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マライの気になる世界のアレ!(全3記事)

ベネズエラ攻撃、アメリカ世論の賛成はたった25% トランプが「質の悪い原油」を欲しがる、意外すぎる理由 [1/2]

【3行要約】
・アメリカがベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束する一方で、トランプ氏は「ベネズエラの原油生産をアメリカが運営する」と発言し、石油利権への関心が浮き彫りに。
・マライ・メントライン氏によれば、ベネズエラは質は悪いものの世界最大の石油埋蔵量を持ち、アメリカには重質油処理施設があるため、両国の石油をめぐる因縁は1970年代に遡ります。
・「石油時代の終わり」が叫ばれる中でも原油生産量は増加し続けており、今後も石油が政治カードとして使われ、支配の象徴となる可能性が高まっています。

アメリカがベネズエラを攻撃、世論調査では賛成25パーセント

西村志野氏(以下、西村):ここからは前半レギュラーのラジマガコラム、月曜日はマライ・メントラインさんの『マライの気になる世界のアレ!』。今日はどんなお話でしょうか。

マライ・メントライン氏(以下、マライ):今日は原油の話をしたいなと思います。「世界のアレ」で気になるのは、やっぱり原油だなって最近気づきました(笑)。

武田砂鉄氏(以下、武田):気づきましたか。

マライ:自分が原油に興味を持つ日が来るなんて思ってもいなかったんですけど、そういう日もあるわけなんですね。なので今日のテーマは「なぜ今、原油が熱いのか」にしたいと思います。

前回は2025年の国内外ニュースをまとめてみて、今年の漢字は「熊」だったわけですね。あと小池都知事が選ぶ漢字だと「変」ですね。私は去年も今年も「札(ふだ)」という漢字を選ぼうかなと思っています。

武田:今年、2026年のものをもう決めましたか? なぜゆえに「札」なんでしょうか。

マライ:トランプ大統領ですよね。トランプと言えば札ですよね。

武田:説明いただけますかね?

マライ:トランプゲームの札なわけですよね。

武田:そういうことか。

西村:今わかりました。

マライ:ひねりすぎましたね。

武田:確かに「札」のほうのトランプのことあまり考えずに、トランプって聞くとお顔立ちがバッと浮かんじゃいますけど。じゃあ、去年も今年も「札」で。

マライ:「札」で行こうかなと思います。それは今月3日、アメリカがベネズエラを攻撃したことに関係してるわけなんですけど。そこでアメリカがマドゥロ大統領とその妻を拘束して、アメリカに連行しました。

ちなみにアメリカのいくつかの世論調査の結果を見てみると、アメリカがマドゥロ政権を失脚させることに賛成しているのは、たった25パーセントだったわけなんですね。けっこう少なかったんだなというのがまず印象的だったわけなんです。

もちろんこの作戦の賛否はいろいろあるわけなんですけど、私が本当に気になったのがトランプのこの発言だったんです。「ベネズエラの国の運営と原油生産を、アメリカがとりあえずやる」ということだったんですね。何でだろうな、と思ったんですね。

武田:そもそも拘束した時には、マドゥロ大統領が麻薬組織の中核にいるんだ、だからこそ拘束しなくちゃいけないんだってことになってましたけど。もう次からその話はほとんど出なくなりましたね。

マライ:裁判が今続いているわけなんですけど、確かにその麻薬ルートを断つとか、今回の作戦が終わったら次は別の麻薬ルートをやるのかなとか、そういう話もあったんです。でもいつの間にか原油の話になってきて、なんでだろうと思いました。

1970年代に遡る、アメリカとベネズエラの石油をめぐる因縁

マライ:ポイントが2つあると思います。まず、アメリカがなぜベネズエラの原油生産を狙い撃ちでゲットしようとしているのか。2つ目は、先週のニュース解説でよく出てきた「ベネズエラの原油は質が悪い」という話です。だったらなぜアメリカが、こんな質の原油をそんなに欲しいんだろうかと気になり出しました。

ここでまず歴史を振り返ってみようかなと思っています。まずトランプ大統領の主張ですが、「アメリカ企業は1970 年代にベネズエラの石油産業を築き上げたけれど、1976年に左派政権がこの産業を奪って国有化した。つまりこれはアメリカからの略奪に他ならない」という主張なわけなんですね。

要するに、アメリカがそこにいていろんなものを築き上げたのに、取り上げられちゃったということなわけなんですね。

その後どうなったかというと、確かにベネズエラ政権が76年に国有化を進めましたが、すべての外国の石油企業を追い出したわけではないんです。ただ契約条件はものすごく悪化してしまって、「これだったらやってられないわ」ということで身を引いた企業は多かったわけなんですね。どんどん撤退して、残ったのがChevron(シェブロン)という大手なんですけど。

撤退した企業のうち、アメリカの石油大手のConocoPhillips(コノコフィリップス)があるんですけど、当然の対応をめぐって実は今なおベネズエラ政権に対して100億ドルの請求をしているわけなんですね。裁判しているわけなんです。

だから話として実はぜんぜん終わってなかったんだということなんですね。なるほど、アメリカの言い分としてそういう歴史があるんだな、と理解はしました。

アメリカ政権もこの件に関しては制裁をベネズエラ政権に対して科していて、それがわりと最近の2019年の話だったわけなんですね。制裁の一環としては、海上封鎖があって、アメリカが時々タンカーを拿捕(だほ)しているわけです。それは実はこの歴史とも関係しているんだなということです。

最後のポイントとして、なんとなくですがアメリカからすると、左派政権に自分のものを奪われたという感情的なポイントもあるんじゃないかなという気がしますね。

埋蔵量世界一なのに「超重質油」、ベネズエラ原油の実態

武田:それをまとめると、トランプ側が作るストーリー設定というか物語というのは、かなり用意できるということではあるわけですよね。

マライ:そうなんですよ。ベネズエラは国有化したのはいいかどうかわからないですけど、結果としてインフラがものすごく脆くなってしまったというのが現状です。

では「質の悪い原油」とはそもそも何なのかが気になります。実は原油の質には「軽い」と「重い」というのがあって、軽いほうが上質とされています。サラサラでなんとなく使いやすかったりはするんですね。重いほうがドロドロしていて、それを別のものに変える場合は手間もコストもかかるわけです。

 だったらサラサラしたほうがいいよねとなるんですが、ベネズエラの原油はただ重いだけでなく、最も重い「超重質油」なんです。

武田:超重質油。

マライ:超重いやつなわけですね。硫黄分も多くてそのまま使いにくいんです。質は相当低いことになっています。だからコメンテーターがおっしゃっている「質が実は良くない」というのは合っています。

じゃあどうするかということなんですけど、ベネズエラは質は悪いとはいえ、石油埋蔵量は世界ナンバーワンなわけなんですよ。3000億バレル以上あります。

武田:なかなか「3000億バレルね」という坪感を想像するのは難しいですけどね。

マライ:難しいので調べました。1バレルは約159リットルということなので、私の基準である牛乳1リットルに換算してみました。約4兆7700億リットルでした。

武田:逆に想像できない。逆に遠のいた感じはしますけどね。まあとんでもない量がベネズエラからは、世界ナンバーワンで出ると。ただ質が悪いということですね。

マライ:なのでそれをちゃんと採掘すれば、1番のお金持ちの国になれるんじゃないかとも言われてます。

武田:本当にコントロールできればということなんですね。

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