすればもう維新めんどくせえみたいになっているのかもしれないですけど、だから単独過半数目指すのかもしれないですけど、相性という意味ではやっぱりちょっと似ているなというのは思いましたね。
武田:まあでもこのまま選挙に突入したら、まあ大阪では、まあ別にこう譲り合うんじゃなくて、維新と自民党で張り合わせるっていうことにもなるというところなんでね。そこもどうなるのかっていうのは注目されますけれどもね。
鹿島:いやあ本当に。だって2月8日って言われてますよ。1月27日から始まって、もうあっという間ですよだって。本当に3週間とかね、それぐらいになりますもんね。
僕27日、初日の日なんて親知らず抜く日で予約入れてたので、本当に迷惑してますよ。初日から動けませんし。
武田:動けませんよね。
鹿島:なんかぶつけられた感じがすげえあります。
西村:(笑)。
武田:確か親知らずにね。
鹿島:どうしようかと思って。
武田:長引く可能性もありますからね。
鹿島:そうなんですよ。腫れたまま喋れねえし、みたいな。ちょっとどうしようかなと思っているんですけどね。
武田:でも鹿島さんだけじゃなく、いろいろ国会議員の方も親知らずの予定入れてる可能性ありますからね。
鹿島:ええっ? 一番これ何もなさそうな時だったから入れたのにみたいな。
武田:冬に選挙はないだろうと思ってね、いろんな治療を入れている可能性がありますからね。
鹿島:ちょっと狙い撃ちされた感じありますねなんかね。
武田:本当にそれぞれ個々の事情と言いますか、それがドタバタしますよ。
鹿島:そうですそうです。
武田:大変ですよやっぱり。いきなり選挙やるっていうのはね。
西村:このコーナーは
PodcastQRでも配信しています。ラジマガコラム『プチ鹿島の「朝からタブロイド」』でした。